安西水丸+和田誠「ことわざバトル」
今週の月曜日(4月9日)から、港区南青山の画廊「スペース・ユイ」で、日本のイラストレーション界の二人の巨匠、安西水丸氏と和田誠氏が絶妙なコラボレーション展を開催している。このような展覧会を二人が開くのは今年で5回目で、今回のテーマは「ことわざ」である。同じことわざに対する二人のベテランイラストレーターのそれぞれ独創的な見解から生まれた作品は、実に興味深い。
和田氏と安西氏は、まず絵の半分を完成してから相手に渡し、もう一人が残りを描いて仕上げるという方法を採っている。例えば「猿も木から落ちる」ということわざなら、和田氏が左側の「木」を描き、安西氏が右側の「猿」を描くという具合だ。だが、誰がどちらを描いたのかについては説明がなく、見る者の自由な想像に任されている。軽やかな気分で完成度の高いコラボレーションを楽しむことができる。
安西水丸+和田誠「ことわざバトル」:4月9日〜18日、11:00〜19:00(中嶌重富提供)
【和田誠プロフィール】
1936年生まれ。多摩美術大学卒。ライトパブリシティ社入社。1968年に同社を退社後フリー。1965年に雑誌「話の特集」にADとして参加。1968年から4年あまりの間、「週刊サンケイ」の表紙の似顔絵を描く。1977年から「週刊文春」の表紙デザインを担当して現在に至る。1974年講談社出版文化賞を受賞。1997年毎日デザイン賞受賞。出版した書籍は100冊を超える。
【安西水丸プロフィール】
1942年生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。電通、ADAC、平凡社でADを務めた後、フリーのイラストレーターとなる。1979年、「パレットクラブ」を創設。東京築地にあるイラストの学校で講師も務める。2005年東京イラストレーターズ・ソサエティの理事長に就任。朝日広告賞、毎日広告賞などを受賞。 |