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  2005年12月28日第13号(通巻第16号) 毎週水曜日発行  公式サイト  中文簡体  中文繁体 
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華人の見た日本

発酵を続ける東京の地下鉄
     
(上海)シュウチャオ

村上春樹の「神の子どもたちはみな踊る」を読み、さらに張耀の「東京288小時」を読んで、 ふとかつて住んだことのあるこの都市に対してわけもなく笑い出したくなるような気分を覚えた。――本当に、東京は発酵中だ。 それはヨーロッパの発酵とまったく変わるところがない。

宗教や時間の概念は、この声も顔色も変えずに踊り続けるアジアの大都市を包囲することはできなかったが、 最も活動が盛んな酵母菌は地下鉄の中にあるのだ。

東京では、金持ちとタクシー運転手しか車を買えない。大多数の人々は昼も夜も「線路上」を移動する生活を続け、 そのうちの半分の時間は地下に存在する。地下鉄は東京で最も乱雑で最も詩情に欠けた場所であるが、一方では東京で最も生き生き とした「夢華録上河図」(注)なのである。かつては「浮世風呂」が真の日本人の姿を活写したが、現在は「浮世地下鉄」を書くことで 彼らの思想とおもかげを概括することができるだろう。

毎日毎日地下鉄に乗って押し合いへし合いしていると、ある日ふと気がつく。同じ時刻に同じ駅の同じホームから 地下鉄に乗ると、同じ車輌で必ず同じ人々に出会う。――これが型にはまって自己を貫く日本人である。上海人は地下鉄に乗ると、 あちこち見回して、どの女の子のスカートが短いかとか、どの男のカバンが膨れているかなどを観察するが、東京の地下鉄では、 他人に興味の視線を向ける人は決して見かけない。――これが真面目な「プライバシー第一」の日本人である。東京の地下鉄では、 誰かが席を立つと、そばの人は長い座席の両端方向に寄って中間に空席を空けようとする。これが「精神的に潔癖」で礼儀正しい日本人で ある。東京人は、地下鉄で漫画や新聞・雑誌を読むのが好きで、ゆらゆら揺れながら読んでいる姿を見ていると、どうして酔わないのか 不思議になる。――これが一分一秒を惜しんで刺激と楽しさを味っている日本人である。

地下鉄では、たいへん気になる表情がもう二つある。一つは、下校後に午後の地下鉄でまどろむ女子高校生である。 まだ完成はしていないものの、形成の途上にある東京人の表情が、彼女の気持ちよさそうな寝顔に浮かんでいる。日々の困難を耐えて 暮らす庶民の生活と、むくむくと動き出す少女の夢がぶつかって、地下鉄の公告の下に隠れたり現れたりしている。もう一つは、 年老いた鉄道員たちである。深い皺の刻まれた小さな丸い顔と、常にぱりっと清潔な制服を身にまとい、彼らはどの国の鉄道員とも 異なっている。乗客の最後の一人を込み合った地下鉄に押し込むと、彼らは大きな声で叫ぶ。「よしっ!」そして列車に飛び乗っていく。 彼らは無意識のうちに、この都市の膨張を日夜絶え間なくサポートし、偶然ではあるが、休むことのない東京の姿を体現しているのだ。

(注)「夢華録」は「東京夢華録」、「上河図」は「清明上河図」、北宋の都を描いた記録と絵画で、中国では 都の賑わいを記録したものの典型となっている。

「申江服務導報」 より(編集部で一部削除した)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


読者と編集部のMail交流
→何号か拝読いたしましたが、興味深い記事ときれいな写真、それに個性ある文章でどの号もとても面白いですね。 毎回これだけのコンテンツを作るのにはとても苦労されているのではないでしょうか。お疲れ様です。【日本  一海由美

→日本の伝統と流行がうまく結合されていると思います。今後は日本の礼儀など、細かいことで今すぐ使える情報 を紹介してください。【中国  lilyyukilove

→貴メルマガを読むたび、親しみがあって心地よい感じがします。特に、現在のような微妙なときには、 中国で日本文化に興味のある人たちは何とも説明しがたい冷たい視線や排斥を受けます。我々はこのことを辛く感じ、残念に思います。 貴メルマガはささやかな慰めを与えてくれます。どうかずっと続けてくださるようにお願いします。日中関係にかかる暗雲が消え去る 日を、いつか共に迎えましょう。【中国  jonlymax

→貴メルマガの内容は斬新で、私が購読しているほかのメルマガでは見ることができないものです。ただ、ページの 左、中、右の配置は、ちょっと読みにくいような気がします。【福建福州  林瑾

ALAYA

デザインと衣食住

●ケーキに目鼻をつけたなら

「か〜わい〜!」女の子からおばあちゃままで、これを見たら誰もが思わず叫んでしまう。銀座の名店 「プランタン銀座」の地下のケーキ売場では、動物の顔をかたどった可愛いケーキやお菓子が人気を集めている。真っ白な巻き毛の マルチーズの形をしたチーズケーキ、コーヒー色の「モンブランの山男」など、どれも個性たっぷりだ(すべてハンドメイドである)。 9月に販売を開始したこの楽しいケーキは、毎月平均6500個売れると言う。「買っていく方は大体衝動買いですね。別に宣伝はして いませんが、お菓子そのものに吸引力があるようです。」と店の人は語っている。

●日本の文字入りデザイン T シャツ

冬に入っても、まだコートの下に文字入りデザイン T シャツ を着ている若者は多い。胸に「恋愛百貨店」と プリントしたシャツはうぬぼれているようでもあり、自嘲しているようでもあり、ユーモアに溢れている。また、 特大の葉書の柄は、 みんなに「年賀状忘れないでね!」とでも言っているようだ。日本語でよく使われる擬音語や擬態語をプリントしたものもなかなか 楽しい。 ペアルック のシャツを着ているカップルが寄り添っているとき、胸に「ドキドキ」と書かれていたり、長い髪がかかった 背中に「サラサラ」とプリントされていたりすると、本当にぴったりで面白い。


●アートデザイン美容室

藤沢市湘南台 にちょっと変わった美容室――ダダ(20世紀初頭の芸術革新運動から名前をつけた)がある。店長の 内藤さんは、「美容師は芸術家であり、髪は造形作品である」と主張しており、お客さんは通常のカット以外に、内藤さん独特のヘア デザインを楽しむことができる。それだけでなく、ダダの店内には様々の独特なデザイン作品や映画紹介の 宣伝ポスターなども飾られて いる。さらに、たくさんのデザイナーがここでお客さんと対 話し、展示されている芸術作品を雑貨と同じように購入するお客さんも多い。 ダダでは、美容と芸術デザインが絶妙な融合を実現している。

TOKYO DESIGN CENTER http://www.design-center.co.jp


TCA が世界的な賞を獲得

「未来のカーデザイナー」を世界に求めるため、イタリアの自動車メーカー「フェラーリ」は全世界の デザインスクールの在校生を対象として国際デザインコンテストを行なった。コンテストに参加したのは、アメリカの Center for Creative Studies of Detroit 、イギリスの Coventry School of Art and Design 、イタリアの European Institute of Design 、 および日本の東京コミュニケーションアート専門学校(Tokyo Communication Arts 、略称 TCA)であった。それぞれの学校内で事前に 5つの作品を選出し、合計20件の作品の1/4スケールの立体模型やスケッチなどが提出されて最終選考の資料となった。

デザインの課題は、現在の「フェラーリ」にいかにして「刺激的な改革」を行うかであって、一目で 「フェラーリ」だとわかると同時に、ブランドに合致した価値も備えていなければならない。

11月18日に「フェラーリ」本社で最終 プレゼンテーションが 行われ、雑誌投票とウェブ投票をもとに 総合評価が下された。その結果 4つの作品が優秀賞を獲得したが、 そこには日本の TCA の学生グループの「 trediviso」も含まれていた。 また、 TCA は今回のコンテストで最も努力した「ベスト学校」として表彰され、参加した女生徒が「ベスト女性賞」を獲得した。 受賞者たちはフェラーリ社内でカーデザインを実地研修する機会を与えられる。

TCA は1988年の開校以来、一貫して企業と学生の協同による開発と製作を行なってきた。企業から優秀な講師が 派遣され、製作材料などもみなプロのものと全く同じで、企業が与えた課題に対して常に真摯に取り組んでいる。 TCA と日本の各大企業 の共同作業によって、すでにたくさんのデザインが商品化され、日本の自動車業界の注目を集めている。
(C)TOKYO COMMUNICATION ARTS.
TOKYO COMMUNICATION ARTS http://www.tca.co.jp/

万博展示品のその後

120の国家と地域が参加した185日間の愛知万博が9月25日閉幕した。来場者 1500万人を目標にしていたが、 それを突破する2000万人の来場者があり、大成功を収めたと言えるだろう。

ところで、多くの読者のみなさんは、もう一つの話題、即ち万博の展示物は一体どこに行ったのかということに 関心を持っておられるだろう。というのも、間もなく閉幕というころに、展示物の売り手や買い手や寄贈の対象などについて、人々が 盛んに取りざたしていたからである。あの巨大な仏像や金色に輝く仏壇などは、ほしいと言ってもなかなか手に入るものではないから、 その行方は当然みんなの注目の的となる。

パキスタンが展示した釈迦苦行像は、鎌倉の建長寺に寄贈された。少し前のパキスタンの震災のとき、日本政府が 積極的に援助を行なったため、パキスタン政府が喜んで同意したのである。中国館の寒山寺の石鐘の複製品は万博協会に、シンガポール館 のマーライオン像の複製品は金城学院大学に、アメリカ館のライト兄弟の飛行機の複製品は中部国際空港に、モロッコ館の真鍮の皿は 愛知県豊山町 にそれぞれ贈られた。

また、韓国館の陶磁器は万博記念館に、ギリシャ館の「農業の女神」のレリーフは 愛知県稲沢市 に、ポルトガル館 の「ネオン管のオブジェ」は 愛知県大治町 に寄贈され、スペイン館は展覧館の外壁を「国境なき医師団日本」に贈った。

  みんなを驚かせたのは、 三重県 のある歯医者さんがお金を出して、ブータンとラオスの展示品をすべて買い取った ことである。ブータンの正統な本物の木製仏壇とラオスの六メートルの高さの金色の仏像に、この歯医者さんは1000万円あまりを費やし、 さらに5000万円をかけてそれらの展示館を建設すると言う。(本文は、雑誌「ダカーポ」に掲載された文章をリライトしたものである)
愛知万博リンク http://www.web-project.jp/expo/
 

相撲界の外国人スター

今年一年、相撲界ではたくさんの外国人力士が活躍し、その輝かしい戦績で日本と世界の注目を浴びた。

●朝青龍、無敵の「七連覇」

大相撲九州場所で、モンゴル出身の横綱朝青龍が偉業を達成した。11月26日、大関魁皇を下し、翌日の千秋楽を 前にして優勝を決めたのである。これは日本の相撲界が始まって以来初の「七連覇」であり、年間六場所完全優勝の初めての達成で あった。朝青龍は年間勝ち星を84とし、横綱北の湖(現在の相撲協会理事長)が1978年に打ち立てて27年間保持してきた記録である年間 最多勝ち星82の記録を打ち破った。

●琴欧州、欧州で「初めて」

日本相撲協会は11月30日、ブルガリア出身の東関脇、琴欧州の大関昇進を満場一致で決定した。琴欧州の最近 三場所の勝ち星は 36で大関昇進の規定である33を超えている上に、大関千代大海を下したことで昇進資格を確実にした。琴欧州は欧州 出身の力士で初めて大関を手にした。そのため、 EU 駐日大使は12月14日、ブルガリア駐日大使を伴って千葉県松戸 の相撲部屋を訪れ、 琴欧州にお祝いのシャンペンを贈った。

  現在、この二人の力士にはテレビコマーシャル出演の依頼が殺到している。朝青龍は日本郵政公社、富士通の コンピュータの他、 P& G の洗剤やアサヒビールのコーヒー飲料のコマーシャルに出演している。また琴欧州もテレビコマーシャルへの 進出を開始し、衛星放送の SKY PerfecTV と明治乳業のヨーグルトのコマーシャルに出演している。これらは、女性の相撲ファンに好評で ある
(C)2005 Nihon Sumo Kyokai
goo 大相撲 http://sumo.goo.ne.jp/
 
 

あと三日で大晦日である。各家庭が掃除や整理に忙しく、年越しの買物を しているこの時期だが、一方では誰もが新しい一年について楽しい夢を紡ぎ始めている。日本各地の大小の文具店や書店では、どこも 手帳の売り場を拡大し、現状を改善し人生を豊かにしたいと願っているたくさんの人々を立ち止まらせている。

例年と異なるのは、最近は文具店でも書店でも、手帳売り場の付近にいろいろな自己啓発のための本が 置かれていることである。例えば、「『超』時間管理法」、「手帳200%活用ブック」、「一冊の手帳で夢は必ずかなう」などなど。 これらの本は、時間の活用法を提唱すると同時に、簡単でわかり易い人生哲学を述べている。

バラパラとめくってみると、なるほどという標題が並んでいて、思わず納得の笑みが浮かんでしまう。

――人を待つときは、時計ばかり見ていないで、夕日が赤く染める空を眺めてみましょう。

――頻繁に接触する人の存在は、ついつい軽視してしまうものです。彼が今日どんなネクタイをして いたか、あなたは言えますか?

――ゴミも300年すれば骨董になる。

――前は私から電話したのだから、今度は相手からかけてくるべきだ。自分でそんな「規定」を作って いませんか?

――相手のプレゼントを喜んで受け取りましょう。あなたの感想が一番のお返しです。

新年の計画を立てるとき、最も有効な方法は次のようなものではないだろうか。新年を迎えるに当たって、 この部分を抄録し、親愛なる読者のみなさんの参考にしていただきたい。

――まず大きな紙を広げて、「私の夢」という標題を書く。それから、あなたのすべての夢を書き出す。 その後、標題を塗りつぶして、「私の予定」と書き換える。

  そうだ、是非そうしよう!

青春の原宿

日本人の見た華人

「不恥下問」
  
(日本) お〜いだいいく

大連では、中日間のビジネスが年々増加していますが、それにつれてトラブルも多く発生する傾向があります。 両者とも、仕事にかけての姿勢はいい加減ではありません。では、何故?なぜ?トラブルが発生するのでしょうか?

日本の伝統的な教訓の一つに、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」があります。しかし、中国ではまったく 逆なのです。「聞くは一生の恥、聞かぬは一時の恥」なのです。どうして受注者である中国側は何の確認、質問も投げかけなかった のでしょうか。

実は、「いちいち質問せずに自分の判断で仕事が出来るのが優秀な人間である。」という一般的な中国社会には、 このような価値観があるのが事実だからです。ですから、「見切り発車」「勝手に内容変更」「勝手にスケジュール変更」といった トラブルが絶えないのです。

聞かない、質問しないという傾向は、アジア人の持つ面子を重視するところからきていると思われます。 日本人が説明している時、恥ずかしい部分もあるというだけでなく、外国人だからと言う気持ちの面での何らかの壁があるような気も します。ですから、分からない事は、あとで中国側の上司に確認すればそれで良いと思うひとが多いのです。

物事すべてに対して「細かくチェックする」上司が、“明確な指示を出す有能な上司”なのです。中国では、 細かく確認しないで完成を待っていると、期待通りのものは絶対に手に入りません。いかにトラブルを最小限に止め、成功させるかの 決め手は、中国とのビジネスにおいては、やはり、「交流」が欠かせないのだと、断言できます。中国人は、友人との約束は守るのです。

味気の無い「単なる目標値」を掲げるより、ホントに身になる「約束を果たしてもらう」方がよほど価値が あります。交流を通して「約束」させることが出来れば、トラブルもなく、成功への道が近くなるのです。

「CHAINAVI」 サイトより(編集部で 一部削除した)

日本のナンバーワン

たった一人のサンタクロース

毎年クリスマスになると、東京のあちこちで赤い帽子と赤い服、白い鬚をつけたサンタクロースが見られる。 しかし、日本全国で「正統」なサンタクロースはたった一人しかいない。彼の名前は山元さん。今年 40 歳である。彼の左胸には、 国際的に公認されたサンタクロースバッジがついている。彼の笑い声は「 Ho 、 HoHo !」と独特である。

「国際公認資格」は、グリーンランドの国際サンタクロース協会が認定する。この協会は、毎年夏にデンマークで 「世界サンタクロース会議」を開き、「サンタクロース試験」を行う。この試験に合格した人だけにバッジが与えられる。

現在世界には、この栄誉を受けた人が百数十人いる。山元さんは 1998 年の第 35 回会議で選ばれた。山本さんの 回想によれば、試験は運動会のようだったそうだ。 50 メートル短距離走の後は煙突によじ登り、降りていってプレゼントを置く。 そして暖炉の上のクッキーを平らげ、牛乳を一気に飲み、また猛スピードで出発点に戻る。参加者は、会議期間中ずっとサンタクロースの 衣装をつけていなければならない。七月の盛夏に厚い上着を着る苦しさは想像にあまりある。また、空港でも機内でもこの服装で いなければならない。サンタクロースに認定されると、「禁煙、禁酒、禁欲」しなければならない。遵守できなければ資格を取り消 される。

  「IT時代のサンタクロース」を議題にした会議で、山元さんは「日本人の持つサンタクロース問題」というテーマの 講演を行なったこともある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


日本のナンバーワン
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