東京・パリ往復書簡
一冊のロマンチックな新刊書が日本で話題になっている。本の名は「午前4時、東京で会いますか?」、著者の一人は54歳のフランス人、リシャール・コラス(Richard Collasse)、もう一人は35歳の中国人、シャンサ(山颯)である。
シャンサは1997年にSHANSAというペンネームで、パリの文壇に颯爽と登場した。彼女のフランス語の小説「碁を打つ女」はフランスの4つの大きな文学賞にノミネートされ、高校生が選ぶゴンクール賞を受賞した。この小説は2001年から2002年のフランスにおけるベストセラーの一つとなり、イギリス、アメリカ、ドイツ、韓国、中国、日本など17カ国で翻訳出版された。リシャール・コラスは化粧品ブランド、シャネルの日本法人の社長で、少年時代をモロッコで過ごし、ニコンのカメラを買うために日本にやってきて、現在は鎌倉に住んでいる。シャンサの作品の大ファンである。約1年前、彼らは東京で出会い、4時間にわたる会話を交わし、見えない「赤い糸」で結ばれたように年齢を超えた友情を結び、そこで一冊の本を二人で書こうという強い願いが生まれた。
「午前4時、東京で会いますか?」の内容は、往復書簡である。表紙は東京、裏表紙はパリ。透明な表紙の色彩が、漂う霧を思わせる。「あなたが住む東京で日が昇るとき、私が暮らすパリは真夜中です。」―――最初の手紙の冒頭を、シャンサはこのように思いを込めて書いた。異なる個性を持つ二人は、異なる国にいて手紙を交わし、中国、フランス、日本、モロッコの文化、政治などについて語る。これは日常的な交流ではなく、精神の交流なのである。ネット隆盛の現代にあって、手紙の交換には人々を憧れさせる魅力がある。
本の扉ページに、シャンサはこう書いている。「一緒に対話の本を書こうと二人を突き動かすものは、一体何なのでしょう。」それに対してリシャール・コラスはこのように答える。「二人のあまりにかけ離れた、それでいてあまりに似通った子ども時代にさかのぼる、かすかな音楽が聞こえてきたのです。」
「午前4時、東京で会いますか?」ポプラ社、1575円 |