「東京はおかしいわよ!」横浜から東京に引っ越してきた友人が憤慨して言った。彼女が古くなった革靴を「可燃ごみ」として捨てたところ、アパートの管理人にひどくしかられたというのだ。「横浜では不燃ごみと可燃ごみを分けないのよ。それに、革靴は燃えるじゃない?」
これは、二年前のできごとだ。だが現在は、横浜も含めて日本全国の大多数の地域で、ごみ捨てについてはかなり神経質にならざるを得ない。ごみを「可燃、不燃、資源」の三つに分けて、決められた日に収集に出さなければならず、種類や曜日を間違えたら警告を受けるのである。
ところがある機関の調査によれば、この三種類のごみを正確に区別できる人は少なく、区別できない人が77.5%もいるのだそうだ。実は「可燃」、「不燃」というのは、燃やしたときに空気を汚染するかどうかを言っているのである。1970年代に、プラスチック製品の増加によって有毒ガスが放出され、深刻な公害問題を引き起こした。そのため、東京都はこのような収集方式を採用して年間5千万トンのごみの処理という頭の痛い問題を解決するしかなかったのだ。
日本に来たばかりのころ、よく使われていたのは真っ黒なごみ袋だった(留学生はこれを「黒いカラス」と呼んでいた。真っ黒な袋は個人のプライバシーを守る役割を果たしたが、きちんとごみの分別をしない人々を甘やかす結果になった。
数年前、東京都は突然、ごみ袋の上に名前を書く方式を実施した。ある女性スターは(名前を書いて)布団を捨てたため、ゴシップ新聞の記者に発見されて「恋の破局」が報道され、芸能界を騒がせた。その後名前を書く方式は、住民の抵抗が強いために、数ヶ月実施しただけでたちまち廃止された。現在日本で使われている透明なごみ袋は、中身を識別できる上に、環境も汚染せず、考え抜いた末の結果と言える。
ドイツから戻ってきた同僚によれば、ヨーロッパ人のごみの分別は日本人より細かいのだそうだ。また、アメリカでは簡易ごみ分別器が開発されたという話も聞いた。ふと、わが故郷ではどこでも見られる、道路脇に置かれた、蝿の乱舞する巨大なごみ箱が頭に浮かんだ。
われわれの住む地球は一つしかない。日常生活の「新陳代謝」をいかに解決するかは、永遠に向き合わざるを得ない問題だ。 |