セグウェイが日本を走る
近頃、北海道の広大な大地に寄り添う「十勝千年の森」に、時おり立ち乗り二輪車を走らせるグループが出没している。また沖縄の高級リゾート「カヌチャベイホテル&ヴィラズ」でも、カップルが立ち乗り二輪車で走り抜ける姿をしばしば見かける。さらに長崎のテーマパーク「ハウステンボス」や、名古屋の「中部国際空港(セントレア)」など、あちらこちらでそれを目撃したという情報が伝わってくる。この日本各地を駆け巡るちょっと変わった乗り物こそ、今世界で大流行している「セグウェイ(Segway)」なのである。
セグウェイはアメリカの発明家、ディーン・ケーメン(Dean Kamen)が開発したもので、電力によって駆動する、セルフバランス機能を備えた一人乗りの乗り物である。ガソリンを使わず、一回フル充電すると40キロメートルも走ることができるため、たいへんな人気となって、すでに全世界で約4万台が販売されている。以前は主として警察や警備、あるいはゴルフ場などで使用されていたが、最近になって世界240箇所以上の場所で公認の「セグウェイ・ガイドツアー」が行われるようになった。国内では日本SGI株式会社がいち早く普及に乗り出し、日本各地で導入することに成功した。
「十勝千年の森セグウェイツアー」の参加者は、まず30分間セグウェイの乗り方を練習してから、ガイドの引率にしたがって草原を走り抜けたり、丘に上がったり、山の上に登ったりする。セグウェイを駆使することで、徒歩やマウンテンバイクのような疲労を感じることのない走行の快感を味わうと共に、美しい景色を眺めて大自然の魅力を感じ取ることができ、合計5キロの行程は楽しさと爽快感に溢れている。また、「中部国際空港」のターミナルビルにはセグウェイによる見学ツアーがあり、チェックインカウンターやスカイデッキなどの全行程を楽しむことができ、旅客たちの注目を集めている。
日本国内では、道路交通法の制限があり、セグウェイを公道で走行させることはできない。だが、アメリカの45以上の州すでに道路交通法でEPAMD(Electrical Personal Assistive Mobility Device)というカテゴリーに分類され、歩行者と同じように歩道での走行が許可されており、ヨーロッパの多くの国でも歩道や自転車道での走行を認める国が増えてきている。「セグウェイガイドツアー」が普及するにつれて、日本でもセグウェイが人々の心に深く入り込むのは間違いないだろう。 |