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タイトル:非公式情報 第178号  2005/11/06


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「共謀罪」に執着する日本の権力システム

By StrangeLove

日本の権力システムは「共謀罪」に執着している。「越境的(日本の官僚は『国際』としている)組織犯罪」の取り締まりが目的だという。ならば、最初に取り締まらなければならないのはアメリカの情報機関のはずである。

戦後、CIA内部の「破壊工作部門」が繰り返してきた秘密工作は、見方によっては「テロ活動」だ。その象徴的な存在が「CIAのテロリスト」とも呼ばれているルイス・ポサダであり、ソ連軍と戦う「自由の戦士」としてCIAが育てたアル・カイダであろう。

CIA自体がどの程度関与していたかは明確でないが、少なくとも「CIAの仲間たち」は麻薬で工作資金を調達していた。ベトナム戦争ではヘロイン、ニカラグアのコントラ支援ではコカイン、アフガニスタンでは再びヘロインといった具合だ。アメリカの情報機関はマフィアのような犯罪組織と連携してきた。麻薬取引もそうした共同作業のひとつである。

つまり、麻薬取引やテロ対策だけに限っても、アメリカの情報機関は捜査の対象であるべき存在である。こうした機関の活動を放置したまま「共謀罪」を論じること自体、犯罪的行為である。

あらためて言うまでもないだろうが、「共謀罪」は「治安維持法」以上の反民主主義的な法律である。国連の条約を口実としてファシズム化を促進するための法律を作ろうという精神構造は、「大量破壊兵器が存在する」という偽情報でイラクに侵攻、多くのイラク人を殺戮、アメリカ国内では「愛国者法」で憲法を機能停止状態にしているジョージ・W・ブッシュ政権と酷似している。

しかし、ブッシュ政権の常軌を逸した政策はアメリカの主流派エリートとの対立に発展した。「9/11」を利用して主導権を握った ネオコンだが、現在の劣勢は否定しようがないだろう。が、ネオコンの暴力的な政策に心酔している日本の権力グループは方向転換しそうにない。マスコミも権力グループの尻馬に乗っているだけである。「国家の民営化」に熱心な財界も国際関係には興味がないようだ。

イギリスのトニー・ブレア政権も「愛国者法」的、あるいは「治安維持法」的な法律を推進しようとしてきたが、雲行きは怪しい。日本だけが暴走するのだろうか?
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