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タイトル:非公式情報 第185号  2005/12/25


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ますます混乱するイラク情勢

By StrangeLove

イラク情勢が急速に変化している。アメリカ政府の描いたシナリオを利用してイランと緊密な関係にあるシーア派が勢力を拡大、サダム・フセイン時代に実権を握っていたスンニ派だけでなく、占領軍が肩入れしていた親イスラエル派なども圧倒されている。アメリカのイラク侵攻作戦にはイスラエルが深く関与してきたとされているが、中東におけるイランの影響力拡大は「想定内」の出来事なのだろうか?

そうした中、約24名のフセイン時代の高官が釈放されたという。細菌兵器の開発で中心的な役割を果たしたとされるリハブ・タハもその中に含まれているようだ。フセイン人脈との関係修復にアメリカは動いているようだ。

アメリカ政府はイラクの未来図を描く際、第2次世界大戦後の日本をしばしば引き合いに出すが、この比較は正しくない。状況が全く違うのである。

関東大震災の後、モルガン財閥が日本に対して大きな影響力を行使していたことは有名な話。つまり、アメリカの権力層のうち、「反ニューディール派」は日本の権力層と緊密な関係にあった。戦後、こうしたコネクションが機能し、ニューディール派を追い出して日本支配を再開したわけである。その延長線上に現在の小泉政権もある。

サダム・フセインもCIAを後ろ盾に権力を握った人物だが、アメリカはイラク侵攻でフセイン体制を潰しにいった。1990年代にネオコンが描いたシナリオに従って作戦を展開したと言えるだろう。フセインも裁判にかけられている。天皇が公的に戦争責任を問われることのなかった日本とは全く違う。日本では、宮廷内で天皇退位論が出ても占領軍は同調せず、すぐに「右旋回」が始まっている。戦前の支配システムは戦後も機能したと言えるだろう。

今回の選挙後にイラクが安定化する可能性は小さい。しかも、イラク攻撃を推進した親イスラエル派のネオコンはアメリカ国内で苦しい立場にある。イスラエル系ロビー団体AIPACを舞台にしたスパイ事件、CIAの機密情報漏洩事件、イタリアでのCIAエージェントに対する逮捕令状の発行、アメリカの秘密刑務所問題等々、問題は山積みである。

そこにシーア派/イラン問題。王制時代のイランはイスラエルと友好的な関係にあり、核兵器開発でも支援を受けていた。イスラム革命後のイランにもイスラエルはアメリカの共和党系の人びととともに武器を密輸していた。が、そうした関係が今では解消されてしまったようにも見える。ジョージ・ブッシュ政権にこうした問題を解決する能力があるのだろうか?
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