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タイトル:Daily Drama Express 2006/06/06 ブスの瞳に恋してる (9)  2007/07/21


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/06/06 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル ブスの瞳に恋してる
局  名 フジ系
放映日時 火曜22時
キャスト 山口おさむ(稲垣吾郎)
 太田美幸(村上知子)
 竹田武 (大森南朋)
 小田島彬(船越英一郎)
 藤原美也子(井川遥)
 蛯原友里(蛯原友里)
 佐々木翔子(MEGUMI)
 里中花子(室井滋)
 清水浩太(加藤成亮)
原  案 鈴木おさむ
脚  本 マギー
主題歌  『』

あらすじ  東京に戻ってきた美幸(村上知子)は、『どすこいラーメン』で
元気に働く。店主の花子(室井滋)は色紙に【ブス素晴らしき哉人
生】。「今の美幸ちゃんにささげる言葉だよ。ほんとにキレイになっ
たよね」と微笑む花子に、浩太(加藤成亮)もうなずく。「お世辞い
ただきましたぁ!」とおどける美幸だが、「お世辞じゃないわよ。女
はね、ココ(胸)がココ(肌)に出るんだよ。エステに行くより心意
気! お、この言葉、いただいちゃおう…」また新しい“格言”を思
いついた花子だった。
 常連客の俳優・日野(日野陽仁)と共演の機会がなかったことを残
念がる美幸に、日野は「お笑いでド〜ンと売れたら、今度はドラマの
ヒロインって可能性だって。そこで共演だよ!」「ブスがヒロインの
ドラマがあればね。ないだろうな〜」

 ひそかに美幸に思いを寄せる浩太は、思い切って食事に誘うが、そ
の日は、同居人の翔子(MEGUMI)と弥生(滝沢沙織)が、美幸の復活
を祝って鍋パーティーを開いてくれる日。自分の思いも知らず、ごく
気軽に誘う美幸に、複雑な心境の浩太である。

 まずはスーパーで食材の買出し。年下キラーの弥生は意気揚々と浩
太を従え、気合十分。
 そこへ、偶然にもおさむ(稲垣吾郎)と美也子(井川遥)がやって
くる。「美也子の手料理なんて、何年ぶりだろう」と微笑む二人。た
だ一人それに気づいた翔子は、なんとか美幸に会わせまいと躍起にな
るが、努力もむなしく、ついにばったり出会ってしまう。微妙に気ま
ずい空気が流れる中、美幸はおさむたちも鍋に誘い、一同は仰天する。

 キッチンに立ち、慣れた手つきでネギを刻む美也子。「おさむのお
友達と仲良くなれてうれしい」と微笑み、ぎこちないながらもなんと
なく和んだムードに。
 一方、リビングで向かい合う男二人。「今さらだけど、山口おさむ
です」「清水です」その後は無言の時が流れる。
 そこへつまみを運んできた美幸は、改まって、B3としてお笑いの
道を目指すことにしたと報告する。美幸をしつこくお笑い界に誘って
いたおさむは、仰天するが大喜び。「ようこそ、こっちの世界へ!」
 そして、弥生の力作チゲ鍋が登場。美幸はさっそく食らいついて、
熱さと辛さにのたうちまわる。美也子はおさむの分を取り分け、「猫
舌なんだから、気をつけてよ」「熱っ!」仲睦まじい二人をベストカ
ップルだと持ち上げる美幸。翔子もためらいながらも二人の普段の様
子を尋ねる。
 仕事の話をすることが多いという美也子に、「やっぱりそれって、
仕事の面でもアスベスト…」「リスペクト!」(ツッコミby翔子)
「してるからですよね〜」とことんまで二人を持ち上げる美幸。

 箸休めの冷やしおでんを前に、美幸はおさむに、芸人にとっていち
ばん大切なことを問う。「どれだけ笑いが好きかってことじゃないか
な。でも、美幸ちゃんに教えることは、もう何もないかな」熱い鍋に
即座に飛びついたのは「お笑い芸人にとって、もっとも正しいリアク
ション」だと言うおさむに、「う〜ん、あれ、お腹空いてただけだし
なぁ」おさむは、リアクションは誰がやってもおもしろいわけではな
いと言ってほめるが、ウケをねらったわけではない美幸は、腑に落ち
ない。
 するとおさむは、「美幸ちゃんだったら、その冷やしおでんでもオ
モシロリアクションできるんじゃないかな〜」突然のフリに動揺し、
拒もうとする美幸だが、翔子におでんを近づけられると、思わず「あ
ちゃちゃ!」と反応してしまう。おさむは満足げに太鼓判を押す。
「あとは、女性の芸人さんだと、笑いのためにどれだけ恥を捨てられ
るかだよね。たとえば、みんなの前でおならができるとか」その時、
カチャンと箸を置いた浩太が「僕は、そういうのはおもしろいと思い
ません」一瞬シ〜ンとなり、「あくまでもたとえ話だから」とフォロ
ーするおさむの横で、美幸は目を白黒させている。「美幸、もしかし
て、今おなら出そうとしてない?」「今出たらおもしろいのに〜〜」
と悔しそうな美幸。

 その時、おさむの携帯が鳴る。松本(忍成修吾)からの呼び出しで
「今からMIYUって歌手の歌撮りやるんですけど、これがすごいパンチ
効いた顔してるんですよ。絶対オモシロですよ!!」即座に出て行くお
さむを、呆れながら見送る美也子と美幸。「昔からあんな感じなのよ
ね。オモシロにまっしぐら!って感じで」
 弥生は、満腹でギブアップの浩太を叱りつけ、翔子とともに雑炊を
作る。その間に、美幸と美也子は後片付け。「おさむ、よろこんでた
ね。美幸ちゃんがお笑いやるって」美也子は、おさむが美幸を見てい
るときの目は、オモシロを見つけてキラキラ輝いてるのだと話す。
「あんなに自分の好きなことにまっすぐな人って、いないと思うんだ
よね。ちょっとコドモみたいだけど」「おさむさん、そんなふうにに
思われて幸せだろうな〜。結婚しちゃえばいいのに!」唐突に言われ
て、少し戸惑う美也子。
 美也子を送って外に出た美幸は、女の幸せは結婚だと言う。「そう
いう願望ってないんですか?」「海外に行く前は、そんなこと思った
…のかな」結婚の話もしないままに別れてしまったと話す美也子に、
「一度別れて、7年もたってからまたつきあうなんて、運命だと思う
んですよね!」と力説し、二人の恋を応援すると宣言する。

 すべて片付き、いつもの女3人のリビング。「確かに、美也子さん、
女偏差値高かったね」「あれじゃ負けても仕方ないか」残念そうな弥
生と翔子に対し、美幸はニコニコと「二人はうまくいってほしいなぁ」
二人は、また強がっているのではないかと疑うが、美幸は上機嫌でビ
ールを傾けている。

 一方、一人おさむの部屋で佇む美也子は、「結婚しちゃえばいいの
に」という美幸の言葉を反芻していた。かつて、「これからもずっと
モーニングコールしてほしいな」と言うおさむに、「それってプロポ
ーズ?」と尋ねたことがあった…。
 そこへ、おさむが帰宅する。着いた時には収録は終わっていて、
MIYUは見られなかったのだと残念がるが、美幸のお笑い界入りという
収穫があったと、上機嫌のおさむ。
 美也子は、美幸に結婚を勧められたと話すが、美幸のことで頭がい
っぱいのおさむは、それどころではない。「そうだ、B3がチャーリ
ーズ・エンジェルのコントやったら、オモシロじゃない? ちょっと
書いてみよう…」早速パソコンに向かうおさむに、美也子は、呆れな
がらも微笑んでしまう。

 同じ頃、一人自分の寝室で思いにふける美幸。「…いいんだよね」

 翌日、B3は、そろいのジャージ姿で事務所の練習室にいた。「あ
のさ、もう同じグループなんだし、先輩後輩とかじゃないんだから、
敬語やめない?」と言う美幸に、「いきなりは…」と恐縮する峰子
(久保田磨希)と元子(黒沢宗子)。美幸は、ネタの時は突っ込んだ
り叩いたりもするのに、遠慮されると客も笑えないと困り顔。
 おそるおそるツッコミの練習を始めるが、及び腰の二人と、そうは
いっても本気のツッコミがこわい美幸は、なかなかかみ合わない。
「おでこ、いってみようか!」力んで身構える美幸は、般若のような
形相に。「もうちょっと自然にやってもらえますか?」
 そんな三人のやり取りをコッソリ見ているおさむ。3人のおかしさ
を絶賛するおさむに、井之頭(佐藤二朗)は懸命に売り込み、「私の
目に狂いはなかった。私ですよ、最初に見つけたのは!」と力説する
が、「立ってるだけで、すでにコントになってますからね…」と3人
に見とれるおさむは、そんなことは耳に入らず、「俺の目に狂いはな
かった…」とご満悦。近いうちに出演依頼すると、目を輝かせて伝え
る。

 ところが、出社したおさむがB3の話をしても、竹田(大森南朋)
の反応は今ひとつ。今の『ズバット×ズバット』の苦境を考えると、
新人起用はリスキーすぎると言うのだ。「なんとしてもこの番組続け
たいからさ」と言う竹田に、真っ先に喜んでくれると思っていたおさ
むは、拍子抜けしてしまう。

 その頃、引き続き練習に励むB3の姿を、上島(松重豊)が見つめ
ていた。「いいもんみ〜っけ」同じように自分の先見の明をアピール
する井之頭を完全に無視して、「やはり俺の目に狂いはなかった…」
とつぶやく上島は、おさむ同様、近いうちにオファーしたいと言う。

 おさむは、斎藤(相島一之)から、上島の新番組企画が編成局に好
評で、『ズバズバ』の後番組に収まる可能性が高いと聞かされる。上
島が幅をきかすのが面白くない斎藤は「上島は“斎藤帝国”を揺るが
す危険分子だ」とまで言い切り、対抗企画をやらないかとおさむに持
ちかける。「あの枠はお前も思い入れがあるだろう。俺が立ち上げれ
ば、政治的にも成立すると思うんだよな」とうそぶく斎藤。「今、
『ズバズバ』が終わることは考えたくない」と断るおさむに、「沈没
する船に乗ってても仕方ないんじゃないの?」と追い討ちをかけるよ
うにささやく。

 その夜、美也子が帰宅すると、「おさむさんの妹さん?」と声をか
けられる。「なワケないか。彼女さんですよね」友美(蛯原友里)だ
った。
 美也子がうなずくと、友美は「私にはもう必要ないんで」と鍵を渡
す。「おさむの…」「モトカノです。心配しないでください。別に修
羅場を迎えに来たわけじゃないから」気丈に微笑もうとするが、うま
く笑えずため息をつく。「ふっきろうと思って鍵返しに来て、イマカ
ノにも会ったっていうのに…」そして美也子に向き直り「私、もしお
さむさんが1ミリでも私のこと好きだったら、今なら仕事やめてもい
いと思ってます。振られちゃってから余計好きになるなんて、ヘンで
すよね」
 泣きだしそうな友美の笑顔に、何も言えなかった美也子は、ただ友
美が置いていった鍵を見つめる。
 帰宅し、テーブルに置かれた鍵を見て驚くおさむに、美也子は、友
美が来たことを告げる。「あの子ね、おさむのためだったら仕事やめ
てもいいって言ってた。7年前の私と同じ。不思議だよね、おさむを
好きになると、みんなどっか悲しい思いをするの。でも、おさむは何
にも悪くないんだよなぁ。彼女に会って、思い出しちゃった。昔の自
分のこととか…」だんだんと涙ぐむ美也子を、おさむは思わず抱きし
める。「約束する。もう絶対に美也子のことを悲しませない!」「お
さむはずるいんだよ!!」抱き合う二人。

 翌日、『どすこいラーメン』で、美幸からおさむと美也子を応援し
いと聞いた浩太は、仰天する。「美幸さんはおさむさんのこと…」
「っ!! バレてた?」「そりゃ、見てればわかりますよ」確かに好き
だったが、今はいち新人芸人と作家先生だからと笑う美幸に、何も言
えない浩太。
 そこへ、美也子がやってくる。
 美也子は、美幸と外に出て、不安な胸の内を打ち明ける。「あぁ、
結婚する前の不安なやつ。ガレッジ・ブルー!」「そうじゃなくて…」
うつむく美也子に、贅沢な悩みだと言う美幸。お互いに尊敬し合える
人に出会えて、両思いになって、相手のことが好きだから不安になる
のではないか。「不安がなくなったとき、もうその恋は終わりだよ。
ジュテ−ム・ボクゥ、聞こえたかい?」ジューシー中島(中島ヒロト)
のまねをしておどける美幸に、美也子は思わず微笑む。「美也子さん
みたいな人が悩んでどうするんですか。私なんて、恋で悩むことすら
できないんですよ!」美幸の笑顔につられて笑ってしまう美也子。
「ほんと、いい笑顔だね」「いいんですよ、私の顔の話は!」
 忙しくてデートしていなのでは、と尋ねる美幸に、「そうだね。昔
は、お金はなかったけど時間はあったから、近所を散歩したり、公園
のブランコに座ってずっとおしゃべりしてたなぁ」「プレゼントは?」
「いっつもオモシロ優先で、ヘンなジャケットのCDとか、おじさん
ばっかり写ってる写真集とか」おさむが一度だけ、花束をくれたこと
があった。仕事が忙しくなってきた頃、こんな普通の物で、と謝る顔
がおかしくて、でもすごくうれしかったと思い返す美也子。
 美幸は、おさむとのデートをプロデュースしたいと言い出す。付き
合い始めた頃みたいにデートする時間が、今の二人には必要だと主張
する美幸。「それで、いい雰囲気になって、プロポーズしちゃってく
ださい! 自分から、バシッと!」はりきる美幸に、ためらいながら
も押し切られてしまう美也子。

 その頃、おさむは夢中でコントの台本を書いていた。『B3のポッ
チャーリーズエンジェル』。思わず覗き込んだ一恵(矢松亜由美)は、
ムッとして「この部屋でほかの番組のコント書くの、ナシですよ!」
 横で電話をかけ続けていた竹田は、ゲストがなかなか決まらず、深
いため息をつく。思わず斎藤の言葉がよぎったおさむだが、竹田を見
捨てるわけにはいかない。

 一方、出前にやって来た美幸は、局の入り口で新任の警備員(長州
小力)に止められ困っていた。「いつも来てンでしょ! 『どすこい
ラーメン』です!」「自分は今日から配属になったものですから!」
押し問答を続けているところに、日野が通りかがり、「俺と一緒に入
ればいいよ、顔パスだから」とニッコリ。だが、同じように止められ
てしまう。台本を見せ、「日野、陽仁! どっかで見たことあるでし
ょ?」「さぁ?」今度は日野が押し問答をする番だった。
 そこへ、上島が通りがかる。美幸が入れてもらえないと訴えると、
上島は凄みをきかせて警備員を見下ろし、「彼女は、将来この局を背
負うかもしれないタレントさんなんだ! よく覚えとけ!」びっくり
しながらも、礼を言って中に入る美幸。日野も続こうとするが、「あ
んたはダメだよ!」と止められる。「ヒノヨージンって知らねぇんだ
よ!!」「…キレてます?」「キレてないス。俺切れさせたらたいした
もんだよ」

 局内で美幸と会ったおさむは、B3のためにコントを書いていると
話す。「チャーリーズ・エンジェルみたいな」「じゃあ、私がキャメ
ロン!?」思わずイメージしてしまう、ブスのチャーリーズ・エンジェ
ル。
 美幸は、それはさておき、おさむに美也子とデートするように訴え
る。「きっと、言いたいことがあると思います」とニヤリ。「その時
は、ちゃんと返事してくださいね。美也子さんのこと、悲しませない
であげてください」

 その頃、美也子はドラマプロデューサーの柏木(林泰文)に、結末
を書き直した脚本を見せる。「結ばれないハッピーエンドもあるんじ
ゃないかと…」と説明する美也子に、柏木は、方向性自体は認めなが
らも、「このままだと、ヒロインと同じ体験をした人にしか理解でき
ないと思います。もう少しわかりやすく、ヒロインの気持ちを言葉に
していかないと」と指摘。美也子はうつむき、台詞にできなかったの
は、自分自身の気持ちにまだ整理がついていないからだと打ち明ける。

 深夜、誰もいないはずのオフィスにやって来た斎藤は、暗がりの中
パソコンに向かう上島と松本に出会う。「上島〜、こんな泥棒みたい
な真似するなよな〜」そう言った斎藤のメガネがキラリと光る。「松
本、そいつと付き合ってもムダに終わるかもしれないなぁ。俺が、そ
いつの好きなようにはさせないから、さ」顔色を変える松本。
 そのとき、それまで無反応だった上島が、突然立ち上がり、斎藤に
向かい合う。威圧感にビビる斎藤に顔を近づけ、「お疲れス」と一言。
立ち去る上島を、腰を抜かして見送る斎藤。
 その間抜けさに、思わず笑ってしまう松本。「何見てんだよっ!?」

 一方、肌やボディのケアをしながらくつろぐ美幸たち。翔子と弥生
は、美幸の「プロポーズ大作戦」なるアイデアに仰天する。「だって
美也子さん、私に相談してくれたんだよ」自分の分も、幸せになって
ほしいと言う美幸の思いに、二人は協力を約束する。
 早速、デートの場所について相談するが、二人はヘリだの洞窟だの
と妄想モード全開で、美幸はあきれ返る。「もっと現実的なの、ない
の?」

 同じ頃、美也子も帰宅するが、執筆に夢中になっているおさむは、
なかなか気づかない。美幸のコントを書いていたのだ。「自分が書き
たいものがあるときが、いちばん楽しいよね」と目を輝かせるおさむ
に、「ほんと昔から、おさむは変わんないね」と微笑む美也子。その
瞳がふとかげる。

 翌朝、美幸の目覚ましが鳴り響く。時刻は5時。あくびをしながら
家を出て、着いたところは、公園。持参したシャベルで穴を掘り始め
る。そして夜、泥だらけで帰宅した美幸は、そのまま倒れこんで眠っ
てしまう。
 翌日も、早朝に家を出る美幸。気づいた翔子と弥生は、心配げに見
送る。大工仕事に汗を流し、その後アルバイト。閉店後の『どすこい
ラーメン』で大あくびする美幸に、花子は「またなんか始めてるみた
いね」と微笑む。「美幸ちゃんはやっぱり、アツくなってるのがいい
よね」
 美幸は花子に、最高のプロポーズについて尋ねる。「波の音が聞こ
えてさ、空には満天の星がきらめいている。バックにはどーんと
100万ドルの夜景! 遠くで汽笛が泣いている。そこに夜霧がむせび
泣いて…」勝手に『夜霧よ今夜もありがとう』を歌いだした花子に、
熱心にメモを取っていた美幸はあきれ返る。「完全に昭和だ…」
 その後、美幸は、深夜の公園でペンキ塗りに励む。

 翌日早朝、美幸たち3人は、円陣を組んで気合を入れる。「プロポ
ーズ大作戦、行くぞ!!」「オス!!」

 翔子は、美也子を迎えに行く。「あの子、今日のために頑張ってた
みたいですよ。いい雰囲気作って、プロポーズしてもらうんだって」
 おさむを迎えに行った弥生は、おさむの腕を引っ張り「急いでくだ
さいよ! 行けばわかりますから」「何なの?」目の前に広がるのは、
南国風の書割の前に、揺れるブランコ。座っているのは、美也子だっ
た。「美幸からの伝言、仕事の話は一切なしでって。じゃ、行ってら
っしゃい!」弥生はおさむの背中をドンと押し、立ち去る。
 しばし呆然としつつも、ブランコへと歩み寄るおさむ。気づいた美
也子が振り返る。ブランコの上には、【おさむ(ハート)みやこ】の
プレート。少し恥ずかしげに微笑み、並んでブランコに座る。「懐か
しいね、こういうの」「そうだね」
 植え込みの影からその様子を見ていた美幸は、ひとまず順調でホッ。
ねじり鉢巻を締め直し、次の作戦へと移る。
「昔、こうやってブランコに揺られながら、おさむが通り過ぎる人に
あだ名つけてさ」思い出話に興じる二人のバックに、波の音が聞こえ
てくる。植え込みの裏では、美幸がざるに入れた小豆をゆすって、音
を立てていた。美幸の懸命の計らいに、二人は微笑み合う。
 続いて、ラジオを付けてラブソングを流し、さらにシャボン玉を飛
ばす美幸。少し離れて見守る弥生は、そのベタさ加減に呆れるが、翔
子は「アリでしょ」と笑う。
 その時、DJのジューシー中島が天気予報を始める。あわててラジオ
を止める美幸。
 そのまま夜になり、空には大きな月がかかる。そこへ、ブタの着ぐ
るみがスキップしながらやってくる。「美幸ちゃんでしょ」ブタは大
きくかぶりを振り、小さな花束を差し出す。「俺に?」それは、かつ
ておさむが美也子に贈った花束にそっくりだった。ブタに促され、美
也子に花束を渡すおさむ。
 ブタが合図をすると、書割が倒れ、公園中を電飾が包んだ。その真
ん中には、ハートをかたどった花壇が。黄色と白のチューリップで埋
め尽くされた真ん中には、「おさむ&みやこ」のプレートが。思わず
駆け寄るおさむと美也子。
 立ち去ろうとするブタに、「ありがとう! コブタちゃん!」後ろ
手に手を振り、スキップして去っていくブタ。なぜか切ない表情で見
送る美也子。

 裏に戻って着ぐるみを脱いだ美幸。「すごいよ、作戦大成功!」
「あとは二人がどうするかだね」「美也子さん、言えたらいいけど…」
と心配げな美幸に、弥生が「さて! 飲みますか!」それでも、二人
の行方が気になる美幸。ふと複雑な表情で二人を見つめるが、気持ち
を切り替えるように元の顔に戻り、先を行く翔子と弥生を追う。

 残されたおさむと美也子。美也子は、「美幸ちゃんに言われたんだ、
自分からバシッと言えって」「何?」「何だと思う?」

 美幸たちは、家で乾杯する。達成感で大盛り上がりの3人。

 美也子は、久しぶりにおさむと暮らし始めて、わかったことがある
と言う。「おさむはずっと変わらない。私は、そんなおさむが大好き
だってこと。でもね、そんなおさむといると、時々寂しくなったり、
不安になったりして…」「それは、俺が変わることで…」美也子はか
ぶりを振り、「おさむはそのままでいいの」と微笑む。不審げな表情
になるおさむ。「じゃあ、俺はどうすれば…」「私は、おさむを笑顔
で見守ることはできても、おさむを笑わせることはできない。それっ
て、おさむが一番大切にしてるものを持ってないのかなって。おさむ
に必要なのは、おさむを笑わせたり、一緒になって大笑いしたりでき
る人なんじゃないのかな。私には、それができない」静かに、だがき
っぱりと話す美也子。
「でも、美幸ちゃんなら、全部できるよ。きっと、変わらない二人の
まんまでいられる。だから、ここでおしまいにしよう。うまく言えな
いけど、これが、私とおさむのハッピーエンドだと思う」唖然となる
おさむ。ようやく美也子の言う意味が飲み込め、今度は愕然とする。


寸  評  いやぁ、こっ恥ずかしいねぇ。キツイキツイ。あのデートは、ア
リなのか? なりきりロールプレイ系のアトラクションが苦手な
Nami的には、かなりナシだったんですけど、皆様はどうでしょうか?
 美也子の書いていた脚本は、彼女の心象風景だったわけですね。だ
とすれば、ずっと前から別れることを考えていたはずで、美幸の作戦
に乗ってあげるのは、ちょっと残酷だなぁと思ってしまう。まぁ、解
決の糸口探してたんだろうけど、おさむちゃんのニブさでは、難しい
でしょうね。
 関係ないけど、妙にムチムチのコブタがやらしかったですね。
 そして、最近弥生姉さんがトバシてて、いいですね。浩太に絡む弥
生ネエは、こないだ「VVV6」のゲストに出て、岡田くんに超セクハラ
してた杉田かおるみたいだなぁと思いました…。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 保育園の夏の行事「サマーフェスタ」に行ってきました。プール開きに合わ
せて、ウォータースライダー(もとは普通の滑り台ですが)や水風船など、水
にちなんだ遊びをしようというお祭り。マグネットの魚釣りとか、プールを浮
き輪に乗って一周するコーナーなど、工夫を凝らしていて、娘は楽しんでいた
ようです。
 だがしかし! 折しも炎天下となり、暑さに弱い私は、帽子+日傘の重装備
で臨んだにもかかわらず、あっという間に立ちくらみ。ほとんど日陰で休んで
いました。
 今も、子ども用の冷えピタ貼って原稿書いてます。あぁ情けなや…。(Nami)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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