メルマガ:toxandoriaの日記
タイトル:[民主主義の危機]「美しい国のシナリオ」に透けて見える<異常な世襲民主主義>  2007/06/25


[民主主義の危機]「美しい国のシナリオ」に透けて見える<異常な世襲民主主義>
2007.6.25


Attention! クリックしてみてください。MIDIでバック・ミュージックが聴けます。

               ↓
 http://www.ne.jp/asahi/hiroko/home/impro4a.mid、ショパン「幻想即興曲」
       ・・・繰り返すときはRealPlayerのスタートボタンを再クリックしてください。


f:id:toxandoria:20060823015027j:imagef:id:toxandoria:20060823013811j:image

・・・ブラッセルにある欧州(EU)委員会のビル。この周辺は「EU District」と呼ばれており、この他に欧州議会などEU関連の建物や新鉄道駅などが集中している。(撮影、2006年7月)


<注>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070625

・・・・・・・・・・・・・・・

5月24日の毎日新聞(ネット、http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070625k0000m010036000c.html)によると、テレビ朝日の報道番組(同日)に出演した自民党の中川幹事長は、参院選で与党が過半数割れした場合の安倍晋三首相の責任について、「参院選は政権の中間評価の選挙なので過半数を割ったぐらいで首相の退陣はない」と述べと報じられています。一方、より広く関連する“情報の海”を見渡すと、メディアの一部では朝鮮総連「本部建物」の不可解な売買事件が自民党中枢に及ぶ可能性もある「工作資金・政界ルートの闇」の報道が出始めています。


また、5月25日付の日経新聞の調査結果(22―24日に実施した世論調査/http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070624AT3S2400M24062007.html)は、“安倍内閣の支持率が36%まで下落し、これは2001年の森政権以来の低い水準だ”と報じています。更に、「共同通信・第一回参院選トレンド調査(5/25、各地方紙に掲載)」は、“安倍内閣の不支持が57.7%と約6割に迫りながらも、下がったとは言え安倍内閣の支持率が未だ33.5%もある”ことを報じています。ここまで混迷の極みに至ってさえも、日本国民の約三人に一人が安倍内閣を固く支持していることは驚きです。


このように、日本では、その政治権力の中枢部分および一般の日本国民がいつまで経っても「世界標準の平和の意味」が理解できず、安倍政権による“戦後レジームからの脱却”のような不可解で捩れた、しかも“多くの日本国民の生命・財産の維持にとって危険で病的でアナクロな平和意識”が梅雨時の毒キノコのように次々と不気味に生え伸びてくるのは、恐らく<世襲・寄生化>した国会議員を中核とする極めてプライベート(私利・私欲)化した利害関係の隠れたネットワーク&クラスター(圧力集団)の、ある意味で強力な存在が影響しているのではないかと思われます。


<注>寄生政治家の増殖により、現代日本の国民の権利が侵されつつある深刻な問題については、下記の記事(▲)を参照乞う。


▲2007-06-09 ・toxandoriaの日記、<寄生>住血吸虫が取り付いた美しい日本 、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070609


▲2007-06-19 ・toxandoriaの日記、増殖する「寄生&芸能政治家」と縮小する「日本国民の権利」 、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070619


忘備録として、「反戦な家づくり」さんの記事(http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-338.html)などを参照しつつ、現在まで安倍政権が行ってきたムチャクチャな政治の軌跡を再録しておきます。この他にも、安倍政権に絡むワヤクチャ&ムチャクチャな問題は数え上げれば切がありません。


◆日本を戦争ができる国にするための広汎な条件づくり


・平和憲法を放棄するための「国民投票法」の準備(強行採決) → 「改憲」を参院選の争点にすると明言(24日午前、NHKの報道番組に出演して)


・イラク戦争・派兵を2年間延長する「イラク特別措置法」 (海外派兵の合法化への露払い)


・「GPS活用推進法」 (検討が不十分で軍事転用の危険性が大きい)


・「駐留軍再編特別措置法」 (米軍再編のため3兆円の出費を負担)


・「防衛省設置法」 (戦時体制への露払い)


◆戦争準備のための実践プログラム


・「安全保障会議設置法」(日本版National Security Council、シビリアンコントロールの弱体化) 


・「共謀罪」 の導入圧力(国際テロ防止を口実にした国民監視法)


・「教育三法の改正」 (地方教育行政法、教育職員免許法、学校教育法・・・戦前・戦中型の画一的・管理教育体制の確立)


・「電気通信事業法」「放送法」 (報道管制・規制強化→ネット規制強化への流れ) → ネット規制の目的で情報通信新法の検討を開始、NHKへの放送命令


◆寄生政治体制の強化と一般国民の人権制限 


・審議不十分な「少年法」(強行採決) 


・「民法民法772条」(反人権的な、改正動向への反動・圧力) 


・「更生保護法」(強行採決) 


・「刑事訴訟法」 (刑法の先祖がえり化、あるいはフェーデ型・復讐法廷への回帰/参照、下記★)


★[エピローグ/予想される<日本の世襲議院>による弊害]、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070622の一部分
・「臓器移植法」 (検討が不十分で、臓器売買等バイオポリティクス化へのリスクが増大)


◆その他


・新たに発生した耐震擬装疑惑、ヤラセ・タウンミーティグ関連疑惑などに強引に蓋をした
松岡大臣自殺問題の闇に強引に蓋をした


・「美しい国のシナリオ」の美名の下で“骨抜きの方針”を「骨太の方針」と偽った(参院選挙対策としての国民騙し戦略)


・ハイリゲンダム・サミットで地球環境問題対策の「見えない枠組み」を日本国民向けに擬装・過剰演出した/排出量そのものに責任を取る排出権の原則、企業に対する法的義務と罰則規定の検討などで、先ず自らの足元を固めるべき/来年の「洞爺湖サミット」のパフォーマンスばかりで国民と世界を騙すことは許されない → このままでは再び税金の壮大なムダ遣いに終わる


・・・その極め付きは「安倍首相夫妻による全国紙を使った誇大・地球温暖化防止広告によるムダ遣い」で、これには5/19付閣議決定(選挙宣伝が目的ではなく中立的な広告であることを閣議決定した)のオチまで付いている。失敗・失政・失策など、政府の凡ゆるミスが閣議決定で回避できるという「独裁政治の手法」が根付いてしまった
・国民年金問題の事実を知りながら、半年以上も放置してきた


・欠陥と抜け穴だらけの「政治資金規制改正法」(強行採決)


・大企業に大減税をする「所得税法」の改悪 


・公務員法の改悪(官邸一本化による天下りの公認/強行採決)


・本間政府税調会長辞任、佐田行革相辞任、柳沢厚労相擁護などの問題への責任回避


・安倍首相のコムスン問題等に蠢く妖しい人脈・集団・グループとの不純交友疑惑(当問題の周辺分析は下記▲を参照乞う)


▲2007-06-09 ・toxandoriaの日記、<寄生>住血吸虫が取り付いた美しい日本 、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070609


▲2007-06-19 ・toxandoriaの日記、増殖する「寄生&芸能政治家」と縮小する「日本国民の権利」 、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070619


・参院選公約の様々な矛盾


・・・特に、米欧と価値観を共有しているという嘘を公約に入れたことが問題/後述するが“美しい国”と欧米型民主主義の価値観は正反対の方向を向いている/「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍政権の価値観は“戦前・戦中型の軍国主義”そのもの


ところで、安倍首相は、6月23日の沖縄戦「慰霊の日」に初出席しましたが、「悲惨な地上戦が展開され、集団自決を含む悲惨ないろいろな出来事があった、県民の方々の心をも深く傷つけたと改めて認識した」と語る一方で、<検定は学術的な判断なので、教科書検定問題で削除した沖縄県民の自決に軍がかかわったという記述の復活はしない考え>を明言しました。このため、今回の沖縄訪問では地元から歓迎されず、早々に退散することになったようです。結局、この教科書検定問題への沖縄県民の怒りが再燃し、沖縄県民の間では“日本軍による自決強制”を教科書から削除させた政府に対する怒りの波紋が広がっています。


・・・・・「日本軍がいなければ自決なんかしませんよ」。平和の礎(いしじ)に刻まれた親せきの名を前に、沖縄県南風原(はえばる)町の仲程(なかほど)シ ゲさん(77)は悔しさをにじませた。その額には62年前、沖縄戦で受けた艦砲射撃の砲弾の破片とともに、集団自決や日本兵による住民虐殺のいまわしい記 憶が刻まれている。当時、本島南部の大里村(現南城市)に住んでいた仲程さんは、戦火が迫った5月28日、母カマさん(49)と13歳、10歳の弟、そしておじ、おばら計13人で南へと避難を始めた。6月19日、隠れていた糸満市真栄里のガマ(壕(ごう))に米軍の戦車が迫った。沖縄守備軍が現地で召集した防衛隊から逃げてきたおじが言った。「アメリカーにやられるより、自分で死んだ方がまし」。手投げ弾を持っていた。それを見たカマさんがおじの手に取りすがった。「いくら何でも生きている子供たちをなぜ殺せるか。まず待ちなさい」。子を持つ母親の訴えにおじは思いとどまった。・・・・・途中、略・・・・・翌日、隠れていた摩文仁の山中で砲弾がさく裂。仲程さんの額に破片がめり込んだ。さらに次の日、一人の沖縄の青年が、隠れている住民に呼びかけた。「アメリカの捕虜になったほうがいい。みんなで出て行こう」すると2人の日本兵が走り寄り「こんなバカがいるから沖縄は負けるんだ」と言い放つや、日本刀で青年の首を切った。・・・・・途中、略・・・・・仲程さんは、文科省の教科書検定に声を震わせて怒る。「軍さえいなければこんなことにはならなかった。人の命を大切にするのが教育なのに、あったことをなかったことにするとは何事ですか。生かされた私は亡くなった人の嘆き、苦しみ、悲しみを伝えなければならない」改憲を急ぐ安倍首相にも厳しい視線を向ける。「憲法9条は絶対守らなければだめ。首相は沖縄戦も空襲も知らないのに何を言うか。爆弾が家に落ちれば分かる。戦の末に生まれた基地がある限り、沖縄の戦後は終わらないですよ」(出典:2007年6月23日・毎日新聞、ネット記事)


安倍政権が標榜する“戦後レジームからの脱却”(→目指すは第二次世界大戦前の戦前・戦中型レジーム=王制復古型の外見的立憲君主制:「価値観外交を推進する議員の会」(古屋会長、中山顧問、http://www.asahi.com/politics/update/0518/TKY200705170380.html、http://d.hatena.ne.jp/kechack/20070520/p1らの支援による)という摩訶不思議な考え方は、欧米の一般国民にとっては、とても理解し難いものであると思われます。そして、このような安倍政権の“美しい国”の価値観(というよりもタカ派的・軍事国体論的な狂信的アナクロニズム)を支える勢力は「価値観外交を推進する議員の会」にとどまらず、「新しい歴史教科書をつくる会」(http://www.tsukurukai.com/)、日本会議(http://www.nipponkaigi.org/)などの日本の極右勢力が軒を並べており、これらに足しげく集うのが二世・三世の寄生(世襲)政治家たちです。


一方、ブラッセルで行われていたEU首脳会議は6月23日に、座礁状態にあった「欧州憲法」を改訂する方針で合意しました。それによると、棚上げされていた拡大EU憲法から「憲法」の名を外し、より簡素化した「改革条約」として再生することになったようです。これにより、2005年にフランスとオランダの国民投票で批准が否決されたあと長く棚上げ状態であったEUの新基本条約は、「憲法」の名称を外したうえで「改革条約」として、2008年度中に批准・発効を目指すことになりそうです。


当初は、ポーランド(カチンスキ首相)の強硬な抵抗があったため決裂が危ぶまれていましたが、特に英・ブレア、仏・サルコジ両首脳の説得が功を奏したようです。更に、スペイン、ルクセンブルクなどの諸国首脳が説得に加わり、最終的に「フランス、英国の友情に感謝する」というポーランド・カチンスキ首相の言葉を引き出しました。しかしながら、今回の主役は何と言ってもドイツのメルケル首相です。ここで思い出されるのは、我が安倍総理が、少し前に終わったばかりの「ハイリゲンダム・サミット」で自らが果たした役割と成果を日本のプレス向けに自画自賛していたこと(ブッシュとメルケルの仲を取り持った?)です。しかし、この時も、物理学者でもあるメルケル女史(ホスト国、ドイツの首相)の冷静で緻密な論理性と本物の人間性があればこそのハイリゲンダム・サミットの成功であったことを忘れるべきではないようです。


そのうえ、(これは一般には報道されていないことですが)もう一つの背景と考えられるのはEUが英国の伝統である「コモンローの知恵」を取り入れた可能性があることです。ロンドン大学教授ロバート・ハーゼル氏(Robert Hazell/http://www.sangiin.go.jp/japanese/kenpou/gse/gse_chosa14.htm)によると、EUは、ある意味では既に憲法を持っていると言うべきであるそうです。例えば、2000年の「ニース条約」(決議機関である閣僚会議での多数決制の適用範囲の拡大や各国の投票権の再配分、執行機関である欧州委員会の委員数の変更、欧州議会の各国定数の変更などを定めた、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%9D%A1%E7%B4%84)、「欧州人権条約」(http://tsnews.at.infoseek.co.jp/echr-j.htm)などが、これに相当します。つまり、欧州では「EU憲法」が出来なくとも、民主主義に関する根本的価値観は「ニース条約」、「欧州人権条約」などによって既に共有されているということであり、これは英国の伝統であるコモンローによる不文憲法としての「英国憲法のあり方」と同じだという訳です(関連内容として、下記の記事▲を参照乞う)。


▲2007-06-22・toxandoriaの日記、日「世襲政治家の繁殖・跋扈」と英「貴族院改革」に見る民度格差の拡大、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060827


やはり、拡大EUへの船出が前途多難な要素を抱えている(やはり少子高齢化傾向の下でEU加盟各国は医療・介護費用の抑制が求められつつあるなど)とは言いながらも、昨年夏のベルギー旅行で実際に目にしたブラッセルにおける「EU District」建設の一定の効果が、環境政策や健全な民主主義ルールの維持というような局面で着々と現れつつあるようです(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060823)。喩えれば、それはEUが一種の濾紙効果の役割を果たしつつあるということであり、“改革”の大義名分の下で一方的にアメリカ型グローバリズム(過剰な市場原理主義)に飲み込まれて格差と矛盾が拡大するばかりの日本の現状(例えば、国民の生命を脅かすという犠牲を払ってまで狂牛病罹患の懸念が大きい米国産牛肉の輸入を解禁した)とはいささか異なるようです。やはり、その根本には彼我の「市民意識の質の違い」ということがあるようです。


◆既に欧州委員会が2005年5月15日に発表した集計によると、地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の排出規制を導入した欧州連合(EU)域内で、企業による排出削減の取り組みが成果を上げ始めていました。[出典:2006.5.16付・日本経済新聞]


・・・欧州委員会が発表した排出権取引制度(ETS)に基づく企業の二酸化炭素排出実績では、欧州最大の排出国であるドイツの排出量が規制上限を大幅に下回った(-21.3%)。これは、ドイツの電力会社や大手の工場が省エネを進めたことが原因となっている。フランス(-19.3%)、チェコ(-14.5%)、フィンランド(-11.5%)、オランダ(-6.1%)、ベルギー(-4.5%)なども規制上限を下回った。逆に、この上限を突破した国はイギリス、スペイン、イタリア、アイルランド、オーストリア、スロベニアの6カ国となっている。結局、EU全体としては京都議定書で義務付けられた欧州の温暖化ガス削減努力が順調に進んでいることが窺われる。


ドイツで行われたハイリゲンダム・サミットで地球温暖化を防止するため2050年までに温暖化ガスの排出量を半減させる方向を確認できた背景には、このようなEUの現実的な実績と、EUの未来のあり方は単に欧州のためだけでなく人類の未来に役立つべきだという確固たるヒューマンな理念が存在します。このような現実をを“美しい国の首相の手柄話”と置き換えて自画自賛するなどとんでもないことで、それは余りにもさもしすぎる貧弱な心情です。それどころか、「欧州憲法」の問題を乗り越えようとするEUは、これから欧州市民の参加意識に応える制度をどのように創るか、更なるグローバリズムの進展による競争激化や格差拡大の問題などをどのように解消するのかという、いわゆる「民主主義の赤字」の問題にも本格的に取り組もうとしています。


一般に、これは欧州各国が歴史の教訓として学んだことですが、欧州諸国の一般国民が持つ、自国の「政治権力の暴走の可能性」に対する警戒心は相当のものです。そのため各国では法整備の充実(法の支配の原則の徹底)が執拗に図られてきた経緯があり、拡大EUの根本にもそのような精神が生かされています。ただ、そこには王国を廃棄せず「コモンローの伝統の中で王室と国民一般が双方の名誉を保全する英国型の民主主義のあり方」と「王室を廃したフランス・ドイツのような成文憲法型の民主主義のあり方」の二つのタイプがあります。しかしながら、そこでは両者ともに「主権在民、三権分立、法の下の平等、司法権の独立、政教分離の原則」などの民主主義にかかわる根本的な価値観を共有しています。


ところが、今の“美しい国・ニッポン”は全くその逆であり、口先では自由主義と民主主義を標榜しながら、日本の民主主義体制は上の備忘録で纏めたとおりの惨憺たる有り様です。つまり、欧米と民主主義の価値観を共有するというのは口先だけのことで、一方では国民を厳しく縛り上げるための法整備・法改革に血道を上げています。そこでは、明治維新以降の「神がかりの超国家的な意志を上意下達で知らしめるべし、一般国民は従順にそれを受け入れるべし」というアナクロニズム精神からビタ一文の進歩も見られません。しかも、このような政治的危機を真正面から真剣に批判するメディアは少なくなりつつあり、特に民放テレビの堕落・退廃ぶりは目に余ります。


ともかくも、このような欧州連合(EU)および米国(ブッシュ政権はイラク戦争の誤りについて殆どの米国民からノーを突きつけられている)の民主主義の価値観と「美しい国」の価値観は全く正反対のベクトルを持っており、<戦前・選中型の軍事国体論>を潜ませる「美しい国」の価値観が世界の流れに逆行していることは明らかです。それは、余りにもニッポン的で低民度に乗じた<異常な世襲民主主義>という他ないようです(この論点の詳細は、下記記事▲を参照乞う)。それを、<欧米と価値観を共有する>と強弁し、恰もそうであるように擬装するのが「美しい国」の深刻な病巣であり、それはひどく背徳的で卑怯なものです。


▲2007-06-09・toxandoriaの日記/ <寄生>住血吸虫が取り付いた美しい日本、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070609


▲2007-06-09 ・toxandoriaの日記、<寄生>住血吸虫が取り付いた美しい日本 、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070609


今、「5,000万件の消えた年金」問題のケジメをつけるため、安倍首相が夏のボーナスを一部返上すると言い出したようですが、こんな子供騙しで誑かされるべきではありません。こんなことで、政治的な無能・無策と決定的怠慢による国民への巨額のツケを帳消しにされたのではたまりません。これによって、老後の生きる道を見失って悲惨な運命を背負うことになった方々や福祉・年金・医療制度など国家の根幹部分に対する信用をぶち壊し、殆どの日本国民へ絶望感を与えた大きな責任がリセットされるはずがありません。それよりも、大事なのは、安倍政権の「美しい国へのシナリオ」が根本的に誤りであったことを全国民の前で正直に語る(白状する)ことです。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。