デジタルマガジンの台頭
中国ではデジタルマガジンが隆盛を極めているが、日本の出版界もデジタルマガジンのすばらしさに気づき始めたようだ。出版科学研究所の調査によれば、去年の日本の雑誌市場の販売額は前年より1.8%減少し、8年連続の減少となった。販売部数も3.3%減り、年々低下の一途である。この苦境の打開策としてデジタルマガジンが実力を発揮し始め、表舞台へとのし上がってきたのである。
2006年内に、小学館を初めとする出版社10社が一斉にデジタルマガジンの発行を開始する。小学館の三つの漫画雑誌は、現在印刷版と電子版の販売が並行して行われている。順調だった場合、小学館の発行するすべての雑誌がネットワーク化されるとのことだ。来年の春には、さらに新しいデジタルマガジンも創刊される。
主婦の友社のファッション雑誌「ef」は22年の歴史を持ち、台湾や中国でも人気があるが、発行部数は6〜7万部で低迷している。そのため、今年の8月号から「デジタルef」に転換したところ、3ヶ月も経たないうちに約100万ページの閲覧量を記録した。現在は無料だが、来年からは有料になるとのことである。
dima.jpが提供するデジタルマガジンには、綜合雑誌「Manyo」、男性ファッション雑誌「DUCA」、元気オヤジのための雑誌「ginger」、働く女性の健康雑誌「Aura」、リゾートを楽しむための雑誌「Travel Generation HAWAII」などがあり、ページをめくっているような感覚のFlip Bookの形式で、今までにないタイプの読書の快感を味わうことができる。
また産経新聞社の「産経net view」は、Flashによってパソコンのスクリーン上で新聞を広げるような感覚を体験できる。「拡大」の機能を利用して細かい部分を確認することもできるし、写真もここでは三枚の中から選んで見ることができる。
スタートは遅れたが、日本のデジタルマガジンの発展は、見過ごせない勢いを持っている。 |