Q1 どうしてaminという名前をつけたのですか?
私のニックネームです。中国語名が巫慧敏(ウーフェイミン)なので、中国では「阿敏(アミン)」とニックネームで呼ばれています。中国では本名でデビューしているのですが、日本語では発音しにくいので、ニックネームをアルファベットにして名前にしています。
Q2 歌手になったきっかけはなんですか?
音楽に関心をもったのは作曲家である父親の影響です。幼い頃から姉とともにいろいろな楽器を習わされました。私が二歳のときに、姉はバイオリンを習い始め、私はよくその横で歌を歌っていたものです。その後も琵琶やギターなどを習ったり、合唱団に入ったりしました。当時の中国で女の子がギターを弾くのはとても珍しくて、合唱団では私よりもずっと上手で声がきれいな人がたくさんいましたが、ギターの弾き語りで出番のチャンスが増えていきました。13歳のときに中国のコンテストで優勝してデビューしました。だからギターをやって本当によかったな、と今になって思います。
Q3 中国でとても成功していた時期に、どうして日本に来たのですか?また、どうして日本という国を選んだのですか?
中国での歌手活動があまりにも順調すぎて、「これでいいのかな?」って思ったのです。もっと刺激がほしかったし、外の世界を見てみたかったんです。日本という国は私にとってとても身近な存在でした。地理的に近いし、日本の歌やドラマなどをよく見ていたし、小柄のためよく「日本人っぽいね」って言われたこともあって、日本に興味を持っていました。海外に行くなら、日本でしたね。
Q4 日本語はどうやって覚えたのですか?
日本に来てから勉強しました。来る前は「こんにちは」「ありがとう」といった簡単なあいさつしかできなかったのですが、楽観的な性格なので「なんとかなるだろう」と思っていました。実際に日本に着いて、言葉が全然わからないので、電車に乗るのもすごく怖かったです。1年半くらい学校で基礎的な部分から日本語を勉強して、それから少しずつで話せるようになりました。
Q5 中国と日本のそれぞれのよいところはなんだと思いますか?
日本のよいところは、礼儀正しいところ、ルールや規則を守るところ、サービスが徹底しているところですね。日本に来たことのある中国の友人はみんな感心して帰りますよ。逆に中国のよいところは、すごくエネルギッシュであること、あと細かい所を気にしないところですね。「気にしなくていいんだぁ」と思うと、とても気持ちが楽になります。
中国と日本はそれぞれ良いところがあって、中国と日本を交互に往復するとバランスをとることができます。日本で生活していて、ちょっとパワーがほしいな、気持ちを休めたいな、と思ったら中国に帰って、逆にもっと落ち着きたい、集中したいなって思ったら日本に戻るという生活です。
Q6 日本に来てから、中国や上海に戻る時はどういう気持ちですか?
今中国はすごく発展していて、特に上海は変化が著しいです。祖国が発展して裕福になっていくのはもちろんうれしいのですが、以前あった道や風景が変わっていくのは寂しいことです。
Q7 中国でとても成功していた時期に日本に来たわけですが、日本に来たことを後悔したことありますか?
この質問はよく聞かれるのですが、後悔はしていません。逆に日本に来て人間としても、歌手としても非常に成長したと思います。いろいろな人に出会って、刺激をもらって、私の歌に対する考えも変わりました。中国では歌手は「青春飯(若さを売りにする職業)」と言われているが、今はおばあちゃんになっても歌い続けたいと思っています。私の歌がどこかで誰かを元気づけたり、癒したり、あるいは私の歌を聞いて中国や中国語に興味をもってもらうことができたらうれしいです。こうして歌を唄うことに意味や役割を見いだしたのも日本に来てからです。
それに中国を離れると今までに気付かなかった中国の良さを知ることができて、ますます中国が好きになりました。更に中国と比較することで日本や日本人の良さも実際にこの身で体験できました。本当に日本に来て良かったです。今の若い人にももっと視野を広げて、外の世界に触れてほしいです。
Q8 歌手で尊敬している人はいますか?
ジョニ・ミッチェルというカナダのシンガーソングライターがとても好きです。彼女はもうすぐ67歳になるのに、とてもパワフルに音楽活動を続けています。私もいつかそういうふうになりたいです。
Q9 aminさんはご自身で作詞や作曲もされていますが、いつもどういう環境でされていますか?
よく静かな場所のほうが集中できる人がいますが、私はだめです。静かすぎると時間が止まっているようで、私の思考も止まってしまい眠くなってしまいます。私は逆に少し騒がしいほうが集中できますね。時間が流れていることを感じることができ、インスピレーションを得ることができます。作詞や作曲はよくカフェなどでやっています。
Q10 今後の活動予定や夢はなんですか?
日本のみなさんにもっと聞いて頂きたいので、もっと日本語の歌を増やしたいですね。それから上海出身なので2010年の上海万国博覧会で歌うことができたらうれしいです。
Q11 10月21日(日)にライブがあるということですが、少し紹介していただけますか?見どころはなんですか?
サントリーウーロン茶のCMソングをいつくか歌っていますが、その歌の歌詞から中国語を学ぼうという本『ウーロン茶のCMソングから中国語を始めませんか?』(小学館、2007.9)を発売しました。それを記念してのイベントで、ウーロン茶の歌を中心に歌い、その歌が生まれた時のエピソードや上海の話もします。歌を歌うときのポイントを指導して一緒に歌ったり、サイン会を開くなど、ファンの皆さんとの距離が近いライブになっています。 |