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=================================== 走りに自信ないライダー必見!一目置かれるライテク術 Vol.5 by セイジ =================================== 世の中の全てのライダーが、 幸せで安全な“ツーリングライフ”を送れることを願っております・・・。 ---------------------------------------------------------------------- ■『ヒヤリ、ハット』をもっと大切にしよう こんにちは。セイジです。 今日は「ヒヤリ、ハットをもっと大切にしよう」という、 ちょっと一風変わった重い内容です。 「もっとかっこ良く乗りこなせるライテクを教えてくれ〜」 と言われる読者の方もいるかもしれませんが、 バイク乗車中に起こりうる、死亡・重大災害を回避するためには、 ライテク以前に決して無視できない重要なことですから、 我慢をしてお付き合いください。 さて先日、私の知り合いがバイクで転倒事故を起こしました。 バイク自体にはかなりの損傷をおったものの、 本人自身は奇跡的にもかすり傷程度で済んだようです。 私の知る限り彼は、 バイク運転暦20年を越えるベテランライダーではありますが、 最近、最新のスポーツバイクに乗り換えたことをきっかけに、 本人曰く少々運転が荒くなっていたようです。 私は事故を起こした彼に、こう聞きました。 「最近、バイクに乗っていてヒヤリとしたことや、ハッとしたことは無かった?」 すると彼はこう答えました。 「何度もある。 最近ちょっとオーバースピード気味だったのか、 コーナリングで何回も派手にリヤをスライドさせてヒヤッとしたし、 それ以外にも色々な場面でヒヤッとすることはたくさんあったね。」 「それで、怖くは無かったかい?」と私。 「いや、怖かったけどさ、特に転倒までにはいかなかったから、 あまり深くは考えていなかったんだよね」 と彼は屈託なく答えました。 さぁ、みなさん、彼がどうして転倒事故を起こしてしまったかわかりますか? 彼は、事故を起こすべくして起こしてしまったのです。 「ハインリッヒの法則」と言う言葉を皆さんは御存知でしょうか。 これは、建設関係に携わる方や工場などにお勤めの方は、 あるいは聞いたことがあるかもしれません。 「人間が関わって一つの行為を行なったとき、 望ましくない予期せぬ結果が生じること」 を失敗と定義した場合、この失敗を忌み嫌わず直視することで、 新たな失敗や、さらに重大な致命的失敗の発生を防ぐことにつながる。 「ハインリッヒの法則」とは、1件の死亡・重大災害の裏には、 29件のかすり傷程度の軽災害があり、 さらにその裏にはケガまではないものの300件のヒヤリとした体験が存在する、 というものです。 つまり、この「ヒヤリとした」「ハッとした」という体験の中に、 潜在的な危険や失敗が潜んでいるわけで、 それをしっかり自覚し、対処することで、 致命的重大災害や軽災害を未然に防ぐことが出来るという教訓なのです。 彼がもし、この「ハインリッヒの法則」を知っていて・・・、 いや知っているだけではなく正しくその重要性を理解していたのであれば、 今回の転倒事故はあるいは無かったかもしれません。 「ハインリッヒの法則」通りであったのなら、 彼はおそらく300回を越えるヒヤリ、ハットを経験していたのでしょう。 しかし、彼はその重大なシグナル「ヒヤリハット」を無視し続けてきました。 だからこそ、先にも述べたように、 彼は事故を必然的に起こすべくして起こしてしまったのです。 ライディングテクニック以前に、 彼の運転や運転に臨む心構えには、やはり問題があったかもしれません。 彼が本当に幸運だったのは、多数のヒヤリハットを無視してきたにも関わらず、 今回はたまたまかすり傷程度で済んだことです。 なぜなら「ハインリッヒの法則」によれば、 29件のかすり傷を通り越して、 1件の死亡災害となった可能性も十分あったのですから。 ================================== 編集・発行:ツーリングライダー セイジ mail@touringriders.com ================================== ■編集後記 今回は少々重い話題を紹介しましたが、 つい先日の友人の事故が、なんらかの教訓になればと忘れる前に紹介しました。 一応、題名にあるように、ライテクを前面に押し出したメルマガですが、 我々一般ライダーの究極の目標が、 いつまでも幸せに、楽しくバイクに乗り続けることであれば、 事故を起こさない、心構え、技術がどうしても不可欠になりますね。 楽しさと危険が両存するバイク、 だからこそ、大人ライダーとして、 この出来事から何かを学びたいと思った今日この頃でした。 |