あと三日で大晦日である。各家庭が掃除や整理に忙しく、年越しの買物を
しているこの時期だが、一方では誰もが新しい一年について楽しい夢を紡ぎ始めている。日本各地の大小の文具店や書店では、どこも
手帳の売り場を拡大し、現状を改善し人生を豊かにしたいと願っているたくさんの人々を立ち止まらせている。
例年と異なるのは、最近は文具店でも書店でも、手帳売り場の付近にいろいろな自己啓発のための本が
置かれていることである。例えば、「『超』時間管理法」、「手帳200%活用ブック」、「一冊の手帳で夢は必ずかなう」などなど。
これらの本は、時間の活用法を提唱すると同時に、簡単でわかり易い人生哲学を述べている。
バラパラとめくってみると、なるほどという標題が並んでいて、思わず納得の笑みが浮かんでしまう。
――人を待つときは、時計ばかり見ていないで、夕日が赤く染める空を眺めてみましょう。
――頻繁に接触する人の存在は、ついつい軽視してしまうものです。彼が今日どんなネクタイをして
いたか、あなたは言えますか?
――ゴミも300年すれば骨董になる。
――前は私から電話したのだから、今度は相手からかけてくるべきだ。自分でそんな「規定」を作って
いませんか?
――相手のプレゼントを喜んで受け取りましょう。あなたの感想が一番のお返しです。
新年の計画を立てるとき、最も有効な方法は次のようなものではないだろうか。新年を迎えるに当たって、
この部分を抄録し、親愛なる読者のみなさんの参考にしていただきたい。
――まず大きな紙を広げて、「私の夢」という標題を書く。それから、あなたのすべての夢を書き出す。
その後、標題を塗りつぶして、「私の予定」と書き換える。
そうだ、是非そうしよう! |