メルマガ:歴史上人物意外史
タイトル:歴史上人物意外史 Vol.3  2005/10/06


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          歴史上人物意外史     Vol.3

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  ◆早いもので10月、神無月ですね。島根県の出雲地方では神有月という
  そうですが…出雲の神々が皆出雲大社へ里帰りするからとか。

  神々も故郷に帰って休暇を楽しむのでしょうかね。

  さて、今回はNHKの大河ドラマで放映中の「義経」にまつわる諸々の
  伝説、異聞を綴ってみます。

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  ■義 経 伝 説

   源九郎義経は皆さんもご存知のように幼名を牛若丸といい、京の五条
   の橋の上で、通りがかる侍の刀を奪って暴れていた武蔵坊弁慶を鞍馬
   天狗仕込みの軽業をもって手玉に取り、ついに弁慶を降参させて家来
   にしてしまうわけですが、この伝説は元の話とはまったく逆になって
   いるのだそうです。

   最近読んだ大塚ひかりの書いた「愛とまぐはいの古事記」の中に、昔話
   の中には元々の話とは本末転倒も甚だしい逆転話がいつのまにか通説
   となってしまったものが多くあり、その一例として牛若丸と弁慶の出
   会いを挙げています。

   ということは、悪事を働いていたのは牛若丸の方で、それを懲らしめ
   たのが弁慶ということになります。
   私も実は以前から仏門に出家した僧がなにげに悪事を犯し、少年にと
   っちめられたのか不思議に思っていたのです。

   これを読んでなるほどと合点がいきました。

   いわゆる判官びいきという言葉そのもので、悲劇の英雄が元非行少年
   では様にならないために、後世の人々が伝説をひっくり返したのでは  
   ないかと思うのですが…。

   義経はその悲劇的生涯もあって美青年に描かれがちですが、私が中学
   生時代に教師がその実像について、古文書によれば色浅黒くそのうえ
   出っ歯だったらしいと教えてくれたのが脳裏に残っています。

   今は亡き友人が義経と弁慶の関係を調べていて、2人は仲が悪かった
   のではないかとの推論をしていました。

   それはなぜかというと、どちらか一方が活躍をする時には、もう一方
   は完全に沈黙しており、その場に果たして立ち会っていたのかも疑わ
   しいと言うのです。

   主従の関係でもありその辺のところはよくわからないのですが、作家
   や学者の中にも不仲説を主張している人もいます。

   壇ノ浦の戦いで平家は滅亡するわけですが、この時幼い安徳帝が女官
   に抱かれて海中に飛び込み、海の藻屑と化してしまいます。

   ところが四国や瀬戸内海近辺には、安徳帝は生き延びてひっそりと暮
   らし、その生涯を閉じたという言い伝えが残っているそうです。

   NHKの大河ドラマ「義経」では、女官と共に入水したのは弟に当たる
   親王で、安徳帝は侍女と船底に潜んでいる姿が映し出されていました。
   安徳帝生存説に含みを持たせていたのが印象的でした。
   
   義経は逃亡生活の末、1189年4月30日、奥州の藤原秀衡の息子泰衡に
   衣川の館を攻められて自刃して果てるわけですが、実は落ち延びて
   蝦夷地〔北海道)に渡り、アイヌの部落で自分は源義経であると言っ
   て噂を聞き知っている人を驚かせたという伝説もあるようです。

   今のように写真もテレビもなかった時代のことですから、有名人にな
   りすまして我こそ源義経なりと詐称して歩いた人がいたとしても不思
   議ではないし、旧皇族の名を騙って一儲け企む輩とか現代にもいるわ
   けですからね。
   
   またその後、千島列島を経て樺太に渡り、さらにモンゴルに辿り着き
   ついにはジンギスカンになって世界帝国を築いたといういわゆる義経
   ジンギスカン説まで飛び出し来る始末です。

   義経とジンギスカンとは年代もかけ離れており、笹竜胆の紋章がよく
   にているとか、源義経を中国語の発音にするとチンギスハーンに近く
   なるとかいろいろ物証を挙げていますが、この説は大陸進出を目論む
   日本軍部の工作員が仕組んで噂を流させたと言われています。

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 ●あとがき

  やっと3号目が発行できたというよりあっという間に1週間が来てしまっ
  たという感じです。

  いよいよ秋本番ですね。スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、メルマガの
  秋?です。今回の義経伝説はいかがでしたでしょうか。

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      ◇マガジン名:歴史上人物意外史
      ◇発行者:纐纈智恵郎 kouketsu414@yahoo.co.jp

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