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タイトル:Daily Drama Express 2006/05/18 七人の女弁護士 (6)  2007/01/31


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/05/11 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 七人の女弁護士
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 藤堂真紀(釈由美子)
 杉本美佐子(野際陽子)
 南條宏美(川島なお美)
 木下五月(柴田理恵)
 田代千春(南野陽子)
 飯島妙子(原紗知絵)
  麻生恵理(井上和香)
 北村一平(永井大)
脚  本 尾崎将也
主題歌  「」

あらすじ 第6話 新宿No.1ホストの罠! 殺されたナースの謎

 藤堂真紀(釈由美子)は、南條宏美(川島なお美)や飯島妙子(原
沙知絵)とともに、拘置所で被疑者・田中美帆(はしのえみ)に接見
する。憔悴した様子の美帆は、自分は殺してなどいないと涙ながらに
訴える。

 事件はホストクラブ「サファイア」から始まった。ナースの田中美
帆、同僚の米倉里美(吉野公佳)、有名ジュエリーデザイナーの妻に
なった元同僚・矢崎京子(高樹マリア)は、ストレス解消のためにホ
ストクラブに通うようになったが、No.1ホストの結城智也(袴田吉
彦)をめぐって、美帆と京子は対立する。
 そんななか、京子が自宅で死亡し、警察は、何者かが青酸カリを用
いて毒殺したと断定。智也をめぐる三角関係のもつれが原因と見て、
美帆を逮捕した。
 事件の前日、美帆の勤める病院で青酸カリが盗まれ、その現場に、
美帆のつけ爪が落ちていたのだ。美帆は、自分のつけ爪が、なぜそん
なところに落ちていたのかわからないと言う。勤務中は外してロッカ
ーに入れてあったのに、数日前に1つだけなくなったのだというのだ。
「私、本当にやってません。信じてください」と涙声で訴える美帆に、
真紀は小さくうなずく。

 事務所に戻った真紀たち。木下五月(柴田理恵)は、献身的な看護
で患者に評判のよかった美帆が、ホストにハマるなんて信じられない
と憤るが、田代千春(南野陽子)は、「ホストにハマってる女性って
多いらしいよ〜」
 解剖の結果、被害者の体内から検出された青酸カリは、一般のもの
より純度が高く、美帆の勤める恵神大学病院から盗まれたものに間違
いなさそうだ。しかも、美帆は犯行時刻に、被害者の自宅近くで目撃
されている。本人は、けんかをしたことを謝りに行ったが、時間が遅
いので引き返したと言っているが…。すべての証拠が美帆に不利なも
の。所長の杉本美佐子(野際陽子)は、とにかく本人が否認している
のだから、無罪の証拠を集めるように命じる。

 初公判。傍聴席に京子の夫でジュエリーデザイナーの矢崎一朗(小
木茂光)が現れる。一朗は、遺体の第一発見者。事件当日は、神奈川
県・葉山の工房で仕事をしており、翌日帰宅して、遺体を発見したの
だった。
 美帆が事件前日に盗み出した青酸カリを使用して、京子を毒殺した
とする起訴状に対し、美帆は、無実を主張する。

 検察側の証人として、美帆と一緒にホストクラブに通っていた里美
が呼ばれる。里美は、ホストクラブに通い始めたのは激務のストレス
解消のためだったが、京子も行きたいと言い出し、1か月前から一緒
に行ったのだと言う。
 美帆がホストの智也に高価なプレゼントをあげていたかという問い
に、ボーナスが出たからとロレックスをプレゼントしたときのことを
話す。その際は、京子が「無理しちゃって」と揶揄し、気まずい雰囲
気に。「京子さんと張り合っていたんです。美帆は一途だから、結城
さんに振り向いてほしくて必死だったんだと思います」

 真紀たちは事務所に戻り、皆に報告する。宏美は、美帆が先に智也
に熱を上げていたのに、あとからきた京子が智也と仲良くなったので、
美帆はかなり気分を害していたようだと言う。事件のあった日も、智
也をめぐって店内でつかみ合いのけんかをしていた。
 麻生恵理(井上和香)は、ホストにハマるなんて、京子の結婚生活
は幸せじゃなかったのかしら、と首をかしげる。一朗は超有名人で、
人もうらやむ玉の輿。だが千春は、「玉の輿って、けっこうストレス
たまるらしいよ〜。今までの生活とあまりにも違いすぎて」宏美も、
結婚すると夫から女として扱われなくなることが多いから、ホストに
女性として大事にされると、ハマってしまうのではないかと分析する。
恵理は、宏美の話を聞いていると結婚に幻滅しそうだと顔をしかめる
が、「結婚なんて憧れてするもんじゃないのよ。してからが大変なん
だから、修羅場」「そうそう」と美佐子もうなずくと、後ろから五月
が「所長のところはダンナさんが大変なんだけどね〜」と茶化しなが
らお菓子を持ってくる。「はい、名古屋名物・所長饅頭、じゃなくて
鬼饅頭!」

 妙子は、美帆たちが勤める病院で聞き込みをする。京子は、一朗が
入院した際に担当し、それが縁で結婚したのだという。
 そのとき、後ろに里美が通りかかる。意味ありげなまなざしで、妙
子の後姿を見つめる里美。

 一方、真紀は新宿・歌舞伎町の「サファイア」に智也を訪ねる。き
らびやかなホストクラブの雰囲気に圧倒されながらも店内に入るが、
客ではないと説明しても通じない。
「結城さん、ご指名です!」の声に、ソファから立ち上がった智也は、
一輪のバラを手にやってくる。真紀が名刺を差し出そうとすると「男
に簡単に素性を明かしちゃいけませんよ。携帯の番号を聞きだす楽し
みがなくなるじゃありませんか」そしてさらに真紀を遮って「長年ホ
ストをやってきましたが、あなたのような知的な美しさを携えた人に
会ったのは初めてです」と微笑まれ、真紀は困り果てる。「だから私
は、お客じゃないんです!」
「弁護士さん、でしょ?」智也は、真紀の弁護士バッジにかかった髪
を、指で軽くどかす。「警察にもさんざん取り調べを受けましたが、
あなたの取り調べは拒否できそうにないな…」智也のキザな台詞に、
調子が狂ってしまう真紀。「ここはお客様が夢を見る場所ですから、
外に出ましょう」智也は真紀の手を取り、強引に店の外に連れ出す。
 それを、鋭い視線で見つめる同僚ホストたち。

 演歌のかかる焼き鳥屋で煙草をふかす智也。店内とは打って変わっ
た態度で「おやじぃ、ビール!!」「私、ビールは…」「無粋なこと言
う弁護士さんだねぇ。一杯ぐらい付き合ってよ。いろいろ聞きたいこ
と、あるんじゃないの?」「じゃあ、一杯だけ…」店主におしぼりを
渡されると「ありがとうでしょ。君だけ特別におしぼりもらったんだ
から」すっかり圧倒されてしまった真紀だが、気を取り直して聞き込
みを始める。
「矢崎京子さんとは、いつから親しくお付き合いされていたんですか?
」「別に親しくないよ。京子さんとは店の外で会ったことないし。よ
くあるんだよね〜、勝手に恋人気分になって、取ったの取られたのっ
て」「田中美帆さんは、あなたに高級腕時計をプレゼントするなど、
かなりのお金をつぎ込んでいたようですが」「頼んでないんだけどね
〜。くれるっていうものはもらってあげないと、かわいそうでしょ」
智也の悪びれない態度に、真紀はため息をつく。

 一方、宏美も客を装って「サファイア」を訪れる。席についたのは、
先ほど智也の後姿をにらみつけていた浅原誠治(阿部薫)だった。さ
りげなく事件のことを尋ねる宏美。「俺たちも、迷惑してるんですよ
ね。イメージダウンじゃないですか」智也については「人の悪口は言
いたくないですから」と語りたがらない誠治だが、宏美が指名をちら
つかせると「内緒にしてくださいよ」と話し始める。
 智也は、No.1の座を守るためには手段を選ばない男だという。
「お客さんにはマメに優しく接するけど、これだけやったらいくらも
うかるって、常に頭の中金勘定なんですよ」

 翌日、美佐子は真紀に聞き込みの成果を尋ねるが、真紀は、肝心な
ことは何も聞き出せなかったと言う。「自分にはまったく関係ないっ
て感じで…」
 宏美は、智也はなかなかのやり手らしいと話す。一人で「サファイ
ア」に行ったと聞き、千春は悔しがる。「ああいう人たちって口が堅
いじゃない。お客のほうがいろいろ聞きだせるんじゃないかと思って」
 智也は、女性の心をつかむことに関しては、天性の才能があるらし
い。女性のタイプに合わせてキャラを変え、相手の理想の男になって
しまうのだとか。
「藤堂さん、あなた昨日、小汚い焼き鳥屋に連れて行かれなかった?
 そこで、マナーのことかなんかで叱られたでしょ」真紀は、おしぼ
りを受け取ったときの事を思い出す。
「手口やわ、ホストの手口」「藤堂さんみたいな美人は、いつもちや
ほやされて、男の人に叱られるなんてあまりないから、やんわりと叱
ってプライドを傷つけて…」「ほかの男とは違うんだって思わせるん
だ!!」と恵理。「ロマンチックなところは連れて行かれ慣れているか
ら、汚い焼き鳥屋でショックを与えて、落とす!」と妙子がたたみか
け、真紀は、愕然とする。
 五月は「私みたいなタイプは、どうやって落とすのかしらね〜」と
うれしそうに言うが、皆は、それには触れずに話を進める。

 宏美が聞き出したところによると、智也は、美帆につきまとわれ辟
易していたらしい。美帆は付き合っていると思い込んでいたが、智也
にとってははただの客。ホストの世界ではよくあることで、“色恋営
業”というの言葉まであるのだ。「本気で付き合ってると思わせるた
めに、毎日毎晩電話して、親にまで会わせるホストっているねんよ」
と千春。「詳しいわね、あなた」
 病院で聞き込みをしてきた妙子は、京子と智也は二人でよく飲み歩
いていたようだと言う。なのに真紀には、京子とは店の外で会ってい
ないと言っていた。やはり智也は怪しい。美佐子は、事件の洗い直し
を命じる。

 恵神大学病院を訪れた真紀は、里美に、青酸カリの盗まれた現場に
案内してもらう。美帆の判決が出るまでは、盗まれた当時のままにさ
れているという。薬品棚には鍵がかけられていたが、ガラスを割って
内側から鍵を外し、盗み出されたようだった。
 帰ろうとする真紀のもとに、患者の稲田(花原照子)が息せき切っ
てやってくる。美帆に渡してほしいと手編みのストールを託し、「あ
んないい子が、牢屋に入れられて…」と涙を流す。

 同じ頃、妙子と宏美は、事件現場となった京子の自宅を訪ねていた。
一朗によると、遺体を発見した日は家政婦の野島瞳(雨音めぐみ)も
休みで、昼ごろに葉山の工房から帰宅したら、京子が倒れていたのだ
った。自宅での夜遅くの犯行で、盗みの形跡がないので、顔見知りの
犯行が疑われ、一朗も取り調べを受けたという。だが、犯行時刻に、
葉山の工房でアシスタントからのFAXを受けていたのが確認され、ア
リバイが証明された。
 京子がホストクラブに通っていたことは、知らなかったという。
「私は、デザインのことを考え始めると葉山の工房に何日もこもるこ
とがあるものですから、寂しかったんだと思います…」
 一朗は、京子の通帳を見せる。智也宛に、500万円もの金を振り込
んでいた。「同じ男として、許せないですよ。女性の気持ちにつけ込
んで、金を貢がせるなんて!」

 妙子の報告を受け、美佐子も仰天する。「京子さんが殺害されて、
得したのは結城ってことか」「500万円の返済を迫られた結城が、美
帆さんに青酸カリを盗ませて手に入れ、京子さんを殺害したとしたら
…」と宏美が推測する。「美帆さん、自分が捕まっても結城のこと黙
ってるなんてこと…」「あるんじゃないかな」「女って、惚れた男に
は弱いからねぇ」口々に言い合う弁護士たち。真紀は、考え込む。

 弾んだ足取りでカフェへ向かう智也。呼び出したのは、真紀だった。
相変わらず調子のいい智也に「京子さんと店の外で会っていないなん
て、嘘ですよね」と迫る。京子から振り込まれた500万円について問
うと、飲み代のツケではないかと答えるが、京子はいつも現金で支払
いを済ませていた。
 智也は、美帆に渡してほしいと言って、ハート型のケースに入った
付け爪を渡す。「俺がプレゼントした付け爪、青酸カリを盗んだ場所
に落ちてたって報道されてるから、なくしたんだと思ってさ。特別に
オーダーしてやったのに」「これも、女心をつかむ手口ですか? 美
帆さん、あなたのためなら何でもしたんじゃないですか?」とぼける
智也。

 真紀は、智也から預かった付け爪を、美帆に見せる。「智也、怒っ
てなかったですか? 私が嘘をついてたから、迷惑かかってるかなっ
て」
「私、智也と付き合ってなんかないんです。私が一方的に好きだった
だけで」「どうして嘘なんかついたんですか?」「私みたいに、ブス
で何のとりえもない女の気持ちなんて、わからないんです。でも、智
也はやさしくしてくれた。心の底ではわかってたんです、私がお客だ
からだって。それでも、智也といるときだけ、自信を取り戻すことが
できたんです」
 真紀は、稲田から預かったストールを見せる。「ほかにもたくさん、
あなたのために減刑嘆願書の署名を集めている患者さんがいるそうで
す。あなたが結城さんに癒されていたように、あなたに癒されていた
患者さんもたくさんいたんですよ。何のとりえもないなんて、そんな
ことないんじゃありませんか」美帆は、言葉にならずに涙をこぼす。

 帰宅した真紀は、付け爪のケースを眺める。その傍らで、食事の支
度をする居候の弟・藤堂雅人(武田航平)と、真紀の恋人で監察医の
北村一平(永井大)。「完全に俺たち、姉ちゃんの食事作り係ですよ
ね」「あいつ、ひとつのこと考え始めると、ほかのことできなくなる
からな」まったく聞こえずに付け爪を眺めている真紀に、雅人は「ふ
ぅん、姉ちゃんでもそういうの着けることあるんだ」「違うのよ、被
告人のを預かってるの」
 真紀は、右手と左手でネイルアートの模様が微妙に違っていて、続
き模様になっていることに気づく。
 一平は、盗難現場の写真が入った資料を何気なく取り上げ、観音開
きの左側の扉が割られていることから、犯人は左利きではないかと推
測する。

 翌日、真紀は妙子とともに裁判所を訪れ、証拠物の付け爪を検証す
る。やはりこれも続き模様になっており、盗難現場に落ちていたのは、
右手の中指のものだった。真紀の瞳が、確信に満ちた色に光る。

 事務所に戻った真紀は、美帆はハメられたのではないか、と自らの
考察を話す。左側の窓が割られたのだから、手を入れるなら左手が普
通。なのに、右手の付け爪が落ちていた。しかも、美帆は右利きだか
ら、普通なら右の窓を割るはずだ。何者かが、青酸カリを盗んだ罪を
美帆になすりつけるため、美帆のロッカーから付け爪を盗んで現場に
置いたのではないか。
 美帆が青酸カリを盗んでいないとなれば、無実の可能性は高くなる。
千春は、犯人は病院で働いていて、美帆のことをよく知る人物だと分
析。「付け爪をロッカーに入れてることまで知ってるって、女性じゃ
ないですか」と恵理。

 早速、宏美と妙子は病院に向かう。左手で書類を書く里美に注目す
るが、里美は、京子が殺害された日には夜勤だったことが証明されて
いる。考え込んでいた宏美は、「犯人は一人とは限らない!」

 一方、真紀は「サファイア」に智也を訪ねるが、応対した誠治は、
今日は同伴で遅くなると言う。「何時になるかわかりますか!?」「さ
あ…。でも、そのまま来ないときもあるからなぁ」真紀は、あわてて
店を飛び出し、夜の歌舞伎町を、智也を探して走り回る。
 女性客と寿司屋から出てきた智也は、その姿を見かけ、「ごめん、
今日はキャンセルだ…」と客に言って真紀を追う。
 勧誘やスカウトを振り切りながら、智也を探す真紀。ホストらしき
男に強引に誘われているところに、智也が現れる。「俺の連れなんだ
けど」あわてて去っていくホスト。
「うれしいな〜真紀ちゃんが俺に会いに来てくれるなんて、やっと俺
の気持ちが通じたのかな」と軽口を叩く智也に、「いい加減にしてく
ださい! 美帆さんが今どんな立場にあるか、あなただってわかるで
しょう!? やってもいないのに有罪判決が出るかもしれないんです
よ!! お願いです、知ってること何でもいいから話してください」
「怒った真紀ちゃんもシビレるね」と言いながらも、智也はやっと話
すことを承知する。
 京子から振り込まれた500万円は、ほかの客のツケを立て替えるた
めに借りたのだという。来月には回収できる見込みで、そしたら返す
約束だった。「俺は、女を喜ばせる嘘はつくけど、それ以外は正直だ
よ」
「じゃあ最初に聞いたとき、どうして嘘をついたんですか」「真紀ち
ゃんに会いたかったから。俺が怪しいと、尋問しに来るっしょ?」
「それで、京子さんと店の外で会ってないなんて…」「ああ。それに、
京子さんかわいそうでしょ。なんでもなかったのに、俺と不倫してた
なんて、死んでも叩かれて。ホストって、すぐ客と寝てるって思われ
るから、困んだよな〜」
「そうなんですか!?」驚く真紀に、智也はため息をつき「京子さんは
派手でプライドの高い人だったけど、俺に本気だったわけじゃないよ。
亭主のこと愛してた」「じゃあ何でホストクラブに通いつめたりした
んですか!?」「いいじゃんもう!! 真紀ちゃんだって人に知られたく
ないこと、あるでしょ?」
 立ち去る智也を、真紀は追うことができない。

 翌日、皆はそれぞれの成果を報告する。
 里美は、殺害当日は夜勤だったというアリバイが証明されている。
だが、青酸カリが盗まれた日は、疲れて家で寝ていたというはっきり
しない証言で、共犯がいれば犯行は可能。千春と恵理は、智也が里美
に青酸カリを盗ませて、京子を殺害したのではないかと疑う。それで、
美帆に罪をなすりつけようとして、二人をけんかさせるために、自分
と京子が親密な関係だと美帆に吹き込んだというのだ。
 考え事をしていた真紀は、智也のアリバイを聞かれ、我に返る。殺
害当日は、店の後、酔っ払って家で寝ていたという。アリバイがない
のだ。だが真紀は、「結城は確かにいい加減な男ですが、殺人まです
るでしょうか」
「ちょっと真紀ちゃ〜ん、結城の本性が見えなくなってるんちゃう
の?」妙子の調べでは、智也にハマッて離婚した女性や、借金が払え
なくて自己破産した女性までいた。宏美は、真紀は智也に近づきすぎ
たのではないかと言う。
 真紀は「そんなことありません!」と叫び、美帆に会うと言って飛
び出していく。

 真紀は、里美と智也の関係について尋ねる。「そうなんですか?」
「いえ、わからないんです。里美さんには恋人はいたんですか?」
「私には、彼氏いない歴2年だって言ってましたけど」だが、先月誕
生日を迎えた里美は、友達と遊園地に行ったと言っていたらしい。

 真紀は、一平を誘って横浜の八景島シーパラダイスを訪れる。「た
まにはデートらしいデートもしないとね」と言う真紀だが、キョロキ
ョロと落ち着かない。早速、売店の店員に聞き込みを始める真紀に、
「なんだ、仕事かよ」と一平は苦笑い。
 その時、一平の携帯が鳴る。友人からのようだったが「今、外。家
にかかってきた電話、携帯に転送してるから」という一平の言葉に、
真紀が反応する。「たまに、緊急の呼び出しで家に電話かけてくるヤ
ツいるからさ」
 一平は、ジェットコースターに乗ろうと言いだすが、真紀は引きつ
った顔で見つめ、「あれはよ、よしとく…」「え〜、ここはあれが目
玉なんだから、ここに来たらあれに乗らないと意味がないでしょ!」
「そうなの!? ここに来る人ってあれのために来るの!?」真紀はしば
らく考え、こわばった表情で「わかった。の、乗りましょう! 乗る
わよ、あー乗ってやるさ!!」と乗り場に向かってズンズン歩き始める。
 恐怖の時間が過ぎ、よろよろと降りてきた真紀は、出口に掲示され
た自分たちの絶叫写真に愕然とする。「も〜撮られてるとわかってた
らこんな顔しないのに〜」と情けなくつぶやいた真紀だが、その瞬間、
ハッとする。「おじさん、4月26日も写真撮りました? その日の画
像って、あります!?」

 第二回公判。弁護側証人として、里美が呼ばれる。
 病院から青酸カリが盗まれた日について宏美に問われた里美は、
「疲れたので家で寝ていました」「それは、証明できますか?」「一
人暮らしですので、証明できません」検察側から異議が出て、宏美は
質問を変える。
「あなたの利き腕は、どちらですか?」「左ですけど」
 宏美は、青酸カリが盗まれた薬品棚を持ち込んでいた。左側のガラ
スを割り、手を入れて鍵を開けたとなると、犯人は左利きだったと考
えられる。「あたしが盗んだって言うんですか!? 美帆のつけ爪が落
ちていたんでしょう!?」と里美は激昂する。その言いように、美帆は
思わず里美に目を向ける。
「仮に美帆さんがやったとしても、右手で鍵を開けることは困難で、
左手でやったはずなんです。でも、落ちていた付け爪は、右手中指の
ものでした」里美はハッとする。「つまり犯人は、左利きで、美帆さ
んが勤務中は付け爪をロッカーにしまっていることを知っている、病
院内の女性であると考えられます。病院内の左利きの女性は、あなた
だけでしたよ」里美は、事件当日のアリバイがあると主張するが、
「それは、京子さんが殺された日のアリバイでしょう? 青酸カリが
盗まれた日ではありませんよ」里美は愕然とする。

 続いて、智也が証言台に立つ。
 妙子は、京子から借りた500万円について尋ねる。「京子さんは、
返済はいつでもいいと言ってくれていましたし、来月には返済できる
はずでした」妙子は、いくら京子に余裕があるからとはいえ、不自然
だと返す。「なぜ京子さんは、あなたにそこまでお金を遣っていたん
でしょうか」智也はためらい、真紀のほうを見やるが、真紀は、力を
込めてうなずく。
 しばらくの間の後、智也は「お金を無駄遣いしたいと言っていまし
た」と口を開く。京子は、夫の一朗が浮気をしているようだから、一
朗が稼いだ金を無駄遣いして、憂さ晴らししていると言っていたのだ
と告白する。

 続いて証言台に立ったのは、一朗だった。真紀が質問に立つ。
 一朗は、浮気の事実を否定。「あんなホストの言うことを信用して
もらっちゃ困る」「京子さんがホストクラブに行くようになったのは、
あなたとうまくいってなかったからじゃないですか」「確かに、私は
仕事にかまけて、妻にさびしい思いをさせていたかもしれません。で
すが、浮気なんて…」「先ほどの証人・米倉里美さんと浮気をしてい
たということはありませんか?」という真紀の問いに、一朗は、里美
とはこの裁判所以外で会ったことは一度もないと答える。
 真紀はその答えに念を押してから、一枚の写真を一朗に示す。そこ
には、ジェットコースターに乗って楽しげに笑いあう、一朗と里美の
姿があった。
「あなたは、米倉里美さんと不倫関係にあったのではないですか?」
宝石が積み上げられた工房の一室で、絡み合う一朗と里美…。
「そんなことが、妻が殺されたことと何の関係があるというんだ!?」
「あなたと米倉里美さんには、共謀して京子さんを殺害する動機があ
ったということです」
 続いて真紀は、葉山の工房にいたというアリバイについて尋ねる。
「アシスタントの金子に聞いてもらうといい。彼からのFAXを受け取
って、折り返し私が電話で指示しましたから」「そのときのFAXを持
ってきていただけましたね」真紀は、一朗からFAX用紙を受け取り、
証拠物件として調べるよう申請する。
 いきなりキレ、「なに話してるんだかわかんねぇよ!?」と怒鳴る一
朗に、真紀は、FAXは電話と同様に転送することが可能なのだと答え
る。「つまり、犯行時刻に殺害現場である自宅で、葉山に送られた
FAXを受け取ることは十分可能なんですよ」「だからといって、私が
そういうことをしたという証拠にはならない。こんな失礼な茶番に付
き合うつもりはないよ。帰らせてもらう!!」動揺を押し隠し、退出し
ようとする一朗に、真紀の決め台詞が飛ぶ。
「逃げる場所は、ありませんよ!!」

 真紀は、家政婦に頼んで、現場となった自宅のFAXのインクリボン
を借りてきていた。そこには、一朗が持参したFAXと同じ内容が印字
されていた。さらに、FAXを送ったアシスタントからも、送信時刻を
指示されたとの証言が得られていた。
 絶望し、椅子に倒れるように座り込む一朗。「あなたは、米倉さん
と共謀して、殺害を計画した。そうですね?」
「里美と付き合い始めてから、京子に離婚してくれって何度も何度も
頼んだんだ」だが京子は、同意しないばかりか、離婚するなら浮気の
事実を週刊誌に売ると言い出す。「浮気する男のジュエリーなんて、
誰が買うもんですか!!」とわめく京子。「私を破滅させるためなら、
どんなことでもするって言い始めて…」
 スープに青酸カリを入れ、京子に差し出す。「飲んだ後は、やっぱ
りこれでしょ」「あなたのスープ、大好き」うれしそうに口にした京
子は、すぐに苦しみ倒れる。あわててカップの指紋を拭く一朗。その
とき、携帯が鳴る。「今、葉山にいるから、FAXは葉山に送ってくれ」
そしてFAXが転送され、自宅で受け取った一朗は、京子の遺体の横で
折り返しの電話をかける。

「あいつが生きていたら、私は破滅だった! 仕方なかったんだ」
「一度は愛した人を殺すなんて、許されることじゃありませんよ!」
 そして傍聴席に向かい、「里美さん、命を守る現場で働くはずのあ
なたが、こんな卑劣な罪を犯すなんて、とても残念です」うつむく里
美。


 矢崎一朗は懲役13年、殺人の共犯で、米倉里美は懲役11年の刑を宣
告された。そして、美帆は無罪が確定し、看護師として充実した毎日
を送っている。

 そしてある日、事務所に巨大な花束が届く。添えられたカードには、
【法廷の真紀にしびれた/愛してる 真紀/結城智也】
「No.1ホスト、本気にさせちゃった!?」と千春。「だまされてたん
じゃないのね」と恵理。「手玉に取ってたのは、藤堂さんのほうだっ
たんだ」と宏美と妙子も笑いあう。美佐子は「やっぱり、私の若い頃
にそっくりだわ」「えっ、所長もホストにハマったことがあるんです
か!?」と五月が驚く。動揺しまくりの真紀は、「私はホストにハマッ
てなんかいませんから!!」と懸命だが、格好の餌食を見つけた皆は、
いつまでもはやし立てる。
 そんな真紀の手帳からは、一平とジェットコースターに乗ったとき
の絶叫写真がのぞいていた。


寸  評  だんだんここの<寸評>が、重箱の隅に突っ込むコーナーと化し
てる気がしますが、今回も突っ込みどころ満載でした。
 だいたいねー、青酸カリ盗もうって時に、付け爪つけていく人はい
ないよね。しかも勤務中は外してたって言うんだから(看護師なら当
然ですね)、ますますもってつけてるはずがない。だいたい、指紋と
か付くから手袋するだろうし、指紋もないのに付け爪落ちてたら、ハ
ナから誰かにハメられたんだろうなって疑いますよねぇ。
 そして、犯行時刻の目撃証言は、結局その後検証されることはなく
…。怪しげな伏線のうち、結末に結びつかないネタがたくさんあるん
だって、だんだん気づいてきたじょ。
 とはいえ、袴田くんに振り回されるカマトト(死語!?)真紀ちゃん
がおもしろかった。男子はこんな姿にトキメイちゃうんでしょうかね。
イマドキ、あんなに美人であんなに世間知らずって、ありえない気が
しますが。
 そして、THE★ホストな袴田くんもおかしかったですねぇ。ゼブラ
柄のスーツっっ!! 豹柄のシャツっ!! 真紅のバラっっっ!!! いや
ぁ、やっぱりホストクラブはテーマパークとしては秀逸なんでしょう
か。私行ったことないんですよ。一度ぐらい行ってみたいけど、やっ
ぱり笑っちゃってダメだろうな…。
 そして、デートと偽って検証に付き合わされてしまう一平ちゃんも
笑えましたね。シーパラ行ったらジェットコースターに乗るものなの
かははなはだ疑問ですが…。やっぱりイルカじゃないの!? ま、イル
カシアターじゃ写真撮ってくれないから、証拠は得られなかったね。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 すいません、前回5月11日号で、真紀の弟を間違えてしまいました。
 ×「航平(藤堂雅人)」→○「雅人(武田航平)」
です。逆になっちゃった!!! 大変失礼しました。訂正してお詫びします。
 そして、「ブス恋」でも書きましたが、こんなの書いてる暇があったら次に
行きたいと思いますので、これにて失礼いたします〜〜〜。(Nami)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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