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===================================================== 発行部数 25 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2006/05/23 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.火曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル ブスの瞳に恋してる 局 名 フジ系 放映日時 火曜22時 キャスト 山口おさむ(稲垣吾郎) 太田美幸(村上知子) 竹田武 (大森南朋) 小田島彬(船越英一郎) 藤原美也子(井川遥) 蛯原友里(蛯原友里) 佐々木翔子(MEGUMI) 里中花子(室井滋) 清水浩太(加藤成亮) 原 案 鈴木おさむ 脚 本 マギー 主題歌 『』 あらすじ おさむ(稲垣吾郎)の誕生日のため、必死の思いでニットを編み 上げた美幸(村上知子)だが、美也子(井川遥)と抱き合うおさむの 姿を目撃してしまう。 美幸は、。手から滑り落ちたプレゼントの包みを拾い、走り去る。 そんな美幸に気づくこともなく、見つめ合い微笑む二人。 こっそり『どすこいラーメン』に舞い戻り、ロッカーにプレゼント を押し込んでいると、浩太(加藤成亮)に見つかってしまう。「忘れ 物しちゃって」とごまかすが、「それ、俺のロッカーですけど…」あ わててプレゼントを自分のロッカーにしまい直して帰っていく美幸を、 浩太は心配そうに見つめる。 自宅に戻るも、アパートの前で逡巡する美幸。あんなに頑張って手 伝ってくれた翔子(MEGUMI)と弥生(滝沢沙織)に、どんな顔をして 会えばいいのか…。だが、思い切ったように中に入っていく。 いつもと同じように明るく帰ってきた美幸を、待ちかねていた翔子 と弥生が迎える。「お二人のおかげで、サマーニット作戦大成功でご ざいます!! もうすっごい似合ってたよ。二人にもお礼言っといてっ て」美幸の作り話に、手伝った甲斐があったと喜ぶ二人は、おさむの ニット姿を見てみたいと言い出し、美幸は「言っとくよ」とごまかす。 だが、着替えると言って美幸が自室に引っ込むと、二人は心配そう に目配せする。 明かりもつけずに自室に佇む美幸。思い出すのは、見知らぬ女性と 抱き合うおさむの姿。ベッドに倒れこみ、ニットの本を投げつける。 その物音に、リビングで様子を伺う翔子と弥生の心配は、確信に変わ る。 翌朝、関東中央テレビでは、バラエティのプロデューサー会議が開 かれていた。進行役は、『むちゃデス』が好調で上機嫌の斎藤(相島 一之)。『ズバット×ズバット』を担当する竹田(大森南朋)は、て こ入れのために「女の格言」コーナーを始めたと報告する。上島(松 重豊)は、「中のコントは面白かった」と言うが、「コーナー自体の 発想は、そのへんのラーメン屋の壁に貼ってあるような、新鮮味のな い、オバチャン層に日和った企画」とバッサリ。斎藤は、「いいんだ よ、オバチャンは数字持ってるんだから! 数字! 数字! 数字!!!」と強引にまとめ、解散する。 落ち込む竹田に追い討ちをかけるように、斎藤が、ここで頑張らな いと『ズバズバ』は危ないと声をかける。上島が出している新番組の 企画が、編成に好評だというのだ。「ま、『むちゃデス』の数字がい いから、目立っちゃうっていうのもあんだけどね〜」と相変わらずの カンジ悪さで去っていく斎藤。竹田は、苦い思いで会議室を後にする。 「ホームページをプリントアウトしただけのものは資料っていわねえ って言ってんだろ!!」幸佑(米原幸佑)に怒鳴る竹田。幸佑は謝った ものの、プリントアウトを頼んだ一恵(矢松亜由美)に小声で文句を 言う。 そこへ、ホクホク顔の松本(忍成修吾)がやってくる。「俺、直々 に上島さんから番組誘われましたよ。もう楽しみッスよ!!」「新番組 か。あの人とやると、勉強になるからな」おさむと松本の会話に、ひ そかに心穏やかではいられない竹田。 そのとき、おさむのパソコンにメールが届く。小さく微笑むおさむ。 同じ頃、応接室にいる美也子も、パソコンを前に微笑む。 そこへ、プロデューサーの柏木(林泰文)が入ってくる。キャステ ィングについて意見を求める柏木だが、美也子は「お任せします。私 はもっと脚本のアイデア練らないといけないし」「完璧主義ですねぇ」 「好きなだけです、この仕事が」 美幸の所属事務所では、社長の井之頭(佐藤二朗)が、考え込んで いた。そこへ、呼び出された美幸がやってくる。 井之頭は、長い長いスケジュール表を広げ、「キミの年末までのス ケジュール。見ての通り。、真っっっ白だ」いつになく真面目な表情 で美幸の向かいに座り、「25歳をすぎても芽が出ない女優には、引退 を勧めることにしている。別の人生をスタートしてもまだ間に合うう ちに、ね。キミが努力してることはよーくわかってる。その努力を、 今度は芸能界以外の別のところに向けたほうがいいんじゃないかな。 あきらめる勇気も、必要だよ」苦しい表情で背中を向けた井之頭の後 ろから、美幸のクスンクスンという声が聞こえる。 井之頭が振り返ると、美幸は笑っていた。「最悪なことって、ほん とに重なるんですね。こんなにつらいと、人間って、リアルに笑うし かないんだな」美幸はそのまま立ち上がり、「お世話になりました!」 と明るく挨拶して立ち去る。痛恨の思いで見送る井之頭。 廊下では、お笑い芸人のB2(黒沢宗子・久保田磨希)が、今日も練 習に励んでいた。美幸は、あわてて挨拶する二人に歳を尋ねる。 「24ですけど」「あと1年もあるんだから、頑張ってね。私、コレに なっちゃってさぁ」と首の前で切るしぐさをする。「私みたいになら ないようにね。地下二階から、なんだっけ?」「てっぺんめざす…」 「うん。頑張ってね」立ち去る美幸を見送った二人は「コレって、ク ビ〜!?」 美也子が会議室に駆け込むと、おさむが待っている。「メール、び っくりしたよ」「ラブレターかと思った?」「全部脚本の相談だもん なぁ」「おさむの真似したんだよ。昔さ、ずいぶん長い置き手紙だな あと思ったら、全部コントの台本で、最後に『感想求む』って」「あ ぁ、やってたね。いいよ、考えるのは好きだから」 「登場人物のキャラクター設定なんだけど、何人かは、もう少し何か を乗っけてあげたらいいと思うんだよね。これはコントの発想なんだ けどね、たとえばこの二人組の年齢設定を変えて、オッサンにしちゃ うとかね」思わず笑ってしまう美也子。いつのまにか外は夕暮れだが、 おさむはあふれるアイデアを語り続け、美也子は笑い続けている。 その頃、美幸はひとり、観覧車でお台場の夕景を眺めていた。 「なんでクビなんかにしたんですか!? 年齢制限があるなんて聞いて ません!」井之頭に抗議するB2の二人。「ウチには年齢制限なんてな いよ。そんな嘘でもつかなきゃ、太田くんは、夢にしがみついたまま だよ」井之頭は、美幸を思いやってのことだったと話す。 事務所には、夢を持って地方から東京に出てくる若者たちが大勢や ってくる。そのなかで、本当に夢をかなえられるのは、一握りもいな い。「でもさ、その夢をかなえることだけが、幸せじゃないよ」納得 きないと食い下がる二人に、「キミたちのためにも、最強の助っ人の ことは、もう忘れなさい」 観覧車は一回りして地上に近づく。美幸は、頬を叩いて気合いを入 れ、笑顔を作ってみる。 『どすこいラーメン』では、常連客の日野(日野陽仁)が美幸に見 合い話を勧めている。「とってもいい人なんだよ! バツ2で、子ど も4人いるらしいんだけどね」「絶対嫌です! お見合いなんて」 「美幸ちゃんはねぇ、こう見えて、恋多き女なんだからね」と店主の 花子(室井滋)。「こう見えてって、どういうことですか〜」いつも と変わらない明るい美幸。 そこへ、柏木が美也子を連れてやってくる。美幸は、それがおさむ と抱き合っていた女性だと気づき、動揺してどんぶりを割ってしまう。 「いいんですか、こんなところで?」と柏木は言うが、美也子は「日 本に戻ってきてからずっと、ラーメン食べたかったんです」とうれし そう。 日野は花子に小声で、美也子が女優で、昔共演したことがあると言 う。「向こうは全然覚えてねえだろうな〜」 だが、美也子はふと顔を上げた際に日野に気づき、「お久しぶりで す、よね」と駆け寄る。日野が挨拶する前に、「日野、陽仁さんです よね」と先に名前を言われ、「初めて名前を覚えててもらえた…」と 感動に身体を震わせる。「その節は、お世話になりました」と礼儀正 しく挨拶する美也子に、「犯人でした、私」と日野。 笑いあう二人に、花子は「この子も女優なんですよ」と美幸を紹介 する。「美幸ちゃんも大変だねぇ、こんなきれいな人がライバルじゃ! あ、でも全然キャラかぶってないか!!」とゲラゲラ笑う花子に、美 也子は「もう女優はやってないんです。向いてなかったんです」「今 は、脚本家としてうちのドラマを背負ってもらっています」と柏木が 補足する。 美也子が現れたこと、そして美也子の「向いてなかったんです」と いう言葉に揺れる美幸は、割った丼を片付けていて、破片で指を切っ てしまう。あわててロッカーへ駆け込む美幸。絆創膏を貼りながら、 洗面所の鏡を見つめる。耳には、「あきらめる勇気も、必要だよ」と いう井之頭の言葉。美幸は、ロッカーに突っ込んだままになっていた プレゼントを引っ張り出し、見つめる。 スタジオの控え室で出番を待つ友美(蛯原友里)。携帯で自分を撮 影し、【すごく会いたい】と何度も書いたメールに添付して送る。 メールは、自宅で執筆するおさむに届く。それを見たおさむは、思 わず、部屋の片隅に座る、友美から贈られたクマのぬいぐるみを見つ める。 その時、パソコンにもメールが。読みながら、おさむはふっと表情 がゆるんでいく。 『どすこいラーメン』では、松本が一恵、幸佑と向かい合ってラーメ ンをすする。「そんな落ち込むなって。1回怒られたぐらいで落ち込 んでたら、やってらんないよ。ねぇ、美幸ちゃん」「そぉそ。そんな こと言ったらさ、私なんてどん底のどん底だよぉ、もー!!」美幸は幸 佑の背中を張り倒す。 松本は美幸に、編んでいたニットはおさむにプレゼントしたのかと 尋ねる。「それがさぁ、編んでる途中で気づいたの。やっぱサマーニ ットはナシかなって。危なかったよ〜完成してから気づかなくてよか ったぁ」「見たかったなぁ、おさむさんのニット姿」「意外と似合う かも」何も知らない松本たちは残念がる。「最初はそう思ったんだけ どさ、どうよ〜サマーニット着こなす男って」「…やっぱナシかも」 「でしょ〜!!」自虐的に笑う美幸を、浩太が心配そうに見やる。 テレビ局では、おさむが竹田と歩いていた。「最近、らしくないで すよ」「上からいろいろ言われてさ」「バラエティ作ってる人間は、 つらいときこそ笑顔でいろって、自分で言ってたじゃないですか」 そこに美也子が現れて、おさむは美也子とともに会議室に入ってい く。複雑な表情で見送る竹田。 「昨日、おさむと話したおかげで、あれこれ浮かんじゃった」「俺も あれから考えちゃったよ、仕事あるのに!」謝る美也子に「いいよ、 俺が勝手に考えちゃったんだから」 美也子は、昨夜美幸に会ったことを話す。「すごい、いいキャラク ターだよね。あの子見てたら、すごい想像力かき立てられて。それで 思ったんだけど…」登場人物のキャラクター設定について話し出す美 也子をよそに、おさむは、美幸のことを思う。 『どすこいラーメン』では、早番の美幸が先に店を出る。 閉店後、浩太は花子に、美幸のことを相談する。美幸が無理をして いるのではないかと心配する浩太に、「ほっときゃいいよ」と花子は にべもない。「何があったか知らないけど、自分で言いたきゃ自分で 言うだろ。それに、時には落ちるとこまで落ちるのも必要だからね」 花子の顔に、愛情に満ちた微笑が浮かぶ。 その頃、帰宅途上の美幸は、靴のストラップが切れてしまう。悪い ことは重なるのである。 自室にこもり、ヘップバーンのポスターと向き合う美幸。抜け殻の ようになって座り込む。 自宅のパソコンで企画書に向かう美也子は、おさむにメールを送る。 【まだ仕事中?】返ってきた返信は【まだ仕事中…】笑顔で返信ボタ ンを押す。 二人はメールのやり取りを続け、いつの間にか深夜のファミレスで 向き合ってパソコンに向かっている。 「今日はここまで」「ずるいなぁ、もう終わっちゃうの?」「まだか かりそう?」「いや、俺ももう終わるかな」カタカタとパソコンのキ ーを叩くおさむを、見つめる美也子。 「よし、俺も終わった」と顔を上げたおさむ。おかわりのコーヒーを 口にして、美也子は「作家は孤独だなって思うのって、書き終えた瞬 間だよね」「一人で自分に乾杯したりね」本当はその場で、誰かの反 応が見たいと言うおさむ。 美也子は、おさむの書き上げたコントを読んで爆笑する。「ここで しょ? 自信あったんだよな」自然と寄り添うおさむに、美也子は 「またこうやって、毎日おさむの仕事を見れたらいいのにな…」とつ ぶやく。見つめあう二人…やがてゆっくりとおさむがうなずき、美也 子は微笑んで、おさむの肩に頭を乗せる。 翌日の公園。一人佇む美幸は、居合わせた幼い女の子に笑いかける が、「変な顔〜」と言われ、ムッとする。父親に抱きかかえられて去 っていく姿に、父・義男(渡辺哲)の姿が重なる。 出勤し、忙しく働く美幸だが、ふと手が止まり、考え込む。ため息 をつく美幸を、花子は心配げに眺める。 スタジオの片隅で、インタビューを受ける友美。当たり障りのない 答えをする友美だが、「時間があったら何をしたいですか?」という 質問に、「恋人と過ごしたり」と答えてしまい、インタビュアーもマ ネージャー(中山弟吾朗)も顔色を変える。「勘違いしないでくださ いよ。友美の恋人って、仕事のことですから。もっともっと、いいお 仕事がしたいってことです!」マネージャーはホッとして不自然な高 笑いを響かせるが、友美はフッとさびしげな顔になる。 竹田はおさむに、『ズバズバ』の視聴率が落ちていることで、上層 部か叩かれているのだと打ち明ける。「だけどさぁ、数字数字で番組 作って、それが俺たちの『ズバズバ』なのかなって…」竹田は、やは り自分たちが面白がれることをやっていきたいと思っていた。「それ で数字が取れずに、番組が終わることになってもな」おさむは、もう 一度、番組が始まった頃のように頑張ろうと励ます。「上から何言わ れても、怖いものなんてなかったじゃないですか。終わらせません よ!」 「プロデューサーと作家の話は、ここまで! これは友達として聞く けどさ、美也子とヨリ、戻したの?」返答に困るおさむに、美幸には ちゃんと伝えてあげないと、と言う竹田。おさむの脳裏に、美幸の出 会いからの姿がフラッシュバックする。「オマエの誕生日に、ニット かなんか編んでたかもしれないだろ。愛情があるなら、最後はけじめ、 つけないとな」 家に帰って執筆していても、美幸の姿が頭から離れない。やがて朝 を迎え、おさむは、『どすこいラーメン』に向かう。 言いたいことがある、と告げるおさむに、美幸は「私も聞きたいこ とがあります。私、見ちゃったんです、おさむさんが、橋の上で女の 人といるのを…。その人、お店にも来たんです。元女優さんで、今は 脚本を書いてるって言ってました」 「彼女とは、昔付き合っていたんだ」7年前に突然いなくなって、そ れでも忘れられなかったこと。「これから、もう一度彼女と付き合い たいと思っているんだ。それを、きちんと伝えたくて…」 美幸は無理に笑顔を作り、「あーあ、これで本当に何にもなくなっ ちゃった…」涙をこらえきれずに、その場を立ち去る。 店に戻っても、涙を抑えることができない美幸に、花子は、帰るよ うに告げる。花子の冷たい態度に、浩太が文句を言おうとすると「ア ンタももう帰っていいよ。ホラ、美幸ちゃんが帰っちゃうよ!」 浩太はあわてて、美幸の後を追う。「もう、いいです。無理に笑う の、やめてください。俺、美幸さんのそういう顔見るのがつらいんで す」だが美幸は、「私の泣き顔、ひどいんだ。見てるともっとつらく なっちゃうから」と言い残して去っていく。 帰宅したものの、無言で自室に直行する美幸に、翔子は声をかけよ うとするが、弥生が止める。 美幸はラジオのスイッチを入れるが、電波が悪く、すぐに切ってし まう。 翌日、『どすこいラーメン』では、美幸が無断欠勤しているせいで、 花子がてんてこ舞いしている。 その頃、美幸は部屋で、ヘップバーンのポスターと向き合っていた。 だが、どれだけ真似てもブスはブス。カーテンを閉め切った薄暗い部 屋で、美幸は手紙を書き始める。 【翔子と弥生ネエへ。突然ですが、私、しばらく実家に帰ることにし ました。いつ戻るのか、今は決めてません。もうバレバレかもしれな いけど、おさむさんに完璧に振られちゃったんだよね。私、勝手に舞 い上がってたから、落ちたら痛くて痛くて。そんなに好きだったんだ なって、逆にびっくりしちゃうぐらい。 それと、もうひとつ理由があって、これがけっこうヘビーなんだけ ど、女優を辞めることにしました。夢をあきらめるのは失恋よりもつ らいことで、空っぽの気持ちになっちゃったんだ。二人には心配かけ たと思うけど、なんにも聞かずに黙っていてくれて感謝しています。 せっかく手伝ってくれたニット、無駄になっちゃってごめんね。実家 に帰って、これからのこととか、ゆっくり考えてみようと思います。 しばらく留守番、よろしくお願いします】 翔子と弥生が手紙を見つけた頃、美幸は、『どすこいラーメン』に 挨拶に行く。叱りつける花子をよそに、ロッカーを整理し、おさむの ために編んだニットは、ゴミ箱に捨てて立ち去る。 やがて、美幸を乗せたバスは新宿を出発し、東京に夜が訪れる。 その夜、ジューシー中島(中島ヒロト)のラジオ番組には、友美が ゲスト出演する。「忙しくて恋もできない?」と聞くジューシーに 「したいんですけどね」と答えるだけで、調整室ではマネージャーが 顔色を変えて飛び跳ねている。「これって友達の話なんですけど、好 きな人がいるのに会えないんですって。それってツライと思いませ ん?」「OK、じゃあ、そんな友美ちゃんの友達に、ジューシーから メッセージを贈ろうかな。恋する相手が遠くにいたり、忙しくて会え なかったり、そんなことが理由で恋をあきらめてしまった人、多いん じゃないかな。でも恋に、時間や距離って本当に大事なのかな? も っと強く、ずっと彼を思い続けてごらん。目を閉じれば、彼は、いつ でもキミのそばにいるから。時間も距離も超える力、それが、恋の力 だよ」 目を閉じて、聴き入る友美。 美幸も、バスの中で耳を傾けていた。 美幸を乗せたバスは、高崎駅に到着する。 突然帰ってきた美幸に、母・さと子(高橋ひとみ)も妹・絵里(大 沢あかね)も仰天するが、オフをもらったと言う美幸を、義男は無言 で迎える。 美幸は、おいしそうに母の手料理をほおばり、しばらく滞在すると 言う。義男は背を向けてテレビを見ながら、何かを感じていた。おさ むとの仲を尋ねる絵里に、さと子も話をそらす。 自宅で執筆するおさむのそばに、マグカップが置かれる。微笑む美 也子。それぞれパソコンに向かって仕事だが、至福の時が流れていた。 美幸は、先日家族が上京したときの写真が飾られているのを見て、 微笑む。テレビの下のガラスケースには、美幸の出演した番組を録り ためたビデオが。 美幸が縁側で佇んでいると、義男がやってくる。「まだ寝ないのか」 振り返った美幸は、かすかに泣いていたような気配。「最近夜中に目 が覚めてな」と言いながら、義男は美幸にビールを勧める。 向き合うことのないまま、ビールを口にする二人。 「聞かないんだね、どうして帰ってきたかって」「ああ」「私ね、東 京から逃げてきたんだ。もう、全部なくなっちゃって…」すすり泣く 美幸に、義男は微笑み「もういい。嫌なことがあれば、帰ってくれば いい。ここは、お前の家なんだから」美幸はこらえきれずに涙を流す。 寸 評 おさむちゃん、あいかわらずエビちゃんに冷たいですね。なんで? あんなに一途なのに!! やっぱりたいして好きじゃなかったから!? 皆さん、頑張ってアタックして大好きな彼を射止めても、こんな仕 打ちがありうるからご用心くだされ。結局男が自分から「ほしいぃぃ ぃぃ」と思わなきゃダメってことね。はいはい。 美幸も、そこまでやせ我慢しなくていいと思うんだけどね。とくに 同居の友人なんて、もっと思い切り頼ったっていいのに、なんでそこ で気遣うんだろう…。 でもでも、家族があったかい。Namiは号泣してしまいました。不器 用ながら包み込んでくれるお父さんばかりが目立ってますが、そらっ とぼけて無神経な妹のツッコミから守ってくれるお母さんだって、相 当じゃないだろうか。そこら辺が詳しく描かれていないので、どう書 いていいか迷ったんですけど。 私自身、ズタボロになってふらりと実家に帰ったことを思い出しま した。スカイメイトが使えた若かりし頃ですが。適当な苦しい言い訳 に何も突っ込まず、親戚にも会わずに済むようにしてくれた(ああい うのがいちばんめんどくさいのよ!! へこんでるときって)親には本 当に感謝してます。 あぁ、家帰りたくなってきた。いや、生活かかってるんで、年末ま で我慢しますけど。 執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 皆さん、風邪などひいていませんか? 私は早速、1回ひきました。運良く 早めに受診できたんで、事なきを得ましたが。 うちの会社でも、皆ばたばたと倒れています。誰かが冗談(笑えないんだけ ど)で言った「学級閉鎖」という言葉が、ちょっとした流行語に…。 そんななか、会社でインフルエンザの予防接種があったので、娘を差し置い て受けてきました。10年以上ぶりの予防接種、しかも風邪気味。医者の予診で はまぁ大丈夫ということだったのですが、翌日から傷口が大きく腫れて、とて も怖い思いをしました…。3日たってだいぶひいてきたんで、まぁ大丈夫かな と思うんだけど、これって風邪のせい? それとも注射が久々だから!? 今週は、娘も予防接種を受けさせるつもりです。インフルエンザで登園禁止 になったら、仕事にならないわ〜〜〜っ!! (Nami) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv/ url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |