2006年7月21日第28号(通巻第44号) 毎週金曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体
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ファッション・イベント

<東京の夏>音楽祭

東京の夏が楽しくなりそうな音楽祭が7月5日から8月6日まで、都内各所のステージで開かれる。内容はクラシックから沖縄やセネガル(アフリカ西部の共和国)、イランの民族音楽まで多種多様。

代々木公園では大道芸やミュージシャンのパフォーマンスが行われ、また、2005年日本音楽コンクール第1位のチェリスト・宮田大や名実ともに日本を代表するピアニスト・小山実稚恵の出演するコンサート、ブレイクダンスのワークショップなどが都内各所で開かれている。

7月18日すみだトリフォニーホールで関連公演「作曲家の音」シリーズvol.3「西村朗の音」が開催された。司会はオーガナイザー兼指揮者の川島素晴氏自身で、各曲目については西村朗氏本人が舞台に登場して非常に丁寧な解説をするという、異例の、しかしファンには感激的なコンサートとなった。演奏家たちも現代音楽のベテラン或は新進気鋭のソリストが揃い、素晴らしい音を響かせた。

7月26、27日には、イランから来日したシャハラーム・ナーゼリーがクルド民族音楽を演奏するかと思えば、セネガルのユッスー・ンドゥールがアフリカン・ソウル・サウンドで聴衆を圧倒するに違いない。

「パリの街角のような雰囲気漂うカフェで、音楽と評論をめぐる語らいのひとときを」というキャッチフレーズの「音楽カフェ談義---音楽評論をめぐって」という街角イベントは、7月21日の夜、広尾のカフェで、ドリンクを飲みながら有名な音楽評論家や、西村朗氏をはじめとする気鋭の作曲家たちの音楽談義を聞くというもの。ジル・アパップ(ヴァイオリン)、ミリアム・ラファール(アコーディオン)、富士松鶴千代社中(新内節)、江戸京子(ピアノ)の演奏付で、どのようなイベントになるのか注目される。(西岡珠実執筆)

アリオン音楽財団公式サイト http://www.arion-edo.org/tsf/
 
観光スポット・グルメ

商品王国ランキンランキン

一日平均260万人が行きかう渋谷駅に、「ranKing ranQueen(ランキンランキン)」という変わったショップがある。ここは、日本でランキング10位までに入った商品を、最新の音楽CD、お菓子、化粧品、雑誌、飲み物、携帯電話、文房具など80余りのジャンルごとに、650種類以上集めた、売れ筋商品の王国なのである。

「ranKing ranQueen」の商品展示期間はわずか二週間。従って、かなり人気のある商品しか並ぶことはない。24時間営業のコンビニのような店構えになっているので、何も買わないでランキングを見ているだけの恋人たちも少なくない。商品はテレビや雑誌で紹介されたものが多いが、ここでは直接触ることができるので安心感がある。下校途中の女子高生や、暇な時間にふらりと立ち寄った主婦、駅を行きかうサラリーマンたち……誰もがこの「ranKing ranQueen」でちょっと立ち止まる。

「ranKing」は「ランクの王様」つまり「売れ筋商品」のことであり、「ranQueen」は「ランクイン」に引っ掛けて「今後ランクインするかもしれない」要注目の商品を指している。ランキングへの信頼は、日本ではいまや普遍的な社会現象になっている。ここでは、ランキング調査会社と東急グループ関連企業が提供した人気ランキング情報に基づいて、商品を順番に陳列すると共に、独自の推薦商品も展示する。こうした二方向からの展示方法が、このショップを運営する東京急行電鉄の成功の秘訣なのである。

渋谷、新宿、大手町、北千住、自由が丘、福岡天神……「ranKing ranQueen」は現在8ヶ所に店舗を持ち、ますます勢いづいている。

ranKing ranQueen公式サイト http://www.ranking-ranqueen.net/

 
車・ドライブ・F1

F1日本グランプリ開催地に見る諸事情

サッカーW杯が終わった。スポーツの祭典は選手たちのプレー自体の血と汗のドラマの他に、選手個人の人生や国家、民族意識などのおぼろげな影を人々の脳裏に残し、国旗を掲げたサポーターの熱狂と共に消えていった。スポーツは純粋にスポーツたり得ることはできないのだろうか。

自動車レースの最高峰F1、この日本グランプリにもまた、ファンの純粋な想いとは別の次元の問題が持ち上がっている。1987年からF1日本グランプリの開催地だった三重県の鈴鹿サーキットが、その地位を静岡県の富士スピードウェイに来年度明け渡すことが決まったのだ。

鈴鹿サーキットはホンダがスポンサーとなっている。鈴鹿への集客のために、近鉄鈴鹿線の平田町駅が存在し、秋のグランプリ開催中の3日間に延べ30万人以上が毎年訪れた。地元への経済効果は約50億円、打撃はけして小さくはない。対する富士スピードウェイはトヨタが買収し、200億円を投入してコースを大改造し、国際自動車連盟(FIA)から最上級規格のグレード1の認定を受け来年度以降の開催権を勝ち取った。ホンダの鈴鹿サーキットは、日本で2つのグランプリ開催という道を求めて交渉する意向を固めているという。

日本を代表する二つの自動車メーカーのプライドとは別に、観光客誘致を望めるプロジェクトとして、是非前向きに取り組んで欲しいものだ。 (西岡珠実執筆)

 
イベント掲示板
7月21日(金) しずない夏祭り 北海道新ひだか町
阿波踊り、和太鼓、花火大会など各種イベント
7月22日(土) 鳥人間コンテスト 琵琶湖東岸
自作人力飛行機による飛行距離および飛行時間を競う大会
7月23日(日)第2回日本酒蔵元サミット蔵元70社集結
300種類の日本酒飲み放題
7月24日(月)大賀ハス祭り岐阜県羽島市大賀
レンコンの産地の美しいハスの花
7月25日(火)世界の巨大恐竜博2006 幕張メッセ
世界最大級の超大型恐竜スーパーサウルスの骨格を初公開
7月26日(水) くるりんぱ世界寺子屋運動
「ユネスコ世界寺子屋運動」について知る
7月27日(木) カミーユ・クローデル展 府中市美術館
悲劇の彫刻家の繊細でドラマチックな世界
日本のナンバーワ

日本一大きな旅客船
飛鳥II(郵船クルーズ運航) 総トン数50,142t、全長241m、乗客定員数720名の世界一周ロングクルーズのできる豪華客船。上質のインテリアが施されたゆとりある客室をはじめ、格調高いレストラン・ラウンジやショッピングエリア、充実のスポーツ・娯楽施設など、世界最高水準の施設を誇る。

現存する日本最古(世界最古)の企業
金剛組(大阪市天王寺区)西暦578年創業。初代金剛重光は聖徳太子に招かれて、四天王像をまつる寺院創建のため、朝鮮半島の百済の国からやってきた三人の工匠のひとり。

【お知らせ】国際交流を担う独立行政法人国際交流基金(Japan Foundation)内に4月1日発足の「日中交流センター」の公式サイトが7月1日から公開されました。「日中交流センター」は、長い歴史の中で育まれた日本と中国の絆を深めてゆくために、交流の機会や場を作ることを目的とした機関です。

→前回の中国語版の表題にあった「6周年の足跡」を見て、実に感慨深かったです。ずっとこのメルマガを購読してきた幸せを感じました。ただのメルマガと侮ってはいけません。東京流行通訊が読者に与えている影響は、みなさんの予測を遥かに超えているかもしれませんよ。【オーストラリア ダチョウの首

→好奇心旺盛な農家があるのですね。客寄せパンダの如く印象度は高いです。古くからあるジャンボスイカには18年前に初めて見て驚いたのが、近年は意外性に走っているようです。味は二の次のいうのは本来の方向とは違っていそう・・・(メルマガの「不思議なスイカ」を読んで)。【日本 iina

→以前のような内容が豊富でデザインの美しい特集を引き続き読みたいと思います。【中国 shwl

編集部から】イベント欄をから一週間のスケジュールとしてさらに充実しました。お出かけプランのご参考にしていただければ幸いです。

秋田空港
淡路花さじき
出水平野 のツル
サンシャイン国際水族館
配信サイト
ALAYA
先端技術・出版・雑学

雑学博士のおもしろ本

わが国には「雑学博士協会」というものがある。日常生活の中の奇妙な話題や、あまり役に立ちそうもない問題を専門的に研究する団体である。この団体の最大の功績は、人々のために気晴らしや楽しみのためのおもしろ本を次々に出版したことである。

さてどんな本があるかというと……「雑学王 話のネタ400連発」、「お役にたてないヘンな雑学 人生の大問題に取り組む前に245のこの大疑問」、「60億人が頭をひねる超ヘンな疑問大事典」といった具合である。これらの本は、タイトルから内容まで、実におもしろくて涙が出るほどである。さて一体どんな内容なのだろうか?

例えば「インドの赤ちゃんの離乳食はカレーなのだろうか?」「オリンピックの聖火リレーで、もし火が消えてしまったらどうするか?」「スチュワーデスは時差ぼけにならないのか?」雑学博士協会では、これらの問題について真剣に調査し、本の中でまじめに回答する。

以下、おもしろい話題をいくつか紹介しよう。

「ドラマによく出てくるが、エレベーターで逃げた犯人を、刑事が急いで階段を駆け下りて捕まえることは可能だろうか?」
回答「4、5階なら可能。6〜12階だとどんなに急いでも間に合わない。25階以上なら、犯人が一目散に逃げるのを呆然と見守るしかない。」

「富士山頂にある気象台にはどうやって送電するのか?」
回答「1575メートルまでは電信柱で送電する。1575メートル以上は、山頂の観測アンテナに影響しないように地下ケーブルで送電する。」

「本屋で本のページをめくっている人のうち、本を買う人は何パーセント?」
回答「本を買う人は10.5%。通常30秒以内に買うかどうかを決める。しかし、10分以上めくっている人が買う確率は6%に減少する。」

 
世相・若者の生き方

東京ドームの少女たち

日本の国民的スポーツと言えば、もちろん野球ははずせない。毎年野球シーズンになると、東京ドームは人でいっぱいになり、新聞もテレビもネットも野球の話題でいっぱいになる。ところで、東京ドームに実際に行ってみると、おなじみの野球選手たちのほかに、別に有名人ではないけれど人気を集めている「球場の少女」たちがいるのに気がつく。

●ビール売りの少女
選手への声援で声をからしたファンたちには、一杯の冷たいビールが一服の清涼剤だ。数年前からこのビールを売る少女たちが登場した。彼女たちはきれいな色のユニフォームを着て、15キロのビールの樽を背負い、笑顔と爽やかさを振りまいている。東京ドームは、満員時には5万5千人を収容する。ビールの販売量は多いときで25000杯である。ビール売りの少女たちは、一試合当たり平均130杯ほどを売っている計算になる。彼女たちはビールを売るために階段を上ったり下りたりでたいへんだ。「毎日ヒマラヤ登山をしているみたいよ〜!」

●チアガール
600人の応募者の中から選ばれるのは15人だけ。しかも毎年新人と入れ替えになるチアガールは、身長約160センチ、年齢は18歳〜20歳に厳しく制限されている。毎年2月の選抜から開幕までの短い時間に、10種類のダンスを覚えなければならない。実にたいへんな仕事だ。「でも毎日踊れるし、楽しいわよ!」かつては、このチアガールからたくさんのスターやテレビの司会者、体操選手などが輩出した。少女たちは夢と希望に胸をふくらませながら、笑顔で踊り続けている。

東京ドーム公式サイト http://www.tokyo-dome.co.jp/
 
編集後記

今日(7月21日)、ソニーの輝かしい創造の歴史にまた新しい輝きが加わった。初めての1020万画素のデジタル一眼レフ機「α」が発売されたのだ。このことは、群雄割拠する日本のデジタルカメラ市場に、また一つ強力な精鋭部隊が登場したということを意味する。

去年から、キャノン、オリンパス、リコー、ニコン、コニカミノルタなどの伝統的カメラメーカーが相次いでフィルム式カメラからの撤退を宣言し、銀塩カメラ時代からたくさんの写真愛好家やプロのカメラマンが愛してきたカメラブランドとその百年以上の栄光を持つフィルム写真史に、寂しいピリオドが打たれることになった。針穴写真機から始まって、白黒フィルムの現像、カラー反転フィルム、そしてデジタルプリントと、曲折の歴史を経験してきた撮影者にとって、本当に何とも言えない想いだった。

冷静に考えてみれば、デジタルカメラは確かにフィルム式とは比べものにならないほどの利点がある。パソコンにつなげば、小さなメモリカード一つで、何十本ものフィルムの現像、焼付けなどの煩瑣な工程のかわりができるし、以前はあんなに苦労しなければならなかった色の変化や整形などが、デジタルなら一瞬のうちにできる。特筆すべきなのは、何千枚もの作品が一枚の薄いCDの中に収容できることだ。これで、以前のような分厚いフィルムの束にカビが生えないようにという気遣いもいらなくなったわけだ。

だが、銀塩写真のあの時空を超えるような不思議な力、息をつめてシャッターを切る時のあの緊張、暗室の赤いランプの下で印画紙に次第に写真が現れてくる時の喜び、こうした「写真の原点」ともいえるような思いが近頃は感じられなくなってしまった。何かをなくしてしまったような気分である。

幸いなのは、すべての写真市場が急速にデジタル化する潮流の中で、富士写真フィルムが毅然として、銀塩写真を中心とする感光材料事業を継続し、写真文化を保護し育成することが自身の使命であると述べたことである。これほど、心慰められるできごとはなかった。ほんとうに。