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===================================================== 発行部数 26 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2008/05/17 (Sat) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.土曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 土曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル ごくせん 局 名 日本テレビ 放映日時 土曜21時 キャスト 山口久美子(仲間由紀恵) 猿渡五郎(生瀬勝久) 緒方大和(高木雄也)(「高」は本当は中がはしご状の漢字) 風間 廉(三浦春馬) 本城健吾(石黒英雄) 市村力哉(中間淳太) 倉木 悟(桐山照史) 神谷俊輔(三浦翔平) 夏目誠一(小泉孝太郎) 鷹野 葵(平山あや ) 鮎川さくら(星野亜希) 牛島豊作(佐藤二朗) 鳩山康彦(魁三太郎) 鶴岡圭介(石井康太) 熊井輝夫(脇 知弘) 朝倉てつ(金子 賢) 若松弘三(阿南健治) 達川ミノル(大江戸一家) 内山信二 菅原 誠(両國 宏) 馬場正義(東 幹久) 赤城遼子(江波杏子) 黒田龍一郎(宇津井健) 原作 『ごくせん』森本梢子(集英社YOUコミックス) 脚本 江頭美智留 横田理恵 松田裕子 主題歌 「虹」 Aqua Timez (EPICレコード) あらすじ 第5話「1人で生きてきたと思うな」 赤銅学院では進路相談のための三者面談が行われることになった。 それを聞いた3Dの生徒たちは一斉にブーイングを浴びせた。久美子 (仲間由紀恵)はやれやれと思いつつ、進学にしろ、就職にしろそう 簡単に決められるもんじゃないから今から真剣に考えろと言うが、聞 く耳を持たない。相変わらず猿渡教頭(生瀬勝久)に、「まっ、3D はその前に卒業できるかどうかわかりませんけどねえ」とチクリとさ れる始末だった。 健吾(石黒英雄)は実家が豆腐店だった。 「へえ、じゃあ後を継ぐのか?」 父親と一緒に面談した健吾に久美子は聞いた。 「んなわけねーだろ。朝早くから働いて、100円、200円もらっ て頭下げる。そんなのごめんだね」 「なんだと!」 健吾の侮蔑しきった口調に父親はカンカン、あわや大喧嘩になりそ うになって久美子は頭が痛い。 健吾の家は今母親が体調を崩し、父親1人で店を回している状況だ った。父親は店番を手伝えと言ってきたが、健吾は嫌がってやろうと しない。それどころか箪笥からお金をちょろまかして遊びに行ってし まった。 健吾は大和(高木雄也(Hey!Say!JUMP))や廉(三浦春馬)らと遊 び帰り、ひょんなことからクマ(脇 知弘)のラーメン屋でごちそう になった。 「ヤンクミの教え子とはねえ。腹減ったらいつでも来いよ」 「本当っすか?高校卒業してすぐ店継いだなんてすごいですね」 大和たちはクマに感心しきりだ。 「健吾、お前も豆腐屋継げば?」 そう言われて、健吾は嫌な顔をした。 「やだよ俺は。朝4時起きだぜ」 「けどよ、親父さんは継いで欲しいんだろうな」 クマがニコニコしながら言った。 「いやぁ、そんなことぜんぜんないですよ」 健吾は笑い飛ばしたが、かつて同じように店を継ぐのを嫌がったク マは健吾の姿に昔の自分が重なって思わず苦笑せずにはいられなかっ た。 そんな折、健吾の父親が倒れて夏目(小泉孝太郎)の病院へ運ばれ た。高血圧による一過性の発作ということで大事には至らなかったが、 夏目は入院を勧めた。 「そんなこと、うちの豆腐を買ってくれるお客さんに申し訳ない」 と父親は跳ね起きようとして、夏目に止められた。 「親父、年なんだから無理すんなって!」 久美子と駆けつけた健吾は元気そうでホッとしたものの、内心心配 で怒鳴った。 夏目も無理すると取り返しのつかない病気になると言ったので父親 は渋々受け入れた。 健吾の父親は箪笥の中にある30万を振り込んでおいて欲しいと健 吾に頼んだ。来週の金曜日までに振り込まないと大変なことになると いう。健吾は焦った。箪笥の金を健吾はこっそり5万ほど使い込んで いたのだ。 大変なことになったと健吾は大和たちに協力を頼んだ。大和たちは 学校も休んで働くという健吾の切迫振りに、もし返せなかったら学校 を辞めることになるんじゃ……と思ってクラス総動員で皿洗い、荷物 運び、ティッシュ配りなどに取り掛かった。 健吾自身もバイトを探していたが、時給の低いものばかりでうんざ りしていた。こうなったらスロットで稼ぐしか、と思ったが、たまた ま通りかかった中学の先輩で成田という男が5万を立て替えると言っ てきた。 「かわいい後輩を放っておけないからな」 成田は言った。 「ありがとうございます」 健吾は感謝した。 「これにサインしてくれる。一応ビジネスだから」 成田は金貸しの仕事をしていると言う。健吾は言われるままにサイ ンした。 5万を調達できた健吾はホッとした。そこへ大和たちが久美子に連 れられてやって来た。 「水くさいな。何で言ってくれないんだよ。こいつらお前が学校辞め ると思ってバイトしてたんだぞ」 久美子が言った。 「えっ、そうなの?」 「まあな、でも失敗しちゃった」 大和たちはミスの連続で1日持たずにクビにされてしまったのだ。 「悪いことしたなぁ」 健吾は謝った。そしてただ父親の金を5万ほどちょろまかしてしま ったこと、成田という中学の部活の先輩から金を借りたことを打ち明 けた。 「一応バイトを探したけど、安い時給ばかり。そんなのチンタラやっ てらんねえしな」 返済の目処がついて健吾は饒舌だ。だが久美子は違った。 「ふざけたこと言ってんじゃねえぞ!金をくすねるなんて最低じゃね えか!」 「わかっているよ、だから返そうとしてんじゃねえか」 「汗水たらして働きもしないで単に埋め合わせれば帳消しか?違うだ ろ!」 「いいじゃねえかよ、働こうが借りようが同じお金だろ」 「同じじゃねえよ!お前たかが100円や200円のために頭下げた くねえって言ったよな」 「ああ」 「けど親父さんは下げてんだよ。お前のために。そのおかげでお前は 何不自由なく暮らせてんじゃないのか?金の重みも分からないでいっ ぱしの口たたいてんじゃねえぞ!」 そう言われて、健吾も大和たちも返す言葉もなかった。 「うるせえ、うるせえよ!」 健吾は腹を立てて家に帰った。 その晩、健吾は久美子に言われたことを思い返し、罪悪感をひしひ しと感じた。健吾は自分で働いて返そうと思い成田に金を返すことを 決めた。大和たちは成田という男がヤバイ奴だと聞きつけて一緒につ いていった。 健吾は5万を返したが、成田はにらみつけた。 「おい、俺の貸したのは50万だぞ」 成田は契約書を出した。そこには50万という金額が書いてあった。 「うそだ!」 健吾は叫んだ。成田が勝手に契約書に50万と書いたのだ。健吾た ちは無視して帰ろうとしたが、成田は大人数集めて、健吾たちに暴行 を加えた。 「お前が払えねえなら親に払ってもらおうか」 「親は関係ないだろ!」 健吾は痛みをこらえて成田をにらみつけた。 「子どもの不始末を尻拭いするのは親の務めなんだよ!」 成田はさらに暴行を加えようとした。 「待ちな!」 久美子の声が響いた。 「人の弱みに付け込んで、だまして金を稼ごうなんてきたねえじゃね えか!お前らのやってることは仕事と言わないんだよ。お前らみたい なやつがいるから金のありがたみの分からない、仕事バカにする連中 が増えんだよ!」 久美子は怒りの鉄拳で成田たちに立ち向かい、あっという間に全員 叩きのめして、健吾たちを救い出した。 「お前らムチャしやがって」 「けどよ、あのままだったら親父に申し訳ないし」 健吾は泣きそうな顔で言った。 「そうか」 そこへ夏目から電話があり、健吾の父親が病院を抜け出したと伝え てきた。 「店だ!」 健吾は父親が仕事を放っておけない性分なのをよくわかっていた。 健吾の父親はやはり仕事をしていた。 「親父何してんだよ!」 健吾は思わず怒鳴った。 「あまりムチャしないでください」 久美子も言った。だが、父親はこうでもしてないと退院させてくれ ないからと笑っている。 「あのな、商売ってのはてめえの都合でなく、お客さんのためにすん だからよ」 そう言って仕事の手を止めようとしない。健吾たち、そして心配し て駆けつけて来た3Dの生徒たちを前に久美子は静かに言った。 「よく見るんだ。これが働くってことだ。自分の身を削って、責任も ってやるもんなんだ。そうやって得たお金だから価値があるんだ」 久美子の言葉に健吾は初めて父親の偉大さが分かるような思いがし た。 「親父ごめん」 健吾は家の金を使い込んだことを心の底から謝った。父親は拳骨を 一発食らわせたが、突っ立ってないで手伝えと言った。健吾は泣きな がら手伝い始めた。 「でもさ、豆腐作ったら病院もどれよ」 「なんだと」 父親は耳を貸そうとしなかった。 「ちゃんと身体治せよ。じゃなきゃ、豆腐作れなくなるんだぞ。それ でいいのかよ!」 健吾は泣きじゃくっていた。その思いに父親も打たれた。 「生意気いいやがって。わかった、戻る。ちゃんと治す」 そう約束した。父親について真剣に手伝う健吾を見て、久美子も動 いた。 「よし、お前ら手伝うぞ!」 「おっしゃー!」 久美子と3Dの生徒たちは、一致団結して豆腐売りに取り掛かるの だった。 寸 評 父親の仕事を軽蔑する話は同じものが1作目のクマのときにあり ました。ストーリー展開的にもほとんど変わるところがありませんで したが、父の死を乗り越えるという面があった分だけクマの話のほう が味があったと思います。ただ、今シリーズの中では出来上がりは 1番だったと思いますし、これがごくせんという形でもあるので、マ ンネリと決め付けるのは適当ではないとも思います。 1つ気になるのは、演出が荒っぽいところです。シーンの切れ目が ばっさり切るような感じで余韻が感じられず、またCMへの入り方も タイミング的に悪いような気がしています。 執 筆 者 けん() ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 夏目漱石の「こころ」という小説を読みました。自分が好きな女性を、親友 からも好きだと打ち明けられ、協力すると見せかけて先に結婚を申し込んでし まう。友人は自殺してしまい、生涯ずっと引きずり、最後には自分も自殺する とい、何か略奪愛的な話です。そういう観点から見ると現代人の目にはよくあ ることのように思えてしまいますが、主題は利己欲から他人を裏切り、自分も 他人も信じられなくなるという人間の心の奥底に横たわる負の面の洞察にある ので、何度も何度も読むことで味わいが深まるのだろうと思います。(けん) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv/ url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |