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★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 ☆ 第三巻九回 甘美耽美 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 御機嫌よう。葡萄瓜でございます。 ビブロスのBL部門がどうやら新たな出版社とし て再起するとの事でございます。心からの慶び を申し上げます。再出発と言うのは苦しいもの とは思いますが、やおい/ボーイズラブ商業出版 の草創期の茨道を思えばまだ昨今は道が整備さ れていようかと。一隅にて見守らせて戴きます。 では、つらつらと綴ってまいりましょうか。 ビブロス社が激震に包まれていた中、ボーイズ ラブとはほぼ対極に位置する耽美の牙城だった マガジンマガジン社の動向は如何だったかと言 えば…耽美に還る事無く、ボーイズラブの世界 にじわじわ喰い込もうかとされていた様でござ いますね。 ここで一つ確認しておきたいのですが、「耽美」 は必要とされていないのでしょうか? 筆者は「否」と答えておきます。実際ネットを 彷徨う限りでの感触で言えば、「耽美」の重厚 さ閉塞感美意識を求める方は今でも相当数いら っしゃると思われますので。只、その要望に見 合うだけの商業作品が今現在流通していないの で潜伏されたりネットに留まっていらっしゃる だけの話でございましょう。 とは言え、実際資料を当たってみれば往時『JU -NE』周辺が唱えた耽美とは今日の私達が思う耽 美と必ずしも一致しないのでは無いかとも思え ます。『JUNE的なもの』=耽美と言う意図の下 で唱えられたものではないかと言う感がござい ます。ただ筆者は往時の空気を資料を元にして 再構成し追体験しているに過ぎませんので、往 時同じ時間軸上で空気を体感していたならば又 別の感慨を抱いたやも知れません。 草創当時の『JUNE』の唱えた耽美と同じ空気を 現在に求めるとするならば其れは現行の『コミ ックJUNE』『BOY'Sピアス』から感じられるの ではないか、と筆者は愚考します。あくまでも 求めるとするならばであって、全く同じ空気が 漂っている訳ではございますまい。何より両誌 には今現在即物的な現実が同居しておりますが 現実を肴にした妄想は同居していない様子です ので。 皮一枚の距離感があるからこそ甘美な妄想にな り、胸の高鳴りを増幅させるものがあるのです。 その皮一枚のもどかしさを醸す技術或いは技術 指南が昨今では説かれていない様に見受けられ ます。とは言え手掛かりが全く残っていない訳 ではございませんので個々の範疇での耽美復興 には取り組む事が出来ましょう。 ネットと言う手段がある時代だからこその耽美 の盛り返しと言う手段も恐らく講ずる事が出来 るのではないでしょうか。岩を滴で穿つ様な根 気が必要なのかも知れませんが。 翻って筆者が耽美を書く事は可能だろうかと暫 し自問してみましたが…難しそうですね。鬱屈 感と美意識の留め所の見極めにかなり骨を折り そうですので。美文が書ければ或いは鬱屈が描 ければ耽美が書けるかと言えば恐らくそうでは 無いでしょう。 自分の心の中に立体感のある絵巻を構築し、そ れを虚実の皮一枚で口演すると言う才が、恐ら く耽美には必要ではないかと察しますので。 正しく薫り立つ様な耽美、そして其処に潜む色 々なもの。其れ等を求める人は、まだまだいら っしゃいます。 さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて 戴きます。 では次回配信まで、御機嫌宜しゅう。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ======================= 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 第三巻九回 2006.5.10発行 文責:葡萄瓜XQO website:『仇花の記憶』 http://kamakura.cool.ne.jp/xqo/ mail:xqo_gm@yahoo.co.jp このメールマガジンは melma! http://www.melma.com/backnumber_90840/ メルマガ天国 http://melten.com/m/14637.html Mailux http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM3FAB47D02D533 メルカップ http://www.melcup.com/cgi-bin/magazine/magazine.cgi?mag_id=M000000737 マガジンすきやねん http://www.sukiya-nen.com/sys/m.cgi?id=xqo のシステムを利用して発行させて戴いています。 ご意見ご質問等はWebサイトBBS http://otd11.jbbs.livedoor.jp/adabana/bbs_tree にて承ります。 又連動BLOG「ショタやおい雑記」も運営しております。 http://xqosy.seesaa.net/ こちらも宜しくお願い致します。 バックナンバーはサイト内にて公開しております。 再配信ご希望の場合はお手数ですがメール若しくは BBSにてご用命戴ければ幸いです。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ |