メルマガ:憂国通信
タイトル:憂国通信  2008/07/16


泥沼スーダン紛争 暗躍する中国の死の商人ぶり 

死の商人として歴史上最も悪辣だったのはイギリスとフランスである。後進のアメリカ・ロシアの稼ぎ方の荒っぽさが目立つが、英仏両国とも未だ現役である。
BBCが中共政府の稼ぎっぷりを批判しているが、「俺たちの上前をはねるな」と、新興著しい中国パワーに脅威を感じているというのが本音だろう。

核拡散防止やCO2排出規制にしても、先進国と新興国がことごとく意見が合わないのは、「先進国の過去」を新興国が熟知しているからである。

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BBCのスーダン報道は偏向=中国の劉特使が反論
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-AFP018556.html

≪15日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、中国がスーダンに対する国連の武器禁輸を破っているとの英BBCの報道について、同報道は偏向しているとする中国の劉貴今・ダルフール担当特使のコメントを掲載した。同特使はその中で、「スーダンへの中国の武器売却は小規模にすぎず、この軍用機器の取引がダルフール紛争を激化させてはいない」と論じている。≫

ということは、国連の武器禁輸を破っていること自体は認めているんだな。

≪BBCは14日、中国がスーダンに軍用機器を供与し、パイロットに中国製戦闘機の操縦訓練をして、国連の武器禁輸を破っているとする報道番組を放送した。BBCは2つの信頼できる筋の話として、中国がパイロットに中国製ファンタン戦闘機の操縦訓練をしているほか、スーダンが2年前に「K8」訓練機数機を輸入したと伝えた。さらに、中国の東風汽車公司の軍用トラック1台がダルフールの反政府勢力の手に渡っていることを突き止めたとしている。≫

目撃者の証言によると、このトラックは昨年12月にスーダン政府軍から奪ったものというから、さすがに中共政府も二股かけて武器を売りさばいている訳ではないようだ。実際のところは判らないけれど…。

スーダン紛争 逮捕状を請求 大統領の犯罪追及
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/m20080715018.html?C=S

≪スーダン西部ダルフールの紛争をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の検察局は14日、戦争犯罪(虐殺)や人道に対する罪でスーダンのバシル大統領(64)の逮捕状を請求する。2002年の設立以来、ICCが現職国家元首の犯罪を追及するのは初めて。バシル政権は態度を硬化させており、国連やアフリカ連合(AU)内で和平プロセスの崩壊を懸念する声が強まっている。≫

大統領に逮捕状とはもはや異常事態である。スーダンという国家は犯罪国家と言っているに等しい。
北朝鮮でさえここまでは言われていないのだから、事態のひどさが理解できるだろう。

≪ICCの設立条約には国連安全保障理事会の決議で捜査や訴追を凍結できるとの規定もあるが、国連の潘基文事務総長は「ダルフール情勢に与える影響を憂慮しているが、だれにも正義を妨げることはできない」と述べるなど介入には慎重な姿勢を見せている。≫

潘基文事務総長は常任理事国である中共の顔色をうかがっている。自身が事務総長になったときの腐れ縁が関係しているのだろう。

≪ダルフールでは03年以降、アラブ系のバシル政権が反政府組織を抑えるためキリスト教徒の黒人を大量虐殺、死者30万人、難民270万人を出し「世界最大の人道危機」と呼ばれる。国連とAUの合同平和維持部隊(UNAMID)9500人が展開しているが、政府系民兵組織の襲撃に備えて警戒態勢を強化した。≫

キリスト教徒がイスラム教徒に虐殺されているというのが欧米では我慢ならないのだろう。欧米では大騒ぎの事件なのだが、日本でこの話題を知る者のはほとんどいない。中共政府がやたらとスーダンに肩入れしている事実もあまり知られていない。

 
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