メルマガ:わかっているのに逆らえない「心理トリック」
タイトル:わかっているのに逆らえない「心理トリック」  2005/08/04


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   わかっているのに逆らえない「心理トリック」 …[第2号]

                            (週刊)
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【 ご挨拶 】

発行人の 飯田 薫です。

人は、感情の動物です。
いくら、理性的に見えても、ちょっとしたトリックには
簡単に引っかかってしまいます。

「もうあと、一つしかありませんよ!」と言われた時、
「はやくしないと!」と急かされた時、
「誰にも言わないように!」といわれたとき
分かっている筈なのに、
いつの間にか相手に支配されていることは多いのです。

ここでは、様々な実例やテクニックをお伝えしたいと思います。
そして、他人に操作されるでなく、
自分自身を良く知る手がかりとされてみてはいかがでしょうか。

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【釣った魚を逃さないテクニック】


例えばあなたが、クルマを買い換えるとしましょう。
当初は予算の関係もあり、300万円クラスのセダンを考えていました。
予算は250万、下取りと値引きを合わせて50万円だと計算しました。
ところが一セールスマンが「下取りと値引きで80万は間違いありません」と
いうのです。もともとあなたが欲しいクルマ350万円クラスのセダンを
すすめるのです。
あなたは、もうすでに買ったつもりで恋人や友人に話しました。
ところが、翌日になってセールスマンは、首を覚悟で努力したが、どうしても
80万円での下取りは無理で、40万円が限度だというのです。
さて、あなたは、当初から考えていた300万円クラスのセダンを買うことにした
でしょうか。
それとも、40万円捻出してでも350万円クラスのセダンを買うことに
したでしょうか。

【断りにくくさせる心理】

最初に好条件を提示して相手をその気にさせてしまうと、
後からその条件をくつがえしても、相手はなかなかノーといえなくなります。
ローボール、つまり「低い球」とは、この最初に提示される好条件のことです。

本来とれないような高いボールなのに、とりやすい低いボールのように見せかけて、
そのボールを投げることにより相手の心を動かしてしまうテクニックです。

これに関して、おもしろい実験がありました。
心理学の講義の受講生に対して、
「心理学の実験に協力してください。これは、単位として認めています」といって、
参加希望者を募ります。

ほとんどの学生が実験への参加を申し出ました。
実験に協力しただけで単位になるのですから魅力だったのでしょう。

しかし、条件はまだありました。
「実は、実験は今週の水曜か金曜の朝七時から行ないます」と具体的な条件、
すなわち今週の水曜か金曜という急な話、そして朝早くという悪条件を提示します。

さて、あなたは、最終的にクラス全体の何パーセントくらいの人が
実験への協力を了承したと考えますか。

もちろん、断る人も出てきましたが、最終的にクラス全体の56パーセントが
実験への協力を了承しました。
別のクラスでは、最初から「今週の水曜か金曜の朝七時から行ないます」
という悪条件を提示しておいて実験への協力を要請しました。

その場合、実験への協カを了承したのは、クラス全体の31パーセントに
すぎませんでした。
ここで、ローボールテクニックの効果が証明されています。

冒頭クルマの話のように、好条件のもとで説得に応じてしまうと、
その問題に対してコミットメントが生じることになります。
コミットメントとは、好条件のもとですでに買った気になり、
恋人や友人にもそのことをいいふらすなど、その気になってしまっている、
という心理状態をいうのです。

こうした状態に置かれたあなたは、条件が変わった後、どうしたでしようか?
結局は、予算より50万円オーバーという違う条件でも
OKしてしまうことになるでしょう。

一度セールスマンにOKを出したことにより、
「断りにくい」という心理が働き、義務感が生じます。

この義務感に加え、さらに皆の前で話してしまったことを取り消せないという
あなたの自尊心も関係して、買うという意思決定をすると思います。

ただし、350万円のセダンはあなたにとって非常に魅力的な車である!
というのが、絶対条件ですけれど。

今日は、ここまで。
 

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