二年前の十月のある朝、テレビ局で働く29歳のアメリカ人記者が、自費で「Digg」というサイトを立ち上げるというごく普通の決断をした。その理由はきわめて単純で、テレビの視聴者がどんな番組を見たいかについて演出者や製作者がまったく理解していないことに気がついたからである。その結果、この「アクセス者が投票で点数をつけて、ニュースのランキングを決める」というサイトが誕生した。現在、「Digg」は50万人以上の会員を持つ、「ニューヨークタイムズ」と匹敵するような巨大なニュースサイトに発展した。毎日120万人が訪れ、アクセス数は1000万に達している。
web2.0の大きな流れの中で、「Digg」は小さな一つのしぶきに過ぎない。ブログ、SNSからビデオ画像共有サイト、口コミサイトなどなど、ネットメディアは一部の専門の書き手や出版社の所有する私有物から、次第に一般人や集団のための公共の宝に変化してきている。
今年の夏、mixiの社長、笠原健治らが株主になり、6名の青年が共同で参加型ニュースネット「NEWSing」を立ち上げた。このサイトには編集者はおらず、サイトの編集権は読者に委ねられ、読者が自分でニュースを発信したり、投票をしたり、評論を書いたりする。このサイトは若者の間でたいへん人気があるが、その理由は簡単で、「面白い情報を見つけたらすぐに他の人に伝えたい。ニュースに対して自分の意見を発表したい。」ということだそうだ。
ここまで読んで、読者のみなさんは私がこれから言おうとしていることにすでに気付かれたことだろう。
2007年の新年から、「東京流行通訊網」はたくさんの読者が自由に参加できる2.0サイトに変身する(最初は中国語簡体字・繁体字のページから始め、さらに日本語ページも追加する)。これは「東京流行ランキング」を内容とするサイトであり、日本の流行について最も早く、最も正確で、最もバラエティに富んだ参加型ニュースサイトにしていくつもりである。
新バージョンの「東京流行通訊網」では、読者は面白くてわくわくするニュース速報を読むだけでなく、自分で気に入った報道やブログを探したり、評論を書いたり、投票をしたり、さらには自分のつかんだ情報を発表したりもできる。全世界の様々な地域に住む読者は、それぞれ異なった価値観を持っており、選び出される情報もバラエティが豊かで、みなが注目する日本の流行の真の価値を備えているだろう。
新しい一年に、みなさんと共に協力し合って、「東京流行通訊網」の2.0の新しい世界を切り開いていきたいと願っている。 |