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===================================================== 発行部数 25 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2006/06/13 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.火曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル ブスの瞳に恋してる 局 名 フジ系 放映日時 火曜22時 キャスト 山口おさむ(稲垣吾郎) 太田美幸(村上知子) 竹田武 (大森南朋) 小田島彬(船越英一郎) 藤原美也子(井川遥) 蛯原友里(蛯原友里) 佐々木翔子(MEGUMI) 里中花子(室井滋) 清水浩太(加藤成亮) 原 案 鈴木おさむ 脚 本 マギー 主題歌 『』 あらすじ 「これ、ありがとう」荷物をまとめた美也子(井川遥)は、おさむ (稲垣吾郎)に鍵を返す。 出て行こうとする美也子に、おさむは、7年前と同じだと言う。 「そんなことないよ。あのときは、おさむに黙って出て行ったし、自 分の出した結論が“ハッピーエンド”だなんて思えなかったもん」 「俺はまだ…」納得のいかないおさむに、美也子は、おさむも本当は 答えが出ているのに、それに気づいこうとしていないだけだと諭す。 それでも納得できないおさむの頬を軽くつねって「がんばって」と 微笑む美也子。「局で会ったら、挨拶ぐらいしてよ」と笑って出て行 く美也子を、おさむはただ見送るしかできない。 一人残され、ため息をつくおさむ。 マンションの外に出た美也子は、一瞬おさむの部屋を振り返り、晴 れやかな表情で歩き始める。 一方、南国風の書割の前で、陽気にポーズをとる美幸(村上知子) たちB3の面々。スタジオでは、興奮状態の事務所社長・井之頭(佐 藤二朗)が、撮影される本人以上のパフォーマンスで檄を飛ばす。 翌日はいよいよ、女芸人の頂点を競う“W−1グランプリ”の一次 予選。井之頭は、スチル写真の撮影を終えた3人を励ますが、峰子 (久保田磨希)と元子(黒沢宗子)は、初めての大舞台に弱気な態度。 「まぁ確かに、ぽっと出の新人が優勝できるほど甘い世界じゃないで すからね」と腕組みする美幸に、「オマエが言うなよ」「オマエがい ちばんぽっと出だろうが」と思わず突っ込む二人。自然にコント化し ている3人のやり取りを見て安心した井之頭は、「記念受験のつもり で、気楽にやっといで」と励ます。 その頃、関東中央テレビでは、崖っぷちに立たされた“ズバット× ズバット”チームが、ダンボールに詰め込まれたビデオテープを発掘 していた。初期の勢いがあった頃の番組を研究して、今に生かそうと いうプロデューサー・竹田(大森南朋)の発案だった。番組のファン だった松本(忍成修吾)は、興奮気味。誰の目も気にせず、おさむと ふたりで好きにやっていた頃に戻りたいと言う竹田。 そこへ、ニヤニヤと笑いながら斎藤(相島一之)が入ってくる。 「ここは空気がよどんでるなあ。今の“ズバズバ”象徴してるな」と 嫌味をふりまき、おさむを呼び出す。複雑な思いで見送る竹田。 終わってしまうかもしれないような番組にかかわっていても仕方が ないだろう、と斎藤は、先日話した新番組企画への参加を改めて誘う。 「おまえの好きなようにゴールデンやっていいんだから」と甘い言葉 をささやく斎藤。急がないと、ライバル上島(松重豊)の番組に決ま ってしまうのだと頼むが、おさむは、今“ズバズバ”を抜けるわけに は行かないと渋る。 「大丈夫、俺、竹田ちゃんには貸しがあるから」と斎藤は、先日の美 也子の一件を持ち出す。編成からの要請ゲストだった美也子の出演を “ズバズバ”が断ったため、代わりに斎藤が自分の番組“むちゃデ ス”に出演させ、事なきを得たのだ。「おまえにもさぁ、昔どれだけ 世話してやったと…。売った恩は返してもらうから、しっかりスジ通 してくれよ」とイヤミに駄目押しする斎藤に、うつむくしかないおさ む。 おさむと別れた友美(蛯原友里)は、華道教室に通い始める。初め てで戸惑う友美に、師匠の恵美子(朝丘雪路)は、花の前では経験者 も初心者もない、と微笑む。「活ける人の心を表現することがお作品 になります。ご自由に活けてごらんなさい」 やがて作品が出来上がり、恵美子は生徒たちを集めて、友里と他の 生徒の作品を比較させる。作品にはその人の心が表れると言う恵美子 は、友里の作品には、“私を見て!”という焦りと苛立ちが見られる とズバリ。もっと美しい作品を作るために、心を磨きましょう、と皆 に呼びかけると、拍手が起こる。うつむいてしまう友美。 皆が帰ったあと、ため息をつく友美にお茶を出し、先刻の非礼を詫 びる恵美子。「いえ、そのとおりですから。当てられて驚いているぐ らいです」と言う友美に、恵美子は、それなら見込みがある、気づい てくれる人はまだ心に余裕があるのだ、と微笑む。友美は、実は失恋 したばかりなのだと打ち明ける。「もしももう一度チャンスがあるな ら、内側からきれいにならなきゃって思って。でも、確かにまだ焦っ てるかも…」 恵美子は、心をまっさらにして、花と向き合ってみるよう勧める。 「そうすれば、あなた、もっともっとキレイになられてよ」友美に笑 顔が戻る。 同じ頃、美也子は、開店前の“どすこいラーメン”に美幸を訪る。 だが、美幸は稽古のため休みだった。 美也子は、美幸にお礼と、謝らなければならないことがあると言う。 プロポーズするように薦められて、本当にうれしかったし、おかげで 言えなかったことを言えたが、結局プロポーズはできなかったと打ち 明ける美也子。花子(室井滋)が、伝言なら伝えておくと申し出ると、 美也子は「プロポーズはできなかったけど、今は幸せ」とだけ言い残 して店を後にする。 浩太(加藤成亮)は花子に、美也子はおさむの彼女だと明かす。つ まり、プロポーズできなかった相手というのは、おさむのこと。花子 は、美也子が来たことは美幸には内緒にしようと言い出す。 夕刻、外を歩くおさむの脇を、子どもたちが「すっげーおもしろい んだぜ!」と叫んで駆け抜けていく。その先では、B3が子どもたち に菓子を配り、コントを披露していた。生き生きとした美幸たちと、 爆笑する子どもたち。思わず笑顔になるおさむに、買い物袋を抱えた 花子が声をかける。明日は、W−1グランプリの1回戦だった。 花子はおさむに「あとでちょっと、店に顔出しな」と言い置いて、 子どもたちに買ってきた豚まんを配り始める。 “どすこいラーメン”を訪れたおさむに、花子はいきなり「何やって んだよ!」と叱りつける。面食らうおさむに、花子は、美也子が店に 来たことを告げる。「別れたんだろ?」おさむへの想いを吹っ切って、 お笑いで頑張ろうとしている美幸がこのことを知ったら…と案じる花 子は、美也子と別れたことは美幸には秘密にしておくよう釘をさす。 美幸にも美也子にも、優柔不断だったのではないかと指摘する花子。 「あんたイイ男だけど、そこがいちばんいけないトコ! 女にはっき りできない男はね、仕事にも優柔不断になるよ!」言い当てられて、 ハッとするおさむ。 翌日、ついに迎えたW−1グランプリ1回戦。控え室では、芸人た ち(くわばたりえ、近藤春菜、ZOXY DOLLほか)が最後の稽古に余念 がない。そんな周囲に圧倒され、ガチガチのB3。緊張のあまりのど が渇き、3人同時にペットボトルの水を飲む。 客席では、業界人だらけのピリピリした雰囲気に、応援に来た同居 人の翔子(MEGUMI)と弥生(滝沢沙織)は、手作りのうちわをコソコ ソとしまい込む。その前の席では、井之頭が「B3伝説の幕開けとな りますように」と祈っていた。緊張でのどが渇いた3人は、こちらも 同じタイミングで水を飲み干す。 その頃、おさむたち“ズバズバ”チームは、片っ端から過去のVT Rを見ていた。「ゲストがふんどしで、だんじりの上でトークするや つだろ」「よくゴールデンでやりましたね、こんなの」大爆笑する松 本に、「俺もおさむも、初のゴールデンで気合入ってたから」「竹田 さん、しょっちゅう上から怒られてましたもんね」何度もクビにする と言われたが、絶対おもしろいと信じていたから、不思議と迷いはな かったと振り返る竹田。おさむの「ただがむしゃらに走ってた」とい う言葉に、松本は、それが画面に出ていると絶賛する。こういうのを 見て、放送作家になろうと思ったのだと無邪気に笑う松本に、「もう あんなふうに走れないのかな」と竹田がポツリ。 おさむの脳裏に『女にはっきりできない男は、仕事にも優柔不断に なるよ』という花子の言葉が蘇る。 やがて、W−1の開始時刻が迫り、ADが呼び出しに来るが、B3 は悲壮な表情で、3人とも手のひらに“人”を書いて飲み込む。 出演者は皆レベルが高く、客席の祥子と弥生は爆笑。ところが、前 にいた井之頭に、うるさいとにらまれてしまう。そこへ上島がやって きて、あわてて挨拶に立ち上がる井之頭に、こんどは見えなくなった 祥子と弥生が舌打ち。両者にらみ合いになる。 そのとき、司会者がB3の名を呼ぶ。とたんに3人は夢中で舞台に 向き直る。立ち上がって応援する3人に、上島は視界を遮られてしま う。 舞台袖で最後の気合を入れ、舞台に飛び出したB3。 “どすこいラーメン”では、花子が美幸の勝利を願って、ブタの置物 に祈り続けていた。そこへ、合格はちまきを巻いた常連客の俳優・日 野(日野陽仁)が駆け込んでくる。「結果、出た?」「まだなんです」 と浩太。日野は、結果が出るまで待つと言ってラーメンを注文する。 そこへ、おさむがやってくる。花子は待ちかねたように招き入れ、 おさむも“どすこい様”にお参りするように促す。おさむが店内を見 回すと、拍手を打つ浩太、そわそわと落ち着かない日野。当然1次予 選は通過すると信じているおさむは、皆が美幸のことを思う姿に微笑 ましい気分になる。 そして、運命の結果発表。だが、上島はそれを聞かずに立ち去る。 客席では祈り続ける祥子と弥生、井之頭。次々と合格者が読み上げ られるなか、B3は不安な面持ちで待ち続ける。 ラーメンをすするおさむのうしろで、祈り続ける花子。見かねたお さむは「大丈夫ですよ、美幸ちゃんのおもしろさは、きっと伝わるは ずです」と声をかける。「あんた、美幸ちゃんが心配じゃないのか い!?」「自分の目を信じてますから。僕にはね、見えてるんですよ、 最初に会ったときから」断言するおさむに、花子は、おさむと美幸は 今、同じ景色を見ていると言う。「ちょっと、あたしの話をしてもい いかい?」と話し始める花子。 花子が亡き夫とともに、試行錯誤の末に今のラーメンの味にたどり 着いたとき、夫の顔は、少女漫画の王子様のように光り輝いていたの だという。そのときに、一生ついて行こうと心に誓い、それからずっ と二人で同じ景色を見ながらラーメン作りを続けてきたのだ。少女の ような笑顔で話す花子。「ダンナが死んでからも、あたしはずっと同 じ景色を見てる。ダンナと一緒にね。おさむちゃん頭いいんだから、 あたしが何を言いたいか、わかんだろ?」 そこへ、1次予選を終えた美幸がやってくる。 一同、神妙な面持ちでうつむく。 「1次予選、通過しました!!」 瞬間、狂喜する一同。日野は感激のあまり美幸に抱きついて泣きだ してしまう。抱きつかれながら、美幸は、笑顔でうなずくおさむに微 笑む。 花子は、威勢よく皆にビールを振る舞う。 その帰り道、美幸はおさむと並んで歩く。今日は勢いで通過できた が、2回戦に向けて、ネタも詰めていかないと、と意気込む美幸。 「へぇ、2回戦も勝つ気なんだ」「当たり前じゃないですか!」簡単 に勝てるとは思わないが、1回でも多く舞台に立って、お客さんを笑 わせたいと語る美幸に、「安心したよ。1回戦突破で満足してたら、 どうしようかと思った」とからかうおさむ。そんなわけない!と憤慨 し、「あぁ〜っおもしろくなりたい!」と叫ぶ美幸。おさむは、自然 と顔がほころんでくる。 美幸が帰宅すると、部屋には誰もいない。 と思いきや、物陰に隠れていた翔子と弥生が、クラッカーとともに 飛び出してくる。携帯で写真を撮りながら、インタビューを真似てふ ざける二人は、客席の反応も上々だったとほめる。 翔子は、美幸の実家から荷物が届いていたと告げる。「ご両親にも 報告してあげなきゃね」と弥生。美幸は、ウキウキと自室に駆け込ん でいく。 そして、群馬の太田家の電話が鳴る。電話の前で正座して待ってい た父・義男(渡辺哲)、母・さと子(高橋ひとみ)、妹・絵里(大沢 あかね)の3人は、競うように手を伸ばし、絵里が合格の報を受ける。 大興奮の絵里がさと子に電話を代わる間、こっそりと廊下に出た義男 は、密かにガッツポーズをする。 母が送った荷物には、大量のタオルが。「だってタオル必要で しょ?」「必要だけどさ…。それにお菓子も」「おかき、好きじゃな い」「好きだけどさ…」 義男は電話には出ず、一人台所で祝杯を挙げ始めた。やはり女優よ り才能あったんだ!と言う絵里に、「そんな甘い世界じゃないだろ」 と言いつつ、うっすら涙さえ浮かべながら、幸せそうにビールを飲む 義男。絵里とさと子は、そんな照れ屋の義男をからかう。 同じ頃、おさむも実家からの荷物を開けていた。こちらはパジャマ ばかりが入っている。同封されていたのは、弟の結婚式の写真。添え られた一筆箋には、【おさむはいつかしら?】母からのプレッシャー に、ため息をつくおさむ。 翌日、所属事務所に出たB3の3人。井之頭は、昨日の予選を見た 関係者から問い合わせが殺到していると興奮気味に話す。喜ぶ3人に 「いや、殺到はちょっと大げさなんだけど…」と訂正するが、実際に 問い合わせはあって、新しい仕事が決まったという。 狂喜する3人だが、仕事とは、バラエティ番組の前説(本番前に拍 手の練習をしたり、雰囲気を和らげたりする仕事)。がっかりする峰 子と元子に、美幸は初めてなんだし、前説だって大切な仕事だと諭す 井之頭。美幸は、客の前でネタができるんなら、と張り切って引き受 ける。 一方、関東中央テレビのビデオルームでは、松本がおさむに、斎藤 と仕事を続けている理由を尋ねる。実際にすごく世話になっているの だと答えるおさむ。厳格な上島は、なかなかネタを採用してくれない。 それでくすぶっていたおさむを拾ってくれたのが斎藤だった。深夜番 組の経験しかないおさむをゴールデンに引き上げてくれたのも、視聴 率の取り方を教えてくれたのも、すべて斎藤だった。 二人がかぶりついていたのは、長い長い一本のバゲットサンド。お さむは、自分の分を少しだけちぎって、残りを食べ盛りの松本にまわ すが、いっこうにそれに気づかない松本のために、片端を支えている。 ある意味、竹田と“ズバズバ”ができたのも、斎藤のおかげとも言 える。「だから悩んでるんだよな…」思わずつぶやくおさむだが、松 本が参加している上島の企画の対抗馬に誘われているとは言えず、言 葉を濁す。 美也子は、ドラマプロデューサーの柏木(林泰文)に、書き直した 脚本を見せていた。緊張の面持ちで見つめる美也子に、読み終えた柏 木は「ラスト、すごくよくなりましたね」と笑顔を見せる。「きっと、 私自身の宿題が片付いたから」「どういうことです?」「もっと仕事 が好きになりました!」美也子も笑顔になる。 友里は、ヨガのレッスンに励む。脳裏には、華道教室で言われた言 葉『まずは心を磨きましょう』『あなた、もっともっときれいになら れてよ』 美幸は、“どすこいラーメン”でまかないのラーメンをすする。隣 で花子が、一次予選のとき、皆が不安だったのに、おさむだけは落ち 着いていたと話す。「それは、私たちのネタを見たことがないからじ ゃないですかね」「見てもらおうとは思わないわけ?」美幸は、本当 は見てほしいが、それは反則だと答える。おさむは、芸人なら誰もが 憧れる作家大先生で、誰もがアドバイスをもらいたいのだ。そんなに 偉いようには見えないと笑う花子に、B3がもっとおもしろくなって、 いつかおさむと一緒に仕事ができたらうれしいと語る。 そんな美幸のキラキラした笑顔に、「ほんとにお笑いに夢中なんだ ね」と微笑む花子。 自分が落ち込んでいたとき、救ってくれたのが笑いだったと語る美 幸。「あんなに笑われることが嫌だったのに、今、笑い声の真ん中に いられることが、すごく幸せなんです!」 友美は、再び華道教室へ。稽古後も一人残って作品作りに励む友美 に、恵美子が、よくなったとほめる。「あなたのまっすぐなお心がお 作品に出てて、お花も嬉しそうにしてるわ」 友美は、恵美子の言葉のおかげだと答える。「でも、あなたみたい に美しくていいお嬢さんを振るなんて、見る目がないのね。親の顔が 見たいわ」と笑う恵美子。 おさむが“ズバズバ”の制作ルームにやってくると、一恵(矢松亜 由美)が、斎藤がおさむを探していたという。「そういえば、こない だから斎藤さん、何の話なんだ?」おずおずと尋ねる竹田に、「たい した話じゃない」とごまかすおさむ。 そこへ、花子が出前を持ってくる。聞けば、美幸は練習で忙しいの だと言う。花子は、机に散乱する番組のビデオを手に取り、“ズバッ ト×ズバット”という番組名をほめる。名づけ親だというおさむに由 来を尋ねる花子だが、「なんだっけ? あんまり悩まず決めたかな」 「あんたも昔は、ズバッと決められたんだ」と皮肉る花子。 いつもの広場で、懸命に前説の練習をする美幸。その姿を、遠くか ら見つめるおさむ。 自宅に戻ったおさむは、パソコンに向かいながら、『あんたと美幸 ちゃんは、今、同じ景色を見てるね』という花子の言葉を反芻する。 その時、電話が鳴る。「ええと、どちら様でしょうか?」「どちら 様はないでしょう!?」おさむの母だった。それは、友美が通っている 華道教室の師匠・恵美子。弟の結婚式の写真を送ったので、電話して きたのだった。 あまりちゃんと見ていないというおさむに、奥さんは音大出のピア ニストで、いい結婚式だったと説明する恵美子。「おさむちゃん、あ なたはどうなの? 誰か、いいお相手でもいるの?」恵美子は、自分 の生徒にいい子がいるから、会ってみないかと持ちかける。「いいよ、 その話は」うんざり顔のおさむ。 翌日、おさむと出会った松本は、先日おさむが見られなかった謎の 歌手・MIYUの収録が、今日あるらしいと話す。絶対見てほしい、 かなりの破壊力だから!と力説する松本に、おさむも興味津々。 「“どすこい”で美幸ちゃん見た以来の衝撃ですからね。二人は、竜 と虎って感じですね」 同じ頃、B3の3人は、前説の収録のために局のスタジオにやって くる。淡々と歩く美幸の後ろで、興奮気味にきょろきょろしている峰 子と元子。「私もこの業界長いからね。このへんしょっちゅう来てる から、庭みたいなもんよ」「か〜っこいい〜〜〜!!」尊敬のまなざし を向ける後輩二人を引き連れ、再び歩き出す美幸。「…まさか、出前 がこんなところで役立つとは…」と密かにつぶやく。 3人は、廊下で、MIYUの収録現場に急ぐおさむと出会う。生放 送の前説に来たのだと話す美幸。興奮して、見に来てほしいとかアド バイスがほしいとか言い出す峰子と元子を制止し、「私たち、まだ見 てもらうような段階じゃないんで」とキッパリ。おさむは急に、時間 があるなら見てもらいたいものがあると言い出し、美幸の手を取って 引っ張っていく。 美幸を連れてスタジオにやってきたおさむに、松本は、こっそり 「竜虎対決じゃないですか」とささやく。「絶対笑っちゃダメですよ。 そんな空気じゃないんで」と釘をさす松本。すぐに、収録が始まる。 スポットライトの向こうには、後ろを向いているドレッドヘアーの 歌手・MIYU。くるりと振り返った瞬間から、松本もおさむも美幸 も、笑いをこらえ切れない。美しい歌声とは裏腹に、あまりにも容貌 がおもしろすぎるのだ(だが、映像では顔ははっきりとは映らない)。 おさむは、おかしさに耐え切れず、美幸の手を引いてスタジオの隅 に逃げ出す。振り返ったら、ヒイヒイ笑う美幸。その笑顔もおもしろ く、歌うMIYUの姿に、光り輝く美幸の笑顔がオーバーラップする。 思わず微笑んでしまうおさむ。 スタジオを出ても笑いが止まらない美幸は、自分の仕事の時間が迫 っていることに気づき、笑い転げながらその場を後にする。その後姿 にしばし見とれるおさむ。ふと、花子が亡き夫のことを話したときの 言葉が蘇る。『朝日をド〜ンとうしろに背負ってさ、ピカピカね(輝 いていたんだよ)。あたし、この人に生涯ついていこうって、その時 決めたんだ』 一人ビデオルームに入っても、何も映っていないはずのスクリーン には、次々と美幸の姿が。目を疑うおさむの脳裏に、こんどは美也子 の『おさむに必要なのは、おさむを笑わせたり、おさむと一緒になっ て大笑いしたりできる人。美幸ちゃんなら、全部できるよ』という言 葉が。スクリーンに次々と映る美幸の笑顔に、いつしか満面の笑顔に なるおさむ。 そこへ竹田が入ってきて、我に返るおさむ。竹田は、こんなものが 出てきたと言って、“ズバズバ”第1回の台本を差し出す。「こんな の取ってあったんだ…」「直感で書いたようなホンだよな。さすがに もう、こんなの書けないだろ」パラパラめくりながら、『アンタも昔 は、ズバッと決められたんだ』と言った花子の言葉が脳裏をよぎる。 『一回でも多く舞台に立って、お客さんを笑わせたい』と意気込む美 幸の情熱。そして、『アンタと美幸ちゃんは、今、同じ景色を見てる ね』と言った花子。『ああっ! おもしろくなりたい!!』と叫ぶ美幸。 ハッと顔を上げたおさむの目には、たくさんのスクリーンに映る、光 り輝く美幸の笑顔が見える。『おさむももう、ほんとは答えが出てる はずだよ』という美也子の言葉。 おさむはビデオルームを飛び出し、斎藤のもとへ駆けつける。「新 番組のお話、お断りします! 今の僕には、やらなきゃいけないこと とやりたいことが同じ番組にあるんです! 今は、視聴率とかしがら みとか、関係ないところで番組を作っていきたいんです!」 斎藤は「おまえ青いよ」と憤りをあらわにし、そんなことを言って いると、ゴールデンはできないと斬り捨てる。「はい、もう一度竹田 さんと、青いことやって番組を作っていきたいんです。すいません!」 頭を下げて駆け去ろうとするおさむ。通りがかった上島に、「“ズバ ズバ”の枠は、そう簡単に渡しませんよ」と宣言し、駆け出していく。 「なんの話だよ…」と呆れてつぶやく上島。 おさむはそのまま階段を駆け下り、B3が前説をしているスタジオ に駆け込む。 美幸たちは、そろいのジャージ姿で、観客の笑いを取りながら本番 前の注意などを話していた。最後、拍手の練習をしているところに、 おさむは【笑って】というカンペを出す。さらに【ずっと笑って】 【俺の隣で】と続くカンペ。意味がわからずに固まる美幸。 カンペが【本番5秒前】に変わっても、固まったまま動けない美幸 を、あわてて峰子が袖に連れ戻す。 「俺と、結婚してくれ!!!」引きずられていく美幸を追うように、ス タジオに響き渡るおさむの叫び声。同時にスモークが上がり、番組本 番が始まる。 楽屋口に倒れこみ、それでも放心状態の美幸。 大切なことを見つけた充足感にあふれたおさむの顔。 寸 評 おさむちゃん勝手だな〜。振り回される美幸がかわいそうになっ ちゃいました。 仕事のことはともかく、恋愛や結婚は相手あってのことなんだから、 こんなふうにいきなり仕事場に押しかけられたら困っちゃうよね。 とかいいつつ、カンペでプロポーズっていうシチュエーションは、 ちょっとトキメいちゃいましたけど(^^;; あと、MIYUという歌手の顔がおもしろいって爆笑しちゃうんだ けど、顔で笑いを取るってのはちょっと次元低くないか!? 私自身は、 ブサイクな人を見ても別に笑えないぞ。 確かに、美幸のモデルになってる森三中の大島が何やってもおもし ろいのはわかるけど、それはユーモラスっていうか、べつにブサイク だから笑えてるわけじゃないと思う。 それに比べて、エビちゃんといい、美也子といい、頑張る女の子た ちが素敵でした。 執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- ラストあと2回! 年内に終わらせたかったけど、ちょっと無理そう…。も うちょっと待っててください! 忘年会シーズンとたまたま訪れたライブラッシュが重なって、超ハードスケ ジュールの年末です。そんな私の音楽ジャンキーな日常、こちらです↓↓ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=416786 (mixiの会員の方のみご覧になれます。マイミクは交流のある方のみとさせて いただいていますので、ご招待はできません。ごめんなさい) 別にライブだけじゃなくて、いろいろやってるんだけど、書く暇がなくて、 これじゃライブ以外のこと何にもしてないみたいですね…。(Nami) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv/ url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |