明るい歓声が響く海辺、にぎやかな音楽が流れる青い空。あたりは華やかなアートの雰囲気に包まれ、インスピレーションの熱い火花が私たちの心に響く。12月2日から3日まで、お台場の東京ビッグサイトで、「第24回デザイン・フェスタ」が開催され、世界25ヶ国から集まった6000名あまりのアーティストやクリエーターが、51000名以上の鑑賞者たちとともに雄大な美の交響曲を奏でた。

1994年、アーティストやクリエーターのために作品発表の自由な空間を提供しようという企画によって開かれた第1回デザイン・フェスタには大きな期待が寄せられ、人々の注目を集めた。それ以来12年間、毎年春と秋に一回ずつ行われてきたこのイベントは、厳しい審査も面倒な制限もなく、作品の製作者と鑑賞者が自由に交流できるアジアで最大級の芸術の祭典であり、真の2.0アートイベントとなっている。

広い会場が展示スペース、ショースペース、映像スペースなどに分けられ、屋外にはさらに歌や演奏のための特設ステージが設置されている。世界各地から集まってきたのは、3歳から93歳までの幅広い年齢層のアーティストとクリエーターたちである。個人だけでなく、グループ、学校、企業、大使館による出展作品もある。鑑賞者には、週末の休みを利用して訪れる人々の他、国内外のメディア、デパートの購買担当者、アーティストをスカウトしようという芸能界の人などもいた。さあ、この感動的な芸術の祭典を見て回ろう(全ての写真をクリックすると大きな画像を見れる)

 
 
 
 

12月2日は、SAMBA★PARTY!のサンバダンサーたちが入場門から、歌って踊りながらショースペースまで練り歩いた。艶やかなコスチュームが目を奪い、弾むような太鼓のリズムに雰囲気が盛り上がってくる。興に乗った観客たちがダンスの中に加わって、歌と笑いのうちにデザイン・フェスタの幕が盛大に切って落とされた。

12月3日は、東京芸術大学の学生たちが「神輿」パフォーマンスを行い、人々を熱狂させた。デザインと作曲を担当した工芸、楽理専攻の1年生たちが巨大な立体彫刻の神輿を担ぎ、法被を着て旗を掲げる。そのパフォーマンスの躍動感に、若者たちの生命力とパワーを感じさせられた。

 
 
 
 

20のグループが、ロック、パンク、ファンク、ハードコア、メタルなど様々なジャンルの曲をここで披露した。リズム感溢れる歌と演奏は、聴衆たちの心を熱狂させた。

 
 
 
 

縦横に交錯する2600のブースが、すばらしい作品の数々を果てしなく繰り広げる。絵画、平面デザイン、マルチメディア、空間造形、照明、陶芸、雑貨、服飾、ヘアメイク、アートフラワー、アニメキャラクターデザイン、パフォーマンスアートなど、自由なスタイルのオリジナル作品を展示、販売、発表することができる。

 
 

武田尋善 / 日本
絵画、壁画、立体造型……武田尋善は感動のためには手段を選ばない。毎年積極的な個展を行うほか、バリ島やニューヨークにも遠征し、さらには富士山頂でもアートパフォーマンスを行った。今回二日間を費やして会場で描いたダイナミックな巨大壁画に、来場者たちは足を止めて見入っていた。

 
 
 
 

Ross Kelly/ アイルランド
ニューヨークの写真研究所などで学んだロス・ケリーが撮影した渋谷、新宿などの繁華街の写真作品は、ちょっと見ると油絵のようだが、よく見ると一つ一つの作品が500あまりの小さな写真を張り合わせて作られている。彼は既に多くの芸術賞を受けており、大きな潜在力を秘めている。

 
 
 
 

sioux/ 日本
芸術的雰囲気を備えたsiouxは、東京造型大学デザイン学部卒である。彼女の美人画はすべて手で描かれたものである。自分に最も適したテーマと画材を精選し、コンピュータ画面では伝えられない美しさとsioux特有の個性的な世界観を鑑賞者の前に生き生きと展開している。

 
 
 
 

沈強 / 中国
松涛居士という号を持つ沈強は、上海大学美術学院卒である。現在中日書画篆刻研究会会長であり、書、篆刻、および絵画に深い造詣を持つ。過去に何回も国際的な大きな賞を獲得しているこの勤勉な芸術家は、毎年自分で開設する「文字屋」で一生懸命創作をし、中国の芸術文化を広めている。

 
 
 
 

村上裕介 / 日本
藁造型作家の村上裕介は芸術創作のために、23歳の時に青森県の農村に移り住んだ。そして藁造型芸術の真髄を学び、展覧会と交流活動を精力的に行っている。前回、鑑賞者と共に長い長い大縄を編んだイベントが記憶に新しい。今回はみんなで投げ縄を作り、老若男女を大いに楽しませた。

 
 
 
 

金成財 / 韓国
誇張した動物の造型は風刺とユーモアに溢れており、「動物ボックス」の前はいつも人が集まって笑い声に包まれている。「ポケットがないカンガルー」、「つめがおれたトラ」、「声が出ない羊」など、どれも作者独特の個性と知恵が輝いている。

 
 
 
 

指人形・笑吉 / 日本
一目見たら忘れられない、生き生きとした表情を持った指人形である。こぼれるような笑顔の、まるで生きているような漫画風の造型を、楽しくて抱腹絶倒の人形劇と組み合わせている。これは60歳の男性が自演自作しているもので、デザイン・フェスタで広く人気を集める常連のパフォーマンスになっている。

 
 
 
 

台北不来梅海蒂 mimi査理不吃焼鶏 / 台湾
三つのデザイングループが一緒に二つのブースを使っているが、全体が一つに溶け合って調和を作り出している。彼らは日本語がたいへん上手で、また可愛い人形や手作りのバッグ、シャツ用ステッカーなど、非常にすばらしく美しい。うっかりすると、日本のデザイン製品かと思ってしまうぐらいだ。

 
 
 
 

撫子凛/ 日本
撫子凛は純情な少女の絵を好んで描く。Illustratorを使ってCD作品を描くのに優れている。色彩は鮮やかで、かなりセクシーな作品であり、女性の自己に対する思考や探索が秘められている。「絵は私が一生やりたい一番大事なことです。一つ一つ、努力していきます。」

 
 
 
 

【その他 / その一】
移動パフォーマンスが、突然鑑賞者の目の前に現れる。不思議な金属の蛸のような乗り物に乗った奇妙な人物が、透明な運転席から手を振っている。仮面ライターが突然鑑賞者に立ち向かってきた。だが、悪意があるわけではない。鑑賞者の方もパフォーマーなのである。本当にびっくりさせられる。

 
 
 
 

【その他 / その二】
特筆すべきなのは、アーティストたちが自分の個性を発揮しやすいように、展示空間に特別に照明を落とした暗いエリアを設けて、コンピュータと照明で製作した作品や、暗い照明を活用したアート作品のために提供していることである。

 
 
 
  29組の映像作家たちが、国際感覚溢れるアニメ、ショートフィルムなどの実験的な作品を発表している。光線、サウンド、空間、流れる線の軌跡が、瞬間的な錯覚を起こさせる。なんとも不思議なストーリーが、多くの鑑賞者の足を止めさせている。
 
 
 
 
 
 

ファッションショー、パフォーマンスアート、民族舞踊など、34組のアーティストたちがここで、美しさに溢れ、見る者に考えさせるすばらしいパフォーマンスを行なっている。台湾の「THE EYEBALL LOVES GLOBE(眼球愛地球)」の独特な精神世界や、日本の「紫陽花KABUKi」の唯美的なパフォーマンスには、誰もが感嘆させられた。

 
  残念ながら誌面のスペースが限られているので、デザイン・フェスタという広大な芸術の海の中の数滴、あるいはこの創意の天空に浮かぶいくつかの雲を紹介することしかできない。短い二日間の間に、我々は会場の隅々まで見てまわり、一つ一つの作品に深く感動しながら、日常生活のわずらわしさと仕事の疲れを忘れていた。

芸術には国境がない。来年の5月26日〜27日の「第25回デザイン・フェスタ」では、さらに多くの中国、香港、台湾、東南アジアからのアーティストたちがやってきて、人々に感動を与えるこのすばらしい芸術の祭典に参加し、我々と共にこの自由で奔放な空間を共有してほしいと願っている。

 
 
    
 
 
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