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タイトル:憂国通信  2008/05/28


医者不足解消の迷案 「2級医師資格"をつくり医療費削減と若者の失業対策に」 

 『医療費のコスト削減策はこんなにある』 
 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/134/index.html 


経済アナリスト 森永 卓郎氏の医療制度に関する迷案がネット上で笑いものになっている。それほどひどい案とも思えないのだが、批判のコメントは痛烈なものばかりだ。
確かに、現在の医療制度は破綻している。正直言って、やや非現実的な文章であるが、何もしない政府に代わって解決策を模索するのは意義があると思うのだが…。

『医療費のコスト削減策はこんなにある』 

後期高齢者医療保険制度が4月から始まり、少ない年金から保険料を天引きされたお年寄りたちの悲鳴が上がっている。 

これまで健康保険組合に扶養家族として加入していた高齢者にとって、ゼロだった保険料がいきなり月平均6000円ほどになる。将来は、厚生労働省の試算でも月平均8000円、人によっては1万円になるだろうと言われている。 

年金でぎりぎりの生活をしている高齢者にとって、この金額はあまりにも厳しいとわたしは思う。 
国民の大部分もそう思っているからこそ、政府・与党に対する反発はここまで高まっているわけだ。

ここまでは誰しも「その通り」と賛同する文面である。

政府・与党は「高齢化にともなって毎年1兆円も医療費が増大するのだから、みんなで支え合わないといけない。高齢者本人も負担しなければ制度がまわらない」と主張するが、対策は負担額を増やすことだけなのか。もっと別の解決法があるのではないか。 

それもまさにその通り。

厚生労働省や政治家は、国民の負担を増やす前に、なぜ医療コストを削減する努力をしないのか。 
彼らはその点について一切触れようとしない。そして、国民に対して「高齢化が進むと医療費が増えるのが当然」だと信じ込ませようとしているのである。

本当にその通りだ。政府の無責任ぶりには頭にくる。


■医療費が増えているのに医療サービスが低下する矛盾 

本題に入る前に、後期高齢者医療保険制度にともなう負担の問題について、もう少し詳しく説明しておこう。 

負担が増えるのは高齢者だけと思っている人も多いかもしれないが(それはそれでもちろん大問題 ではあるが)、一般のサラリーマンもまた、この制度で厳しい状況に置かれていることを知って おいてほしい。 
遅かれ早かれ日本の医療制度はパンクすることは間違いない。 

後の部分はいちいち引用しないが、政府の杜撰な医療制度について言及している。

■医師の数を増やして医療コストを削減せよ 

なぜ、医療コストが下がらないのか。その理由は明らかである。需要が爆発的に増えているのに、供給を増やしていないからだ。高齢者が増えて患者は増大しているのに、医師の数が絶対的に足りない。 
実際、この10年間の医師国家試験合格者数をみると、2001年の8374人を除いて、ずっと7000人台で推移している。医師の供給はまったく増えていないのだ。その最大の理由は、政府が医学部の定員を増やさないことにある。 

これまた鋭いところを突いている。そうだ、医者が足りないからいけなんだ。増やせば問題は解決するだろう。

では、なぜ医学部の定員を増やそうとしないのか。 

ある政治家は、「医者の数がどんどん増えると、それに比例して医療費が増えてしまうからよくない」と述べている。だが、そんなことはありえない。供給が増えれば値段が下がるのは必然であり、国民が支払う医療費を抑えることができるはずだ。

そんな馬鹿なことを抜かしている政治家がいるのか?実名を公表しろ!

また、厚生労働省によれば、高度な知識をともなう医療分野の人材を医学部で養成するためには大きなコストがかかり、人数を増やすことは容易ではないという。 
だが、それなら、なんとか頭をひねって対策を考えるのが役人や政治家の務めだろう。医療制度の危機は待ったなしなのである。

これまた、その通り、天下りに金を渡すことしか能のない役人が何を抜かす!

例えば、こうしてみたらどうだろうか。建築士と同じように、医師の資格も1級と2級に分けて仕事を分担するのである。 

確かに、先端医療の場合には、高度な知識や技術が必要なことはわかる。しかし、中高年やお年寄りに多い慢性疾患の場合は、さほど高度な医療判断が必要だとは思えない。極端なことを言えば、 医者は話の聞き役にまわればよく、出す答えもほぼ決まりきったもののことが多い。もし、手に負えない症状であったり、急性疾患の疑いがあれば大病院にまわせばいい。 

ここで、「おいおい、ちょっと待てよ」といった感じになる。

 そこで重要になってくるのは、先端医療技術よりもコミュニケーション能力である。そうした技能の優れた人を養成して、2級医師にするわけだ。2級医師は4年制で卒業可能として、とりあえず大量に育成する。 

この御仁、カウンセリングに対して偏見があるようだ。

最近の若者には、福祉の分野で働きたいという意欲を持つ人が多いから、人は集まるだろう。 
病院が彼らを年収300万円ほどで雇えば、若年層の失業対策にもなる。

失業対策で雇われたアンちゃんにありがたがる患者がいるだろうか?

病院としても、そうした2級医師を採用して「早い、安い」を売り物にすれば人気が出るだろう。 
高齢者にとっては、待ち時間が減って、話をじっくり聞いてくれるので喜ばしい。こうした医療機関が普及すれば全体の医療費を下げられる。みんなハッピーになるのではないか。

残念ながら、妄想の域になってしまったようだ。

■歯科医を医師にするアイデアが実現しない理由 

医師の数を増やすもう一つの裏技がある。これは、ある医療経済学者の主張なのだが、歯科医に医療活動をさせるというものだ。 

歯医者も医者も医者のうちだからな。グッドアイデアかも。

現在、医師と比べて歯科医は数が余っているのが実情だ。一部には夜逃げをする歯科医まであると聞く。 

コンビニの数より歯医者の数の方が多いというのは有名な話だ。

これを医師に転換するというアイデアである。歯科医は大学で6年間勉強しているから、医療についての知識は当然持ち合わせている。少なくとも、一般の医療活動ならば十分にできる。 

お医者さんで、医者になれず歯医者になった息子がいる人にとってみれば、泣いて喜びそうな話である。

なかでも麻酔ならばお手のものだ。病院での麻酔医の不足が大きな問題となっているなか、日常的に麻酔を使っている歯科医は貴重な存在である。麻酔医を増やすためのコストがほとんどかからないので、確実に医療費の削減につながる。 

ずいぶん麻酔医をなめたものである。しかし、「歯科麻酔科」というのがあるのも事実。 

そして言うまでもなく、歯科医も消毒はするし手術もする。やっていることは医師と同じなのだ。 
耳鼻科医が医師であるのは、頭に近いデリケートな部分にかかわる医療をするからだろう。

なんか、耳鼻科に偏見があるような…。耳鼻科医が心臓移植したって違法じゃないんだぞ。

ならば、歯科医も医師であって悪いことはどこにもない。いますぐ、歯医者も医者をしていいという法律を定めれば、医師不足や医療コストの問題は解決するのだ。 

どうも、むちゃくちゃな論理の展開をしたので、ほとんどの人はこのあたりでまともに相手をしていないだろうが、失業者のアンちゃんなど登場させずに、いきなり歯医者を2級医師に格上げする案を提案すれば、少しは相手にしてもらえたか?

歯科医を医師にせよという意見は、いままでにもあった。だが、残念ながら厚生労働省に門前払いにされ、検討さえされていない。その理由は見当がつく。日本医師会が自民党の有力な支援団体だからだろう。なんだかんだいっても、医師会は自分たちの利権を守ろうとし
ており、その意向に政府・与党は逆らうことができないのである。 

ここでまたまた正論に戻る。読者を説得させようと思うんだったら、途中でおちょくりを入れないことだ。

もちろん、勤務医で劣悪な労働条件で働く医師もいるが、法外な報酬を得ている開業医も少なくない。

それは患者の勝手だろう。ボッタクリでも行きたいから行くのである。カリスマ性というのも医療にはけっこう必要だ。
「劣悪な労働条件で働く医師」
医師に限らずこういう人は多い。日本の産業構造は基本的にこのような極一部の善意の人によって保たれているわけだ。
私の感じでは、どこの業界でも、いてもいなくてもどうでもいい人が50%、そこそこ働く人が20%、尊敬するくらいくそまじめに働く人5%、足を引っ張る怠け者20%、悪業非道の輩5%といったところだろう。通信簿の5段階評価だ。

そうした利権に切り込まなければ、医療費の抑制はありえない。それを実現するには、強力な政治家のリーダーシップが必要なのだが、残念ながらいまそれをやろうとする政治家は日本にはほとんどいない。 
その結果、取りやすいところから金をとろうとして医療費が上がるわけだ。医療費を上げても、デモもストライキもやらないおとなしい国民だから、政治家にとってこんな楽なものはない。 
問題は、次の総選挙の一票で意思表示できるかどうかである。 

私がいつも書いているような文言だが、人の書いたものを読むと虚しいな。


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