2006年12月1日第46号(通巻第62号) 毎週金曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体
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ファッション・イベント

個性的アートの発信地

原宿の竹下通り近くの路地に、不思議な形の建築物がある。縦横に交錯する鉄パイプとカラフルなペイントが目を惹く外観で、道行く人がみな不思議そうに眺めている。

この建物はデザイン・フェスタ・ギャラリーといって、東京でも最も独特な雰囲気を持つアートイベントと展示のための空間である。厳しい審査も面倒な制限もなく、あらゆるジャンルのアーティストやデザイン愛好家が、年齢も国籍も問われることなく自分の作品を自由に展示して、心の底にある思いを発信することができる。

1998年にアパートを改造して作られたデザイン・フェスタ・ギャラリーは、それからの8年間、爆発力を秘めた芸術的構想や衝撃力を備えた作品の展示によって、原宿、東京、さらには日本全体の個性的アートの発信地となってきた。国内外の旅行ガイドでも頻繁に紹介され、修学旅行の生徒たちや外国人観光客の人気を集めている。近頃はアジア各国からの来訪者が増えている。

出展者の提案によって建物の内外に施されるペイントが、この展示会場の雰囲気を常に新しくしている。入り口に置かれた自動販売機を初め、階段や天井までが様々な色に包まれていて、まるでアートの桃源郷に足を踏み入れたかのようである。一階と二階の展示スペースには斬新で独特な作品が交替で次々に展示される。展示換えの回転が速いので、毎回違った作品を見ることができる。作品の製作者はたいてい会場にいるので、作品について質問もできる。裏庭にはお好み焼き屋「さくら亭」があったり、無料でインターネットにも接続できる。コーヒーを飲みながらアート作品について語り合うのもなかなか楽しい。

作品の展示者の多くは20歳前後の若者だが、30代の会社員で、仕事の余暇にリラックスするためにアートを楽しんでいる人もいる。今までの最高齢は75歳の男性で、「私はここではまだ35歳です。」と元気に語っているそうだ。一方最年少は小学生で、正月にもらったお年玉を活用して作品を展示したらしい。もちろん、ここには著名なデザイナーが登場することもあり、スターの衣装デザインを依頼された出展者もいるとのことだ。

また、デザイン・フェスタの公式サイトは必見だ。毎日何回もブログが更新され、デザイン・フェスタのすべてのイベントや展示に関する情報を閲覧することができる。サイトは15ヶ国語のバージョンがあり、それぞれのページのデザインはまったく異なっている。これを見るだけでも、大いに楽しめる。

【お知らせ】明日、明後日の二日間(12月2日〜3日)、東京ビッグ・サイトでアジア最大級のアートイベント、「第24回デザイン・フェスタ」が開催されます。2600の展示スペースに、全世界からの6000名以上のアーティストと、50000名以上の参加者が集まって、驚異と刺激と発見の空間を展開します!本メルマガでは来週の金曜日に特別増刊号を発行して、デザイン・フェスタについて詳しく報道する予定です。ご期待ください!
(C)Design Festa Ltd.
デザイン・フェスタ公式サイト http://www.designfesta.com/
 
家電製品・IT情報

電子おみくじ付きのお守り

毎年約450万人が参拝し、世界文化遺産にも登録されている北法相宗大本山の清水寺では、最先端のIT技術を使って、電子おみくじ付きのお守りを提供している。これは世界で初めての、現代科学と神仏の世界を結びつけた画期的な試みである。

11月17日から発売されたカード型(54cm×86cm)のお守りには、八福神の絵が印刷されている。この八福神とは、恵比寿神、大黒天、毘沙門天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋和尚の七福神に、多福の象徴と伝えられる「於福(おふく)」という女神を加えたものである。

カメラ付き携帯電話で八福神の絵から、肉眼では識別できないFPcodeによる情報コードを読み取って、URLによっておみくじサイトにアクセスして運勢を占うことができる。おみくじサイトでは1〜9の数字から一つを選び、その数字によって「大吉」「吉」「凶」などの運勢と、「縁談」「待ち人」などのおみくじ本文が表示される。いつでもどこでも、自分の吉凶を占うことができるというわけだ。

この話題のお守りは、富士通株式会社と京都市の婚礼衣装制作会社が二年半をかけて共同開発したものである。

「八福神お守り(電子おみくじ付)」は一枚1000円。年間100万枚の販売を目標にしている。
(C)2006. FUJITSU
富士通プレスリリース http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/11/16.html
 
観光スポット・グルメ

冬はおいしい牛肉しゃぶしゃぶ

年末年始に日本人が好んで食べる料理の筆頭は牛肉のしゃぶしゃぶだろう。

鍋料理店はたくさんあるが、牛肉に高級感を出して、料亭で出される松坂牛のような高級牛を使用する店は少ないし値段も高い。しかし、卓上小型コンロさえあれば、スーパーでしゃぶしゃぶ用の牛肉を買ってきて自宅で気楽に楽しむことも可能だ。

しゃぶしゃぶの調理方法は極めて簡単だ。まず湯を鍋に入れて煮立て、皿に盛った肉を箸で一片ずつ取って湯に入れ、肉を泳がせるように左右に数回振る。すると肉の色がたちまち変化する。それをごまだれやポン酢に入れて、味をつけて食べる。野菜は湯で煮て柔らかくなったら食べられる。

肉を湯の中で動かす動作が、「しゃぶしゃぶ」という名前と関係している。昔の人々が、肉を動かす動作を「しゃぶしゃぶ」という擬音語で表現したのが、代々伝わって今も使われているのだ。肉をただ鍋に放り込んで煮るのではなく、「しゃぶしゃぶ」と泳がせて食べた方がおいしいと考えられている。そのため、日本ではこの鍋料理を「しゃぶしゃぶ」と呼んでいるのである。

ところで、しゃぶしゃぶに使うごまだれには、中国の発酵調味料である腐乳が入っているのだそうだ。だが日本ではすべてのスーパーで腐乳を売っているわけではないので、瓶詰めの出来合いのたれを使うのが便利で、本場の味を簡単に楽しむことができる。また、ポン酢には好みによって紅葉おろし(にんじんや唐辛子を混ぜた大根おろし)を加えると、また格別の風味がある。
日本の鍋料理/しゃぶしゃぶ http://www.shufu2.jp/season/nabe/002.html
 
イベント掲示板
12月1日(金)イルミネーション「春節燈花」 横浜中華街
中華街の最大のお祭りである春節イベントはこの「春節燈花」というイルミネーションの演出から始まります。
12月2日(土)「酉の市」 埼玉県大沢の香取神社
大沢の香取神社で行なわれることから『香取市』と書いて『おかめいち』と読ませています。
12月3日(日)「ワールドキャラクターコンベンション23」
映画・TVなどのキャラクターのおもちゃが大集合!近日発売予定の製品展示会も。
12月4日(月)「ベートーヴェン交響曲サイクル」 新宿区
83歳の巨匠が満を持して放つ、入魂のベートーヴェン全曲演奏。
12月5日(火)「表参道 akarium」 渋谷区・港区
約1kmの表参道並木に1670色の表現が可能なLEDの塔を60基設置。
12月6日(水)「旭山ハイビジョン動物園」 東京駅丸の内
300mの地下通路、アートロードにてハイビジョン映像と写真で旭山動物園を再現。
12月7日(木)「東京タワークリスマスツリー」 東京都港区
総数4万の光ファンタジーと都内最大級15mのツリー!恒例のクリスマスイルミネーションスタート!
日本のナンバーワ

日本一のお金持ち
斎藤一人さんは1948年東京うまれで、中学卒業後、さまざまな職を経て、「銀座日本漢方研究所」(現・銀座まるかん)を創業した。漢方をベースに化粧品・健康食品を製造・販売している。株や土地を持たず、事業所得だけで、1993年から連続で全国高額納税者番付の10位以内に入り、累積納税額は一位であるので、実質日本一のお金持ちとなる。数多くのビジネス本や自己啓発本を書き、ベストセラーとなっている。

シングル通算首位獲得数を持つ女性グループ歌手
日本女性歌手グループ「モーニング娘。」は31枚目のシングル「歩いて」で、シングル首位獲得数10作目となり、これまでのトップ、ピンク・レディーの9作を抜いて、歴代1位となった。また、女性グループシングル「TOP10獲得数」でもWink、MAXを抜き、一位に輝いている。ちなみに、モーニング娘。はこれまで7期に渡りメンバーを入れ替えているが、歴代在籍メンバー22名全員が一位を獲得したことがあり、メンバー全員の力で獲得したといえる。

日本一最高所のある露天温泉
長野県南牧村の八ヶ岳連峰山腹にある本沢温泉・雲上の湯は標高2150mに位置し、日本一高いところにある露天風呂である。雄大な大自然の素晴らしい景色は、山道を往復1時間以上歩いた者だけが味わえる極楽である。危険のため、夜間の入浴は禁止されているようです。

「DEATH NOTE the last name」が早く見たくて、アジア中の人々が待ち焦がれています。テレビドラマにしても映画にしても、アジアをこんなに夢中にさせる作品が日本に現れることは長い間ありませんでした。日本のテレビドラマはなかなかいいとずっと思っていましたが、中国では現在新聞でも雑誌でもネットでも、韓国の芸能情報が中心になっています。小説でも映画やドラマでもCDでも、日本から絶えずすばらしい作品が生まれることを心から願っています。【杭州 王自立

→携帯電話用レンズの記事を読んで、非常に便利で、また雰囲気の独特な写真を撮ることができるのが面白いと思いました。【桃園 陳詩停

【編集部からのお知らせ】

●12月8日(金)配信予定の第46号の「東京流行通訊」につきましては、一週間延期して15日配信とさせていただき、代わりに「第24回デザイン・フェスタ」特集号をお送りいたします。お楽しみに。

本メルマガの発行人である中嶌重富の著作、「56歳での起業。」が、トランスワールドジャパン社より出版されまして、只今絶賛発売中。勇気と元気を与えてくれる好著です。詳しいはアマゾンまで。

●国際交流基金の「日中交流センター」公式サイトは、日中間のより活発な交流のために「コミュニティサイト」として生まれ変わりました。11月開設の主要機能は「ゲームセンター」と「テレビ局」があります。本メルマガも、FLASH式の「月刊心連心マガジン」の最新号の企画制作に参加しました。
北海道どんぐり広場前
通天閣
六本木ヒルズからの風景
茶臼山動物園のキリン
配信サイト
ALAYA
車・ドライブ・F1

キャラクターと新車の競演

リカちゃん
日産自動車と玩具メーカータカラトミーは、日本人が誰でも知っているリカちゃん人形を使って、新しいスカイライン販売のためにタカラトミーのサイトで強力な販促活動を展開している。リカちゃんは、広報・IR部の「香山リカ」として日産自動車で特別研修を受け、スカイラインの発表などのイベントに参加すると共に、日産自動車関連情報を発信する。公式サイトの「おもちゃブログ」がすでに公開され、今後随時内容が更新される。 おもちゃブログ】 

ルパン三世
ゲーム機メーカーのバンプレストでは、人気アニメ「ルパン三世」で主人公ルパンが愛用するクラシックカーの実車レプリカを作り、アンケートに答えたファンにプレゼントする。製造されたのは、「ルパンの愛車」と「峰不二子のハーレーダビッドソン」各1台である。「ルパンの愛車」は光岡自動車が1989年に製造した排気量約1500ccのクラシックカーを原型としている。「峰不二子のハーレーダビッドソン」は、2007年の「スポーツスター1200」を改造した低座席型車で、ルパン三世のマークがはめ込んである。 キャンペーン応募ページ】 

ハローキティ
三菱自動車は、サンリオの超人気キャラクター、ハローキティを自社の「ハッピードライブアンバサダー(大使)」に任命した。ハローキティは、新聞広告、テレビCM、ラジオCM、全国の販売店などで、クルマについてわかりやすく説明し、安全で安心なドライブを呼びかけている。今年の夏、東京の日本橋三越本店で展示・販売された「i(アイ)」の世界唯一のハローキティ特別車、「プリンセス・キティ・アイ」は大きな反響を呼んだ。【サンリオニュースリリース】

Nifty自動車ニュース http://car.nifty.com/cs/catalog/car_2/1.htm
 
先端技術・出版・雑学

未来型ヘッドマウントディスプレイ

東芝は11月24日、フルフェイス・ヘルメット型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の開発を発表した。宇宙飛行士のヘルメットのような装置に、直径40cmのドーム型スクリーンとプロジェクター、および超広角レンズを内蔵し、全方向に800×600ピクセル画像を映し出すことができる。

これまでに「東京流行通訊」で紹介してきたものは、どれも市販されている眼鏡型のHMDであったが、この新型HMDは頭部全体を包んでおり、文字通りのフルフェイス・ヘルメット型である。周囲が見えないため、集中度も非常に高くなる。

言いかえれば、自分の視野の範囲すべてをリアルに表示することができるということだ。例えば、超広角カメラを遠隔地の会議室に置いておけば、現場にいるという気分を体感することができる。近頃IT企業では「テレビ会議」が流行しているが、2次元ディスプレイの欠点を克服することができず、特に一人だけで遠隔地にいると、どうしても疎外感を感じてしまいがちだ。だが、この新式HMDがあれば、それが解消されるかもしれない。

ネット上ではこの東芝の発表に対して様々な意見が出ているが、高画質に期待するよりも疑問を持って成り行きをうかがっている人が多い。「重くて、肩がこってしまうのではないか。」、「動画を見ていたら、30分で耐えられなくなるだろう。」、「宇宙飛行士みたいでおかしい」……。読者のみなさんも、この写真を見て同じような感想を持たれたことだろう。

だが、この未来型HMDを開発したのは天下の東芝である。近い将来、改良を重ねて、より精巧で美しくなったヘッドマウントディスプレイが発売されることになるかもしれない。
(C)2006 TOSHIBA CORPRATION.
AFP BB News http://www.afpbb.com/article/1012933
 
編集後記

広島から友人がやってきたので、秋も深まったある天気のよい午後、新宿の歌舞伎町に散歩に出かけた。

東京に長く住んでいても、歌舞伎町は異国人にとって永遠に、心を惹かれると同時に恐ろしくもある、複雑な気持ちにさせられる場所である。昼間は気晴らしのための娯楽施設や特色のあるレストランが立ち並んで、日本独特の情緒のある魅力が漂っているが、夜になると、享楽的な酒池肉林の雰囲気に変化する。性感マッサージ、女装サロン、ソープランド……ネオンサインもけばけばしく、様々な風俗関係の店を照らし出している。

外国人ばかりでなく、日本人の同僚の誰もが異口同音に言う。「歌舞伎町?!アブナイよ〜。」

決して大げさに言っているのではない。十年前、華人マフィアと日本のヤクザが流血騒動を起こし、青龍刀で何人かが殺されたことがあった。五年前には店同士の開店競争の結果、人為的な火災で四十四人の命が失われた。現在、この歌舞伎町の狭い範囲で、電柱に三百六十度撮影が可能な防犯ビデオが五十台も設置されており、昼夜の別なく通行人の一挙一動を監視している。

歌舞伎町は確かに恐ろしい場所だが、その繁栄の裏には何が潜んでいるのだろうか?

中国の湖南省からやってきた李小牧氏は、ティッシュ配りの仕事から始めて、華人勧誘を専門とする案内人になり、警察とマフィアの間で不思議なバランスを取りながら歌舞伎町で二十年近くを過ごし、ついに自身のニュースメディアを持つ「新華人」のスターとなった。歌手になりたくて日本にやってきて、国際通話テレホンカードの販売で一躍富豪になった張紹興氏は、現在レストランやコンピュータショップを経営し、彼の会社「發發大世界」は歌舞伎町でひときわ輝いている。

歌舞伎町の象徴的建築物であるコマ劇場の前の鳩が飛び回る小さな広場の石段に友人と二人で坐って、遥か向こうで、演歌歌手の五木ひろしが新曲プロモーションのためにコンサートを行っているのを眺めていた。五木ファンである年配の女性たちは、少女のように叫んでいた。

歌舞伎町、この千変万化する街、人の世の混沌とした雰囲気が漂う街、生命力と退廃が充満する街。昼間には夜とはまったく異なる表情を見せるこの同じ空の下で、私はふとその呼吸を感じた。それは実に確かで、力強いものだった。秋も深まったある天気のよい午後のことである。