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タイトル:Daily Drama Express 2007/01/21 華麗なる一族 (2)  2007/02/14


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/01/21 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 華麗なる一族
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 万俵鉄平(木村拓哉)
 万俵大介(北大路欣也)
 高須相子(鈴木京香)
 万俵寧子(原田美枝子)
 万俵銀平(山本耕史)
 万俵二子(相武紗季)
 美馬一子(吹石一恵)
 安田万樹子(山田優)
 万俵早苗(長谷川京子)
 美馬 中(仲村トオル)
原  作 山崎豊子「華麗なる一族」
脚  本 橋本裕志
主題歌  『』

あらすじ  第二回 過去の悲劇と真実

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 高度成長時代、『鉄は国家なり』と言われるほど、製鉄業は国家の
基幹産業であった。

 政府は、外国資金が入らないように、当時12行あった銀行を合併
させ、メガバンクを作る構想を練っていた。

 これは当時、製鉄に命を賭けた息子と、金融再編の荒波と戦う父。
その万俵一族を取り巻く、愛と憎しみと悲しみに満ちた、壮絶な物語
である。
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 昭和42年。
 高炉建設を決めた阪神特殊製鋼にとって、高炉完成までの原料確保
が最大の難問であった。
 そのため万俵鉄平(木村拓哉)は社員を集め、社員一丸となっての
協力を求めたのだ。
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 スクラップの量さえ満足ではない。鉄平は、自分たちも銑鉄確保に
尽力するが、社員もスクラップ確保に努めて欲しい。二年間の努力だ。
二年後には高炉が建つ、と発表。

 銭高常務(西村雅彦)は、阪神銀行が融資を決定する前に発表して
はまずいのではないか、と諫めるが、鉄平は、高炉建設を決定するの
は我々自身だと言う。


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 大蔵省 銀行局。
 その頃、大蔵省では、金融自由化に加速度的に進みつつあった。そ
れは12行ある都市銀行を合併によって4〜5行にまとめ、海外の銀
行に対抗できるようにしようとしていることだ。

 銀行局では、都市銀行の組み合わせを検討していた。そのため、日
本初の都市銀行同士の合併という嵐のうねりが、阪神銀行も飲み込も
うとしていた。


 阪神銀行 芥川(小林隆)東京支店長。
 富国銀行からの業務提携の話を、阪神銀行頭取・万俵大介(北大路
欣也)に伝える。この提携は、阪神銀行にとってはメリットがあるが、
富国銀行にとってはメリットがなさ過ぎる。
 同席していた阪神銀行専務の大亀(武田鉄矢)は、これは合併への
布石かも知れない、と言う。富国銀行はトップバンク。うかつに手を
組めば、飲み込まれてしまう。

 大介は、大亀に美馬中(仲村トオル)を呼び出すよう指示。


 一ノ瀬四々彦(成宮寛貴)を万俵二子(相武紗季)が訪ねてくる。
 でも、そこに鉄平が来て、東京出張前に一緒に飯を食おう、と四々
彦を誘う。

 あきらめて帰ろうとする二子。
 鉄平が二子を呼び止める。
 鉄平に話があって工場に来た、と二子。
 鉄平は、飯を食いながら、話を聞く、と言う。

 鉄平が連れて行ったのは、工員たちも食事をしている店。二子はな
かなか箸をつけられない。
 鉄平は、うまいものというのは、気取ったレストランなどにではな
く、こういうところにあるのだ、と二子に勧める。そして話は何かと
聞く。
 二子はとっさに、「一緒にお食事でも.....と」と言う。
 鉄平は、飯ならもう食ってるじゃないか、と返し、二子にも好きな
人ができたんだよな、と言い出す。

 すると突然四々彦が謝る。
 鉄平は二人の様子から、二子の好きな人とは、四々彦なのだと気づ
き、二人とも認める。

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 万俵家といういびつな家庭環境で育った妹の二子が、地位や名誉に
は関係なく、純粋に人を好きになってくれたことが、鉄平にはうれし
かった。
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 飛行機で東京に向かった鉄平が訪ねたのは、大同銀行東京本店(東
京)。
 250億円のうち、50億円は自己資金で、残りの200億円のう
ちの50%はメインの阪神銀行。30%を大同銀行。残りの20%は、
長期信用金庫などから集める、と説明する鉄平。

 三雲祥一(柳葉敏郎)は前向きに考えると返事するが、綿貫専務
(笑福亭鶴瓶)がストップを掛ける。高炉建設に60億円なんて、危
険だ、と。
 三雲は綿貫に、銀行家としては、企業を育てることに前向きになっ
て貰わないと、と言う。
 綿貫は、日銀出身の方は、理想ばかりおっしゃる、と反論。

 小島常務(金田明夫)も、行員たちが苦労して集めた金。1%でも
失敗の危険があっては、融資を避けるべきではないか、と言う。
 でも三雲は、考えを変えるつもりは無い。志の高い起業家を応援す
るのが、銀行家の勤め、と言う。

 礼を言う鉄平。
 三雲は鉄平に、通産省の認可を貰わなければ、すべてが水の泡。是
が非でも、認可を取ってください、という。
 わかりました、と鉄平。


 芦屋の大介の屋敷で、美馬は大介に、銀行局が富国銀行と阪神銀行
の合併を後押ししているとの噂がある、と伝える。
 大介は、「やはり、小が大を食うしかないな」と言う。
 その席には二人のほかに、次男・万俵銀平(山本耕史)、執事の高
須相子(鈴木京香)、大亀がいる。

 美馬が驚く。上位の銀行を飲み込むと言うこと?と。
 大介は平然とした顔で、美馬に、阪神銀行より上位の都市銀行の業
務内容資料を集めて欲しいという。

 美馬は、それは門外不出の資料と断る。
 大介は、なおも、美馬が次官になったあかつきには、政界進出をね
らっているだろう、とたたみかける。
 「驚いた。将来の選挙資金と引き替えに、娘婿に危ない橋を渡らせ
ようっていうんですか」と美馬。


 大蔵省 銀行局 検査部へはいる美馬。
 美馬は田中松夫(伊藤正之)検査官に、こっそりメモを渡す。『今
夜七時 弁慶橋の「染六」で』とある。

 美馬は田中に、大介が5位〜9位の都市銀行の業務内容を、不良貸
付残高も含めて知りたいと言っている、と言う。
 田中は顔色を変え、あれは春日銀行局長(田中隆三)が保管してい
て、持ち出すのは至難の業。それに万一ばれたら、と断る。

 美馬は、大介が、白鷺信用金庫という天下り先も用意すると言って
いる、と言い、金封も田中の前に置く。「調査費用です」と言って。


 庭から神戸の街を見下ろす大介。

 大介と相子は一緒にベッドに入っている。

 寧子が電話する。それを取った不機嫌な顔の相子に、芥川から電話
があったことをお伝えくださいとだけ言うと、電話を切る。


 庭に出て、屋敷を振り返る大介の妻・万俵寧子(原田美枝子)。
 すると庭に人影が動き、手を叩く。
 池に架かった橋の上にいるのは鉄平。

 すると水面がざわめき、やがて鯉の『将軍』が姿を現す。
 「将軍、ボクは高炉を建てます。間違ってないですよね」と鉄平。
 でも、水中に戻っていく将軍。
 将軍を呼び止めようとする鉄平。
 「将軍?」と思わず声を出す寧子。

 その声に鉄平が振り返ると、寧子は慌てて屋敷へと戻る。
 鉄平は寧子に声を掛けようとして、やめる。


 相子が銀平に、お見合いを進めさせて貰う、と宣言。
 銀平は、どうせ自分は万俵家のコマの一つに過ぎない。好きにして
くれ、と投げやり。
 寧子が、そんな性急にしなくても、と反対しても、相子は、寧子が
何もしないから自分がやってるんでしょ、と反論。

 鉄平の妻・万俵早苗(長谷川京子)が、母にそんなこと言わなくて
も、とたしなめても、実印や登記簿がどこにあるかご存知?万俵家の
一ヶ月の経費がいくらかご存知?と寧子を責める。
 そして次は二子の番ね、と言う。

 お見合いしない、と二子。
 相子は、閨閥作りは万俵家の宿命なんだから、そんなわがままは許
されない、と言う。


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 その頃鉄平は、通産省を訪れていた。通産省 重工業局の認可がな
ければ、高炉を建設することはできなかった。しかし石橋局長の反応
は消極的だった。
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 石橋に、期待しないようにと言われて局長室を追い出される鉄平。

 通産省の玄関で、帝国製鉄の和島所長(矢島健一)に出会う。
 和島は、石橋と帝国製鉄は格別の関係。高炉建設の認可は簡単には
下りないでしょ、と嫌みを言う。


 義父・大川一郎(西田敏行)は、沈んだ顔の鉄平に、それだけ帝国
製鉄にとって、阪神特殊製鋼の成長は脅威ということなのだろう。心
配はいらない。どんな手を使っても、すぐに高炉建設の認可を取って
みせる、と大川。
 でも、何か考えたままの鉄平。

 大川に促され、鉄平は、もう少し自分の力を試したい、と言う。
 大川は笑いながら、「相変わらずまっすぐな奴だな」と言う。でも
こればかりはどう頑張ってもどうしようもない。大切なのは、目的を
達すること。そのためには、プライドを捨てなければならないことも
ある。今度のことは全部自分に任せなさい、と言う。
 よろしくお願いします、と頭を下げる鉄平。

 そこにつる乃屋女将・鶴田志乃(多岐川裕美)が入ってくる。
 大川は、女将も遂に隠居する気になったのか。養女にした鶴田芙佐
子(稲森いずみ)とさっき廊下で会ったぞ、と言う。
 女将は、芙佐子はまだ外国。人違いですよ。それよりお電話です、
と大川に言う。

 それでも大川は、よく芙佐子に似ていたな.....と言い続ける。着
物着ていたから、芸妓なのかな.....とも。

 大川が電話に立った隙に、鉄平は座敷を抜け出し、廊下を進み、と
ある一室に入る。

 そこでは、着物を着た芙佐子が、帳簿をつけていた。
 鉄平はその部屋へ入ると、「君はこの七年間、何をしていたんだ。
君とお母さんは、何を隠そうとしているのだ」と問い詰める。
 「アジアの国々を回っていました。国際ボランティアの活動に加わ
っていました。二度と戻るつもりはありませんでした。でも、去年の
暮れ、急に女将の体調が悪くなって」と芙佐子。
 「なら、どうして正月、あのホテルにいたのだ」と鉄平。
 「参加しているボランティア団体の会合があのホテルであって.....
決して、鉄平さんに会いに行ったわけではありませんよ」と芙佐子。
 「でも、うちの家族が毎年あのホテルで正月を過ごしていることは、
君も知っているはずだ」と鉄平。
 「あなたに合うことを期待していたとでも言って欲しいのですか?
そんなはず、ないじゃないですか」と芙佐子。

 そして芙佐子は立ち上がると、「二度とあなたに会うなと約束させ
たのは、そちらじゃないですか!」と語気荒く言うと、部屋を飛び出
していく。

 鉄平はそれを追い、「高須相子か?あの女が君にそんな約束をさせ
たのか?」と聞く。
 「鉄平さん、知らなかったんですか?」と芙佐子。
 「あの女は、君に何を言ったんだ」と鉄平。
 「『鉄平さんの、万俵財閥の跡取りとしての将来を台無しにしても
いいなら、結婚すればいい。そうしたくなければ、二度と会うな』と、
あのお方は厳しい目でおっしゃいました」と芙佐子。
 芙佐子の顔を見ながら、何事か考える鉄平。


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 鉄平はその日のうちに神戸へ向かっていた。母から父を奪い、自分
から芙佐子を奪った高須相子への怒りが押さえきれなくなっていた。
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 相子は美馬に、万俵家で血統が無いのは、自分と美馬だけ、としな
だれかかる。
 美馬は一緒に夜の街へ繰り出そうか?と言う。
 義父の愛人を口説こうって言うの?と相子。

 美馬は、そうしたら大介は、閨閥を築いてきた愛人と、大蔵省の情
報源の自分の、どちらを捨てるんだろうか?と言う。こう毎度毎度呼
び出されていては、ストレスがたまってしまう、とも。

 大介帰宅の報に、二人は居住まいを正す。


 その頃新幹線に乗った鉄平は、新大阪へ着こうとしていた。


 美馬は大介に、読み終わったら捨ててくださいと言って、資料を見
せる。5位から9位の都市銀行には、いずれも巨額な不良貸し付けが
あった。でも、関西の銀行は結束力が強く、可能性があるのは、9位
の平和銀行ぐらい、と説明。

 大介は、平和との合併など、メリットはない。下手をすれば平和
共々共倒れだと言う。

 じゃあ、どこをねらうって言うんですか!と美馬。

 しばし黙考する大介。


 相子が大介と寧子のグラスにワインを注ぐ。
 寧子は、飲むと紅くなってしまって.....と断るが、大介はいいか
ら飲め、と飲ます。

 大介は、相子の肩に手を置き、二人は一緒に立ち上がる。
 「あなたの野心に火がついたみたいですね」と相子。
 寧子は頬に手を当てながら、ワインを飲む。

 寝室。
 寧子は、大介に、飲み過ぎたから、先に休むと言うと、大介と別の
ベッドに入ろうとするが、大介は寧子の手をつかむと、自分のベッド
に寝かせ、腰紐をほどく。

 そこに相子が入ってきて、ガウンを脱ぐと、大介のベッドに潜り込
む。

 寧子が何度、「やめてください!」と懇願しても、大介は手を離さ
ない。


 鉄平は、夜の神戸の街を、車を飛ばして帰ってきて、相子の所在を
女中に聞く。
 「休みました」と言われると、ドアを激しくノックする。

 するとその時、大介の寝室から寧子が飛び出してくる。腰紐を手に
持ち、はだけそうな寝間着の前を、もう一方の手で押さえると、自室
へ飛び込む。

 鉄平が、「どうしたんですか!?」 と何度呼びかけても、返事も
せず、自室へこもってしまっている。

 顔を出した銀平は、「そっとしておいてあげましょう」と言う。

 銀平が語る。
 前にも今回のようなことがあった。まだ鉄平がマサチューセッツ工
科大学に留学していた頃のこと。寧子が寝室を飛び出してきた。その
あと大介の寝室を覗くと、大介と相子がむつみ合っていた。きっと寧
子は、大介と相子に誘い込まれたのだろう。

 その事件の後、すぐ寧子は実家に帰ったが、没落貴族である寧子の
実家は、金銭援助をしてくれる大介に逆らえるはずもなく、すぐに万
俵家へ連れ戻された。

 去れ戻された寧子は、自殺を図ったが未遂に終わり、その後、ます
ます寧子の口数は少なくなった。
 反対に、相子は、ますます万俵家の女主人然として、振る舞うよう
になった。

 その銀平の話を早苗が聞いてしまう。

 鉄平が早苗に話す。
 早苗との結婚が決まったとき、鉄平が寧子に、自分が相子をこの家
から追い出してやると言った。
 でも、寧子はそれだけはやめてくれと言う。なぜかはわからない。

 7年前。
 「相子さんがいないとわたくしも困るんです。わたくし一人ではお
父様を支えてあげられないんです。お父様は、孤独な方です。わたく
し、お父様を愛してるんです」と鉄平に対して言い切った寧子。
 鉄平は、あんな強い目をした寧子を見たことがなかった。でも、寧
子がそのあと死のうとしていたなんて.....

 しかし、もう今回は許さない、と鉄平。


 翌朝、出かける支度を調えた相子を呼び止める鉄平。
 相子は、これから銀平の縁談を調えに、安田家へいくところだから、
帰ってきてからにしてほしい、と言う。

 鉄平は相子に、「あなたはこの家から出て行くべきだ」と言う。

 相子は平然として鉄平に、そんなことを言う権利はない。自分は万
俵家の家長である大介に頼まれてここにいるのだ、と言う。

 鉄平は、なら大介に相談すると言う。

 すると相子は、そんなことをしていいのか。そんなことをしたら、
高炉建設への融資の話しも無くなる。自分の心一つで大介の考えも変
えられる、と言い放つ。

 鉄平は怒り、早苗の制止を払い、「他人のあなたが口出しする問題
じゃない」と言い返す。

 相子は、自分も大介とは他人じゃない。それとも戦ってみますか?
どちらがより大介に愛されているか、と言う。

 そこに大介と寧子がやってくる。
 寧子は鉄平に、やめてくれと哀願する。

 それでもなお、鉄平は、自分たちは血のつながった家族だと言う。

 大介が、鉄平は思ったことをすぐ口にする。敬介そっくりだ、と言
う。
 鉄平は、思ったことを口にできない家族なんて、寂しすぎる、と言
う。

 相子は、万俵家に必要な人間だからここに置いている、と大介。

 「この女がやっていることは、家族を傷つけることだけです」と鉄
平。
 「『この女』だと?」と大介。
 「お母さんがどれだけ傷ついてきたか。お父さんだってよくご存知
のはずじゃありませんか」と鉄平。
 「わたしだっ.....」そこで大介は、敬介の肖像画にチラッと目を
やると口調を和らげ、「わしだって、精一杯、寧子を愛してきた」と
言う。
 「お父さんは、どうしてすぐはぐらかすんですか!逃げようとする
んですか!!」と鉄平。

 大介は、鉄平に向かって歩く。「お前は父親であるわたしの話を真
剣に聞いたことがあるか?経済学部へ進み、阪神銀行を継ぐよう勧め
たときも、お前はじいさんの勧めに従って、冶金科へ進み、阪神特殊
製鋼を継いだ」と大介。
 一言も無い鉄平。
 「わしの話は聞かず、自分の話だけ聞け、というのは虫がよすぎな
いか」と大介。

 鉄平は大きく息を吸うと、「お父さんは、ボクのことが嫌いなので
すか?」と聞く。
 「わしはいつもお前のことを、一番に考えている」と大介は言うと、
去っていく。

 「わたしの勝ちのようね。融資の結果が楽しみだわ」と相子は勝ち
誇ったように言うと、大介の後を追う。
 鉄平は大介の背中へ向かって、融資の件は、親子の関係を抜きにし
て検討して欲しい、と頼む。


 『高炉建設予定地』の看板が立つ。
 鉄平が予定地を歩く。
 そこに一ノ瀬工場長(平泉成)が、車を飛ばしてきて、通産省から
の高炉建設認可が下りたことを伝える。


 阪神銀行 融資月例会議。


 鉄平が阪神特殊製鋼に戻ると、全社員が手を振って出迎える。
 そこに、スクラップを満載したトラックが次々と戻ってくる。四々
彦たちが休日返上でスクラップ集めをしてくれたのだ。
 「ボクはこの会社を引き継いで本当によかった」と鉄平。
 「専務のお力ですよ。高炉建設をみんなどれほど喜んでくれている
か。目の輝きが違う」と一ノ瀬。
 「本当にいい人たちに囲まれて、ボクは幸せ者です」と鉄平。


 融資会議。阪神特殊製鋼への融資について。
 大亀が、阪神特殊製鋼は万俵財閥の中心的企業であり、その高い技
術力に恐れをなした帝国製鉄が意図的に銑鉄の供給を減らすほど。高
炉が完成すればますます成長するので、このまま融資を進めたいと言
う。

 それに待ったを掛けたのは大介。息子の会社だからと言って、手心
を加える必要はない。この、食うか食われるかの時代に、100億の
融資は痛い。

 鉄平の申し出を断るのですか!?と詰め寄る大亀。

 大介は大亀に対して、金融再編とは、銀行同士の、食うか食われる
かの大戦争。心して掛からなければならない、と言う。


 大介から鉄平への電話。融資額の10%の減額と言う。あとの
20億をどう集めるのか、と問う鉄平。
 それは自力でどうにかしろ、と大介。
 なおも鉄平は、メインバンクが10%も減額したとなると、他行に
とっての不安材料となりかねない。最悪、融資撤回などと言うことに
なったら、どうするのか?と言う。

 大介は、他行には満額融資と言っておけばいいだろう、と言う。
 お父さん、他行を玉競って言うことですか!?と怒る鉄平。

 仕事には、親子の感情を持ち込むなって言ったのは、鉄平の方じゃ
ないか。それに、それが融資を決めたメインパンクの頭取に対しての
口の利き方か。まず礼を言うのが先決じゃないか、と大介。

 −− その日父が下した非情な決定は、ボクと万俵家の人々の運命
を大きく狂わせた。


寸  評  このドラマ、確かに華麗なのですが、ドラマと言うには今ひとつ
欠けるものに、友達と話していて気づきました。それは、舞台上のお
芝居のようになっている、ということ。場面場面はナレーションでつ
なぎ、リビングだとか、役員室だとか、中に入ると、そこでお芝居が
始まっている。普通のドラマだと、たとえば鉄平が車で帰ってきて、
自宅の車庫から降りて、玄関を開けて、という一連の動作と場面が移
されていきますよね。。。。
 だから、見ていて、舞台の上のお芝居を観ている気分になるのです。

 もう一つが、鯉の将軍が安っぽすぎること。いかにもラジコン。絨
毯一つにもすごい高級品を使っているらしいのですが、そんなのは見
ていてわからないのだから、もっとわかる小道具にお金を掛けて欲し
いと思います。

 あいかわらず、木村拓哉は木村拓哉ですねぇ。。。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 最近、身体のあちこちに不調が出ています。うすうす原因には気づいている
のですが、なんとなく認めたくないんですよね。
 その原因は、過労。

 ある意味、真剣に過労死について考えてしまいます。人間、身体に多少の不
調が出ても、精神力でカバーできてしまうのでしょうね。そして、身体が限界
に達したときに心臓が止まるとか、精神力が限界に達したときに自殺してしま
うとか、発生するんでしょうね。

 でも、わたしにはそれだけの精神力は無いので、どうかする前に、サッサと
寝てしまうと思います。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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