TBSテレビで毎週日曜日夜8時から、「どうぶつ奇想天外!」という番組が放映されている。この番組では、世界各地に行って野生動物や飼育動物のすばらしい映像を撮影してくるだけでなく、動物を主人公とした様々な難問を出して出演者と視聴者に考えさせる。たいへん興味深く、知識を増やすことのできる「どうぶつ奇想天外!」は、人気番組として高い視聴率を誇っている。
人類と動物がどうやって生態バランスを保っていくかは、常に地球が我々に突きつけ続ける命題である。だが、ひとまずマクロな視点から動物と人類の進化における密接な関係を論証するのをやめ、細かい部分に着目して、日常生活で動物の行動を模倣してみることを考えると、我々の衣食住に意外な効果をもたらすかもしれない。動物行動学者が、かつてこのような提案をしたことがある。
例えば早朝仕事場に向かうとき、自分が首をまっすぐに立てたダチョウになったと想像してみる。そうすると胸を張って姿勢がよくなり、足の運びも軽快になるだろう。
心が重く、鬱々として楽しまないときは、鏡に向かってラバや馬のように歯をむいてにやっと笑ってみる。そうすると、悩みもあっという間に消えていくだろう。
なかなか眠れなくて寝返りばかり打っている夜は、自分が日向ぼっこをしているふかふかの毛をした猫だと想像してみる。するとたちまち気持ちよくなって、夢の中へと滑り込んでいくだろう。
以前、静かな月の夜に、深海の巨大な鯨の幻覚が現れる独特の感覚を「編集後記」に書いたことがある。読者の中には、非常に共感して手紙をくださった方もあった。さて、ここでみなさんに面白い試みをお勧めしたい。静まり返った夜に、寝床の中で目をつぶって精神を集中し、自分が小さな小さな蟻になったと想像する。茫漠としたゴビ砂漠の黄砂の中を一歩一歩前に進み続ける小さな蟻に。さあ、朝になって目が覚めたとき、あなたは気づくだろう。
世界がどんなに美しいかを。人類がどんなに小さな存在かを。そして時間がどんなに大切であるかを! |