「料理から見た日本
(台湾)林思雲
日本料理を食べたことのある人なら、誰でも日本料理の特徴は「純粋な味」
を追求することであるのを知っているだろう。違う味のおかずは別の器に入れられ、
同じ皿に盛る場合も味が違えば分けて盛られ、味が混ざらないようにする。弁当になるとこの特徴はもっとはっきりしてくる。
日本の弁当箱の中はいくつもの部分に区切られ、ご飯、炒め物、生野菜、漬物などがそれぞれの枠に入れられて、
互いに味が混ざるのを防いでいる。このようにして、
おかずがそれぞれ持つ純粋な味を味わってもらおうとしているのである。
一方中国料理は、「味の混合」を追求することを好む傾向がある。
餃子や中華まんなどの純中国的料理は、混ぜ合わせることによって生まれるおいしさである。
中国式の弁当に至ってはおかずを直接ご飯の上にかけて、甘いも辛いも酸っぱいも一つになっている。
日本人はこのような中国人の食べ方になじめないようである。中国の大学に留学したことのある日本人がこう言っていた。
「中国の大学の食堂では、おかずを全部ご飯の上にかけるから、猫のご飯を食べているみたいな気分になる。」
もう少し見方を広げてみると、日本人の「純粋性、単一性」を追求する信仰あるいは価値観が、
日本料理に反映されているのだということがわかる。日本人は「純粋」なものがいちばん素晴らしいと考えているのだ。
日本の宮殿や廟などの木造の梁や柱は、一般に色を塗らないで白木の原色を保っており、
中国の宮殿が梁や柱を真っ赤に塗るのとは違っている。
日本人が純粋を好むという性格は、行動においては「統一」を好むという形で表れる。
学校の生徒たちは統一された制服で登校し、会社員では統一された制服で仕事をし、店の店員は統一された制服で販売をする。
日本の旅行グループは小学生のように一列に並んでガイドの後について歩き、
みんなで観光地を見て、みんなで買物に行き、みんなで同じようなものを買う。
このような統一精神を持ち、行動が一致しているグループは、他の国では見られない。
中国には「小さいものから大きなものを見る」という言い方がある。
日本料理の特徴から見ると、日本人は純粋を好み、秩序や統一を好むという性格がわかり、
中国料理の特徴から、中国人は混ぜることを好み、自由や散漫を好むという性格がわかる。
今度食事に行くときは、日本料理のこだわりや工夫が、
中国料理と違っているところが他にもないかどうかよく観察してみてほしい。
《大紀元》
サイトより(本編集部で一部削除した) |