世界のカートゥーンで地球環境問題
「時間があらへん!」−カートゥーン(ひとコママンガ)を通して、地球の環境問題への理解を訴える「第8回京都国際マンガ展2008」が、京都市の京都国際マンガミュージアムで開催されている。来月行われる北海道洞爺湖サミットでは、地球温暖化が議題として取り上げられるほど問題が深刻化しており、いち早い対応が迫られている。このマンガ展は、地球環境をはじめ、民族紛争、無差別テロ攻撃などをテーマに、1991年の第1回から全国各地で開かれおり、2000年の第4回、アメリカ・ニューヨークの国連本部での展示は大きな話題となった。
今回、プロマンガ家によるプロ(一般)部門に世界じゅうの49か国から575点、新設された子どもたちによるジュニア部門には10か国、333点の応募があった。会場には、入選した作品268点を展示している。
プロ部門の金賞に輝いたのは、イギリスで雑誌、絵本などのカートゥーニストとして活躍するマーティン・ハネセットさんの作品。京都議定書と書かれた浮き輪とともに、温暖化によって生じた荒波に飲み込まれていく地球がリアルに描かれている。ほかにも、干からびていく大地、砂漠化する草原、どんどん伐採されていく森林、工場からの汚水やばい煙、降り注ぐ酸性雨、氷河が溶けて行き場を失うペンギンやシロクマ…いずれの作品も、今、地球が直面している環境問題がいかに深刻なのかを物語り、カートゥーンに込められた地球への思いが、痛々しいほど伝わってくる。
マンガ展を主催するNPO 京都国際マンガ家会議の玉田京子理事は「カートゥーンという子どもも大人も親しみの持てるやわらかいジャンルから、より多くの人に地球温暖化をはじめとした環境問題への危機感を抱いてほしい」と強調する。
7月6日まで。プロ部門展示の入場料大人1000円、中・高校生500円、小学生200円(ミュージアム入場料含む)。(飾磨亜紀執筆) |