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*☆*――*☆*――*☆*――*☆**☆*――*☆*――*☆*――*☆*☆*――*☆* ☆☆ ムダ金を払おう! ☆☆ 〜〜勝利者たちの「型破り」成功術〜〜 No.1 貧乏性を誇れ 松下電器創業者 松下幸之助 *☆*――*☆*――*☆*――*☆**☆*――*☆*――*☆*――*☆*☆*――*☆* 「損をするのは時勢や運のせいではない。 経営の進め方に当を射ていないところがあるからなのだ」 *☆*――*☆*―― 松下電器創業者 松下幸之助 ――*☆*――*☆*――*☆* 「経営の神様」松下幸之助は、典型的な叩き上げの経営者である。 学歴は小学校中退。 わずか九歳で火鉢店の丁稚奉公に出されている。 しかし、彼はこうした貧しさゆえの苦労を当たり前のものとして受け入れていた。 そして成功を手に入れた後も、常に丁稚奉公時代の「貧乏性」を持ち続けていた。 貧乏性、つまり貧しさから生まれる配慮と工夫が松下の経営哲学の根幹だ。 松下の和歌山の生家は、元はかなりの資産家で、彼の父は若くして村会議員に 選出されたりしている。 この父が米相場に手を出して失敗、何不自由ない暮らしが一変し、九歳で大阪へ 奉公に出されるわけだが、「大阪へのあこがれ」「汽車に乗れるうれしさ」があった せいか、たいした悲壮感は持たなかったという。 そして彼は子守、掃除、使い走りなどの雑用に追いまくられる暮らしにも、見事に 順応してしまう。 この時代に、彼は金を生かす工夫をさまざまな形で覚えていく。 わずかな給金をどのように有効活用すべきか・・・。 一種の商才が目覚めていった。 たとえば日に何度も客から煙草を買いに行かせられる。そこで彼は給金を先行投資し、 煙草を買いだめした。 煙草はまとめて買うと一箱のおまけがつく。つまり利益が出るのだ。 煙草の注文は頻繁にあるので、このわずかな利益が馬鹿にならない。 時には月の給金の四分の一に達したそうだ。 言いつけたらすぐ煙草が出てくるので客も喜び、この自己流の煙草屋は大いに繁盛する。 こうした工夫は、倹約や節約、つまり「ケチ」とは違う。 与えられた環境の中で少ない金に意味を持たせるための実践的なアイデアだ。 貧乏性とは、金を使わない知恵ではなく、どんな環境に置かれてもやりくりして切り抜ける 「金の使い方の知恵」である。 松下は環境に順応するだけではなく、自分の夢の実現に邇進する意志の強さも持っていた。 市内を走る市電を見て電気事業に興味を持ち、奉公していた店を飛び出して大阪電灯の 見習工になる。 すぐに昇進、若くして検査員になるのだが、ここでも彼の貧乏性が発揮される。 検査員の仕事は楽だった。 普通なら喜ぶところなのだが、丁稚、工員として猛烈に働いてきた松下には耐えられなかった。 病弱な彼は、精一杯働こうという気力だけで病気を抑え込んできたのだ。 忙しくない暮らしは、かえって彼の病状を悪化させてしまう。 「このままではいけない」 彼の起業への意志はそんな時に芽生えたのである。 『真剣勝負では、首をはねたり、はねられたりしているうちに勝つなどということはあり得ない。 商売は真剣勝負だ。 得をしたり、損をしたりしているうちに成功する、などという考えは間違っている。 損をするのは、時勢や運のせいではない。 経営の進め方に当を得ていないところがあるからなのだ』 松下の言葉だ。 普通は、商売がうまくいかない時期があっても、「そういう時もあるさ」と考える。 しかし松下は、「一度首をはねられたら終わりなのだ」と考える。 少しでも損益が出たら、必ず自分のやり方のどこかに落ち度がある。 それを徹底的に検証しろ。常に勝たなければいけない。 お金は使うより貯める。貯めるより殖やす。殖やすより稼ぐ。 その工夫が、いい逆発想を生むのである。 *☆**☆* ムダ金を払おう!〜〜勝利者たちの型破り成功術〜〜 *☆**☆* 長澤 智彦 tohiko@infoseek.jp |