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タイトル:[2006年、夏のフランドル旅行の印象/ブラッセル編]の誤記訂正、及び同記事への「コメント&レス」  2006/08/29


[2006年、夏のフランドル旅行の印象/ブラッセル編]の誤記訂正、及び同記事
への「コメント&レス」
2006.8.29

表記記事(http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060827)の冒頭部分に下記の
とおり誤記がありましたので、訂正します。

(誤)

【画像の解説】
一枚目はベルギー王立美術館所蔵の絵画、ロベール・カンパンの『受胎告知』
(Robert Campin)です。ここで扱われる主題は天上的なものであるにもかか
わらず、同時代のフランドルの他の画家たちと同じく、写実主義の傾向が見ら
れません。

(正)

【画像の解説】
一枚目はベルギー王立美術館所蔵の絵画、ロベール・カンパンの『受胎告知』
(Robert Campin)です。ここで扱われる主題は天上的なものであるにもかか
わらず、同時代のフランドルの他の画家たちと同じく、写実主義の傾向が見ら
れます。

・・・以下は、同記事へのコメント&レス・・・

[コメントを書く] 

# o_sole_mio 『最近更新されていらっしゃいませんでしたが、ご旅行に行かれ
ていたのですか。4月に仕事でブリュッセルに行ったとき、グラン・プラスの近
くのホテルに滞在していたので写真を拝見して当時のことを思い出しました。

8月15日の小泉首相の靖国参拝、引き続いて事実上の後継者の安倍官房長官の改
憲、安全保障、外交に関する一連の発言はこの国をどのように「美しく」する
つもりなのか非常に不安です。』

# toxandoria 『o_sole_mioさま、ご訪問ありがとうございます。

お仕事でブラッセルへ行かれたとは羨ましい限りです。4月頃は寒くはなかっ
たでしょうか? 今回、出かけたのは丁度テロ騒ぎの直後でした。本来は真夏
なんでしょうが、お天気には恵まれながらも、気温が凡そ16℃〜25℃で朝晩は
肌寒さを感じました。

それにしても、フランドルは初めてでしたので、何処もとても美しく感じて感
動が大きかったです。日本の現状と比べ、良い意味での歴史の重みが感じられ
ました。宿泊は「EU Distric」の一角のホテル・ルネッサンスでした。

もう何回も嫌になるほど書きましたが、日本の為政者たちの理念・哲学の軽視
と人間性への蔑視のような感覚には恐るべきものがあります。まるでヤクザ集
団に日本が乗っ取られてしまったように見えます。ゴースト・ライターにコト
バ遊びのような「美しい国」の作文を書かせて、“元来は本当に美しかったは
ずのこの国”を、彼らは一体どうするつもりなのでしょうか?

今後とも、どうぞよろしくお願いします。』

# イオン 『拝啓 御無沙汰しております。イオンです。

オランダ、ベルギーへ御旅行したとの由で、記事とともに美しい写真の数々、
楽しみました。小生は家内とともに昨年7月、ベルギーへ二泊旅行をし、ブル
ージュとブリュッセルを訪れました。フランデレンの美術とともに美しく調和
のとれた街並、そして美食を心行くまで楽しみました。ブリュッセルでは撮ら
れた写真にもある中央駅近くに投宿し、これまた写真にあるアーケードではシ
ョッピングし、重厚な雰囲気の中とったランチやコーヒーの味とともに今は楽
しい思い出です。

ベルギー王立美術館で何層もある大規模な建物にぎっしりつまった絵画にみと
れ、ブリューゲルの部屋に辿り着いた時はもう閉館間近でした。そこでブリュ
ーゲルの「イカルスの墜落」を見ましたが、ドイツの哲学者カール・レーヴィ
ットが人間の営みの儚さと自然の悠久さを対照させた希有な作品と紹介してい
たのを思い出し、慄然としたのを昨日のことのように憶えています。(馬鹿げ
た振る舞いに有頂天の小泉氏や私利私欲が国家のため自分のためと思いこむ
(悪い意味での明治の元勲のような)安倍氏の悠久の自然と歴史の中では何れ
墜落を余儀なくされる?まあ彼らは愚行の政治家として日本の歴史に名を残す
でしょう。しかも御苦労にも歴史の時計の針を遅らせるどころか、半世紀以上
も後戻りさせようとした御仁たちとして…)

ところでベルギー滞在最終日の7月21日(?)は独立記念日とかで、パレー
ドは見ませんでしたが、皆(フランス語を話す人もオランダ語を話す人も、ま
たスカーフを被った婦人もいるムスリムの家族づれも)楽しそうにベルギーの
小旗をもって集まっていたのは印象的でした。Toxandria様やこちらにコメント
を寄せる皆様のように難しいことはわかりませんが、欧米では、勿論好ましか
らざるショーヴィニズムの形をとることも多いのですが、人々は国旗というも
のは自分自身が守るべき権利と自由のシンボルととらえているように思いま
す。今日は今滞在中のロンドンの広大なハムステッド・ヒース公園で野外コン
サートを楽しみましたが、そこでも人々はユニオンジャックやイングランドの
旗を振り、エルガーの曲にのせて誇り高く自由と権利を歌い上げていました。

小生は残念ながらそのような思いを込めて日の丸の旗を打ち振ることは出来ま
せん。Toxandria様が書かれているように日本の国民と国家には自由も権利も守
る気概はまだ根付かず、最近ではそれを放棄しやたらと利権に群がる集団と化
しているように見えるからです。また日本で国民皆で歌える自由の歌などある
でしょうか。特に欧米にかぶれている訳でなく、こちらの公共サービスの非能
率性や新聞で見るレイシズム、無邪気な異文化への無知ぶりには腹が立つ事は
多いのですが、こちらの人々の一般の暮らしに根付いた民主主義とそれをバッ
クボーンに持つ愛国心は羨ましく思います。

日本人が自分の国の国旗に、己れを守り、己れが守らねばならない自由と権
利、そしてそれらに支えられた生活の象徴を見るにはまだほど遠いでしょう
し、このままではそうなるのに何世代かかるかわかりません。

小生は国民国家というものはここ2世紀くらいの間にヨーロッパで成立し、成
長して行った政治・社会制度であるととらえ、あくまでも世界の歴史の中で相
対化して見るべきだと思いますが、その国民国家としての成熟度は西ヨーロッ
パの国々は高いようで、国民の様々な権利と自由を守り進めて行く制度として
活かそうとしているようですし、国民国家はやがて歴史の中で止揚していく道
をも模索しているようです。むろんそうなるまでにヨーロッパ内外で凄惨な歴
史を繰り広げたことは悲しい事実ですがこのような動きに見られるように彼ら
は大勢としては歴史に学んでいるようで、「ヨーロッパ人たちはアジア、アフ
リカの民を植民地支配で苦しめただろう」といって自分たちの植民地主義や戦
争犯罪を相対化し、あまつさえ美化しようとする日本に少なからぬナショナリ
ストなどはその足下にも及びません。

さてこれからは執筆のペースを落とすとの事、更新を楽しみにしていた小生と
しては残念です。その分、さらに密度の濃い記事を期待しております。これか
らの日本では我々の理性を保つためには、貴ブログでされているように、日本
の現実をヨーロッパ研究という視点から、世界の政治と文化史の流れという広
い文脈の中に位置づける仕事はますます必要になるでしょうから。今度とも勉
強させて頂きますので、お体に気をつけて頑張って下さい。いつもながら長文
にして失礼しました。

敬具 イオン拝』

# イオン 『訂正します。

「私利私欲が国家のため自分のためと思いこむ…(中略)…安倍氏」
→(正)「私利私欲を満たすのが国家のため国民のためと思いこむ…(中略)
…安倍氏」

「国民国家はやがて歴史の中で止揚していく」
→(正)「国民国家をやがて歴史の中で止揚していく」

乱文にて失礼しました。イオン再拝』

# toxandoria 『イオンさま、コメントありがとうございます。

フランドルは前から行きたかったところで、やっと念願が叶いました。ブラッ
セルの中央駅近くを足場にされたのは良かったですね。toxandoriaは「EU Dis
trict」の一角のホテルで、やや中心部から遠い感じでした。その代わり、EU地
区はジックリ見物ができました。

ブリューゲルの「イカルスの墜落」は、この秋に始まる東京展にもやって来る
ようなので、また会えると楽しみにしているところです。

イオンさまは、今ロンドンにお住まいだったのですね。外国におられる方が日
本の実像がよく見えるのではないでしょうか? 今日、小泉首相は中央アジア
へ飛んだようですが、ブッシュの使い走りで「上海協力機構(SCO)」へ釘
を刺しに行ったとか噂されているようです。

欧米と日本の市民意識の成熟度の違いが今更のように身にしみて感じられま
す。

それに、下記の“とむ丸”さまからTBで送って頂いた記事を読むと、「2.26事
件」当時と今の日本の空気が、ますます似てきたようで不気味な感じがしま
す。

[2006年8月28日 2.26事件との遭遇]、http://tomkari.cocolog-nifty.com/blo
g/2006/08/post_16ee.html

ペースは落ちるかもしれませんが、今後もブログ記事は書き続けるつもりです
ので、どうぞよろしくお願いします。』

# toxandoria 『“とむ丸”さま、TBが漸く上手く行ったようです。

ご迷惑をおかけした点、“はてな”に代わりお詫びします、と言いつつ、実は
訳が分からないのですが・・・。ともかくも、よかったです。

「2.26事件」の参加者の半数以上が埼玉県人であったとは知りませんでした。

それにしても、イノセントな人々に悲惨な境遇と悲痛な想いを押し付ける時代
が又やってくるのでしょうか。ますます嫌な空気が漂い始めたようです。』

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