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タイトル:非公式情報 第216号  2006/07/28


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イスラエルに「配慮」するマスコミ

By StrangeLove

日本のマスコミはイスラエルの軍事行動に対して寛容で、「悪いのはヒズボラ」、「最初に手を出したのはヒズボラ」というシナリオから離れることはない。

イスラエルのレバノン侵攻作戦は2000年春に準備が始まり、アメリカなどの一部外交官、ジャーナリスト、シンクタンクに対しては、今から1年以上前に作戦の概略を説明していたとする情報もあるのだが、「ヒズボラによるイスラエル兵拉致」がイスラエルを軍事侵攻させたとする筋書きに日本のマスコミは固執している。そのイスラエル兵が拉致されたのはレバノン領内だとする複数の報道もあるのだが。

その一方、日本ではレバノンの被害状況が詳しく伝えられていないようだ。レバノンの首相はイスラエル軍が化学兵器(白リン弾)を使用していると批判しているが、日本では重要視されていない。ファルージャでアメリカ軍が使った爆弾だ。

そして7月25日、イスラエル軍は国連レバノン暫定駐留軍の基地を攻撃して非武装の職員4名を殺害した。国連側が繰り返し抗議したにもかかわらず、昼前後から7時半過ぎまで執拗に攻撃している。意図的な攻撃としか思えないが、アメリカやイスラエルは国連を標的にしていないと言い張っている。

親イスラエル派のネオコンは1990年代から国連を否定する発言を繰り返してきた。言葉だけでなく砲弾を撃ち込んできたとも見えるが、日本ではイスラエルに対して最大限の配慮をしているようで、あくまでも「悪いのはヒズボラ」という姿勢。

ところで、なぜイスラエルはこれほど大胆な軍事行動を展開できるのだろうか?

ホワイトハウスでネオコンの力は弱まっている。ネオコンの後ろ盾だけでは心もとないはずだ。自暴自棄になったわけでないとするならば、ネオコン以外の権力者を納得させるだけの理由があるはずである。

戦闘の拡大で軍事産業は喜ぶが、今回のケースでは石油産業にとっともマイナスではないとする指摘がある。油田に被害が及ばない限り、中東の戦闘は石油価格を上昇させ、石油企業や産油国の利益に結びつくとも考えられる。勿論、日本にとっては悪い展開だが。

(お知らせ:8月中、本ニューズレターは休ませていただきます)
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