メルマガ:走りに自信ないライダー必見!一目置かれるライテク術
タイトル:【一目置かれるライテク術】8号・そのフォームが転倒へとつながる!?  2007/10/04


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 走りに自信ないライダー必見!一目置かれるライテク術
 
                   Vol.8  by セイジ
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世の中の全てのライダーが、
  幸せで安全な“ツーリングライフ”を送れることを願っております・・・。

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■そのフォームが転倒へとつながる!?

こんにちは、セイジです。

今日は、バイクを運転する大多数の人が危険にさらされている
「間違ったライディングフォーム」について考えてみます。


みなさんの中にはカーブの途中

 A・・・さほどスピードも出していないのに転倒した
 B・・・路面はドライで砂ジャリなども無かったのにいきなり転倒した

などの、まったくもって不可解な転倒を経験した人はいませんか?


バイクが2つのタイヤのみで走る以上、
我々は常に転倒と背中合わせで運転しています。

転倒にも「良い転倒」と「悪い転倒」があるのをみなさんご存知でしょうか?

「転倒に良いも悪いも無い!」というお叱りの声が聞こえてきそうですが、
いやいや、これがあるんです。


「良い転倒」とは、転倒した理由がはっきりわかった上での転倒です。
転倒した(失敗した)理由さえ ちゃんと把握できていれば、
次はもう同じ過ちは犯しませんよね。

「失敗が上達への最良の先生」と言われる所以(ゆえん)です。


でも・・・。転倒した理由がわからなかったらどうでしょう。

また同じ過ちを犯す恐れもあり、
理由がわからないからいつもビクビク。

「コーナリングが全く楽しめなくなった」
というライダーも多く見受けます。


この理由不明の転倒こそが、まさしく「悪い転倒」です。

しかしながら、「理由無き転倒」というのはこの世には絶対にありえません。

転倒するには、必ず理由があるのです。

気づかぬうちにこの「過ち」をしているライダーを本当に良く見かけます。

えっ?

どんな「過ち」かって?

それはコーナリング中のフォームにヒントが隠されています。

さて、コーナリングフォームには概ね4つの種類があるのをご存知でしょうか。

 (1)リーンウィズ
 (2)リーンイン
 (3)リーンアウト
 (4)ハングオン

この4つのフォームの中に、もっとも危険なフォームが隠れています。
あなたにはわかりますか?

正解は(3)リーンアウトです。

リーンアウトは初級ライダーが一番最初に覚えるコーナリングフォームとされて
います。

体が起き気味なので、なんとなく安心感が感じられるのと同時に、
他のフォーに比べ視界が格段に良いので、
また運動量が少ないため体力的にも楽であるため、
知らず知らずのうちにこのフォームを取ってしまうのです。

そして何より、
「カーブが怖い(寝かしたバイクが倒れそうで怖い)」
と感じてしまうため
体がカーブと逆方向へ無意識に逃げてしまうのです。


さて、この知らず知らずのうちに自然と体得してしまうリーンアウト。
なぜ危険なのでしょう。

同じ曲率半径のカーブを同じ速度で走りぬける場合、
このリーンアウトという体制からもたらされる車体の傾きは、
他のフォームに比べ、一番傾いて(寝て)います。

なぜなら、車体の遠心力と同じ方向に体重を移動してしまっているのですから、
車体はカーブを曲がりきれず、外へ外へとふくらみやすくなります。

従って、曲がりきれないから、車体をもっと傾ける(寝かす)
必要が出てくるのです。

こうして、タイヤの端っこまで使い切った
限界ギリギリの走り方になってしまうのです。

いわば、余裕の全くない(=安全マージンの少ない)
コーナリングとでも言いましょうか。

そこへ来て、
体が上へ(遠心力と同じ方向へ)と起きてしまっているのですから、
カーブで寝ている車体を、上から押し付ける形となってしまいます。


もう、お分かりですね。

より寝ている車体を、さらに上から押すのですから、
非常に転倒しやすい状況を自らつくり出している事になるのです。


リーンアウトは一般的に低速走行時に多用すべきフォームだと、
某ライテク本には紹介されています。

低速時は車体に強い遠心力が働かないので、
ライダー自身が外側へ体を預けることで遠心力の代わりをし、
バイクをさらに傾け旋回性能を高めようというのがその理由です。

しかしながら私はのフォームは避けるべきと考えています。

リーンアウトは、上達と安全を阻む恐れがあるからです。


ステップに付いているバンクセンサーを路面に擦ってしまう走り方を
「俺は(私は)コーナリングが上手い」
などと勘違いしてはいけません。

本来バンクセンサーを路面に設置させてはいけないものです。

「これ以上バンクさせては危険なのですよ」
ということをライダーに教えてくれるセンサーなのですから。


同じようなジャンルのバイクで、
自分はバンクセンサーを擦りながら走っているのに
友人のバイクにコーナーで置いていかれるのであれば、
あなたのフォームは「リーンアウト」なのかもしれません。

「友人があのスピードで走り抜けられるのだから、自分も大丈夫。」
と考えるのは、非常に危険です。


まずは、みなさんも
「リーンイン」や「リーンウィズ」のフォームを意識し
常日ごろから気をつけてバイクに乗ってみてください。

「これでもか」っていうくらい「リーンイン」しているつもりでも、
結構それで「リーンウィズ」だったりするものです。

オンロードでの「リーンアウト」の習得は、
ライディングの基礎が出来てから、
よりライディングの幅を広げる段階で覚えても遅くはないでしょう。



たまには友人と一緒に、ライディングフォームをビデオなどに取って、
自分のフォームを客観視することを、おススメいたします。

上達への近道かもしれません。


ところで、「ハングオン」は・・・、

一般道ではお勧めしないフォームなので説明は割愛します。(笑)

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  編集・発行:ツーリングライダー セイジ
        mail@touringriders.com

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■編集後記

雨の長雨すっきりしない天気が続いていましたが、ツーリングは楽しめていますか?

暑かった夏も過ぎ、すっかり秋めいた気候になりましたが、
こんな時期は意外と短いですからね。

私もそろそろ、高原への紅葉ツーリングでも計画しましょうか?

それでは、素敵な秋のツーリングを満喫ください。

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