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[暴政] 国民主権を“ナルシズム美のため”に弄び”放り投げた「世襲いかさま師」 たちの罪 2007.9.14 <注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070914 (日本国民の悲劇の発端は小泉劇場に仕込まれた“いかさま”にある) 【画像1】ヒエロニムス・ボッス『いかさま師』 f:id:toxandoria:20070812105118j:image Hieronymus Bosch(ca1460-1516)「The Conjurer」Oil on panel 53 x 65 cm Musee Municipal Saint-Germain-en-Laye ● この絵はボッスの初期の作品で、珍しく非宗教的なテーマの絵です。いかにもワルそうで小泉劇場の主人公・純一郎氏に似た香具師(やし=大道ペテン師、バッタ屋、美人局の類)の前に大勢の「カモの見物人」が集まっています。その中には単なる野次馬とともに「あくどいサクラ」たち(参照、下記の注記■)が混じっています。 <注記> ■「あくどいサクラ」たちとは、ナルシズム小泉劇場、美的ヘタレ安倍内閣で言えば「総議員数の過半以上を占める世襲議員、あるいは御用学者、政財官癒志向の財界人」などのこと。 ■ なお、標題で使った「ナルシズム」とは、幼少期(3〜4歳の鏡像段階/フランスの精神分析家、ジャック・ラカン(Jacques Lacan/1901−1981)の命名)における「抑圧」(コンプレックス)から発生する「無意識の葛藤」がもたらす自己愛・自己陶酔的なパーソナリティーで、ヒトラー、ブッシュ大統領、元・小泉首相、安倍首相らに共通する特異な超自己中心的な精神環境であり、その大きな特徴は一般国民層の現実生活への理解が徹底的に欠けていること。 ●それとなく背後に立つ「あくどいサクラ」の男は、ターゲットの「カモ」にされた横向きで屈(かが)みこんだ老人(さしずめ後期高齢者層の一人か?)から「ナケナシの財布」を抜き取ろうとしています。このからくりを知ってか知らずかは分かりませんが、その「カモ」の老人を下から心配そうに見上げている子供の表情が印象的です。 ●なぜかその目は空を舞うように見えます。それは、「改革」が必要だという政治状況を悪用して、その「改革」の中へアクドイ“いかさま”のトリック(過半の国民を誑かすためのメディア総動員による郵政民営化の強引な焦点化→実質はクーデタであった衆院解散劇の演出→2/3超の衆院議席占拠)を仕込んだ小泉劇場を引き継ぐ「過酷なお坊ちゃまの運命」への不安を予感するかのようです。 ●やがて、この“「カモ」の老人を下から心配そうに見上げていた子供(お坊ちゃま)”は、立派に成長して「美しい国」の宰相に推戴されます。そして、彼はナルシズム小泉劇場の主人公に似た香具師から学び取った「“いかさま”による美しいムチャクチャ改革」と「戦後レジームからの脱却という独善的アナクロニズム」を無理矢理にコンコード(concord/意見・感情・論理・利害などの辻褄合わせ)させようとしたため心身のバランスを崩してしまいました。 ●今回の安倍総理によるタイミングを外した余りにも唐突で無責任な辞任劇は、米ブッシュ大統領の言いなりでイラク戦争へ参戦した誤りを徹底的に厳しく国民から批判されて潔く退陣したうえ、スムースに政権を後継者のブラウン氏へ譲ったイギリスが、今や、実質経済成長率3%の安定成長路線を歩みつつあり失業率も大きく改善していることに比べると、日本政治の混迷・不手際と、それが国民の主権と国益を大きく損なっていること(=国民主権が危機に瀕することばかりをやってきた/つまり、米ブッシュ大統領のご機嫌取りばかりで国民の隅々への気配りが殆どなかった)が分かります。 (現代日本の特異な世襲ナルシズム政治に驚く世界) ●世界を見渡しても例が見当たらない昨日の安倍総理の突然の辞任劇は、「APEC首脳会議」や国会における「所信表明演説」直後の突然の辞任劇だけに外国からの日本に対する信頼感を根底から損なう恐れがあります。 ●殆どはテレビ等、各メディアの報道で周知のことと思われますが、特に重要と看做すべき「世界の驚き」を少しだけ列挙しておきます。 (1)『“美しい国”の真相を国民が警戒した結果だ』、アーサー・ストックウイン・Oxford Univ.元教授(出典:2007.9.13付・日本経済新聞) ・・・多くの日本国民は、安倍氏が掲げた「美しい国」という目標について、国家を中央主権的(戦中・戦前回帰的)な体制に引っ張ろうとしていると警戒したのではないか。 (2)『安倍総理は甘やかされた子供だ』、仏ラジオ局・フランス・アンフォ(出典:時事通信、http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007091201080) ・・・ニュース専門の放送局「フランス・アンフォ」は12日、安倍晋三首相の退陣表明を速報するとともに、“安倍氏は政界の名家出身だ が、国民の目には『甘やかされた子供』と映っていた、と報じている。 (3)『安倍総理はナイーブで内閣運営の経験と感覚を欠いていた』、仏紙ルモンド(電子版)(出典:同上) ・・・安倍氏は「自民党最右派」で、日本を過去の(第二次世界大戦に対する)コンプレックスから脱した大国にしようと目論んでいたが“既に国民の支持は落ちていた”と伝えた。 (それでも、市場原理主義(=新自由主義思想)に潜む“非情と冷酷”に気付かぬ過半の日本国民) ●以下は、下記記事(★)へのコメント&レスの再録(部分的な修正・追記あり)です。 [★2007-09-11付toxandoriaの日記/[暴政]「美しいヘタレ内閣」の“公正”大臣が露にした“新・いかさま師”の本性、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070911] とむ丸 『この、自分の足を喰らうタコのイメージは、ナオミ・クラインが指摘した国家の民営化のイメージそのものですね。民営化が進むと、自己そのものの収奪に至る、というものです。』(2007/09/13 12:45) toxandoria 『“とむ丸”さま、コメントありがとうございます。 「安倍の美しい国」はあっけなく自壊しましたが、日本では、却って暴走する資本主義の危険性が増しつつあると思っています。 それは、過半の日本国民が未だにナオミ・クライン女史が説く「グローバル市場原理主義が孕む予測困難なリスク」の概念が理解できないという、一種の“バカの壁”状態が存在するからです。 【画像2】自食する(Autophagy)タコのイメージ=「小泉劇場⇒美しいヘタレ安倍内閣」と「米国サプライム問題」が共有するバカの壁 f:id:toxandoria:20070909231631g:image 当記事(http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070911)の『自食する(Autophagy)タコのイメージ=「小泉劇場⇒美しいヘタレ安倍内閣」と「米国サブプライム問題」が共有するバカの壁』という表現が気に障ったためか、サイト上の“某所”で『このような不埒な考えを持つ人物は国賊の名に値する!』よしの“ありがたい評価”(?)を頂戴してしまいました。 要するに、もっと国民の多くが滅私奉公敵的に一生懸命働きさえすれば、こんな<文学的(?)懸念>も<日本が抱え込む深刻な財政破綻の懸念>(参考資料、下記▲)も吹き飛ぶという“単純極まりない良識&コモンセンス?”を持つ人々が未だに多いということです。しかし、この種の一見手厳しく、正統であるかのように見える批判は、ちょっとだけでも歴史と経済学史をおさらいすれば、自ずから誤解であることが分かるはずです。 [参考資料] ▲日本の財政赤字カウンター、http://ueno.cool.ne.jp/gakuten/network/fin.html 本来、<正義>(Justice)には<公正>(Fairness=取引する者どおしでの正義)と<公平>(Impartiality=客観的・第三者的な立場での正義)の二つの成分があり、自由原理主義的で野放図な民営化は後者を徹底的に排除することに繋がると思います。この問題は、やがて急速に拡大しつつあるイスラム金融(利子を禁じている)、あるいはグラミン銀行(参照、http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%E9%A5%DF%A5%F3%B6%E4%B9%D4)などとのかかわりなどの側面からも必ずスポットを大きく浴びることになるはずです。 例えば、このことを無視した過酷な地域医療への皺寄せ、後期高齢者医療制度の導入など<日本の医療の混合診療化への悲惨な道(=国民皆保険の原則の破壊)>が小泉内閣〜安倍内閣の政策(経済財政改革の基本方針=骨太方針)によって推し進められてきたことへの反省も殆ど大きな声にはなりません。 偶然にも、この問題は本日(9/13)のNHK番組(下記★)が取り上げていましたが・・・。 ★NHK教育テレビ『福祉ネット/医療の崩壊をどう止める?(金子 勝の緊急提言)』2007.9.13、PM8:00〜8:30 それどころか、この程度の“悲惨”はむしろ改革の痛みとして我慢すべきだと言う“良識ある善良な国民?”からのかなり大きな期待の声が聞こえてきます。 しかしながら、これは、それら大方の国民の<正義>についての理解が浅薄だからだと思います。あるいは、そのような主張を持つ人々は、たまたま運良く自分が未だ悲惨な目に会っていないか、悲惨な現場を見たことがないか、さしあたりは仕事が多忙であるか何かの理由で無関心なだけだと思います。しかし、この問題はかならず国民の一人ひとりの身に振り掛かってくるはずです。 ともかくも、このような意味で自由原理主義的な改革の矛盾と誤謬が理解できない『バカの壁』を抱え込んだ人々は非常に手ごわい存在だと思います。』(2007/09/13 20:50) (見逃すべきでない、“サブプライム問題”に関するEU(欧州連合)→ブッシュ政権への助言) ● 『自食する(Autophagy)タコ』への制御を既に取り込んでいるEU(欧州連合)が、“米国のサブプライム問題”に関して、ブッシュ政権へ下のような助言(より厳格なEU型を基準とする金融市場規制への収斂のための対話)を申し入れた(参考資料、下記◆)ことを看過すべきではないと思います。 [参考資料] ◆ 『サブプライムローン問題を発端とする世界の金融市場の混乱を受けて、欧州連合(EU)がアメリカ政府に対し金融規制対話の強化を 求める申し入れをした』と報じられている。これは、より厳格なEU型を基準とする金融市場規制への収斂をアメリカへ促すことを狙いと する、注目すべき新しい動きである(出典:2007.9.6付・日本経済新聞)。 ●実は、派手で見栄えがよいブッシュ好みの大言壮語型&軍事力優先の「テロとの戦い」よりも、このようなEU型の地道な対話姿勢こそが「テロとの戦い」を終わらせるために必要な冷静で合理的な対処方法です。 ●なぜなら、EU型を基準とする金融市場規制の手法には、先に触れた『正義が持つ二つの側面』(=公正と公平をバランスさせることこそが、謂わば不定形で実像が捉えにくいアモルファス(Amorphous/参照、http://www.nims.go.jp/apfim/amorphous.html)な現象)についての考え方がシッカリ根付いているからです。 ● なお、ここには「アングロサクソン型金融ビジネスの手法」(債権者の権利を重視する法制・簿記会計法等=米国型市場原理主義の土壌)と「ジャーマン・フランコ(ドイツ・ヨーロッパ大陸)型金融ビジネスの手法=フランクフルトなどで培われたEU型市場主義」(投資者の権利を重視する法制・簿記会計法等の土壌)の違いが影響を与えているのですが、これ以上ここで触れることはできません。 ●ともかくも、軍事力優先の「テロとの戦い」よりも『自食する(Autophagy)タコ』を制御しつつ、より効果的に持続的な経済を地球環境へも十分配慮しつつ成長させるべきだという信念がEU型の地道な対話姿勢の支えであり、そこには、これこそが「テロの原因をもたらす不条理な事象=予測不可能性(Estimate Impossibility)」へのベストのアプローチだという健全な歴史観と科学的な視点が存在します。 ●別に言うなら、ブッシュ型「テロとの戦い」は、“予測不可能性(Estimate Impossibility)とリスク(Risk)”を混同するという意味で、一種のカルト化した観念です。別に言うならばEstimate Impossibilityは文字通り予測できませんが、Riskは統計科学的アプローチにより確率論的な意味合いで予測できます。この両者を混同するのは、謂わば魔術信仰のようなものであり、奇しくも、この特異な精神環境は「ブッシュのテロとの戦い」、「小泉劇場」、「安倍の美しい国」に共通するものです。 ●いずれにせよ、「小泉政権→安倍政権」が取り組んできた「上げ潮路線」(単純なトリクルダウン(新自由主義)信仰に基づく、ブッシュ好みの偏狭な政策)と世襲政治家ゆえのアナクロニズム嗜好(=政治権力者の個人的な美学世界への耽溺)は、世界の歪んだマネーゲームを煽り(円キャリー取引の拡大など)、あらゆる局面での格差拡大を加速しただけという意味で<バカの壁を厚塗りしただけの大失政>以外の何ものでもありません。それは、視点を変えればEU型経済&ビジネス成長の視点を、これからどのようにして日本で活かすべきかという問題に繋がるはずです。 ●なお、当記事内容に関係する下記の記事も併せてご参照ください。 2007-09-09 /サブプライムローン」と「美しい国の格差」に共通する“タコの自食行動”、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070909 2007-09-07 /“われ歌う、ゆえにわれあり”のルチアーノ・パヴァロッティ逝く、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070907 2007-09-03 /小泉→安倍へ継承された「見栄え政治(軽薄な美しい国)」の崩壊、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070903 2007-09-02 サブプライムローンが炙り出した「美しい国」の悪魔の正体 、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070902 |