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===================================================== 発行部数 25 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2005/08/30 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.火曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル がんばっていきまっしょい 局 名 フジテレビ 放映日時 火曜22時 キャスト 篠村悦子(鈴木杏) 関野浩之(錦戸亮) 中田三郎(田口淳之介) 大野仁美(石田ゆり子) 原 作 敷村良子 脚 本 金子ありさ 主題歌 aiko 「キラキラ」 あらすじ 第8艇 2005年夏。松山第一高校艇庫付近。大野コーチ(池内博之)は先に 帰ると言って仁美(石田ゆり子)から鍵を受け取ろうとする。笑顔で 鍵を渡す仁美を見てみずき(悠城早矢)は「夫婦仲がよろしいなぁ」 とにやにや。みずきは彼氏とけんかばかりで仁美がうらやましいのだ と言う。仁美は「もう彼氏がおるの?悦ねぇなんかはぜんぜんやった けどね。好きな男の子が他の女の子としゃべってるだけでもガクーッ ときてしまって」と懐かしそうに話す。 2年前の夏。悦子(鈴木杏)はいつものように元気よく部室にやっ てきた。ドアをあけるとボートウェア姿の中田三郎(田口淳之介)が いるので悦子は自然と笑顔になる。しかし、なぜかそばにちえみ(関 めぐみ)がいて、三郎にメモを渡している。受け取った三郎は嬉しそ うな表情を浮かべ、悦子はショックのあまりその場を走り去ってしま う。 その日の練習中、悦子たちはボート上で小休止をとっていた。夏も 終わりに近づいていることもあって、利絵(相武紗季)、多恵子(岩 佐真悠子)、敦子(佐津川愛美)、真由美(藤本静)は「もう、すぐ に秋がきて冬になる。そしたら地獄の陸トレや」「それが終われば 3年。そろそろ進路も決めんと」ととりとめのないことをしゃべって いる。その間悦子はじっと遠くを見ていた。視線の先には防波堤で何 か悩んでいる様子の三郎の姿があった。 大野コーチがトレーニングのため、ボートで海に出てくる。近々大 会を控えていたが、悦子たちは修学旅行と重なり、応援に行くことが できなかった。 部室では、恭一(北条隆博)が練習に来ない三郎に頭を悩ましてい た。ボート部に入ったものの、三郎は気まぐれで練習に来たり来なか ったりが続いていた。 浩之(錦戸亮)が「あいつに一言言ってやります」と憤慨するが、恭 一は「もうすぐ俺らも引退や、そしたらお前とあいつでひっぱらない と。多少のことは目をつぶってうまくやれ」と押しとどめるので、浩 之はしぶしぶ受け入れる。 三郎とちえみが仲良くしていたことを気に病む悦子に対して、利絵 たちは口々に大丈夫だと励ます。しかし悦子は「中田三郎は学校一人 気ある男の子や。お寿司で言えばイクラとカッパ巻きや」とすっかり 自信をなくしている。見かねた真由美が「修学旅行、チャンスかもよ」 と切り出す。利絵は「そうよ、自由行動一緒に行こうって誘ってみれ ばええねん」と乗れば、敦子も「大丈夫、悦ねぇは中田三郎と一番仲 がいいやない」と続く。多恵子が「そういえば、あいつ何かあるとよ く悦ねぇのとこ来るな」と思いついたように言えば、利絵は「そうや、 中田くんの一番は悦ねぇよ」と励ますので、悦子も「私が、一番……」 と笑顔が戻ってくる。 修学旅行当日、悦子は元気いっぱいに出かける。利絵たちは悦子に 三郎を誘えとプッシュする。悦子は動転してしり込みするが、勇気を ふりしぼって「中田三郎……もし、よかったら、自由行動……一緒に ……」と声をかける。しかし三郎は「決めた、会いに行く小百合に」 と突然言い出す。その様子を見ていた浩之はどこか気になるといった 顔で悦子のところにやってくる。悦子は「小百合って誰?」とびっく りする。すると三郎は「好きなんや。どうしても会いたい」と強い口 調で言い出す。 悦子はしょんぼりと歩いていて、しおりを落としても気づかない。 三郎が拾っていつもの笑顔で悦子に渡すが、悦子は小百合という女性 のことが気になってぎこちない。 大会が近づくにつれ、大野コーチは少々オーバーペースで調整して いるので、仁美は少し心配になる。大野コーチはこの大会に選手生命 をかけていた。 利絵たちは、落ち込んだ悦子のことが心配になり、三郎に小百合の ことを聞かせてほしいと頼む。すると三郎は、先日の対抗戦で小百合 を見かけたものの見失ってしまい、妹のちえみに小百合のことを聞き だしたということを話しはじめる。 お好み焼き屋メルボルン。大野コーチの激励会が開かれていて、大 勢の人が集まっていた。幸雄(大杉漣)、友子(市毛良枝)、キヌ (花村照子)、法子(浅見れいな)の姿もある。法子はその中にちえ みのすがたも見つけ、声をかける。 大阪。宿舎のホテルで三郎は小百合のことを悦子たちに話していた。 5歳年上で昔同じ絵の教室に通っていたという。2人は付き合っていて いつも一緒にいた。しかし小百合の大学受験を機に、小百合の両親が 三郎との付き合いに反対し、別れることになってしまった。そして小 百合は、最後にデートした地元の美術館のチケットの裏に“Someday, somewhere, by chance”と書き残して大阪の美大へ進学した。 三郎はちえみに小百合の住所を尋ねたが、ちえみは小百合と三郎が いつも仲がいいことをずるいと感じて教えようとしなかった。しかし 月日が流れ小百合も美大を卒業して仕事をしはじめたので、もういい かなという気になり、三郎に住所を書いたメモを渡したのだという。 三郎の「向こうはもう俺のことなどなんとも思ってないかもしれん。 でも会いたい」という強い思いを聞いて悦子たちは何も言うことがで きなかった。その夜、悦子たちは自分たちの部屋で腹筋をするが、 70回過ぎて利絵たちがダウンする中、悦子だけはもやもやを吹き払う かのように黙々とトレーニングを続けていた。 翌日三郎は浩之に小百合に会いに抜けるのでフォローを頼むと言う。 浩之はボート部に迷惑がかかるじゃろと迷惑がるが、三郎はそんなら ボート部など辞めてやると聞き入れない。浩之はしかたなく三郎のこ とを悦子に話し、女子部にも迷惑が及ぶかもしれないと済まなそうに 言う。しかし悦子は「そっか、行っちゃったんだ……」とうつろな眼 差しでつぶやくだけなので、浩之は「おまえ……」と悦子の三郎への 思いに気づく。 三郎は小百合のアパートに行くと、ちょうど小百合(石川亜沙美) は出かけるところだった。小百合は派手な服装をしていてかつての面 影がなく、三郎はろくに話もできずに戻ってきた。小百合は同棲して いる彼氏のために夜の仕事をしているとさらりと言い、三郎のことな ど眼中にない様子だったからだ。 その夜三郎は悦子たちにこのことを話し、「まあそういうこっちゃ」 と住所の書かれたメモを丸めて投げ捨てて部屋に引きこもってしまう。 悦子たちはみな重々しい気分になるが、利絵は三郎の捨てたメモを拾 い上げる。 翌日、利絵は三郎の捨てたメモを悦子に見せ、会いに行こうと持ち かける。悦子は抵抗するが、利絵は「悩みこんでいるより、実物見た ほうがええ」と強引に引っ張っていく。 浩之は根本(小日向文世)に電話して大野コーチの様子を尋ねる。 すると根本はここ数日のオーバーペースがたたったせいか、発熱を起 こしたと心配そうに伝える。 悦子と利絵は小百合に会いに行くが不在だった。しかし近所のおば あさんが「学校へ行っている」と教えてくれる。このおばあさんの話 によると、小百合は昼は学校に通いながら絵の勉強を続け、夜は仕事 をしながら寝る間も惜しんで絵を描いているということだった。もち ろん同棲などしておらず1人暮らしだという。 その夜利絵は多恵子たちに小百合の本当のことを話す。小百合は絵 の勉強を続けながらの生活のため1人でやっていくのが精一杯で三郎 に迷惑をかけるから嘘をついたのだろうという話を悦子はキットカッ トをやけ食い気味にほおばりながら複雑な思いで聞いていた。 悦子は「このこと聞いたら中田三郎喜ぶやろ」と三郎に話すつもり だが、多恵子は「言わんでええよ。嘘をつくにはそれなりのことがあ ってのこと。ええ機会やない、黙っとき」と止める。悦子はそれを聞 いて迷う。 翌朝、三郎は“Someday, somewhere, by chance”と書かれたチケ ットを見つめ、物思いにふけっていた。悦子は三郎に本当のことを言 おうかと思うが、三郎は「最終日じゃ、うんとはっちゃけて楽しもう や」と笑顔を見せるので、何も言えなくなってしまう。 大野コーチのレースの日がやってきた。注射をうって熱だけ下げた という大野コーチを見て、応援にきた根本、幸雄、隆博、ちえみたち は不安を隠せないでいた。仁美も不安で落ち着かずメルボルンに残っ て祝勝会(残念会)の準備を手伝っていて、緑(友近)や友子が応援 に行くようすすめても断る。 悦子たちは浩之に連れられてボート乗り場にやってきた。「そろそ ろボートが恋しくなるころやろと思ってな」と得意顔の浩之に、多恵 子は「アホか、ボートなんぞいつでも死ぬほど漕げるやろ!」と激怒 する。利絵や敦子、真由美も「ついてきて損した」とがっかりしてい る。 そんな中、三郎は悦子を誘って2人でボートに乗っていた。「こう してみると何かカップルチックやな」と笑いかける三郎に、悦子は舞 い上がってしまいボートを転覆させそうになる。「やっぱ中田くんの 一番は悦ねぇや」という利絵の言葉に浩之は「そ、そろそろコーチの レースや」と電話を探しに行ってしまう。 仁美は大野コーチのことが心配で手伝いに身が入らない。見かねた 友子が「行ってあげなさい」と声をかける。仁美はもし大野コーチが レースに負けて引退となれば人生が終わってしまうのではないかとい う恐怖感に駆られていた。しかし友子は「そういうときだからそばに いないと。夫婦ってそういうものよ。負けたとしてもそばにいるだけ でいいんよ」と諭したので、仁美はレース会場に向かうことにする。 浩之が根本に電話すると、ちょうどレースが始まったところだった。 大野コーチはやはり調子があがらず相手にリードを許す展開になる。 そこへ仁美が到着する。仁美は湖沿いに大野コーチのボートを追いか けながら「がんばっていきまっしょい!」と声援を送る。すると大野 コーチは徐々にスピードをあげて相手を抜き去り勝利する。大野コー チは歓喜のあまり雄たけびをあげる。 三郎はボートを乗り場につけると、手を差し伸べて悦子が降りるの を支えようとする。悦子はどぎまぎしておずおずと手を出して三郎に 助けてもらう。そこへ利絵たちが大野コーチの勝利を伝えにやってく る。悦子は大喜びし、仁美に電話して「おめでとうございます」と祝 福する。ふと仁美の「ありがとう」という声に涙が混じっているのに 気づいた悦子は「どうしたんですか?」と尋ねる。すると仁美は「え えもんやね、大切な人のとびきり幸せな顔見れるんは。ええもんやね」 としみじみと話す。 悦子はそれを聞くや「行こう、もういっぺん小百合さんに会って話 した方がええ」と三郎を引っ張っていく。 アパートにやってくると、ちょうど小百合が帰ってきたところだっ た。小百合は普通の服装だった。小百合は「ごめん」と切り出すが、 三郎は「わかっとる、全部聞いた」と押しとどめる。小百合は今しん どくて、誰かに寄りかかったらそのまま終わってしまう気がしてしま うこと、自分の夢を諦めたくないことを三郎に伝え、三郎も小百合の 気持ちを受け入れる。 帰り道、三郎は「あいつは1人で一生懸命やっとる、それに比べて 俺は胸張って言えること何もない。俺も進まな」と呟く。悦子は「も う……諦めるん?」とためらいがちに聞くと、三郎は「いや迎えに行 く。俺も自分の進む道ちゃんと決めて、いつかあいつを迎えに行く」 ときっぱり答える。そして「ありがとうな。俺がこの学校に入って一 番なのはお前に会えたことや」と笑顔になる。それを聞いた悦子は 「そんなん言わんでええよ、仲間やない」と笑って言うしかなかった。 その夜、ホテルのプールサイドで悦子は1人泣いていた。浩之がや って来て悦子の肩にジャージをかけ「なにやっとんじゃ。明日早いぞ、 はよ戻れ」とぶっきらぼうに言う。悦子はジャージにくるまりながら 「海のにおいがするね」と弱々しく言うと、浩之は「当たり前や、俺 は愛媛の男やけん」と答える。悦子は「帰りたいな、早く。帰りたい ……」と涙があふれ出そうになる。そんな悦子を浩之は「明日帰るや ろが。何間抜けたこと言うとるんじゃボケ」といつものように憎まれ 口を叩いて立ち去るが、悦子が何も言い返さないので、立ち止まって 心配そうに悦子を見つめる。 *------------------------------------------------------------* −さすがの悦ねぇもこのときばかりは、立ち直るのにたこ焼き24個 必要やったみたい。でもね、思うんよ、ガソリンやて。涙も、つらい 思いも、悔しい思いも劣等感も、マイナスな気持ちは次のレースのガ ソリンになる。だから恐がらなくてええんよ、傷つくことを恐がらな くてええんよ……。 *------------------------------------------------------------* 松山に戻った悦子たちは、猛練習に入る。練習がハードなせいか、 悦子は次第に腰に違和感を覚えるようになる。一方、男子部では人が 変わったように練習に打ち込む三郎の姿があった。 そして冬がやってきて、陸トレの季節になる。艇庫の扉を閉じなが ら、悦子たちは最後の大会の目標を日の出レガッタ(琵琶湖で行われ る全国大会)に定める。 高校3年の初夏。悦子たちは最後の大会本番を迎えた。悦子は腰に 強い張りを抱え、利絵の手はマメがつぶれて痛々しいものだったが、 それは大会にかける悦子たちの強い意気込みの現われだった。一足先 に琵琶湖行きを決めた浩之や三郎は自分たちの賞状とトロフィーを見 せびらかすが、それは2人なりの悦子たちへのエールだった。 予選会場には自家製の応援旗を振って熱烈な応援をする根本と幸雄、 それを微笑ましく見つめる友子、キヌ、法子がいる。そしてライバル ちえみの姿も。 *------------------------------------------------------------* −こうして悦ねぇたち3年間の集大成、全国行きをかけたレースが 今……始まったんよ。 *------------------------------------------------------------* レース開始の合図が鳴り、悦子たちは颯爽と漕ぎ出す。 寸 評 悦子の三郎への恋の話でしたが、少々話が淡白だったように思い ました。小百合という人物が唐突に出てきて、セリフだけで背景や事 情が説明されてしまい、深みがなかったように見えます。また仁美の ナレーションの“マイナスな気持ちはすべて次のレースのガソリンに なる”というところは言葉で済まさず、ドラマの中で描くものではな いかと思いました。 利絵の浩之への恋は絶えず悦子という存在が効いていて、利絵の複 雑な気持ちがよくわかるし、見ていて面白いのですが、悦子にとって 小百合は赤の他人的な位置づけですので、そこに深い葛藤や対立が見 えません。最後浩之がジャージをかけてやる場面はとても印象的でし たが、盛り上がりには欠けたように思えます。仮にちえみが元カノな ら悦子の複雑な思いが浮き彫りになりなかなか面白くなったように思 いますが、三郎が「あいつを迎えに行く」という結論には持っていけ ないと思います。今回は慌しく話が流れていきましたが、まさに例の 飲酒問題による降板劇の余波ということでしょうか。 執 筆 者 ケン() ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- ボートを漕いでいるシーンはスイスイ進んでいて爽快に見えますが、実際炎 天下の水上は灼熱地獄だと思います。私は数年前の夏、四万十川をカヌーで 10km漕いだことがあるのですが、太陽が水に照り返して暑くて喉が渇くし、漕 がないでいると流れが弱いところでは一向に進まず、ひたすらオールで漕いで いて終わったときには腕が棒のようになりました。(ケン) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |