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タイトル:Daily Drama Express 2007/01/14 華麗なる一族 (1)  2007/01/31


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/01/14 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 華麗なる一族
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 万俵鉄平(木村拓哉)
 万俵大介(北大路欣也)
 高須相子(鈴木京香)
 万俵寧子(原田美枝子)
 万俵銀平(山本耕史)
 万俵二子(相武紗季)
 美馬一子(吹石一恵)
 安田万樹子(山田優)
 万俵早苗(長谷川京子)
 美馬 中(仲村トオル)
原  作 山崎豊子「華麗なる一族」
脚  本 橋本裕志
主題歌  『』

あらすじ  第一回

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 高度成長時代、『鉄は国家なり』と言われるほど、製鉄業は国家の
基幹産業であった。

 政府は、外国資金が入らないように、当時12行あった銀行を合併
させ、メガバンクを作る構想を練っていた。

 これは当時、製鉄に命を賭けた息子と、金融再編の荒波と戦う父。
その万俵一族を取り巻く、愛と憎しみと悲しみに満ちた、壮絶な物語
である。
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 昭和43年12月31日。
 丹波篠山では、大晦日の殺生が禁じられていた。
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 しかし万俵鉄平(木村拓哉)は、祖父から譲られた鉄砲を手に、丘
へ向かって歩いていた。大木がそびえ立つ、あの思い出の丘へ。
 猛吹雪の中、一人歩く鉄平。その大木の下にイノシシが一頭居座っ
ている。じっと見ている鉄平。

 イノシシはやがて去っていき、鉄平は大木の下に立つと、幹に手を
掛ける。


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 2年前、昭和41年12月31日。
 神戸三宮。
 鉄平は大いなる希望に満ちていた。次々と新しいアイディアを開発
し、メーカーから次々と注文が入るようになっていた。目下の鉄平の
心配は、原料の確保。銑鉄の供給を止められては困る。
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 鉄平は阪神特殊製鋼の専務。

 一ノ瀬工場長(平泉成)は鉄平に、スクラップを混ぜればいいと提
案。何なら日本中からスクラップをかき集めてくる、と。

 でも、工場でるつぼにスクラップを投下した途端、爆発が起きる。
早く投げるよう、工員たちに指示する鉄平。
 でも、鉄平の目の前で一ノ瀬四々彦(成宮寛貴)が飛び散った火花
に飲み込まれる。
 鉄平は自ら飛び出していき、四々彦を助ける。

 一ノ瀬は鉄平に、これからご家族恒例の.....と言うが、鉄平はみ
んなが正月返上で頑張っているのに、自分だけ抜けられない、と工場
に残る。


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 昭和42年元旦。
 鉄平の家族・万俵家は、志摩観光ホテルで正月を過ごすのが、毎年
の習わしであった。
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 半休銀行頭取・万俵大介(北大路欣也)は、部屋の明かりもつけず、
金融再編の記事を読んでいた。

 執事の高須相子(鈴木京香)が声を掛け、大介のネクタイを直す。

 妻・万俵寧子(原田美枝子)は、部屋から出てきた大介に、「ご苦
労様です」と挨拶する。

 大介がダイニングの席に着き、「鉄平はどうした?」と問いかける。
 鉄平の妻・万俵早苗(長谷川京子)は謝り、鉄平は昼まで仕事をし
ていた、と答える。

 そこに、5分でいいので大介に話を聞いて欲しいと駆け込んでくる
男。
 相子が別室を用意し、貸し付け課長の次男・万俵銀平(山本耕史)
が相手をする。

 鉄平がホテルに駆け込んでくる。
 大介は、正月まで仕事をするとは、万俵家の人間ではない、と苦々
しく言う。

 鉄平は、社を預かる人間として仕事を全うすることは当然、と意に
介していない。

 正月恒例の記念撮影会−−これがボクが万俵家の一族と一緒に撮っ
た最後の写真となった。

 美馬中(仲村トオル)は相子の対応をほめる。

 相子は、鉄平が遅れなければ、もっとゆっくりとできたのに、と言
いたい放題。

 大介は美馬に、金融再編の情報を提供するよう言う。
 美馬は、ずいぶん直接的な物言いを、と言う。
 大介は、そのために娘を嫁にやった。阪神銀行が吸収されることが
あれば、万俵財閥の何万という社員が路頭に迷うことになるし、美馬
にはかなりのことをしてきたはずだ。それに美馬にとっても、阪神財
閥の利用価値はあるだろう、と言う。

 兄弟たちだけでバーにいる。話題は銀平の結婚のこと。美馬一子
(吹石一恵)は、美馬は大蔵省ではやり手かも知れないが、家庭人と
してはダメ、と言う。
 銀平はどうせ自分の相手は相子が決める、とあきらめている。

 鉄平は、万俵二子(相武紗季)が意に染まない結婚をすることは無
い、と言う。でも、鉄平の妻も通産族の大物代議士・大川一郎(西田
敏行)の娘。所詮政略結婚じゃないか、と言われる。
 鉄平は、自分は早苗のことを愛している、と言う。

 一人エレベータを待つ鉄平。
 鉄平は到着したエレベータから降りてきた女性に声を掛ける。「芙
佐子!」と。
 でも、鶴田芙佐子(稲森いずみ)はサッサと行こうとする。
 鉄平がなおも呼びかけると、芙佐子は立ち止まり、「まだ覚えてい
たのね」と言う。
 鉄平は、忘れるわけはない、と言う。

 そこに早苗が来て、鉄平を呼ぶ。息子・万俵太郎(荒木崇秀)がお
やすみの挨拶をしたいから、と。
 鉄平は、芙佐子は先代がひいきにしていた料亭「つる乃屋」のお嬢
さん、と説明。

 美馬は、これから東京へ戻るのだが、別れ際大介に、何か新しい情
報が入ったら連絡をするという。

 鉄平たちが宿泊しているフロアに昇ると、ちょうど相子と寧子がや
ってきて、部屋へはいるところだった。

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 万俵家では、夕食の時、妻の席に座った方が、大介と夜を共にする。
今晩の相手は相子。

 相子は15年前、家庭教師として万俵家に入り、鉄平が留学へ旅立
つと、大介の愛人となった。
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 相子は大介に、銀平の相手として物色中の令嬢の名をあげる。大介
は相子は女にしておくのはもったいない、と言う。
 相子は、自分が女でなければこんな近くには来られなかったでしょ、
と言う。

 早苗は鉄平に、もう来年からは来るのはやめましょう、と言う。西
洋式の完璧なマナーとはいえ、太郎には早く夕飯を食べさせ、大人だ
けでディナーなんて、太郎がかわいそうと言う。
 そして寧子と相子の件はおかしいと言う。鉄平は自分を悲しませる
ようなことはしないでね、と早苗。
 鉄平は早苗を愛しているという。


 夜が明ける。早苗は太郎と一緒にベッドで寝ている。
 鉄平は昨日のシャツの上にカーディガンを羽織った格好で椅子から
立ち上がり、伸びをする。


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 1月4日。
 三が日があけると、鉄平も大介も業務に忙殺されるようになった。
 阪神銀行は、都市銀行の中で預貯金残高第十位。関西地区では絶大
な力を誇る都市銀行であった。
 また大介は、阪神特殊製鋼など十数社を傘下におさめる万俵財閥の
総帥でもあった。
 その財閥の中核を担う阪神銀行は、鉄平の祖父・万俵敬介の先見の
明で、地方の小さな銀行を次々と合併してその勢力を伸ばした。
 跡を継いだ大介は、豪腕な敬介とは違い、細心かつ緻密な経営戦略
で、一地方銀行に過ぎなかった阪神銀行を都市銀行にまで発展させ、
今の地位を築いた。
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 出社してきた大介を出迎える阪神銀行専務の大亀(武田鉄矢)。大
亀は、大蔵省が銀行再編に動くらしいことを伝える。
 三階の廊下から一階の融資課を眺めおろす大介。
 それに気づいた行員たちが仕事の手を休めて起立し、深々と礼をす
る。銀平も最後に立ち上がると、礼をする。
 大介は礼を返すと、大亀に、「この行員たちとその家族を護るのが
我々のつとめだ」と言う。


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 阪神銀行に次いで万俵財閥の中核を担うのが、阪神特殊製鋼であっ
た。この会社もまた、敬介が設立した。現在は鉄平が専務として、実
質的な経営を任されていた。
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 圧延工場の現場にいた鉄平は、電話だと呼ばれる。出ると製品の注
文。
 風間自動車からの注文の量は予想を遙かに超えるものであった。そ
れだけの製品をまかなえるだけの原料を確保できるかが目下の鉄平の
悩みであった。製綱のためには、スクラップと銑鉄が要る。スクラッ
プは国内外から容易に集められる原料であったが、銑鉄は鉄鉱石を高
炉で溶かして、鉄製分だけを取り出した、非常に純度が高い鉄であっ
た。阪神特殊製鋼は、その銑鉄とスクラップを溶かして製品を作り出
す炉は持っていたが、銑鉄そのものを作り出す高炉は持っていなかっ
た。
 そこで帝国製鉄という高炉を持つ国家的製鉄会社から銑鉄を分けて
もらうしかなかったのである。しかしその量は十分ではなかった。銑
鉄不足は、阪神特殊製鋼が常に背負わされていた危険因子であった。
 「高炉さえあれば.....高炉を造りたい」と鉄平は願っていた。

 銭高常務(西村雅彦)は鉄平に対して、風間自動車は帝国製鉄から
切り替えようとしている。ということはこの契約を結べば、帝国製鉄
の機嫌を損ねる、と反対。
 一ノ瀬は、石川社長に対して、この際、我が社も高炉を建てましょ
うと言う。

 銭高は高炉に反対する。高炉とは、一度日を入れてしまったら、3
65日その日を絶やさないようにしなければならないやっかいな代物
だからだ。


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 帝国製鉄は、戦前からの大企業であり、鉄は国家なりと称される国
内最大の企業である。
 しかし、帝国製鉄は阪神特殊製鋼から新しい製品が出るたびに、銑
鉄の供給を止めるという嫌がらせをしてきた。それは両社の製品が一
部競合しているからだった。
 でも、銑鉄を安定供給できるほどの企業は、帝国製鉄しかなかった。
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 鉄平は、自ら車を駆って、帝国製鉄の和島所長(矢島健一)に直談
判に行く。
 でも、和島の側近に、自前で高炉を造られては?バックには阪神銀
行が控えているのだから、と嫌みを言われる。

 鉄平は、「わかりました。我が社もそろそろ真剣に考えさせていた
だきます」と言うと、所長室を出る。

 和島は側近を叱責する。鉄平ならやりかねない。海外留学までした
優秀な技術者。しかも作られた製品は、帝国製鉄の製品の3倍もの品
質を誇っている。阪神特殊製鋼が自前の高炉を持ったら、帝国製鉄は
太刀打ちできない。


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 その一週間後、鉄平は大同銀行頭取就任が決まった、三雲祥一(柳
葉敏郎)と、丹波篠山に雉子撃ちに出かけた。
 鉄平がマサチューセッツ大学に留学していたとき、また三雲も日銀
ニューヨーク支店へ赴任しており、外国で出会った二人は、その後も
親交を深めていたのであった。
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 三雲は鉄平のいらだちを心配する。
 鉄平は、このままでは日本の鉄鋼はダメになる。いや、日本の産業
全体がダメになる。日本が先進国の仲間入りを果たすには、優れた製
品を生み出し続けるしかない。そのためには、技術が必要なのです。

 そう。この敗戦国に資源と呼べるものがあるとしたら、そうした人
々の熱意と努力だけしかないかもしれない、と三雲。

 敬介は、そういう話をしながらこの大木の下で、この銃を譲ってく
れた、と鉄平。
 物を作る大元は鉄。しなやかで強くて、軽い鉄。それがあらゆる分
野に進出し、日本の産業を支えている。

 三雲は、アメリカにいるときと同じく、鉄平は鉄の話となると止ま
らない、と言う。

 鉄平は実は今、大きな決断をしようとしている。いよいよ高炉を建
設しようとしている。今の阪神特殊製鋼は、技術力ではどこにも負け
ないという自負がある。帝国製鉄の横暴に屈してはいけない。そうし
なければ日本の産業そのものがダメになってしまう、と言う。

 三雲は、そういう若い起業家の後押しをするのが、銀行家のつとめ
と思っている。大いに力になりたい、と言う。


 万俵邸 兵庫県 芦屋市。

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 万俵邸は、敬介が戦前購入した、神戸の街を見下ろす広大な敷地の
中にあり、鉄平は結婚を機に、洋館を建ててもらった。
 敬介が生前使っていた日本家屋のとなりには、大介の洋館が建って
いた。
 大介の家は、鉄平の家から目と鼻の先であったが、相子の存在が鉄
平の足を遠ざけていた。
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 相子は次子にもたくさんの縁談がある、と言う。
 次子は、まだ結婚する気は無いと言うが、相子は写真を見ればその
気になる、と強気。
 寧子が次子をかばおうとするが、相子は貴族の家の出という以外に
何もない寧子に、何ができるのと言い、遠慮がない。

 そこに鉄平がやってきて、次子はまだ結婚なんてしなくていいと言
う。
 寧子については、何という口をきくのだと抗議するが、大介は鉄平
の発言に、不快な顔。

 鉄平は、今日は大介に、折り入って頼みがあるという。
 鉄平が航路建設を切り出すと、役員会は?と大介。鉄平は役員会の
議事録を見せる。

 鉄平はここで阪神特殊製鋼を伸ばすと、日本の大企業も伸びるはず
だと力説。
 でも、総予算250億円と知った大介は、考えさせてくれ、と言う。
 鉄平は、まず大介に理解して貰った上で、阪神銀行の融資を受けた
い、と言う。

 相子が美馬からの電話を伝える。大介は寝室に回すように言う。
 鉄平には、明日から長期の出張なので、戻ってから話を聞くという。
 鉄平は、自分も急ぐ。来週、三雲の頭取就任パーティーで上京する
ので、その時、時間を作って欲しいと言う。

 美馬邸 東京 成城。

 大介が美馬からの電話に出ると、美馬は金利自由化のニュースを伝
える。今まで財閥系の銀行は高金利を維持してきた。でも金利自由化
で阪神銀行が吸収される危険は高い、と言う。
 大介は、永田格(津川雅彦)大蔵大臣に会わせろと言う。難しい、
と美馬。
 大介は、永田は今でこそ、次期総裁候補などと言っているが、局長
時代の永田に、多額の政治献金をした恩を忘れたのか!とキレる。

 電話を切った大介は、「何がこんな時に250億だ!」と毒づく。

 庭を歩く大介。蜘蛛の巣にかかったカマキリがクモに襲われる。


 三雲の頭取就任パーティー。
 三雲は、挨拶する鉄平に、この間の決意はまだあるのかと問う。
 鉄平は、ある。その時には、サブ銀行として相談にのって欲しいと
いう。

 大同銀行の生え抜き行員の綿貫専務(笑福亭鶴瓶)と小島常務(金
田明夫)は、こう毎度日銀からの天下りでは、やってられないとささ
やき合っている。
 永田大臣までパーティーに現れる。

 鉄平の義父・元通産大臣の大川も来ている。

 次期総裁候補二人が揃っての出席。

 大介も銀平を伴って現れる。
 三雲は、鉄平は、天才経営者であった敬介に似ている。いよいよ高
炉建設に乗り出すようだし、理想を追いかける姿勢は、敬介以上かも
知れない、と評する。

 大川の発声で乾杯。

 鉄平が銀平に、大介に高炉建設の話をするつもりだというと、大介
なら、早々に消えた、と銀平。
 会場を飛び出す鉄平。


 金栄庵 東京 新橋。
 大介は、永田と話をする機会を得る。
 永田は、銀行は3つか4つに再編しないと、外資に太刀打ちできな
い、と言う。
 大介は、阪神銀行のような小さいところは喰われてしまえというの
か。それでは四大銀行と大蔵省による、地方銀行いじめととらえられ
かねない、と脅す。
 永田は、それはとらえ方次第。日本経済の発展とも言えるのではな
いか、と言う。

 大介は、小が大を喰う合併もありか、と切り出す。
 あきれたという声を出す永田。今、阪神銀行は都市銀行十二行中
十位だが、せめて一桁にできないか、と言う。
 苦しい顔の大介。


 大川は鉄平を、敬介が贔屓にしていたつる乃屋へ連れて行く。

 つる乃屋 東京 麻布。
 挨拶に来る鶴田志乃(つる乃屋女将)(多岐川裕美)。
 鉄平と志乃は面識がある。敬介に連れられてきていて、学生時代、
家庭料理が食べたくなるとここに来ていた、と言う。

 志乃は身体がつらそう。大川が、芙佐子に店を任せて隠居したら?
と勧めるが、志乃は芙佐子は外国へ行ったまま、とぼやく。

 鉄平がお正月、志摩で芙佐子に会ったというと、その後またすぐ、
外国へ戻ってしまった、と言う。

 でも、つる乃屋の廊下を、和服を着た芙佐子がお銚子を乗せたお盆
を持って歩いていた。


 鉄平は、大介が最終の新幹線で神戸へ戻ってしまったことを知った。

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 1960年から1972年の間、東京・大阪間の深夜航空便が存在
した。
 鉄平は大介を追うように、深夜航空便で神戸へ戻った。
 幼いときから大介は、しばしば鉄平を無視することがあった。大介
の銀平に対するのとは違う、冷たい態度を、鉄平は感じていた。
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 寝室で寧子に大介は、鉄平はどんどん大介に似てくる。自分よりむ
しろ色濃く敬介の血を引いている、と言う。
 そこに相子が来て、鉄平が来ていて、もう遅いからと断っても帰ら
ないと言う。
 大介は、仕方なく降りていく。

 鉄平は大介に対して、約束を破ったのは大介のせいだと言う。
 大介は、それがメインバンクの頭取に向かって言う言葉かとたしな
める。
 鉄平は、これ以上大介に待たされては、計画が狂う、と言う。
 大介は、結局鉄平は大きな子とを言っても、大介や大川、三雲に頼
るだけじゃないか、と言う。
 鉄平は、大介が敬介の阪神銀行を都市銀行まで大きくしたように、
自分も阪神特殊製鋼を大きくしたいという。

 大介は、事業計画、コスト等をもっと簡潔にまとめるように言う。
 鉄平は、10分だけ欲しいというと、別室にこもる。

 寧子が鉄平にお茶を持って行こうとして、鉄平の姿を見て、茶器を
取り落とす。

 何事かと部屋を覗いた大介が固まる。相子もハッとする。
 なんと鉄平は、その部屋にかかっている敬介の肖像画とそっくりの
姿勢で、考え事をしていたのだ。


 翌朝、屋敷の池の前で、鉄平は大介に、昨夜の非礼をわび、大介が
融資会議に掛けてくれると言ってくれたこの礼を述べる。

 大介は、この池には『将軍』という名の大きな黄色の鯉がいた。敬
介が手を叩くと姿を現したが、ほかの者が手を叩いても、決して姿を
見せない。よってここ何年も姿を見せていないが、試しに鉄平に手を
叩いてみるよう言う。

 半信半疑の鉄平が手を叩くが、何も起こらない。
 「やはり、死んだんですよ」と鉄平が立ち去りかけると、水面が波
立つ。
 なんと、将軍が姿を現したのだ。

 「やはりお前はじいさんの子だ」と大介。

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 12年ぶりに将軍が姿を現したときの父の顔をボクは一生忘れない
だろう。たった一尾の鯉の出現が、ボクと、万俵家に張り付く因縁と
の戦いを予言していたのかもしれない。
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寸  評  前評判が高いドラマが始まりました。
 でも、最初に受けた印象が、ドラマとしては大御所を揃え、骨太に
仕上げようとしているのに、重要な展開はナレーションに頼ってしま
っていて、ドラマとして演技で表せていないことですよね。
 山崎豊子の骨太の小説を、たった三ヶ月のドラマにまとめようとし
たことが間違いではないでしょうか?フジテレビの『白い巨塔』の時
のように、思い切って半年やればいいのに、と思います。今からでも、
のばせないですかねぇ。あれも、豪華キャストだったと思うのですが。

 このままだと、木村拓哉の脱皮に付き合わされているだけのような
気がして。最近、木村拓哉の出るCMなどを見ていると、アイドルか
ら大人に脱皮したがっているのかな、と感じられます。渡哲也と競演
の缶コーヒー、日経の広告。

 さあ、これから物語の世界に引き込んでくれるのでしょうか?すで
に鉄平は敬介の子ではないかとの疑惑も明るみに出てしまっています
し。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 今回の冬ドラマ、気になるドラマが多くて、保存用にDVDに落とす作業が
忙しくなりそうです。
 DVD化は録画中はできないため、録画がたまっていく傾向にあり、HDD
がいっぱいになってしまったので、先日、夏の故障で修理に出して戻ってきた
レコーダーを出して、設置しました。番組表を見て、どの番組をどのレコーダ
ーに割り振るか、毎日考えています。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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