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タイトル:Daily Drama Express 2008/02/12 ハチミツとクローバー (6)  2008/02/19


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/02/12 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル ハチミツとクローバー
局  名 フジテレビ系
放映日時 火曜21時
キャスト 花本はぐみ(成海璃子)
 竹本祐太(生田斗真)
 野宮 匠(柏原崇)
 山田あゆみ(原田夏希)
 山田大五郎(泉谷しげる)
 真山 巧(向井 理)
 森田 忍(成宮寛貴)
 花本修司(村上 淳)
 原田理花(瀬戸朝香)
 勅使河原美和子(滝沢沙織)
 ローマイヤ先輩(木村祐一)
 庄田教授(松重 豊)
 寺登泰彦(前川泰之)
原作   『ハチミツとクローバー』羽海野チカ(集英社 QUEEN'S COMICS 刊)
脚本   金子茂樹
主題歌  平井 堅 「キャンバス」(DefSTAR RECORDS)

あらすじ 第6話「一人前にはなぜなれますか」

 僕、竹本祐太(生田斗真)は就職活動に追われる日々だった。しか
し結果は芳しくなくてイライラしていた。ニューヨークから突然戻っ
てきた森田さん(成宮寛貴)が“おかえんなさいパーティ”をやって
よとまとわりついてくるので思わず怒鳴ってしまったほどだ。もっと
もそれ以上にはぐちゃん(成海璃子)の気持ちを考えようともせず相
変わらず好き放題やっていることに我慢できないというのがあったけ
れど。

 森田さんは山田さん(原田夏希)やはぐちゃんにもまとわりついて
いた。
「ねえ、俺って戻ってこなかった方がよかったのかな?」
 森田さんはいつになく真剣な様子ではぐちゃんに聞いた。
「いいえ嬉しいですよ。私は森田さんが帰ってきてくれて嬉しいです」
 はぐちゃんはそう言ってにっこり微笑んだ。それを聞いた森田さん
は思わず涙ぐんでいた。

 勅使河原さん(滝沢沙織)がぎっくり腰で入院してしまったので、
山田さんに出している仕事は野宮さん(柏原崇)が引き継ぐことにな
った。
「そういうわけだから、金曜までに8個作ってくれる?」
「えっ、そんなに?」
「嫌ならいいよ、別の人に頼むから」
 野宮さんは挑発するように言った。
「や、やります」
 野宮さんの思惑通り山田さんの負けず嫌いに火がついた。

 真山さん(向井理)は勅使河原さんの事務所の状況連絡を兼ねて勅
使河原さんを見舞った。帰り際、原田理花(瀬戸朝香)が勅使河原さ
んを見舞いに来たけれど、真山さんは気づかなかった。一方原田理花
の方と言えばどこか真山さんのことが気になるみたいだった。
 帰り際に火傷を負ったときの主治医に声をかけられ、原田理花は挨
拶をした。主治医は火傷の跡をきれいに治そうとしない原田理花のこ
とを気にしていた。
「いいんです、このままで」
 原田理花は口をつぐんだ。時間とともに忘れたくないことも次第に
忘れていく。亡くなっただんなさんとの思い出さえも、ゆっくり消え
ていくように思えていたのだ。

 なかなか就職が決まらない僕を見かねて、花本教授(村上淳)が知
り合いの小さな会社を紹介してくれた。オーダーメイドの家具を取り
扱っているという。
「行くだけでも行ってきたらどうだ」
 教授に言われ、僕はとりあえず行ってみることにした。

 芸術文化賞を受賞したはぐちゃんは記者会見を開いた。記者からは
今後の夢や構想を聞いてきた。しかしはぐちゃんは困ったような顔を
して小さな声で「わからない」、「決まっていない」と答えるだけだ
った。はぐちゃんは田舎で静かに絵を描いていたいと言っていた。賞
を獲ることに追われるのが精神的苦痛なのは明白だった。

 森田さんははぐちゃんの答えにきょとんとしている記者たちを見て
面白がっていた。そこへ寺登さん(前川泰之)が現れた。
「久しぶりじゃん」
 森田さんは笑った。
「最終審査に残らないってどういうこと?」
 寺登さんはいきなり冷たく言い放った。森田さんも芸術文化賞に出
品していたが予選落ちしていたのだ。
「自信あったんだけどねえ」
 森田さんは茶化すように言った。
「もっと日本のトレンドに沿った作品を作るべきでしょ」
 大先生と呼んでいたときとは明らかに違った。
「あんた、陰でなんて言われているか知ってる?ニューヨークから逃
げてきた負け犬だよ。もっとしっかりしてよね」
 そうはき捨てると、寺登さんは去っていった。森田さんは思わず肩
をすくめた。

 数日後、花本教授から内定を知らされた。店長が僕の性格をとても
気に入ってくれて是非にと言ってるらしい。正直僕は迷っていた。本
当にこれでいいのかわからなかったのだ。なんとなく決めようとして
いるだけに思えた。
「でもよ誰かから必要とされるってそんな簡単なことじゃないと思う
よ」
 真山さんに相談したらそう言われた。僕なんかよりよっぽど才能が
あるのに真山さんはそんな風に思っていた。原田理花に必要とされな
いことに悩んでいるのがわかるから、すごく実感がこもっていた。あ
の人に必要とされるまで会わないで頑張る、真山さんでさえ思い通り
にはいってないのだ。

 その晩僕は店長に電話し内定を受諾した。それを聞いて森田さんた
ちが特上寿司をとってお祝いしてくれた。みんながこんなに嬉しそう
な顔して祝ってくれる、そう感じるとこれでよかったと思えた。僕は
また稼頭さんに電話して就職内定を伝えた。陽気な稼頭さんは電話の
向こうですすり泣きはじめた。僕は驚いたが、そのうち自分も泣けて
きた。本当に良かったんだと思えて涙が自然とこぼれてきた。

 野宮さんは外回りする真山さんに、山田さんに差し入れをと、お金
を渡した。電話して状況を聞いたら山田さんは絶対に今日中に終わら
せてみせると意気込んでいたらしい。

 はぐちゃんは予選落ちした森田さんの作品をじっと見つめていた。
「そんなの見てどうすんのさ」
 森田さんは笑った。けれどはぐちゃんは言った。
「あたし、負けました」
「えっ?」
「森田さんの今までの作品の中でこれが一番好きです。見た瞬間に負
けたと思ってすごい悔しかったです」
 森田さんは思わず泣きそうになるのを笑って隠した。負け犬のレッ
テルを貼られていたから、救われる思いがこみ上げてきたのだろう。
 それから森田さんとはぐちゃんは一緒に作品作りに没頭した。森田
さんもはぐちゃんもすごく楽しそうだった。

 山田さんがいなかったので、真山さんは差し入れの大判焼きとメモ
を残して引き上げた。大学から出ようとしたとき、原田理花がタクシ
ーに乗り込むのが見えた。本当に久しぶりに見る姿に真山さんは思わ
ず追いかけた。
「理花さん!」
 真山さんは必死に走った。携帯電話を取り出して、かけようとした。
けれど……。どうすれば一人前になれるんだろう、どうすれば1人の
人を支えられるのだろう。今の自分にはまだその力がない。無力感が
涙と一緒にあふれてきた。

「出来立てだったのに、残念」と書かれた真山さんのメモを見て、山
田さんは笑みがこぼれた。ふと見ると真山さんの置き忘れたコートが
かけてあった。真山さんの気遣いが嬉しくて思わずコートの袖に手を
通した。目を閉じると真山さんの気持ちがじーんと伝わってくるみた
いだった。けれどすぐ忘れなくちゃいけないという自分の決心が浮か
んできた。変わらなくちゃいけない、真山さんが原田理花を思ってい
るのに変わりはないんだから。そう思うと涙がこぼれてきた。

「どう、できた?」
 野宮さんが入ってきたので、山田さんは慌てて涙を拭いた。
「はい」
 もちろんと山田さんは答えた。机の上に並べられたサンプル品を見
て野宮さんは思わず苦笑した。
「何がおかしいんですか」
「あのさ、俺“ハッコ”って頼んだんだけど」
 机の上には100個のサンプル品が並んでいた。“ハッコ”と“ヒ
ャッコ”を聞き間違えたのだ。
「えっ、最悪……」
 山田さんはがっくりした。
「ねえ、おいしい蕎麦食べに行かない?これだけ作ったらお腹すいた
でしょ」
「い、いえ空いてなんかいません!」
 野宮さんがおかしそうに笑っているので山田さんは断った。けれど
実際は食べる間も惜しんで作っていたわけだから……
 結局、野宮さんについて食べに行くことになった。うとうとしてい
る間に野宮さんが車を高速に入れたので山田さんはびっくりした。
「どこに行くんですか?」
「長野」
「そんなの聞いてません!」
「だって言ってないもん」
 野宮さんに簡単にあしらわれ、山田さんはたじたじになってしまっ
た。

「どう?」
「おいしいです。こんなおいしい蕎麦食べたことありません」
 山田さんはおいしそうに蕎麦をすすっていたが、野宮さんに聞かれ
ると仏頂面して答えた。
 野宮さんはまたからかうように笑った。
「そうじゃなくてね、まだ食べますか?ということ」
「……」
 積み上げられた何段もの笊を見て、山田さんは恥ずかしくなった。
「何でも量が多めの人だね」
 どうも野宮さんのペースに巻き込まれてしまう。でもニコニコして
いる野宮さんを上目遣いに見やると、なぜか自然と気分が和らいでい
く気がした。

「今度は“ハチコ”とはっきり言ってください」
「発声練習しておくよ」
 別れ際に野宮さんはそう答えた。
「今度さ、本気で陶芸教えてよ」
「あたしの指導はかなり厳しいですよ」
「大丈夫覚悟しとく」
 野宮さんは茶目っ気たっぷりに答えた。
「おやすみなさい」
 山田さんは笑顔で歩き出した。
「あゆみちゃんさあ」
 野宮さんが呼び止めた。
「そのコート、真山に返しとこうか」
「あっ……」
 山田さんは視線をそらした。だが野宮さんの次の一言に山田さんは
野宮さんをじっと見た。
「あいつじゃなきゃだめなの?」
 野宮さんの表情に笑いはなく真剣に自分を見ていた。

 花本教授が就職祝いにと、自転車をプレゼントしてくれた。就職先
は自転車で通える距離なのだ。僕は晴れやかな気分で自転車をこいで
内定の御礼を言いに行った。なのに、店長から言われたのはいきなり
の内定取り消しだった。大口の取引先が倒産して売上金が帳消しにな
り雇えないと言うのだ。店長は土下座して何度も謝った。だから僕は
何もできなかった。責めることも割り切ることも。

 そのころはぐちゃんは日美展に出展するよう学内から勧められた。
いやそれはほとんど命令みたいなものだった。賞をとればイタリアに
留学できるという。
「修ちゃんに相談しないと」
 はぐちゃんは困惑した。
「自分の意思で決めて頂戴」
「でも、あたし、海外に行く気はありません」
「甘えたことを言わないで!選ばれた人間には作品を作り続ける義務
があるの」
 ただ田舎で自分の好きな絵を描けさえすればいい、はぐちゃんの思
いなど受け入れられない。
「花本先生が本当はどう思ってるか知らないの?」
 そう言われて、はぐちゃんの顔色が変わった。

 僕は放心状態で帰路に着いた。人生の岐路に当たったとき人はどう
やって道を切り拓くのだろうか。僕にはそれがわからない。とにかく
頭が混乱している。もがき続けていれば見えてくるのだろうか。進む
べき道を見つけた気がしたのに跡形もなく消え去った。僕の目の前に
道がまた拓けるのだろうか……
「竹本ぉ!」
 森田さんの呼び声がした。
「俺、すげぇこと発見したんだ」
「……」
 僕は何も言う気力がなかった。けれど……。
「俺さ、花本はぐみのことが好きだ」
 僕は反射的に森田さんを見上げた。森田さんはいつものようにいた
ずらっぽく笑っている。道は拓けるどころか、ますます見えなくなっ
ていく気がした。


寸  評  ギャグが抑えられていましたので、落ち着いて見ることができま
した。これくらいがちょうどいいのではないでしょうか。話も動き出
しました。森田がはぐみを好きだと宣言し、あゆみには野宮がアプロ
ーチ。話としては面白くなってきているのですが、それぞれの思いの
強さをもっとはっきり打ち出して欲しいなあと思います。 
 理花などは回想シーンに火傷跡など亡き夫への思いの強さがくっき
り現れていますが、脇役ですのでそこまで詳しく描く必要はないと思
います。そういうのは5人に使って欲しいと思います。真山、あゆみ
は好きになったそもそもの理由がまだわかりませんし、森田の好きだ
という宣言もどうも唐突な感じが拭えません。さらに祐太も今でも本
当に好きなのかとさえ思えます。
 よく他人が真剣な思いを話しているのにまったく退屈なことがある
と思います。それはなぜその人が好きかという理由がよく伝わってな
くて話に共感できない、「わかるわかる」と話に乗ってこれないから
です。このドラマを見ていてそういうことを感じてます。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 4月から小麦の仕入れ価格が30%上がるというニュースが出ていました。
昨今は不作というのでなく、バイオ燃料に利用されるようになったからとか、
金融不安で株に流れる資金が商品市場に流れるからとか状況が変わってきてい
ます。不作なら仕方ないし、豊作になれば下がるでしょうけれど、投機的な値
上がりはどうなるかは経済情勢によってどうなるか不明瞭なのが恐いです。
(けん)

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