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タイトル:非公式情報 第189号  2006/01/21


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「三欠社会」としての日本

By StrangeLove

日本では、昔から「金(かね)は三欠(さんかく)に溜まる」と言われている。義理、人情、つきあいの三つを欠く人間でないとカネは溜まらないということだ。その結果、「金持ちと痰壷(たんつぼ)は溜まるほど汚い」ということになる。「勝ち組」とは、そうした人びとのことにほかならない。努力すれば豊かになれるというのは幻想、あるいはプロパガンダにすぎない。

このところ、耐震強度偽装やライブドアの問題が話題になっているが、手抜き工事や株価操作などは昔から行われてきた。いずれの問題も官僚や政治家、そして暴力団が深く関与してきたと信じられている。構造的な問題なのである。

たまに新興グループが摘発されても、システムそのものは放置されてきた。この点でマスコミは警察/検察と同罪である。何かにつけて日本のマスコミは「経済効果」なる尺度を持ち出す。「カネ儲け」という視点から世の中を見たがるのだ。堀江某と大差はない。

露骨にこうした構造の社会を築いてきたのがアメリカである。一時期、ニューディーラーと呼ばれる人びとが軌道修正を図ろうとしたが、1980年代の共和党政権時代、つまりロナルド・レーガンやジョージ・H・W・ブッシュが大統領だった時代に「三欠社会」へ突き進んだ。経済活動に対する国家の干渉に反対した「レッセ・フェール」への回帰ということもできるだろう。

こうしたウォール街流の規範を日本に広めようとしているグループが存在する。その象徴的な存在が「日米21世紀委員会」だ。日本側のメンバーには宮沢喜一(名誉委員長)、堺屋太一(委員長)、田中直毅(副委員長)、速水優、小林陽太郎、中谷巌、奥山雄材、稲盛和夫、猪口邦子、土井定包が名を連ねていた。

歴史を振り返っても金儲けの本質が見えてくる。例えば、ヨーロッパ人は十字軍の遠征で中東の財宝や古代ギリシアの知識を手に入れ、南北アメリカでは先住民を大量虐殺したうえで土地を手に入れた。南アメリカの銀がスペインに富みをもたらしたことは言うまでもない。アジアやアフリカでも似たようなことが行われた。故スメドラー・バトラー少将が言ったように戦争とは押込み強盗にほかならない。
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