メルマガ:音楽で食べていく方法
タイトル:音楽で食べていく方法  2005/09/11


  
  大胆企画
   「音楽で食べていく方法」         


                     トライトーン発行  第9号

   CM音楽制作会社で活躍しているアーティストたちが
   音楽で食べていく方法について語ってくれています。
   
   毎回、持ち回りで各アーティストが音楽の実践を語ってくれます。
   その中で、実践していくテクニック、楽しさ、裏話またプロとしての
   初仕事、仕事をもらうきっかけ などをもとに
   どうやって音楽を生業としてやっていくのかを、探っていただければ
   幸いです。
 


   <<お知らせ>>

   この度、メルマガに記事を寄せてくれているアーティストら
   (横井ラン、呑舎利、多美恵)がそれぞれ、
   CDを制作、販売することになりました。
   実際にどんな音を作っているのか
   興味のある方は一度、試聴してみてください。
   

  目次
 
 
  1 音楽の現場から 「カラオケ制作について 2」  横井ラン 
  2 音作りについて 「第2回 エフェクト 基本篇(エコー)」浅賀順一
  3 気になる音楽  「サントラで嗜む極めて私的な映画紹介6」呑舎利
           



---------1 音楽の現場から------------------------------------------


    「カラオケ制作について 2」  横井ラン 

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
    横井 ラン

   日本音楽院(現AMVOX)で作曲、編曲を学び、
   作曲家 すぎやまこういち氏に師事。
   CM音楽制作会社 有)トライトーン設立。
   主な作品 ニューバランスTVCM   ほか。


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

   メルマガの読者の方がたは日本中にいらっしゃると思いますので
   
   一地方の時候の挨拶は通じないかもしれませんが、

   この度の台風については全国的に通過したみたいで

   皆様ご無事でしたでしょうか。


   
   さて、今回はカラオケ制作の2回目です。

   
   因みに1曲あたり数万円のギャラになります。

   1曲の納期は2,3日 といったところでしょうか。

  
   
   
   人によって 制作の段取りはまちまちだと思いますが、

   曲をミキシングするときと似ている気がします。


   まず、ドラムセクションから

   [聴き取り、打ち込み、エディット]

      を始め、あと順に、ベース、他のリズムセクション

   白玉(ハーモニ)、上モノ・・といった順に

   なるでしょうか。


   問題はハーモニー(ストリングス、パッド、ブラスセクション等)
  
   です。

   ご存知でしょうか。楽器の音色を特定する要素はもちろんその楽器の

   持つ周波数や倍音等ですが、音の出だしも、楽器を特定する大きい要因に

   なります。(音色は発音の仕方によって異なりますから、当たり前と

     いえば当たり前ですよね。 例 叩いたり、擦ったり、吹いたり など)

   なので、多くの楽器が同時に発音した場合、音の出だしが
   
   聴こえないことがあり、さらに音が小さい場合、楽器を特定するのに

   苦労することがあります。この場合、普通は鳴っているだろう、

   という予測のもとに打ち込むこともあります。(これは秘密です。)

   
   今回はここまで。




---------2 音作りについて----------------------------------------------

  
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     浅賀順一

     東京生まれ
     AOR、クロス・オーバー、ブラック・コンテンポラリー系の音楽から
     影響を受け、 曲作りを始めるとともに都内ライヴ・ハウスを中心に
   活動を続ける。 現在はCM音楽制作、フリーで活躍中。
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
      
    第2回 エフェクト 基本篇(エコー) 

  先月

  僕は某放送局の仕事で千葉市の中央区に数日間、滞在していました。

  小、中学校の合唱コンクールの録音をしていたのですが、曲調は

  ほとんどモダンジャズ、ピアノ伴奏はチック・コリアばりの超絶技巧!!

 (小、中学生で!!)と、ただただ驚くばかりでした。でも昼休みには、

  お弁当を食べて楽しそうにしている姿は、本当に可愛らしい

  普通の子供達でした。音楽するのが楽しくてしょうがない!

  という純粋さにパワーをもらいました。  



  さて、次回の続きですが

  ミキシング・エンジニアはスタジオのアンビエンス、ディレイ、

  リバーブなどをトータル的にエコーと呼ぶことが多いのですが、

  それではこの残響装置の一種であるディレイとリバーブには、

  一体どういった違いがあるのかと言うと、

  ディレイは原音に近いはっきりとした音が、ある一定の周期で繰り返す

  のが特徴で、リバーブは、このディレイ音が複雑に(音量、周波数特性、

  周期等)高い密度で集まった残響だという事が言えます。

  人によっては、こういったエフェクトを数種類組み合わせて

  全体の残響を作り出している場合もあるのですが、バンドのサウンドを

  作って行く場合、リバーブは1種類だけを使用し、

  同じ部屋で演奏している感じを出した方が、ずっとまとまりがある

  と言っているアメリカのある有名なアーティストもいます。


  まず音作りには、これが正しくてこれは間違いというのは無いと思います。

 (こうするよりは、こうした方がもっと良くなる、又は効果的というのは

  あるとは思いますが。)自分の音楽を表現しようとして、あれこれと

  考え過ぎてしまったりする時には、まずは自分で素直に感じることです。

  あっ!これいい音とか、この音が好き!というのが純粋に感性と音が

  繋がっている瞬間だと思います。

  いろいろな発見をして、何を選んで音を紡いでいくか、

  それが自分らしさを表現するヒントになってくると思います。

  さて、今回はだいぶ前置きが長くなり、少々堅苦しくなってしまいまし

    たが、いよいよ次回からは、具体的に使用例を紹介していきたいと思いま

    す。  それでは、お楽しみに。


   





---------3 気になる音楽------------------------------------
   

    「サントラで嗜む極めて私的な映画紹介 6 」 呑舎利

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       呑舎利 (どんしゃり)

   "呑舎利組合"主宰。
   一応音楽の学び舎を卒業しているらしいが、多くを語ろうとしない。
   長い修行・熟成の期間を経て、
   いよいよ音楽業界へ本格的なダイブを画策中。
  
    「和」を声高に叫ぶ割に、時折妙な日本語が飛び出す。
     ラーメンより蕎麦好きなのは「和」どうこう以前に内臓年齢がヤバい
   証拠。
     ちなみに、実年齢は内臓ほど年老いてはいない。

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  第6回

   『宇宙戦争』(1953 米)
   監督:バイロン・ハスキン
   音楽:リース・スティーブンス

   今回は旧版、あえて古い方の宇宙戦争です。
  
   今観ても、50年以上前の作品とは思えない程の作品です。

   その後のSFの王道を作り上げたと言っても良い映像表現の数々。

   逆に、音楽はあくまでも当時のエンターテイメント物の王道ですね。

   音楽については、別段特筆する事はありません。。


   では、なぜこのコーナーで取り上げたのかと言うと・・。

   それはズバリ「効果音」です。

   「サントラで嗜む」と言っておきながら、今回は効果音で嗜んでしまい

      ます。一応「音」括りということでお許し下さい(笑)

   エイリアンが攻撃する時やマシーンが発する音が、

   とても効果的に使われています。

   本来はこの世に存在しないはずの音が、恐怖感や嫌悪感を煽ります。

   特に、エイリアンの殺人光線発射音!(こう書くとチープですね)

   えも言われぬ機械的なシンセ音なのですが、全編に渡って人間を追い

      回し、観客の耳にもずうっと残る、心理的に嫌な音です。

   よほど、この音が人々の印象に残ったのでしょう。

   これ以後、ハリウッド映画で「エイリアンの攻撃!」となると、

   この音を模した音が度々使われています。

   きっと「侵略者の音」として、擦り込まれてしまったのですね。

   最近だと「ほとんどCG+人間だけ実写」で話題になった

   『スカイキャプテン〜』に出てきた機械もシッカリ似た音を発して

      ました。


   たかが効果音と思われがちですが、特にSFの効果音は、

   それぞれがキャラクター性を要求されますし、大変です。

   それだけに、時には歴史に残るマスターピースな効果音もあります。

   他の身近な例だと『宇宙戦艦ヤマト』の主砲発射音。

   そう!あの、何かがねじれるような独特な効果音。

   これも以後、日本のアニメでは度々使われています。

   庵野秀明監督のTVアニメシリーズ『不思議の海のナディア』では

   意図的に(オマージュとして)そのまま使われており、印象的でした。


   最終作が公開された『スターウォーズ』シリーズも、

   ダースベーダーの呼吸音やライトセーバーの「ぶぉん」、レーザー銃の

     音など、ナイスな効果音のオンパレードですよね。


   さて、『宇宙戦争』の話。続きは次回に。

      
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    以上、今回も内容、盛りだくさんでした。
    お楽しみいただけましたか。
  


     トライトーン ホ−ムページ CD販売について 
     http://www.mgtry.net/item.html

                      お知らせ終わり。 


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     <注意>
 
    「音楽で食べていく方法」に記載した全文は
    トライトーンはじめ、執筆者が著作権を有するもの
    であり、固く複製禁止をお願い申し上げます。
                       
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     来週土曜日、発行予定です。
     次号をお楽しみに!!
               
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