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===================================================== 発行部数 25 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2007/12/20 (Thu) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.木曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 木曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 医龍 Team Medical Dragon 2 局 名 フジテレビ系 放映日時 木曜22時 キャスト 朝田龍太郎(坂口憲二) 伊集院登(小池徹平) 片岡一美(内田有紀) 霧島軍司(北村一輝) 木原毅彦(池田鉄洋) 野口賢雄(岸辺一徳) 鬼頭笙子(夏木マリ) 荒瀬門次(阿部サダヲ) 藤吉圭介(佐々木蔵之介) 里原ミキ(水川あさみ) 原 作 乃木坂太郎 永井明(原案) 吉沼美恵(医療監修) 『医龍〜Team Medical Dragon〜』 脚 本 林宏司 主題歌 『』 あらすじ 運命の4時間!!最後の手術 オペ室へ向かう朝田龍太郎(坂口憲二)の前に立ちはだかる鬼頭笙 子(夏木マリ)。 鬼頭は、心肝同時移植、しかも大人の心臓を、9歳の子供へ。鬼頭 の患者へ提供されるはずの心臓を、と言う。 鬼頭は表情を和らげると、頑張りなさい、と言う。そうしなければ、 1人の人間の命が無駄になる、と。 音部美和(長野里美)から切り出した肝臓片を手に持った松平幸太 朗(佐藤二朗)が鬼頭に、残念だったなと言うと、鬼頭は自分の患者 は死なせない、と言う。 龍太郎と松平がオペ室に入ったとき、残り時間は3時間25分。 荒瀬門次(阿部サダヲ)は小高七海(大塚寧々)に、自分が人工心 肺の管理をするので、七海は龍太郎のサポートをするように言う。 鬼頭はオペ室に戻ると、山野文彦(中村まこと)に人工心肺を付け るという。 移植はダメになったのでは?と言うメンバーに、「わたしに不可能 はない」と言って、メスを手に取る鬼頭。 片岡一美(内田有紀)は野口(岸辺一徳)に、元厚生労働大臣・恩 田哲三議員(竜雷太)が予定より早く会場に着いたので、お急ぎを。 車も用意してあります、と言う。 野口は、今日のオペ日誌を読み続けようかどうか迷っていたが、一 美に促され、部屋を出ることにする。 部屋を出るとき、一美に、ゴールドバーグ・ブラザーズと契約しち ゃった。今までありがとうと、嫌みのように言う。 そのまま野口の部屋で固まる一美。 部屋の外で待っていた木原毅彦(池田鉄洋)。 見学室に入ってくる一美。この時、残り時間3時間25分。龍太郎 たちが音部雄太(田中碧海)の開胸をすると、癒着は側壁にまで達し ている。前回のバチスタ手術と、度重なる心筋梗塞の影響だ。 みんな、北洋病院の落ちこぼれだろうと笑いながらも、オペ室を映 すモニターの前に集まってくる。あの癒着を剥がすには3時間はかか る、と言いながら。 藤吉圭介(佐々木蔵之介)は一美に、大人の心臓と子供の心臓とで は、血管の太さが違う。太さの違うホースを縫い合わせて、漏れない ようにしなければならない。抜群の集中力と、バランス感覚が要求さ れる、と言う。 龍太郎は無理だという外山誠二(高橋一生)に、こり癒着の剥離が できるのは、龍太郎と外山の二人だけだと言う。 二人はすごいスピードで癒着を剥離していく。 残り時間2時間45分となったときに、伊集院登(小池徹平)は決 心すると、ドナー心臓が入っている箱を肩に担ぐと、事故現場の脇の 雑木林へと走っていく。 パーティーで上機嫌で出席者たちと談笑する野口。 そのパーティーに北洋病院・院長の善田秀樹(志賀廣太郎)が現れ る。 ドナー心臓のタイムリミットまであと2時間30分。 一美はこのスピードでも、すべての癒着を剥がすには.....と言う。 藤吉は、そんなことはわかっている。でも、やる。それは、彼らが 本物の医者だからだ。一美には分からないだろうな、と言う。 一美は、自分の父親は医者だったと語り始める。大学病院を飛び出 し、無医村で理想の医療をすべく、医院を開院した。 昼も夜もなく、患者のために働き、貧しい患者からは治療費も受け 取らなかった。 龍太郎同様、一美の問いに、目の前に患者がいるから助けるのだと 答えていた。 でも、長年の無理がたたって、病に倒れた。虚血性拡張型心筋症で、 助かるためには、心臓移植を受けるしかない。でも、国内ではあまり にドナーの数が少なく、海外に行くには、莫大な費用がかかり、その 金はない。 それよりも、父親が倒れた途端、開院時に作った借金の取り立てが 始まり、医療用機器も差し押さえられ、診療所は廃院となった。 心労のあまり、母親は亡くなり、父親はどんどんすさんでいった。 そして人を恨み、自分を呪って亡くなった。 その時、一美は奨学金を貰って医大で学んでいた。でも、父親の死 をきっかけに、医者になることを断念した、と言う。 藤吉のそばの電話が鳴る。登を乗せた救急車が立ち往生し、まだチ ャーター機にも乗れない。 藤吉は、どうなっているんだと電話の相手にどなる。 その受話器を一美が取ると、登の正確な位置を教えて、と言う。一 美は、ドナーの心臓は、自分がなんとしても届けさせる、と言う。 登はドナーの心臓が入った容器を肩から提げ、つきだしていた木の 枝で顔を切りながらも、先を急いでいた。 でも、途中で足を滑らせ、崖下に落ちてしまう。その際、足首をひ ねってしまった。 登が困っていると、ヘリコプターが下りてきて、パイロットが乗れ、 と合図する。 ヘリコプターは、一美が手配したもので、この時点で、ドナーの心 臓の残り時間は2時間。ヘリコプターは、あと50分で明真大学附属 病院に到着の予定。一美はドナーの心臓は、自分がどんなことをして も守る、と言う。 生体肝移植が終了する。松平は龍太郎に、「後は頼む」と言って引 き上げる。 龍太郎は途中でメスを置き、「癒着剥離終了」と言う。 外山が、まだ剥離は終わってない。これじゃ心臓が取り出せない、 と言う。 七海がそろそろ登が到着するとの連絡を受ける。 外山は龍太郎に、諦めるのか?と聞き、オレが続けると、処置を再 開しようとする。 荒瀬が、ストップをかける。 遂に登が到着。登も、オペ着に着替えて、入ってくる。 龍太郎は、外山の剥離のスピードの速さをほめると、これからの前 立ちは、登に変えると言う。 龍太郎が採用したのは、ビリーバック法。 通常の心臓移植は、心臓をドナー心で置き換えてしまうが、ビリー バック法では、患者の心臓を残し、それにおんぶさせるように、ドナ ー心を置く。これだと格段に吻合箇所が少なくて済むが、そのために は、癒着の剥離がもっと必要。 それに対して龍太郎は、負ぶさらせずに、胸膜を大きく切開し、患 者の心臓と並べて、ドナー心を置く。そのため、吻合する血管の距離 が長くなり、通常人工血管は一カ所だけだが、今回は、二カ所足す。 この方法に変えたから、龍太郎は、剥離を途中で止めたのだ。 見学室に、突然、コロンビア大学胸部心臓外科客員教授の霧島軍司 (北村一輝)が入ってきて、あのドナー心は、マージナル。しかも取 り出してから、時間が経ちすぎでいる。 成功する確率は、0.1%もあれば、いい方だろう、と言う。 遂に野口の耳に、心肝同時移植の件が伝わる。 野口は、今すぐ止めさせろ!と怒鳴る。 そこに一美が入ってきて、今止めたら、術中死。日本での心臓移植 49例の内、術中死はゼロ件。 もし、今回術中死したら、施設長と しての野口の責任も問われる。すなわち、もう野口も一美たちと同じ 船に乗ってしまっているのだ。 ただし、成功すれば、日本初の心肝同時移植成功。オペを担当して いるのは、チーム・ドラゴン。 従って、野口は早くパーティーに戻ってください、と言う。 野口はうきうきとパーティー会場に戻る。「日本初の心配同時移植 か」とつぶやきながら。 霧島が、新しいチーム・ドラゴンのメンバーを見る。すでに残り時 間は10分少々。 ビリーバックが終わり、心臓が動き始める。残り時間10秒の時。 成功だ。 その頃野口は、壇上で、アメリカにならって、医療にも市場原理を 導入し、払った額に見合う医療を受けられるようにすべきだと言う。 みんなが移植成功に手を叩いているときに、VTが発生する。 電気ショックを何度も与えるが、細動がおさまらない。 霧島は、ドナー心の虚血時間が長すぎたのだと言う。 龍太郎は、ドナー心を直接手で触り、ずっと考えている。 そして決断する。ドナー心の異常収縮を起こしている部分を凍結す るというのだ。 藤吉は、そんなことをできるのか?といぶかる。もし、数ミリでも ずれたら、大変なことになる。 場所をどうやって特定するのか問う外山に龍太郎は、その場所だけ、 ほかの所と、手に感じる収縮が違った、と言う。 心臓を切り、クライヤーを入れ、凍結する龍太郎。 処置が終わり、血流の遮断を解除すると、ドナー心は正常な鼓動を 打ち始める。 みんな喜ぶ。 「忘れてたよ、0.1%の可能性を100%にする男だったよ、朝 田龍太郎」と、霧島。 オペが終了する。 雄太に、「よく頑張った」と声を掛ける龍太郎。 拍手の中、階段を下りてくるチーム・ドラゴンのメンバー達。 演壇上の野口も拍手に包まれていた。 後ろの方にいた一美と善田にメモが渡される。 「やってくれると思いましたよ」とシャンパングラスを合わせる二 人。 一美がシャンパングラスを高く掲げると、それに気付いた野口が、 「これを知ると、びっくりしますよ、日本初の快挙」と言い始める。 その時、「グッバイ」とつぶやく善田。 なんと、野口の後ろのスクリーンに、野口と医療メーカーの癒着を 報じる雑誌の記事が映される。 「間に合いました」とホッとして言う善田。 力を失う野口。 野口の前に現れたゴールドバーグ・ブラザーズの担当者は、瑕疵条 項により、債権譲渡と、代表者の変更が決定したという。 瑕疵条項は、健康問題だけでは?と問う野口に、すでに高値で買い たいという人が現れていると、ゴールドバーグ・ブラザーズの担当者。 そこに現れる一美。 野口は、わざとゴールドバーグ・ブラザーズと契約をするようし向 けたのか?と問う。 一美は、これが本当の『WIN−WIN』と言う。 龍太郎は美和の隣に、雄太のベッドを置く。 礼を言う美和に、龍太郎は心臓を提供してくれた人に感謝してくだ さい、と言う。 山野の状態も安定している。霧島が研究中の、次世代型埋め込み型 人工心臓を、埋め込んだのだ。 日本ではまだ認可されていないが、アメリカではすでに認可されて いる。日本での心臓移植には限界がある。だから治験を進めて、認可 を撮れるようにする、と鬼頭。 今は、保険適用外で、莫大なお金がかかるが、これを推し進めるの が、神の領域というものだろう。 実は、この人工心臓埋め込みは、龍太郎が霧島にかねてから依頼し ていたのだ。雄太の検査結果では適さなかったが、山野には間に合っ た。 霧島は、実は何かあったら雄太にも、と思っていたが、すでに龍太 郎の腕自体が神の領域かも知れない、と鬼頭。 "Meishin Medical City" の新しい院長は鬼頭。スケールメリット を生かして、高度な医療を進めていくという。その代わり、地域医療 を担っていくのが北洋病院。鬼頭は自分の医療を進めるのだ、と言う。 鬼頭に、どうやって債務を返済するのかと問われた一美は、患者か らお金を取るのではなく、国からお金を出させるつもり。患者のため に働く医者が報われ無いというこの国の医療はおかしい。それをこの "Meishin Medical City" が中心になって、動かしていきたい、と言 う。 野口が今までいた部屋の、新しい主となった一美は、父親の写真が 入った写真立てに、あのビーズの熊のアクセサリーを掛ける。今は部 屋の水槽に魚はいない。 クリスマスパーティーの準備中のチーム・ドラゴンのメンバー達。 木原は、チーム・ドラゴン入りは断念したが、サポーターになる、 とアピールする。 でも七海に、「落ち武者?」と言われ、撃沈。 龍太郎は、部屋の前に立っている一美に、入るよう促す。 バーティーの主役、雄太が車いすで現れる。 ミキは、みんなからのクリスマス・プレゼントを雄太に渡す。 早くよくなって、一緒にサッカーやろうよと声を掛ける、外山と登。 プレゼントは、サッカーシューズ。 パーティーの片付けをするみんなに、これからどうするのか問うミ キ。 松平、外山、野村、七海は、北洋病院に戻るという。でも、何かあ ったら、いつでも呼んでくれ、と付け足す。 これからどうするのか問われた龍太郎は、このチームの誰かが1人 でも欠けたら、今回のオペはできなかった、と言う。 救急車の中。2人のアメリカ人男性が、この男は金もなさそうだし、 社会保険にも入っていない。どこの病院も引き受けないだろう。金が ない者は治療が受けられない。それがこの国−−アメリカ−−のやり 方だ、と話している。 救急車の中に横たわっていた男は、野口。顔中、殴られたような痕 がある。うわごとのように、「NO−−!,NO−−!」と叫び続け ている。 アメリカの病院。 凄腕の移植外科医がやってくるとの噂で持ちきりの中、現れる龍太 郎。 寸 評 最後の野口、お金持ちになっているはずなのに、どうしたのでし ょう。 アメリカの医療制度をたたえていた野口が、身を以てその裏の顔を 知ることになったのですね。 アメリカで、救急でも、まず社会保険の有無の確認がなされること は、『ER』でよく見る光景です。また、例え保険に入っていても、 保険が満足に払われず、満足な医療を受け損なうことは、映画 『SIKCO』に描かれています。 野口の言うような、アメリカは医療制度の先進国ではないのです。 もっとも、保険など使わなくても、1千万や1億円の医療費がポン、 と払えるお金持ちには、最先端医療の受けられるいい国なのでしょう が。 前シリーズの最後は、新しいバチスタ手術の適用という華々しい最 後でしたが、今回は、最後に患者を救うのが、的確な触診と処置とい う感じで、今ひとつ華やかさに欠けます。心肝同時移植を、医師免許 を掛けて挑んだ先週が、一番のハイライトに見えてしまいます。 きっと、今回のテーマが、医療技術より、医療制度に重きを置いて いるためかもしれません。 一美は最後に理想を語りましたが、健康保険なのか、税金なのか、 厚生年金も含めて、難しい議論のあるところでしょう。 ところで、最後、まだこの続きをいつか放送しそうな、期待をもた せるようなシーンでしたね。 それと野口は、今回も死なずに回復しそうに思います。そして、是 非次回、殴られた原因を語って欲しいです。 執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 秋ドラマは、お金持ちばかりを担当しました。有閑倶楽部は論外としても、 雑誌編集部員は、昼も夜もなく働いていても、通常大手出版社では見なし残業 手当が払われていて、高給取りの方に分類される職業だと思います。また、医 者が高給取りであることもだいたいにおいて間違いないことだと思います。 それに対して、一転冬ドラマはお金に困っています。喜田善男は、死ぬ前の 全財産100万円を握りしめて。でも、死のうとするほどの運の悪い人生です。 『貧乏男子』は、文字通り、貧乏。そして、ボクサーやシスターも、昔から貧 乏な職業ですよね。 ということで、今回は貧乏に取り組みます。(鈴木) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |