NHK 国際放送局 中国語班 ディレクター
「波短情長」パーソナリティ
中国語班のニュースと番組サイト http://www.nhk.or.jp/nhkworld/chinese/index.html
(番組を聴くには無償版のReal Player をダウンロード&インストールしてください。)
「“人間万事塞翁が馬”。一見アンラッキーな出来事だと思っても、そのあとでこれは神様のお導きかな、と感じることがありますね」、湯田さんは明るくそう語りだす。
中国に関心を持つようになったのは高校生の頃。当時、熱心に聴いていた北京放送(短波ラジオ)の漢詩の朗読に驚いた。「こんな美しい言葉を自分でも話せるようになれたら…」。高校卒業後、そのまま中国に留学した。
帰国後、1994年にNHKに入局。中国のことを日本に紹介する番組を制作したいと願っていたが、報道番組というセクションに配属されたため思いを遂げられぬまま日々走り回ることになった。2005年、NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」を担当していた時に体調を壊し入院。健康を取り戻すため、業務のハードなテレビから離れることにした。
現在勤務するのはNHK国際放送局。中国語で海外向けラジオ番組を放送する部署だ。
ここで「波短情長」というリスナーの手紙に応える番組のディレクター兼パーソナリティをつとめている。高校生の頃、短波ラジオで中国と出会った自分が、いまその中国に向けて情報やメッセージを発信している、原点に戻ったような不思議な感じがする。
番組はわずか19分だが、毎回異なる日本の表情を伝えている。村山富市元首相のインタビューもあれば、高校生の電話取材もある。日中関係の評論もあれば、日本のヒットソングの歌唱法講座もある。リスナーに高校生が多いことも意識して、硬軟織り交ぜて制作している。(「波短情長」は、ネットでも聴くことができ、25日の午後13時半までは「大江健三郎の作品を味わう」、25日13時半から4月1日まで「中村中の『友達の詩』を日本語で歌う」を放送予定)
12年間、日本国内を取材し続けてきた経験も無駄ではなかったように。 |