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ダイエットが原因で脂肪肝になる。 そんなことあると思いますか? 痩せるために、脂肪や糖質の摂取量を抑えている。 だから、アルコールを大量に飲む人や大食いの人達がなるような脂肪肝にはな るはずがない。 そう思いますよね? でも、実はダイエットが原因で脂肪肝になることがあるんです。 その原理をこれから説明します。 ■肝臓の脂肪代謝機能と脂肪肝 まず、肝臓は脂肪代謝の機能を持っています。 この機能が脂肪肝に深く関連してくるので、それをまず説明します。 まず、食品から摂取した脂肪は小腸で吸収され、カイロミクロンという大きな 粒子の物質に姿を変えます。 カイロミクロンはリンパ管を通り、リンパ液から静脈血に入って心臓にもどり 、肝臓の動脈から肝細胞へと送られます。 肝細胞はカイロミクロンを取り込んで、脂肪細胞へ送るために加工して、カイ ロミクロンよりも小さい粒子の物質を生成します。 つまり、肝細胞は脂肪を加工する加工工場のようなものです。 カイロミクロン→【肝細胞で加工生成】→小さい粒子の物質→【脂肪細胞】 このように脂肪(カイロミクロン)は肝細胞(加工工場)で加工されて脂肪細 胞へ運ばれます。 このため、肝細胞には常時少量のカイロミクロン(脂肪)が存在することにな ります。 この肝細胞に少量の脂肪ではなく大量の脂肪が存在している状態が脂肪肝の状 態ということになります。 ■ダイエットで脂肪肝になるメカニズム 食事制限による無理なダイエットをしていた場合、さまざまな栄養素が体から 不足してきます。 その状態で、皮下脂肪から脂肪が放出されて、体でエネルギーとして消費され なかった脂肪は肝臓に行き、中性脂肪になります。 ここで、通常の健康な栄養状態にある体ならば、肝臓にある中性脂肪とタンパ ク質が結合して、血液へ流れ出して体の必要なところに流れていきます。 実はこの肝臓にある中性脂肪はタンパク質と結合しない限り、血液へ流れて行 くことができません。 ここで、無理なダイエットによって、タンパク質の摂取量が極端に少なく、肝 臓の中性脂肪が結合するためのタンパク質が無かった場合、中性脂肪は脂肪に 留まり続け、結果的に脂肪肝になってしまいます。 また、無理な食事制限によるダイエットをしていて、体が糖質不足の状態にな ると体は糖を補うために、筋肉中のタンパク質を糖質に変化させます。 この状態が長く続くと、体は筋肉中のタンパク質を糖に変化させ続け、結果的 に体の中のタンパク質が不足します。 そうなると、肝臓にある中性脂肪と結びつく事ができずに、またしても脂肪肝 になってしまいます。 このように食事制限による無理なダイエットは脂肪肝になってしまう可能性を 含んでいます。 もしあなたが、食事制限による無理なダイエットをしている場合は早急にダイ エット法を変えなければなりません。 |