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タイトル:非公式情報 第221号  2006/10/01


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一触即発のグルジアとロシア

By StrangeLove

グルジアとロシアとの関係が緊迫している。4名のロシア軍将校をグルジア当局がスパイ容疑で逮捕したことがきっかけだ。その背景にはロシア政府と親米路線のグルジア政府との対立がある。グルジア政府がNATOへの加盟に積極的な姿勢を見せる中、2002年にアメリカ政府は特殊部隊のメンバーを含む約40名のグループをグルジアへ派遣、その翌年にはグルジアの軍事パレードでアメリカ国歌が最初に演奏され、ロシア側を刺激した。ロシア政府は、「西側」がグルジアに武器を供与しているとも疑っている。

アメリカがこれほど露骨な行動に出た理由のひとつは中央アジアの石油と天然ガスにあると考えられている。グルジアは輸送用のパイプラインにとって重要な地理的位置にあり、ここを誰が抑えるかは大問題というわけだ。

ソ連が消滅した直後からグルジアに出没していたレオニーダ・バグラチオナ=ムクランスカヤなる女性もロシア側を刺激する一因だったかもしれない。この女性はグルジア王室の末裔で、ウラジーミル・ロマノフの妻。ボリス・エリツィンと親しかったことでも知られている。この女性の背後で、さまざまな利権集団が蠢いていたことは間違いない。

ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスタン、カザフスタンにアメリカ軍が基地を建設した際、ロシア国内ではウラジミール・プーチン大統領は「弱腰だ」とする批判も強かった。今回、ロシア政府が強硬な姿勢を見せている一因かもしれない。また、ロシア政府は以前から、グルジアがチェチェンの反ロシア・ゲリラの拠点になっていることにも神経質になっていたことも忘れてはならないだろう。

アメリカのネオコンはイランを攻撃し破壊することを、まだあきらめていないはずだ。イラクに続いてイランが内乱状態になり、アフガニスタンも混乱するとなると、中央アジアの油田は重要な意味を持ってくる。そう言えば、小泉純一郎首相(当時)も中央アジアを訪問していた。が、イスラム諸国の混乱が拡大して中央アジアがただですむとも思えない。

ジョージ・W・ブッシュ風の論理を使えば、「テロリスト」を匿っているグルジアに先制攻撃する権利をロシアは持っている・・・ということも忘れるべきでない。
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