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タイトル:Daily Drama Express 2007/10/11 医龍2 (1)  2007/10/25


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/10/11 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 医龍 Team Medical Dragon 2
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 朝田龍太郎(坂口憲二)
 伊集院登(小池徹平)
 片岡一美(内田有紀)
 霧島軍司(北村一輝)
 木原毅彦(池田鉄洋)
 野口賢雄(岸辺一徳)
  鬼頭笙子(夏木マリ)
 荒瀬門次(阿部サダヲ)
 藤吉圭介(佐々木蔵之介)
 里原ミキ(水川あさみ)
原  作 乃木坂太郎 永井明(原案) 吉沼美恵(医療監修)
『医龍〜Team Medical Dragon〜』
脚  本 林宏司
主題歌   『』

あらすじ  KARTE01 : 復活!!チーム・ドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月

 ニューヨーク。
 昼から患者の容態が急変した!
 大変危険な状態だ!
 サチュレーションが低下してきた。
 酸素をマックスまで上げろ!
 ジャスミン、しっかりして!
 酸素、アップしました!
 心不全のコントロールができない!
 VF!
 DCスタンバイ!
 心臓マッサージ開始!
 あのドクターはまだか?
 今向かっています!


 ヘリで屋上に到着した朝田龍太郎(坂口憲二)。すぐオペに掛かる。

 ポンプ・オン!
 常温のままキープ!
 補助人工心臓を出せ!
 心臓ドナー待ち患者の容態が急変した!?
 人工心肺植え込み術が必要か.....
 DCMでアレスト? 厳しいな.....
 助かる可能性は10%といったところだろう。
 そのために彼を呼んだのだ。
 彼はその10%を100%にする男だ。

 心臓に直接電気ショックを与えると、人工心肺停止、補助人工心肺
開始!

 補助人工心肺装着までに、15分と掛からない…出血もほとんど無
い。

 龍太郎は、難民キャンプで1年、移植医療のために、アメリカに渡
って1年。

 今日オペした病院のドクターから、暫くここで働かないか、と誘わ
れる。
 でも、龍太郎は返事をしない。


 その頃日本では、とある教授と共に、心臓のオペに、地獄耳の助手
・木原毅彦(池田鉄洋)と伊集院登(小池鉄平)、看護師・里原ミキ
(水川あさみ)たちが入る。
 でもその教授は、手際は悪いし、下手で、血管に傷を付け、血が噴
き出す。

 みかねた登が鮮やかに処置し、事なきを得る。

 その後の教授はずっと不機嫌。

 オペの後木原は登に、教授の面目を潰してはまずい、と言う。

 登が、あんなこと、研修医でもできるのにと言うと、木原は、論文
ばかり書いていて、滅多に切ったことのない教授なんて、ゴロゴロい
る、と言う。

 登が、加藤晶(稲森いずみ)はいつ帰ってくるのかな、とつぶやく
が、木原はUCUに請われて行ったのだから、2,3年は戻ってこら
れないだろう、と言う。

 木原は、病院の受付を見たか?と言う。前は2,3時間待ちは当た
り前だったのに、今はガラガラ。
 医師の年間手術数ランキングも雑誌に掲載されている。明真大学附
属病院は、ランク外。ドラマで言えば、途中打ち切りレベルだ、と言
う。
 診療報酬は下げられ、大学病院も自主採算の時代。大学病院もお客
様−−患者−−を増やさなければ、倒産する。

 木原は登に、チーム・ドラゴン集結のメールが聞いてるって言うの
は本当か聞く。

 登がメールを見せる。でも差出人のアドレスは知らないアドレスだ
し、名前も無い。

 チーム・ドラゴンが再集結できたら.....せめて龍太郎がいたら。
 とはいえ、藤吉圭介(佐々木蔵之介)は今、福岡。麻酔医・荒瀬門
次(阿部サダヲ)もチーム解散後は、生きる張りを失って、投げやり。

 木原も、今の明真大学附属病院、いや大学病院というものを救える
のはあいつしかいない、と認める。

 先日、オペで恥をかかせた江上教授に呼ばれる登。
 最近、外資に買い取られた病院へ行って、立て直して来い、と辞令
を渡される。


 「あいつが帰ってくる!」とみんなが騒いで出迎えると、現れた人
物は野口元教授(岸辺一徳)。
 タクシーを降りると、「こっちは涼しいねぇ」とつぶやく。

 野口のことを、総長が直々に呼び出したのだ。
 確かに野口は数々の修羅場をかいくぐってきたし、人脈も広い。今
の明真大学附属病院立て直しに、必要な人材かもしれない。
 野口の役職は、リスクマネージメント部 統括部長。総長直属部署。
全学を掌握し、教授より上。


 藤吉もチーム・ドラゴン再集結を呼びかけるメールを見ている。

 患者・富樫ゆかり(りょう)は拡張型心筋症で、手術しかない。で
も、その手術が大変難しく、手術できないと、今までたらい回しにさ
れてきた、と言う。


 教授会で発言する野口。今や病院も年間100件以上倒産する時代。
すなわち病院も民間経営並みの努力が必要、と。

 野口に呼ばれる江上。
 野口は、登を北洋に飛ばした件を話題にする。
 明真大学附属病院を救うには、救世主が必要だ、と野口。


 ひき逃げでショックを起こした女性が運ばれてくる。
 今から血液のクロスマッチングしても、植物状態がせいぜい。形だ
け、レスキューしておくか、と言う。

 ERの元教授・鬼頭笙子(夏木マリ)がアメリカへ行ってしまって
から、ERの救命率もすっかり下がり、モチベーションも上がらない。
 今回も、患者が心停止を起こしてしまったので、死亡診断書の用意
を始める。

 そこに龍太郎が現れ、心臓を出すと、直接マッサージ。そして、こ
れから心臓、大腿部、同時にリペアすると言う。

 龍太郎は、麻酔として、荒瀬を呼ぶ。この同時リペアを可能にする
には、荒瀬が必要、と。

 荒瀬は龍太郎に、「75キロ、久しぶりだな。1キロ痩せたな」と
言う。

 龍太郎と荒瀬の神業で、患者は落ち着く。

 それを見た江上は、野口にご注進。勝手に手術室に入って、オペし
ちゃうなんて、厳罰を以て処し、ほかの医局員に示さなければ、と言
う。

 野口は、龍太郎のような腕のいい医者こそ、明真大学附属病院に必
要。これからの看板ドクターだと言う。
 龍太郎は、胸部心臓外科の客員教授として迎える。思う存分手術し
てください、と言う。
 江上のように、『医局』なんて言っているのは、古い。医局の前に、
大学が潰れてしまっては、元も子もない。

 江上はワイン好きだったよね、と言うと、山梨の系列病院行きを命
じる野口。

 龍太郎には、似合うと思って買ってきたと、タイシルクのネクタイ
を差し出す。


 野口が記者を前に、明真大学附属病院の改革を発表。
 医局の廃止と、臨床経験豊富な医師を招聘することを、改革の二本
柱とする。
 まずその第1号が龍太郎。龍太郎は日本で唯一バチスタ手術の新し
い術式を考案し、今はミネソタ大学で、移植の研究をしているところ
を、明真大学附属病院に来て貰った。

 これから Live DEMONSTRATION ドール手術の公開オペ。オペ室と
会場を結ぶ。をよろしく、と発表。

 ドール手術はとても難しいオペ。執刀するのは龍太郎。これで明真
大学附属病院の技術の高さをアピールすると言う。


 木原は登に、野口にとっては昨日の敵は今日の友。腕のいい医者は
お客である患者を呼べる、価値ある商品、と言うことだと言う。

 心肺停止から救われた女性患者・片岡一美(内田有紀)は、一般病
棟へ移れるまでに回復する。

 野口は、いかに一美の容態が重篤で、それを龍太郎が鮮やかに処置
したか、説明。
 一美は、専門用語を交えて、理解していることを示す。

 驚く野口に、一美は、医療系のライターをしていると言う。『サー
キュレーション・ワールド』という、循環器系の専門誌を特に、と。
 野口は、退院したら、龍太郎の記事をドンと書いてと頼む。
 一美は請け合う。


 龍太郎は、ライブ・オペに反対する。オペは患者のためにある。龍
太郎の手術は見せ物じゃない、と。
 野口は、それなら1千万円払う、と言う。
 龍太郎は、その電卓では桁が足りないと言う。


 屋上に集まる元チーム・ドラゴンのメンバー達。
 龍太郎は、難民キャンプの後、フィラデルフィアのグロリア病院で、
一通りの移植手術を学んだ。グロリア病院は、この分野では、最高峰。
そのなのに明真大学附属病院に戻ってきたのは、あのメールを受け取
ったからだと言う。

 藤吉も現れ、今度の患者について、説明する。この患者は、今まで
方々の病院をたらい回しにされた挙げ句、チーム・ドラゴンの噂を聞
いて、訪ねてきた。
 富樫ゆかり 35才。彼女は拡張型心筋症で、今はニーハ3度のバ
チスタ適応症。
 だが、彼女は妊娠7ヶ月だった。今手術すれば、胎児は死ぬ。
 ゆかりは出産を希望していた。出産まであと三ヶ月。
 一方、ゆかりの心臓はあと2ヶ月で、いつ心不全を起こしても不思
議はない。

 今回も、心臓、肝臓、腎臓を1人でリペアした龍太郎の腕で、なん
とかできないか、という相談。
 心臓の拡張は、しずかに、しかも速い速度で進むので、定期検診の
時にはわからなかった。


 ミキに対して、どうして龍太郎が手術してくれないのだと暴れるゆ
かり。


 登は今日も当直。寝たかったのに、と言う。
 医局の人数、減っているからね、とミキ。

 登は、ゆかりは自分を助けろ、お腹の中の子も欲しい、なんて、ワ
ガママだと言う。
 ミキは、その気持ちも分からなくもない。あんなに大きく育った子
供をあきらめろって言われて、あきらめられるものではない。子供と
心中する覚悟まであるのだろう、と言う。

 野口から藤吉は、期限付きの非常勤講師として雇ってもいいと言わ
れた。広告塔として、なんとしてでもバチスタ・チームを復活させた
いのだろうし、龍太郎に公開オペをさせるのも、野口はあきらめてい
ないと、言う藤吉。


 登は疲れ切っている。
 藤吉が訳を聞くと、今日もゆかりが来て、龍太郎を出せとロビーで
大暴れ。最近、ああいう患者が増えている。あれやれ、これやれと要
求ばかり言い、何か気に入らないと、文句を付ける。マスコミの悪い
影響かな、と。

 龍太郎は登に、研修を終え、いっぱしの外科医になったつもりかも
しれないが、カルテだけ見ていても、ダメだという。

 次の日もゆかりは来ている。今日は、龍太郎の診察を受けた。やは
り子供はあきらめろと言われたという。

 登は、ゆかりの状態は、妊娠していなくても難しい。子供はまた次、
授かるかもしれないじゃないですか、と言う。

 ゆかりは、結婚して14年。様々な不妊治療の末、やっと授かった
命。もう次は無い。だから、たとえ自分の命がなくなっても、1秒、
いや一瞬だけでも、この子を自分の手で抱けたら、と言う。

 こっそりとゆかりの夫が来ていて、龍太郎に、ゆかりには子供をあ
きらめさせると言う。このままではゆかりは子供と心中してしまう、
と。

 ミキは産科に聞きに行く。
 でも、早産でも8ヶ月、28週以降でなければ無理と言われる。

 荒瀬も藤吉も、外国の文献まで読みあさる。

 みんなが頭を悩ませているところに、龍太郎がやってきて、ゆかり
のバチスタ手術をする。タイミングは、36週9ヶ月の時。
 帝王切開で胎児を取り出した後、母体の回復を待ち、バチスタ手術。
 バチスタ手術は早ければ早いほどいいが、一方、胎児の取り出しは、
遅ければ遅いほどいい。

 もし、帝王切開の負担に母体が耐えきれなければ、同時にバチスタ
手術に移る。

 問題は、帝王切開は全身麻酔では、胎児への影響が分からない。最
悪、取り出しても胎児が呼吸しないかもしれない。
 一方、バチスタ手術は全身麻酔でなければ、切れない。
 タイミングが計れるか?
 荒瀬は、やるしかない、と言う。

 36週まで持たせるとなると、気をつけなければならないのは、そ
れまでの全身管理。わずかなミスが死を招く。

 荒瀬はゆかりに安産のお守りを渡す。照れて、妻のお守りをもらい
に行ったついでだから、と言う。
 荒瀬は山口香(奥菜恵)と結婚し、香は妊娠していた。


 一美は、まだ松葉杖は手放せないが、退院できる。


 龍太郎と藤吉は、野口に妊婦のバチスタ手術の許可を求めるが、許
可できないと野口。
 このオペが成功すれば、明真大学附属病院の名声は、いやが上にも
上がると藤吉が熱弁をふるっても、野口は、失敗すれば訴えられるで
しょ、と否定。
 藤吉は、出産は患者本人が望んでいること。リスクは本人が承知し
ているという。
 野口は、お願いしますと言っておきながら、失敗すると訴えるのが
患者、と言う。

 龍太郎は、公開オペを引き受けてもいいという。
 野口はどうやってオペの成功を保証するのか、と問う。

 龍太郎は、自分がオペすることが保証だと言うが、野口はリスクマ
ネジメント部長として、許可できない、と断言。


 北洋病院の前に来た登は、一美に会う。

 二人は喫茶店に入る。
 一美はゆかりの件を聞く。一美は医療ジャーナリストだから、力に
なれるかもしれない、と言う。

 登は、ゆかりのオペには、野口が反対している。北洋病院に入院さ
せて、チーム・ドラゴンでオペしようとしたが、けんもほろろだった、
と言う。

 どうしてそこまでするの?と聞かれた登は、ゆかりの事情も知らず、
ひどいことを言ってしまったから。いつの間にか、病気を治しゃいい
だろう、というイヤな医者になっていた、と答える。

 一美は、野口の説得なら、する。また北洋病院の上の方にはコネが
あるので、この件を引き受ける、と言う。

 チーム・ドラゴンと一美に付き添われ、夫の押す車いすで、北洋病
院へ入るゆかり。

 一美がチーム・ドラゴンと、北洋病院の医師達を引き合わせる。

 建前上は、このオペは明真大学附属病院とは関係ない。北洋病院の
医師がオペをし、チーム・ドラゴンはあくまでサポート。
 でも、実際は大変に難しい手術のため、チーム・ドラゴンがオペを
担当する。野口との約束で、明真大学附属病院の名前を一切出さない
ことになっている。

 帰り道、よく野口を説得できましたねと聞かれた一美は、野口にこ
の件を通してくれたら、龍太郎の業績を大々的に扱う。でも、引き受
けてくれなければ、明真大学附属病院は、患者をたらい回しにすると
書くと脅したら、OKした、と言う。
 それに龍太郎は、自分の命の恩人だから、と。


 野口は龍太郎を呼び、ゆかりの手術には、一切明真大学附属病院の
名前を出さないこと。野口としては、公開でドール手術さえ成功させ
てくれれば、それでいいと言う。
 そして田島由起夫のカルテを渡す。

 龍太郎と藤吉は、田島に会う。
 田島は、公開オペなら、チーム・ドラゴンに執刀して貰えると言わ
れて、OKした。
 だからよろしくお願いします、と言う。


 参加者を収容するホールは、とても大きい。
 野口は、ここが明真大学附属病院の夜明けになる、と言う。


 ゆかりは、ベッドの下に、荒瀬から貰ったお守りを落としてしまっ
たので、ベッドから降りて拾う。
 すると、胸に苦しさを覚え、押さえる。


 ゆかりのカルテを見ながら、夜中の屋上でイメージトレーニングを
する龍太郎。

 登が飛んできて、明日がライブオペなのに、ゆかりの妊娠中毒症が、
突然悪化し、危険な状態になったという。

 藤吉は、妊娠中毒症のコントロールに失敗したこと悔やむ。このこ
とにより、ゆかりの身体は、あと12時間もたない。
 今からでは、産科のスタッフも、荒瀬もいないので、オペはできな
い。
 かといって、明日のライブオペも、田島は龍太郎を信じてライブオ
ペを承諾してくれた。もし龍太郎が切らなければ、野口は別の人を呼
ぶだろう。それは避けなければならない。

 何か打開策がないかと頭を抱える藤吉。

 龍太郎は、ドール手術を45分で終わらせるという。
 藤吉が、ドール手術は、2時間かかるだろう、と言うが、龍太郎は、
これしかゆかりを助ける方法はない。45分で明真大学附属病院で田
島のドール手術を終えた後、15分で北洋病院に駆けつけ、11時か
らゆかりのバチスタ手術を行う。

 そのためには、荒瀬が必要、と荒瀬に連絡を取る龍太郎。

 夜中、田島の病室を訪ねる龍太郎。
 まだ起きていた田島に、お願いをする。


 ライブ・デモンストレーション当日。
 続々と集まってくる聴講者達。
 野口が挨拶する。そして本日の司会者として、明真大学附属病院の
客員教授で、鬼頭式除細動機でアメリカのERでも有名なシカゴ大学
教授・笙子を紹介する。

 笙子は、龍太郎の手術を解説してくれる外人バネレストたちを紹介
する。

 荒瀬は龍太郎に、人使い荒いな、と言いながらもオペ室に入る。

 明真大学附属病院 ドール手術。

 北洋病院 バチスタ手術。
 明真大学附属病院のライブオペの様子をモニターで見ながら、ゆか
りのオペ室を見学する一美。
 ゆかりに麻酔が掛けられる。

 バネリストの皆様、ご自由にご質問下さい、という笙子。
 オペ室に龍太郎が入り、荒瀬と頷き会う。
 笙子が龍太郎に、手術の開始を依頼する。
 「これから虚血性心筋症に対する三種パイパスおよびドール手術を
行う」と龍太郎。

 笙子の何分かかるかの質問に、45分と答える龍太郎。
 どよめくパネリストと会場。

 笙子にミネラルウォーターを持ってきた木原は、北洋病院での件が
あるから、急いでいるのだと囁く。
 笙子が詳しく聞こうとしても、木原は口をつぐむ。
 笙子はそれでも龍太郎は、面白い男、と思う。

 龍太郎は、すごいスピードで手術を進めながらも、バネリストから
の質問に的確に回答していく。

 モニターで手術の様子を見ていた藤吉も、このスピードなら、本当
に45分でドール手術を終わらせるだろう、と思う。

 心臓のエコーを見ていた荒瀬が、僧帽弁逆流を発見。
 僧帽弁が破れたために発生している。

 モニターでそれを見ていた藤吉は、僧帽弁を今から縫っていては、
とても間に合わない、と思う。
 あと2時間かかる、と登。

 その時、ゆかりの心拍数が下がり、危険な状態になる。

 田島への人工心肺装着を指示する龍太郎。
 龍太郎は、後のオペを指示すると、オレは、ここまでだと言う。最
後までやるとは言っていない、と。

 その後、交代の執刀医が入ってきて、龍太郎にまずまずのオペだっ
たという。

 野口は、主役はあくまで龍太郎。そこいらの医局員に後は任せられ
ない、と言う。
 龍太郎は、これからはコロンビア大学胸部心臓外科客員教授の霧島
軍司(北村一輝)が執刀すると告げる。
 龍太郎が、「お前じゃなきゃダメだ。力を貸してくれ」と昨晩依頼
した相手が、霧島だった。
 執刀医の交代は、田島にも了解は取っているし、田島の臨床試験に
も、霧島に立ち会って貰っている、と龍太郎。

 霧島は龍太郎に、早く行け、と言う。これからは霧島が主役だ、と。

 参加者やパネリスト達は勝手に、45分というのは、この執刀医の
華麗な交代を見せるためだったのだと解釈し、感心する。
 野口は敏感に会場の雰囲気を感じ取り、この明真大学附属病院の華
麗なる手術パフォーマンスをご覧下さい、と言う。

 霧島は早口で説明しながら、オペをドンドン進める。自己弁温存法
で行う。
 笙子は、これは霧島の研究テーマだと解説。

 北洋病院バチスタ手術室前。

 ゆかりの夫がお守りを握りしめて座っている。
 その前を足早に走り、オペ室に現れる龍太郎と荒瀬。
 荒瀬は、龍太郎の指示より早く、ゆかりの麻酔に取りかかっている。

 ゆかりは、「子供、子供、わたしの子供」とつぶやき、涙を流す。

 龍太郎は、すごい早さで帝王切開をし、赤ん坊を取り上げる。
 でも、その子は泣かない。

 龍太郎が赤ん坊の背中を叩くと、泣き始める。
 龍太郎は赤ん坊を藤吉に渡す。
 藤吉は、赤ん坊を保育器に入れると、オペ室から運び出す。

 ゆかりはホッとする。
 登はゆかりに、「お母さんのいない子にするつもりですか!」と声
を掛けて、励ます。

 今度は荒瀬がゆかりに全身麻酔を掛ける。ゆかりに、「あとでまた
会おう。オレが必ず連れ戻す」と声を掛け、そっとゆかりの目尻の涙
をぬぐう。
 龍太郎はゆかりに、「お母さん譲りで、強い子です」と言う。


 龍太郎がゆかりの心臓を出すと、ものすごい大きさ。
 藤吉の管理のおかげだと言う登に、それだけではない。ゆかりの母
になりたいという願いの強さでもあるだろう、と龍太郎。

 龍太郎は心臓にメスを入れ、僧帽弁を形成し、バチスタ手術に取り
かかる。

 龍太郎は、触診で変性部位を特定すると、登にも確かめさせる。

 そこに藤吉が、暗い顔をして戻ってくる。赤ん坊がHLHSだとい
うのだ。
 HLHSとは、左心室低形成症候群のことで、先天性心疾患。この
ままでは致死率70%。1週間程度で死亡に至る。
 左心室と上方大動脈の発育不全で、心室と血管の欠損孔でわずかに
血流が保たれているが、どちらかの欠損孔が閉じれば、心停止から死
に至る。10万人に1人が発症する。
 検診等では見つからず、出産されて初めてわかる。

 極限状態で龍太郎は、登にバチスタ手術執刀を命じる。
 できないと言う登に、やるしかないのだ、と龍太郎。

 登は、ゆかりの願いを思い出し、また今まで何百回と龍太郎の手術
を見て、練習してきたことを思い出し、引き受けると言う。
 荒瀬も、登でいくしかないと言う。

 龍太郎の助手は藤吉がやるしかない。
 みんなの心配そうな顔に、「やるしかないんだ」と藤吉。

 変性部位の切除を始める登。「ボクが必ず赤ちゃんに会わせます」
とつぶやきながら。

 見学室の人たちは、バチスタ手術執刀医の変更に驚く。

 龍太郎に、HLHSの執刀経験はない。子供と大人の心臓は全く違
う。血管専門医が脳手術をするようなものだ。

 龍太郎は、携帯を、新生児の心臓外科のスペシャリストに学んだ人
につなげ、と指示。

 木原に呼ばれて、会場を出る笙子。
 今まで執刀経験のない龍太郎に、いくら龍太郎でも範囲を超えてい
る。自分が行くまで、待たせておくよう言う。

 龍太郎は、無理だ。チアノーゼを起こしていて、もたないと言う。
 笙子は、今まで一度も切ったことのない人は、携帯での指示だけで、
ノーウッド手術をこなすのは無理、と言う。
 龍太郎は、ここで手をこまねいていて、この子が死ぬのを待つわけ
にはいかない。別のオペ室では、登が戦い、明真大学附属病院のオペ
室でも、霧島が戦っている。龍太郎1人何もせずに、負けるわけには
行かないと言う。

 笙子は、龍太郎の腕に賭けることにする。
 龍太郎は、ノーウッド手術開始を宣言。
 笙子はタクシーに乗り込みながら指示。

 心臓を露出させた龍太郎は、逆流もあると報告。
 笙子は、それでは、ノーウッド手術をすると、血液が流れすぎるの
で使えない。

 ほかに方法は?と聞かれた笙子は、BTシャントを用いた方法も行
われたが、バイパスが大きすぎて、術後管理がうまくいかず、失敗し
た例があると言う。

 龍太郎の手が止まる。

 でも、それでも龍太郎は、オペを続行する。わずかでも可能性があ
る限り、と言って。

 結果は見えている、と言う証拠の言葉も聞かない。
 笙子はあきらめ、それならまず人工心肺を装着。循環停止するので、
45分が限界。それ以上掛かると、脳障害を起こす。

 龍太郎は、さっさと左心室を整形すると、PAシャントを作る。こ
こまでがノーウッド手術。

 ここからは、逆流が問題。このままでは肺に血液が流れすぎ、血圧
が低下しすぎる。

 笙子は、指示できるのはここまで、と携帯を切る。

 血圧は下がり、このままでは心停止する。
 龍太郎は、もう一度、Pomp On を指示。

 龍太郎は、ノーウッド手術は捨て、RV−PAシャントに術式を変
える。ノーウッド手術では、シャントが太すぎた。だからもっと細い
サイズでいく。
 藤吉は感心する。オペをしながら龍太郎は、新しい術式を考えてい
たのだ、と。

 笙子が到着したときには、オペは終わっていた。
 今度は、拡張気圧は下がらない。
 「何をやったの!?」といぶかる笙子。


 僧帽弁の形成およびドール手術を終了する霧島。


 バチスタ手術を終わらせる登。


 そしてHLHS手術を終わらせる龍太郎。


 万雷の拍手に誇らしそうな霧島。


 ミキとホッと笑顔を交わす登。


 龍太郎に拍手する笙子。
 龍太郎は、笙子がいなかったら、この子は助けられなかったと礼を
言う。
 笙子は、わたしだけでは助けられなかった。癪だけどね、と言う。

 「朝田龍太郎」とつぶやく一美。

 龍太郎はゆかりに、「お母さん譲りの強い子です」と言う。


 屋上で霧島は、公開オペを見に来ただけなのに、まさかオペを引き
継がされるとは、と言う。
 龍太郎は、あの状況で任せられるのは、霧島だけだったという。
 霧島は、自分のチームもなかなかだろう。今に龍太郎のチームに追
いつくという。
 期待していると龍太郎。


 木原が登のところに新聞を持って駆けてくる。妊娠9ヶ月の妊婦の
バチスタ手術成功は明真大学附属病院の快挙、ということになってい
る。

 裏のからくりを解説する木原。
 一番の狸オヤジは、北洋病院・院長の善田秀樹(志賀廣太郎)。バ
チスタ手術が成功するのを見越して、北洋病院で手術させ、成功する
と、その成果を明真に売って、両病院の業務提携を成立させた。こん
な話に野口が飛びつくのは分かっている。

 業務提携が成立すると、北洋病院は、明真大学附属病院が弱い産科
などの医者を、多額の移籍金と引き替えに、明真大学附属病院に行か
せた。

 それでは北洋病院が弱体化すると心配する登に木原は、外資は儲か
りさえすればいい。病院として成り立たなくなれば、潰して、土地を
売ればいいと言う。

 そこに来た医者は、木原の飲みへの誘いを断る。家族サービス、と
言って両手の人差し指と中指を同時に伸ばしたり、曲げたりする。
 何のことか分からない登に木原は、外資系のMRがよくやる、とナ
プキンにカンマを二つ書く。


 その頃一美をはねた犯人がつかまった。マツザキヨリコだ。息子が
北洋病院で満足な治療が受けられず、亡くなったことを恨んでいたの
だ。


 登は藤吉に、チーム・ドラゴン再結成を呼びかけたのは、藤吉か聞
く。
 藤吉は、自分ではない。藤吉もこのメールを貰い、呼びかけに応じ
ただけだという。
 登に聞かれ、ゆかりが藤吉のところに来たのは、ある医療ジャーナ
リストに紹介されたからと言っていたという。

 登は、これは一美に仕組まれたのだと悟る。からくりは次のように
なる。
 一美は、ゆかりをチーム・ドラゴンの一員である藤吉に、裏で糸を
引いて、引き合わせる。
 一方で、チーム・ドラゴンの再結成を呼びかけるメールをメンバー
に送る。
 オペは北洋病院で引き受ける。
 そしてオペの成功を手土産に、明真大学附属病院と業務提携をはか
る。
 チーム・ドラゴンは利用されたのだ。


 野口は誰かを自室に招き、病院を金に換えるビジネスがあったんで
すね。さすが外資、というと、タイ土産のワインカップに、ワインを
注ぐ。

 その相手は、北洋病院オーナーの一美。

 一美は、恨まれて、はねられたことは予想外だったが、それも龍太
郎の技術を間近でもられたので、得をしたという。


 早速多額の移籍金で、北洋病院から明真大学附属病院に、産科医が
移ってくる。


寸  評  2時間強の放送時間と言っても、最初は、前半は、医龍1の時の
復讐かな、と高をくくっていました。
 でも、放送を見てみたら、全く新しいストーリーが展開されていて、
予想外にボリュームがあって、正直言って困りました。

 登がバチスタ手術ができるぐらいに成長したのですね。
 やはり、特殊な場合以外は、変性部位を切り取るんですね。あるい
は、大人の場合、オーバーラップしては、邪魔なのか。

 それと、初めてなのに子供の心臓奇形を治してしまった龍太郎は、
何者ですか!?というほどすごすぎ。

 最初、一美はいい人なのかと思ったら、とんでもない、もしかした
ら一番の食わせ物かもしれませんね。

 ところで、チーム・ドラゴン再結成。晶はチーム・ドラゴンに不可
欠な人材では無かったのですね。最後にはあんなに尽力したのに、ち
ょっとかわいそう。真相は、稲森いずみのスケジュールが押さえられ
なかったとか!?

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 今回、『ガリレオ』と『医龍2』は、リアルであることにこだわっています
ね。
 理科好きとしては、こういうのって、とてもわくわくします。
 高校三年生の時、文系コースで物理を取っていたので、学年で16人だけ。
実験はやりたい放題でしたね。
 それにみんなわざわざそんな選択をする人たちだったので、授業も進みが早
くて、とても面白かったです。
 公判は、結構レーザーを使った実験が多くて(先生がレーザー好きだっただ
けかもしれませんが)。
 『ガリレオ』を見ていると、懐かしいです。
 将来の希望職業を決めていなかったら、物理学科に進学していたでしょうね。
 医学部でもよかったのですが、将来の職業が医者というのも、今ひとつで。
それに、死体や動物を扱うのも、ちょっと気が引けましたから。(鈴木)

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