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タイトル:憂国通信  2008/08/11


敗戦記念日 産経記事「戦争に負けた理由をに分析し、次に負けないのが大切」 


何やら物議を醸しそうなタイトルだが、私の意見ではない。阿川尚之慶大教授が産経の「正論」に載せた意見文である。

2ちゃんねるで拾った記事だが、タイトルを見てちょっと気になった。出自を見て犬右翼の産経のしかも「正論」だったから、読まずにおこうかとも思ったが、一応目を通すことにした。

【正論】阿川尚之 終戦は日本の「選択」だった
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/168645/ 

≪1945年8月15日、昭和天皇が国民にポツダム宣言受諾を告げ、3年8カ月に及ぶアメリカとの戦争がようやく終わった。それから63回目の夏がやって来た。≫

ということで、終戦記念特集のつもりらしい。

≪日本は完膚なきまでアメリカに叩きのめされ、この戦に敗れた。海路をすべて遮断され、空襲で徹底的に破壊され、最後は原爆を2発落とされて、なす術がなかった。戦争遂行能力どころか、国民の生存に最低限必要な物資・食糧が底をついた。

 おびただしい数の人が死んだ。台湾、朝鮮をはじめ、近代以降日本が獲得したすべての領土と権益を失った。残された本土は占領下に置かれ、日本は主権を一時失った。完敗であった。≫

一時どころか今も主権を失っていると思うのだが、まあいいか。

≪ところで「終戦の詔勅」以来、「敗戦」はずっと「終戦」と呼ばれている。日本人は不都合な真実をあいまいな言葉で糊塗(こと)するのが得意だ。「終戦」という言葉が定着したのは、戦争に負けたと言いたくない政府の意図を、多くの国民が共有したからだろう。右の陣営も左の陣営も、敗戦という言葉を避ける点において、奇妙に軌を一にしている。≫

「正論」の論客のくせに私と意見が一致しているな。私も言葉の言い換えでお茶を濁す根性は大嫌いである。

≪右の勢力はアメリカに負けたのが悔しくてならない。したがって彼らは、アメリカが卑劣な手段で日本を戦に追い込み、その上で予定どおり壊滅させたのだと説明する。真珠湾攻撃はルーズベルトの陰謀だった。日本人に対する人種差別ゆえにアメリカは広島へ原爆を落とした。日本は自衛のため戦わざるを得なかった。そう主張する。≫

これは嘘。現実の商業右翼はアメリカのポチではないか。アメリカの威光を笠に威張り散らしているようにしか見えないがなあ。

≪一方左の勢力は、無謀な戦争を起こしたのは天皇の下の政府と軍部であり、国民は犠牲者に過ぎないと主張する。自分たちは戦争を望まなかった。したがって負けた責任はない。とにかく戦争は終わったのだから、それで十分だ。今後憲法9条を守り戦争にかかわらないでさえいれば、平和は守れる。そう信じる。≫

こういう意見も工作員ぽいな。実際、左翼や市民団体は工作員だらけだからな。日本人を骨抜きにすることが目的なのである。

≪しかしどちらの言い分にも無理がある。挑発したアメリカが悪いといくら言ってみても、負けたという事実は動かせない。靖国神社の遊就館は、本来、戦勝記念博物館である。ところが勝つはずの大東亜戦争に敗れてしまったものだから、うまく説明できないでいる。≫

阿川氏の意見は変なのだが、「右翼と左翼の言っていることが間違っている」という事に関しては正しい。しかも「遊就館の展示が変だ」なんてことは指摘されて、私も初めて気がついた。これだけでもこの記事を読んでよかった。

≪悪いのは軍人で国民は関係ないというのも、事実と異なる。無謀な戦争を遂行した軍部の指導者は万死に値するが、同時に多くの国民がそれを支持し、熱狂し、武器を取って戦った。負けたあとで犠牲者を装うのは、卑怯だ。戦後一貫して平和主義を標榜(ひょうぼう)する多くの新聞も、戦争中は国民を大いに煽(あお)った。≫

「正論」のくせによく私の意見と合うなあ。私も日頃「この国民にしてこの政府あり」と思っている。

≪戦争に負けて真っ先にすべきは、敗戦の原因を徹底的に分析し、責任者を処分し、次の戦争には決して負けない備えをすることである。それをしないで、本当は負けていない、悪いのはアメリカだ、自分たちは犠牲者に過ぎないなどと、60年間ぶつぶつ言い続けるのは、潔くないし、何の役にも立たない。
負けは負けと率直に認め、そのうえで最善の策を取らねばならない。≫

責任者を処分はアメリカがサービスでやってくれた。寝返った奴が取り立てられるのは世の習いでしょう。犯罪性はあるものの60年は時効かな?

「次の戦争」というのが一番気になるところだ。核戦争だったらどうすんの?
策と言っても核シェルターを作るか、外国に逃げるくらいしか思い浮かばないけれど、放射能が消えるまでシェルターからしばらく出てこられないぞ。
故大藪春彦氏も言っていたが、「日本中が焦土と化したら、権力者がシェルターからのこのこ出てきても、搾取する住民が死滅していたら権力のふるいようがない」
最近は軍事技術も進歩しており、放射能汚染のないビーム砲やプラズマ兵器なども開発されている。中性子爆弾もそうだが、全てを破壊するするだけでは採算性が悪いので、人だけ殺してインフラは残したいという傾向にあるようだ。
戦争の根本的動機は支配欲である。相手国民が死ぬのはいいが、自国民が死ぬと威張れないから支配者としては困る。
無人の荒野など誰も支配したくないのである。
実際のパワーバランスは核なしでは語れない。阿川氏が通常兵器使用の限定戦争を想定しているなら、マシンガンを持っているのにそれを振り回して決闘しているようなものである。マシンガンで殴り合っても、やばくなればトリガーに手をかけたくなるだろう。
つまり、核を持ってない相手といえば、韓国か台湾くらいしかないぞ。後はフィリピンか? 阿川氏はこれらの国と戦争をすることを想定しているのかな?

むちゃくちゃ核武装して戦争放棄宣言するのが実は一番安上がりなんだけどなあ。イージス艦やオモチャ戦闘機や迎撃ミサイルより大陸間弾道ミサイルのほうが安いし防衛効果は高いと思います。
えっ、「旧式のICBMだとキラー衛星に打ち落とされる?」
飛ばさなくてもいいんですよ。筒井康隆氏が「アフリカの爆弾」で書いていましたが、ある程度以上の核弾頭になると、「飛ばしても意味はない」ということです。
相手に向けて飛ばすのは観念的な意味しか持ちません。下手に飛ばすと迎撃されるから自爆が一番。小規模な戦術核だったら中性子爆弾でもいいけれど、実際に核攻撃したら確実に核で報復される。すると、所有している核で自爆することになるから、結局は同じことですね。
核武装するだけで、他は止めちゃえば、防衛予算など今の半分以下で済みます。

以降の阿川氏の文章は意味不明なので割愛するが、「国民の意識が変わらない限り、日本はじり貧だなあ」という思いが強くなりました。

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