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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ ★ ☆ ◆個人特訓教室 メールマガジン◆ ★ ☆ ■■■■■「 PERSON to PERSON 」■■■■■ ★ ためになる教育マガジン ☆ ★ No.53 2005.8.1 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ http://tokkun.net ◎お 待 た せ! 夏 休 み 読 書 特 集 号!◎ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■特別企画■■■・・・・・・・・・・・・・・・・・『夏休み読書特集!』 ●ショートユーモア・・・・・・・・・・・・・・・・・『ちょっとスットコ君』 ●特別プレゼント ●お知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『夏期講習会募集中』 ●講師・生徒のメルマガ評 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ◆ごあいさつ◆ やってきました夏休み~!みんな元気ですかぁ~? 海で泳いでいる人、部活の合宿で鍛えられている人、おじいちゃん・おばあち ゃんちでくつろいでいる人、そして講習会で頑張っている受験生!今しかでき ないこと、夏休みならではの、思い出を作ってください。 さ~て、今月は特別編集で夏休み読書特集号です。当教室自慢の講師陣が厳 選した“おすすめ本”をご紹介します。2005年の夏、君の心をとらえて離 さない一冊にきっと出会えるはず。 では、小学生向けからスタートです。大人も楽しめるものばかりです。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< ■■■■■■■■■■■■■ 小学生向け ■■■■■■■■■■■■■■■ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ★『トムは真夜中の庭で』フィリパ・ピアス著(岩波少年文庫756円) 弟がはしかのため、トムはアパートに改造された古い家に住んでいる子どもの いないグゥェンおばさんの家に預けられます。そのアパートにある古時計が、 真夜中に13も時を打つのを聞きます。外へ出ると、昼間にはなかったはずの 庭園があり、トムはその庭にいる少女、ハティーと友だちになります。トムの ことはハティーしか見えません。二人は仲良く遊びますが・・・。結末は驚く 内容なのでここでは語らないでおきます。子ども向きですが、大人が読んでも 昔を思い出し、懐かしくなる一冊です。(関根先生) ★『もう一度キックオフ』風野潮作 真咲ナオ絵 (岩崎書店 1260円) 主人公のハルは、“女はダメ”と中学のサッカー部で門前払い。ところが突然、 彼女の身体に、事故で植物状態になった元Jリーガー、友也が乗り移り、ケタ 違いのプレーをするようになります。ハルも兄を亡くし、母子家庭で暗い生活 を余儀なくされていた中、友也のサッカースピリットに刺激され、希望がよみ がえります。入部を許されたハルは、大活躍。ゲームシーンは、臨場感にあふ れます。プレー場面とは対照的に、身体を共有するハルと友也の毎日はドタバ タの連続でほほえましい。二人の運命に最後までひきつけられ、楽しく、悲し く、すばらしい一冊です。(光岡先生) ★『四日間の奇蹟』浅倉卓弥著(宝島社文庫 725円) 映画化され、テレビでも多く宣伝されていましたので、ご存知の方も多いと思 います。映画の方は分かりませんが、原作である本書は間違いなく面白く、と ても読みやすくなっています。脳に障害を持ったピアニストの少女と挫折した ピアニストとの出会いと交流そして、ある山奥の診療所で起きた不思議な体験 に感動します。ファンタージーと言ってよい内容です。読後にはクラシックを 聞きたくなることでしょう。(伊藤先生) ★『世界史映画教室』家長知史著(岩波ジュニア新書 780円) 歴史を題材にした映画はいつの時代の作品も、どの地域の作品も面白い。最近 ではトロヤ戦争やアレキサンダー大王を題材にした映画が上映されていました ね。本書は、「天地創造」「三国志」などの古代の作品から始まり、「シンドラー のリスト」や「キリングフィールド」など、現代の作品まで、映画で採り上げ られた歴史を映画に即して分かりやすく解説してくれています。歴史好きはも ちろん、世界史をこれから勉強する人にもオススメです。(逢坂先生) ★『あすなろ物語』井上靖著(新潮文庫 460円) 井上氏の自叙伝ともいえる小説です。少年時代から成人になるまでを描いた6 編から成っています。大人が読んでももちろん面白いのですが、6編のそれぞ れの時代にあった、それぞれの年代の人が読まれると、主人公の気持ちや感情 がよりストレートに伝わってくるのではないでしょうか。出会いや関わり、別 れを交え、あすなろうと必死で生きる姿はとても好感が持てます。(伊藤先生) ★『海底2万マイル』ジュール・ベルヌ著(講談社青い鳥文庫 651円) 子供の頃、宇宙や海洋にあこがれた。海洋は、スケール的には宇宙に比べはる かに小さいが、その神秘さ、奥の深さは引けをとらない。多様で豊富な生物が いるからである。さて、この物語では、巨大鯨が出没するという噂を聞きつけ た主人公が退治しに行くわけであるが、それは実は社会と縁を切った男が作っ た巨大な潜水艦だった! もちろん退治できるわけもなく、逆に潜水艦にとら われてしまう。その後、潜水艦で広大な海洋を回るわけだが、そのスケールの 大きさは感動的である。なお、同じジュール・ベルヌの「神秘の島」、「地底 探検」も夢あふれる物語である。ちなみにジュール・ベルヌの作品は、実際に ロケット開発のヒントとなった。(守川先生) ★『1リットルの涙』木藤亜也著(エフエー出版 1223円) 本書は約20年前に出版されたものですが、最近映画化もされ、文庫版も出た ようです。内容は難病と戦う少女の日記です。少女が生きることを願い、必死 になって戦う姿に純粋に感動し、彼女が日々感じる想いが綴られる内容に感心 し、彼女を介護する母親の姿に偉大さを感じ、健康でいることのありがたさを 痛感します。生きたくても生きられず、短い生涯だった一人の少女の生き様を 小中生の皆さんに知って欲しいと思わずにはいられない一冊です。(伊藤先生) ★『泣いた赤おに』浜田広介著 梶山俊夫絵(日本の童話名作選 2100円) 有名な広介童話の代表的な作品で、小学生の低学年の頃に何度も何度も読んだ 覚えがあります。先日久々に実家に戻って部屋を片付けていたら思わぬ宝物を 発見!懐かしさのあまり読み返してしまいました。良い本は何度読んでも、い つ読んでも心の栄養を与えてくれるような実感を得られます。哀しい話なのに とても味わい深い名作ですね。(逢坂先生) ★『太陽の子』灰谷健次郎著(角川文庫 648円) 今から60年前(みなさんのおじいさん、おばあさんが子どもだった頃)まで、 日本はアメリカや中国などの国々と戦争をしていました。今から妬く35年前 (私が産まれた頃)まで、沖縄は日本ではなく、アメリカに属する地域でした。 『太陽の子』は、戦争体験の記憶を持っている人々がまだたくさん生きていた 1978年に出版された本です。『太陽の子』の舞台は神戸で、主人公のふうちゃ んのおうちは沖縄料理屋さんなので、関西弁や沖縄の言葉が小説の中にたくさ ん出てきます。心の病気にかかっているお父さんや乱暴だけどやさしいふうち ゃんのまわりの人々は、生きていくのが大変そうですが、「大切なこと」を知っ ている人たちです。世界が多様であるだけでなく、日本も多様であること。ど んなことが人を傷つけ、また、傷ついてしまったときにどのように生きていく のかということ。ふうちゃんに教えてもらってくださいね。(野口先生) ★『放課後の時間割』岡田淳著 (偕成社 1050円) 数々の児童文学賞を受賞している著者ですが、本書もそれにふさわしいすばら しい一冊です。毎週一回放課後に図工の先生である“ぼく”に、その学校にず っと前からいる一匹の“学校ねずみ”がさまざまな伝説を語ります。笑える話、 悲しい話、不思議な話がありますが、どれも学校という特殊な時間と空間をど ことなく感じさせる物語です。“ぼく”が異動になって、学校ねずみと別れるこ とになるラストは見事です。実に感動的です。(光岡先生) ★『ライオンボーイ 消えた両親の謎』『ライオンボーイⅡ-奇跡の翼』 ジズー・コーダー著(PHP研究所 各1995円) ネコの言葉を話すことができる少年の冒険物語です。何者かにさらわれた両親 をネコ、そしてライオンの協力を得て探す旅に出ます。旅先で出会う様々な人 物、襲いかかる危機にもめげず、少年が賢く活躍する姿にぐいぐい引き込まれ ます。勇気、愛情、友情に満ち溢れた感動作品です。現在は2巻まで出ていま すが、7月25日に完結編となる第3作が発売されます。(伊藤先生) ★『スヌーピー』チャールズM.シュルツ/谷川俊太郎=訳(角川書店1008円) スヌーピーの漫画を楽しみながら同時に英語も勉強できる、というのが売り文 句なのですが、英語の部分は無視して漫画を日本語訳で読むだけでも十分ため になると思います。笑わせるだけでなく、時には考えさせてくれ、時には泣か せてくれます。わかりやすさの裏に隠されているメッセージは結構深いものが あります。英語を習い始める頃に今度は英語の部分にも目を通してもう一度読 んでみるのも良いと思います。(福原先生) ★『ぶらんこ乗り』いしいしんじ著(新潮文庫 500円) ブランコが得意な小学生。あるときブランコから落ちて声を失ってしまう。話 をしようと声を出すと、それはそれは恐ろしい音がでる。しかしこの少年は動 物と話ができ、いろいろな作り話を教えてくれる。こんな少年がどこかで本当 にいるような、近くにいるような。挿入された少年の作り話は最高に面白いが、 進行する話とのギャップがたまらなく悲しくもある。とても切なく、愛しく、 不思議な物語。(伊藤先生) ★『決定版2001年宇宙の旅』アーサー・C・クラーク著(ハヤカワ文庫672円) 映画化されて有名な物語であるが、非常に奥が深い。もちろん2001年のはるか 前に書かれた作品で、物語の中では実際の2001年よりも技術が発達している。 壮大な太陽系内の旅、高度なコンピュータの反乱、人を冷凍して冬眠させる技 術、発想の豊かさに驚かされる。人類発展の節目であらわれる「モノリス」が 何を象徴しているのか、奥が深い。ただ、小学生にはちょっと難しいと思いま す。なお、この続編である「2010年宇宙の旅」も面白い。(守川先生) ★『凛の国』前野徹著(青春出版社 1575円) 筆者が子供たちに語りかけている文体ですので、とても気楽に読むことができ ます。日本の歴史、文化、伝統を子供たちに伝えたいという思いから書かれた ものです。歴史認識については学校では教えてくれない真実や、子供たちが誇 りと自信を持った日本にしたい、またそうあって欲しいという願いが込められ ています。本書を読んで、私たちの国について考えるきっかけとなれば、とい う願いと期待を込めて紹介しました。(伊藤先生) ★『盲導犬クイールの一生』石黒謙吾著 (文藝春秋 630円) 厳しい訓練を受けて、人間のために献身的に一生懸命働いてくれている盲導犬。 盲導犬クイールの生まれた瞬間から最後までの一生の記録を中心に、そのまわ りをとりまくさまざまな人々たちのことも記しています。テレビでもドラマ化 され、数年前に発売された本ですが、最近文庫本でまた出版されました。写真 も今までのものより増えていますし、ふりがなもたくさん打っているので子供 でも読みやすい本です。泣かないで最後まで読めるでしょうか。(門田先生) <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< ○●○●○●○●○●○●○ 中・高校生向け ●○●○●○●○●○●○● >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ★『聖少女』 倉橋由美子著(新潮文庫 336円) この国では世界に対する知的な批判や、言葉をレンガのように積み上げて作ら れた文章の構造美だと考える作家は少数派に属していると言えるでしょう。倉 橋由美子は、そうした数少ない作家の1人であり、女性作家ならではの女性的 なセクシュアリティな表現と辛辣なアイロニーと寓話風の虚構を武器として、 共同体の馴れ合いを鋭く指摘し、制度や常識を見事に揺るがせてみせます。そ して何よりそうしたグロテスクでおぞましい虚構を膨らませて行く過程で、常 にそれとせめぎ合い、統御する聡明で知的な文体こそが彼女の小説の魅力であ り、そこに築き上げられた誰にも属さない彼女独自の小説世界は、今までとは 異なる読書体験をもたらしてくれると思います。(亀山先生) ★『世にも美しい数学入門』藤原正彦・小川洋子著(ちくまプリマ-新書798 円) 『博士の愛した数式』の著者と数学者との対談です。数学の美しさについてお 二人が分かりやすく語っています。難しい公式もそれほどなく、「へぇ~そうな んだ」と思わせる内容やエピソードが盛りだくさんです。数学が好きな人はも ちろん、嫌いな生徒も肩肘張らず、興味深く読むことができます。また、上記 の『博士の~』を読まれた方はより楽しむことが出来ますし、まだの方はきっ と読みたくなると思います。(伊藤先生) ★『バカなおとなにならない脳』養老孟司著(理論社 1260円) 『バカの壁』がそれこそバカ売れ、あまりにも次々と著作が出されて、とても 読んでいられないのですが、良い本を見つけました。子供の質問に答える形で 書かれているのですが、ナイーブさにも、おもねることのない明確な答え方が 印象的です。子どもに対して、“それは君の考えが足りない”“屁理屈ばっかり 並べても…”“そんなぜいたく言って…”など。『なぜまわりの大人はこんなこ とも教えないんだ』といういらだちも感じます。脳のしくみにからませての話 もおもしろく、感心することしきりでした。(光岡先生) ★『偉大なる敗北者たち』ヴォルフ=シュナイダー著(草思社 1700円) 不思議なことに権力争いだけでなく、スポーツのような勝負事でも、輝かしい 成功を収める勝利者よりも、才能に恵まれながらも「負け組」となってしまっ た敗北者に多くのドラマ=共感を覚えます。本書は世界史上の敗北者たちを題 材に、彼らがなぜ転落してしまったのか、また、成功するチャンスはあったの かを検証します。世界史的な知識が無くてもひとつのドラマとしてすでに完成 されている「作品」で、高校生にお奨めです。(逢坂先生) ★『善悪ってなに?働くってどんなこと?』小浜逸郎著(草思社 1260円) 多くの哲学者が中学生に分かるような哲学の本を書きたいと願い、実際に出版 され、私もいくつか読みましたが、やはり難しい。興味のある生徒に対してさ え“わかりやすい”と勧められる本を私は知りません。本書が見事にそれに成 功しています。普通の子供との対話形式で、素朴な質問が次々と発せられます。 子供相手だからといって、決してレベルは落としていないそうです。幸せって なに、どうして働くのだろう、良いこと悪いことってなんだろう、と疑問に思 うことのある生徒には強くお薦めします。(光岡先生) ★『インストール』綿谷りさ著(河出書房新社 1050円) 「蹴りたい背中」で芥川賞受賞の作者ですが、17歳のときに、この作品で文藝 賞もとっています。内容はというと、受験勉強にもやもやしている女子高生と、 妙に大人びたパソコンオタクの小学生が、風俗チャットでひと儲け・・・てな 感じです。登場人物が「どこにもいけない」もやもや感を非日常の中で再イン ストールしていく姿は、テンポの良い文体と共にとても爽快。高校生(特に女 子高生?)はきっと共感しまくりですよ。既に読んだ人、映画化した方を見た 人、色々いると思いますが、改めてお奨めです。(新藤先生) ★『漢文力』加藤徹著 (中央公論新社 1890円) 様々な問題にぶつかった時、古典をひもとき、解決のヒントをつかむ。それこ そ教養ある人の生き方だと言えますが、本書は“孫子”“荘子”“老子”など中 国の古典にあまた含まれているその先人の思索を紹介したものです。私も類書 を何冊か読みましたが、本書がずば抜けておもしろいと思います。日本の文学 や伝説と比較したり、宇宙から、キティーちゃんまで、話は無限に広がるかの ようです。現代の中国人にも読ませたい(笑)。(光岡先生) ★『宇宙からの帰還』立花隆著(中公文庫 840円) 宇宙飛行士が、宇宙から帰ってからの価値観の変化や地球に対する思いの変化 が書かれています。宇宙について書かれた本は科学技術について書かれるケー スが多いのですが、この作品は宇宙飛行士が宇宙に行った体験を直感的に語っ ているので、科学が苦手な人でも宇宙の神秘的な姿を感じ取れると思います。 この作品が発表されてからかなりの時が経っているのですが、現在でも新鮮さ を感じる面白い作品です。(藤田先生) ★『天才の栄光と挫折~数学者列伝』藤原正彦著(新潮選書 1155円) 数学者の天才数学者9名の生涯を逸話やエピソードをふんだんに交え、描いた ものです。天才と呼ばれた数学者たちの苦悩や人間味あふれる姿はどこか親近 感を持たせてくれます。しかしそれぞれの時代や環境により、人生が大きく翻 弄されるところもあり、天才たちの運命を感じずにはいられません。数学に興 味があるなしに関わらず、偉人伝としても最高です。本書はNHK『人間講座』 のテキストに加筆したものです。(伊藤先生) ★『スパイス戦争』ジャイルズ・ミルトン著(朝日新聞 2940円) 大航海時代、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダなどが胡椒やナツメ グなど東インド諸島の香料を巡って繰り広げた争奪戦を描く歴史小説風ノンフ ィクションです。肉の防腐剤としてヨーロッパでは非常に貴重なナツメグが、 東インド諸島では、ただ同然で入手できたため、各国は命がけで争いました。 彼らの冒険心や勝負の徹底振りにはため息が出ます。イギリス船に乗った日本 人傭兵が登場しますが、あっさり殺されてしまいます。1600年前後朱印船に乗 った人々が巻き込まれていたのです。このヨーロッパが日本にまで手を出して いたら…、考えるとぞっとします。(光岡先生) ★『ケータイを持ったサル』正高信男著(中公新書735円) 「ケータイを持ったサル」と言われると、どうせ私たちケータイ世代は、地べ たにも平気で座れる猿頭ですよ、と、反発したくなる。が、この本は「若者は、 猿のように頭も行儀も悪い」なんて生易しい評価では済まさない。なんと霊長 類研究所の教授をして「若者は、ニホンザルと行動形式が似ている」と言わし めているのだから、大変だ。「ニホンザル」なんて言わせてなるものか、とい う気迫で一読あれ。(大友先生) ★『歴史の方程式』マーク・ブキャナン著 (早川書房 2415円) 物理の本ですが“物理の問題は歴史を抜きに扱えない”と、まずは意外なこと を指摘します。例えば地震予知など、地震のしくみも、プレートの位置も分か っていますが、過去のデータからの地震予知は不可能だと断言します。その根 拠となるのが、物理の単純なモデル実験から得られた知見で、読者をあっと言 わせます。歴史の方程式はあるのかという大きな問いかけに対して、その鍵が 『べき乗』にあることを明かします。驚くべきことは、自然界のこの法則がつ い最近分かったというだけでなく、人為的な戦争や他のものにも多く当てはま るということです。非常に面白く読めました。(光岡先生) ★『日輪 春は馬車に乗って 他八編』横光利一著(岩波文庫 600円) たまたま馬車に乗り合わせた人々がなすありふれた農村風景が、居眠りする御 者の失策によって、一瞬のうちに崖からの転落という最悪の結末へと転換する、 その一部始終を目撃したのが、蜘蛛の巣にかかって危うく死にかけた前歴を持 つ「目の大きな蝿」だけであるいうアイロニー、哀れな犠牲者それぞれが集ま ってくる場面を淡々と連ねた後、クライマックスの事故をクローズアップのよ うに写しだす映画的な視点等々、今でも新しい小説技法に満ちた『蝿』、妻の病 気と死という現実の経験を決して、私小説的な生々しい悲哀と苦痛の告白では なく、側にいて欲しいと求める妻と「それは檻の中の理論である」と応酬する 夫との伴う対話で暗示しつつ、大正時代における新しい夫婦関係のあり方を提 示しようとする『春は馬車に乗って』など、どの作品も間違いなく面白いと思 います。(亀山先生) ★『絵でわかる相対性理論』小暮陽三著(日本実業出版社 1223円) 相対性理論とくれば、アインシュタイン。しかも難しそう・・・と思いがちだ が、特殊相対性理論に限って言えば、高校数学で十分理解できる学問。一般相 対性理論は、ちょっと難しい。本書では、相対性理論の予言する不思議な現象 を分かりやすく解説している。相対性理論の扱う世界は光速に近い世界、重力 がものすごく大きい世界、宇宙の始まりなどである。高校生でも十分読める本 だと思います。面白いし。ちなみに宇宙の始まりはまだよく分かっていません。 素粒子理論待ちです。(田部井先生) ★『挽歌』原田康子著(新潮文庫 580円) 戦後の復興が終わり、更に発展を続ける昭和30年頃の北海道釧路。ヒロイン 怜子は左肘に障害をもつ22才。学校も行かず、仕事もせず、ただ漠然と恋愛 に憧れをもって毎日を過ごしていた。そんなある日、年の離れた設計技師、桂 木と知合う。彼には妻子があった。その夫人、あき子が医大生と歩いていると ころを偶然目撃してしまう。最初は同情から桂木に近づくがやがてそれは愛情 に変わっていく・・・。若さのもつ脆さ、奔放さ、残酷さがラストで悲劇的な 結末を・・・。女と男ってむずかしい・・・。(横尾先生) ★『碁を打つ女』シャン・サ著(早川書房 1995円) 昭和初期の満州国、日本人将校と中国人少女の物語です。二人が数ページずつ、 交互に自分の人生を語る形で、二つの物語が別々に始まります。それぞれが独 立した本であったとしても、おもしろそうな労作で、やっと二人が出会うのは 物語の後半。過酷な現実、激しい動乱、微妙な自分の心理を、抑揚を押えた文 体で描き、読み手をひき込みます。ほとんど無言で対局を繰り返していただけ の二人が、満州の状況が風雲急を告げる中で互いを頼らざるを得なくなり、衝 撃的なエンディングへとつながります。筆者はフランス在住の中国人で、その 才能にため息が出ます。(光岡先生) ★『昔話の森』野村純一著(大修館書店 2625円) 子どもの頃聞いたり読んだりした昔話を研究する学問があります。この本は代 表的な話を取り上げ、昔話の起源を探っています。例えば「桃太郎」はおじい さんが山へ柴刈りに行き、おばあさんが川へ洗濯に行くと桃が流れてきて、桃 を割ると桃太郎が生まれ、鬼退治をしたというのが一般的に知られている話で す。しかし、全国では多種多彩な話が語られていました。様々な資料を挙げ、 作者は「桃太郎」の原型は山中の異童子ではないかと論じています。研究書で すが、ソフトな語り口のため読みやすいと思います。(関根先生) ★『ビルマの日々』ジョージ・オーウェル著(彩流社 2625円) オーウェルの作品はどれもこれも大変印象深いのですが、特に感動したのが、 デビュー作である本書です。特別待遇の白人としてビルマにやってきたイギリ ス人の目を通して、アジアの植民地に存在する不合理な現実を描きます。支配 する人、される者、それを望む者、苦しむ人、その人々が繰り広げる、欲望、 陰謀、嫉妬、裏切り、復讐などの要素が折り込まれたドラマです。引き込まれ ると同時に考えさせられます。またオーウェルは名文家としても知られます。 英語に自信のある高校生はぜひ原書を読むことをすすめます。(光岡先生) ★『本を読む女』林真理子著(新潮文庫 460円) 主人公の万亀はただただ本を読むのが好きなだけの女の子。しかし突然の父の 死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれて しまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に 押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に生きていく主人公。その奥底に 秘めた深い信念は現代を生きる私達に少なからず勇気を与えてくれます。一人 の文学少女の半生と昭和という時代を描いた力作。(矢野先生) ????????????????????????????????????????????????????????????????????? ■■■■■■■■■■■■■■ スットコ君 ■■■■■■■■■■■■■ ????????????????????????????????????????????????????????????????????? ◎ここでちょっとブレイク、スットコタ~イム<^!^>。うれしいですねぇ~、特 別号にも載せてもらえるなんて(^_^)v。笑いで暑気払いだ! \(⌒∇⌒(⌒∇⌒(⌒∇⌒)⌒∇⌒)⌒∇⌒)/ そ~れ! ★★返事しなさい★★ 生徒A『明日保健のテストなの』 生徒B『どんな範囲なの?』 生徒A『人工呼吸とかのこと。手順とか覚えないといけないんだ』 先生『昔習ったことあるなー。どういう順番なの?』 生徒A『えっと、まず”死んでますかー”って聞くの』 (日直:うそだ~(笑)びっくりして、『ハイ!』って言っちゃいそうです) ★★信じましょう★★ 講師『宗教って知ってるかな?』 生徒『なんとなく…』 講師『世界三大宗教っていうのがあるんだけど、“何きょう”か言えるかなぁ?』 生徒『う~ん、べんきょう?』 (日直:我々も熱心な信者ですね(笑)) ★★ハッピーバースディ★★ 中学1年生に食塩水の問題をカルピスで説明しようと・・・ 先生『カルピス、作ったことあるだろ?』 生徒『はい、誕生日とか、いつもより、カルピスの原液を多く入れて濃く作る んですよ。やっぱ、美味しいですよね?』 (日直:く~、いいですねぇ、このささやかな楽しみ!) ◎スットコ君は\(゜ロ\)(/ロ゜)/おいといて さぁ後半まいりましょう。大学生・一般向けからです。 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< ★★★★★★★★★★★★ 大学・一般向け ★★★★★★★★★★★★★ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ★『教養主義の没落』竹内洋著(中公新書819円) 「教養主義」という言葉が人々の口に上らなくなって久しい。「教養」という 言葉そのものも、「常識」などの言葉に飲み込まれ、使う機会が少なくなった のではないか。「学生として読んでいなくては恥ずかしい本」というのが何冊 もあった時代。社会主義と宗教的精神修養がが、交互にもてはやされた時代。 あの時代を垣間みれば、おじさんたちが声高に叫ぶ「思想」の正体が、少しわ かるかもしれません。日本史に明るい高校生から大学生向け。(大友先生) ★『ひねくれ一茶』田辺聖子著 (講談社文庫 900円) 松尾芭蕉とともに日本を代表する俳人・小林一茶の一生を描いた長編小説です。 芭蕉の俳句は崇高過ぎてよく理解できない私ですが、一茶の作品は人間味あふ れていて親近感がわきます。子供の頃、なかば追い出されるようにして江戸の 奉公に出て以来、苦労に苦労を重ねる一茶の道程を辿って話が進んでいきます。 どこか屈折していて、劣等感を隠せず、俗っぽい欲望に縛られて・・・。共感でき る部分が結構見つかるかもしれません。(福原先生) ★『チェーン・スモーキング』沢木耕太郎著(新潮文庫 460円) タバコを吸わない作者のエッセイ集なのにチェーン・スモーキング。それだけ でもちょっと気になりますが、何より感心するのはどれをとっても「小説のよ うに描かれたエッセイ」だということ。エッセイだけど、物語のように構成と オチがしっかりしているのです。タイガー&ドラゴン効果で、ちょっとした落 語ブーム?の昨今ですが、話のオチってやっぱり大切ですよね。ドラマの中で は岡田君が異様にこだわってます(笑)。クドカン(宮藤官九郎)ドラマの推薦 みたいになってしまいましたが、沢木さんの知的なオチのつけかたを、ぜひ堪 能してみて下さい。お奨めです。(新藤先生) ★『分断されるアメリカ』サミュエル・ハンチントン著(集英社2960円) 『文明の衝突』で世界を驚かせた筆者が“自分の国”アメリカを分析、憂いを こめた一冊で、文明の衝突よりも平易な言葉で書かれています。“アメリカは理 想の国ではないが、建国の理念は理想的だ”そして“その民主主義国家アメリ カを維持しようとすれば、どうしてもプロテスタント(白人)中心の秩序が必 要だ”というようなジレンマを表明します。人種差別主義者という批判を甘受 してでも書くのだという危機感があるのでしょう。アメリカはまだまだできた ばかりの国で、変化の余地がかなりあるのだと認識させてくれます。原題は『W ho are we?』。私たちは何者なのかというのが氏の問いかけです。(光岡先生) ★『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』山田真哉著(光文社新書 700円) あの『女子大生会計士の事件簿』の作者が書き上げた会計の入門書のような本 です。さおだけ屋は、商品が全く売れている様子は無いのに商売として果たし て成り立つのか??などといった身近なフシギから話を起こして、会計の基礎 と企業や家計のあり方を分かりやすく解説してくれます。会計学には一切触れ たことがない私でもかなり面白く読めた一冊です。肩の力を抜いて読んでみて ください。大学生にお奨めです。(逢坂先生) ★『封印される不平等』橘木俊詔他著(東洋経済新報社 1890円) 経済学者の橘木氏を中心に、教育学者の苅谷剛彦氏、ジャーナリストの斉藤貴 男氏、社会学者の佐藤俊樹氏、いずれも“不平等”に関する著作がある4人の 座談会を収録した第1部と、現状を分析した第2部からなります。親の収入が 子供の教育の格差に直結するという不平等、税制(主に相続税)の不平等。未 曾有の就職難に遭遇している若者(フリーター)は、数年で熟練労働者になれ なければ、生涯、低賃金に甘んじるという不平等や年金問題など、世代間の不 公平があります。同じ"不平等"を扱う専門家どうしでも『スウェーデンは福 祉国家』などといった一般的なテーゼにおいて、かなり見解が異なるのも興味 深く、この問題の複雑さ、深刻さを痛感します。(光岡先生) ★『ねじまき鳥クロニクル第1~3部』村上春樹著(新潮文庫540円~740円) 全3冊の大作ですが、ページ数の多さを感じることなく、一気に読めてしまう 面白さがあります。登場する人物の面白さはもちろんのこと、とにかくストー リーが私には最高でした。奥さんを助けだす(見つけ出す)という話だけでは ない奥行きの深さや、挿入されるいくつもの話に圧倒される感じがします。ご 夫婦一緒に読まれると良いかもしれません。これが村上春樹ワールドなのか・・・ という作品です。(伊藤先生) ★『社会調査のウソ』谷岡一郎著(文春新書 690円) 極端な例として『日本はすぐに核兵器を持つべきだ』という主張の人が、その 支持を求めてアンケート調査をする。もちろん実際には多数の国民は反対だが、 調査にさまざまな仕掛けを施すと、真実とは逆の“世論”を作り出せてしまう。 本書はメディア、特に大新聞が自分の主張を裏付けるための、デタラメ・ヤラ セ調査を糾弾します。朝日新聞と読売新聞の憲法改正に対するアンケートの問 い方を並べて批評を加えたものは圧巻でした。メディアリタラシーが大いに重 要な今の時代、こういう方が絶対に必要です。名著です。(光岡先生) ★『邂逅の森』熊谷達也著(文藝春秋 2100円) マタギを生業とするひとりの人間の生き様を描いた作品です。熊や鹿の狩猟と いう自然を相手にするマタギの厳しさとともに、大自然に対して畏敬の念を抱 かせ、実に雄大な物語になっています。本書はマタギという世界だけの内容で はなく、夫婦愛や主人公、連れ合いの生き方や絆など、感動できるところがふ んだんにあります。登場人物も全て魅力的であり、また特に熊と一対一で戦う シーンは読みごたえ満点です。(伊藤先生) ★『デュシャンは語る』マルセル・デュシャン・聞き手 ピエール・カバンヌ 訳 岩佐鉄男・小林康夫(ちくま学芸文庫 998円) 大学に入学してすぐ、一般教養の「美学美術史」の授業。妙に印象に残った作 品があります。デュシャンの「泉」。ご存知の方も多いかと思いますが、念のた めに一言添えておきますと…この作品、一見すると、なにやら現代的なフォー ムの先鋭造形芸術のように見え、「へぇ、面白い材質だなぁ、それに形も独特だ し…、へえー。でも、どこか見覚えあるような…」という類の感想を抱くので すが、次の瞬間「あっ!!」と気付くわけです。「あっ、これ。便器だぁ~!!! なんじゃこりゃ!?なんじゃこりゃ!?」と。現代芸術の足跡を、一人の芸術 家の生涯から感じ取ることのできる対話集だと思います。僕は結構好きです。 (徳永先生) ★『経済物理学の発見』高安秀樹著(光文社新書 760円) 物理学で扱う、カオスやフラクタルの理論、手法を用いて、それを経済学に応 用しようとする新しい学問が注目を浴びています。エコフィジックスと呼ばれ るまだ10年ほどしか経っていない若い分野ですが、すでにかなりの業績を挙げ ています。バブルや市場の乱高下など、これまでの経済学の論理では“例外” として扱われていた現象を科学的に分析したりします。他に何ができるのかは 本書を読んでのお楽しみです。わくわくさせてくれる入門書です。(光岡先生) ★『天国で君に逢えたら』飯島夏樹著 (新潮社 1260円) 世界的なプロウィンドサーファーであった著者は、2002年6月に肝臓ガンに侵さ れ2004年5月には医師より余命6カ月の宣告を受けました。闘病生活の中で執筆 活動に生きがいを見出しその処女作がこの作品です。医師と癌患者、そしてそ の家族の人間模様を描いたラブストーリーなのですが、「ガン」や「死」とい う重く深刻なテーマを扱いながらも、悲壮感や重苦しい雰囲気を感じさせずに ストーリーは展開していきます。しかし、当事者だけしか分からない心の痛み が文章の中に感じられ、やりきれない気持ちも沸きあがってきます。"クオリ ティー・オブ・ライフ"この言葉の持つ意味を深く考えさせられる作品でもあ ります。映画やドラマ的なラブストーリーはちょっとと言う人にもこの作品は おすすめできます。 残念ながら、著者は2005年2月28日にハワイにて永眠され ました。(鮓谷先生) ★『アメリカの鏡・日本』ヘレン・ミアーズ著(角川書店 781円) ヘレン氏は戦後、GHQの労働諮問委員会11人のメンバーの一人で、戦後日本 の労働基本法の制定にもかかわっていました。日本、中国にも長く滞在し、当 然アメリカ軍の占領政策を実行する側の一員です。本書で、日本がなぜこのよ うな戦争を行なったかを冷静に分析したうえで、自分達が裁く側にまわったこ とに、アメリカ人の信奉する法と正義の哲学に著しく反していると明言してい ます。本書は東京裁判の判決の年に書かれたもので、アメリカ人の一部にこう した考えがあることは、注目に値します。つい最近、私も本書の存在を知りま した。長く伏せられていたのは、本書を精読したマッカーサーが、本書は公共 の安全を脅かすという理由で、出版を許さなかったからです。(光岡先生) ★『食肉の帝王』溝口敦著(講談社 1680円) 本書はBSE問題の折、牛肉偽装容疑で逮捕された朝田満を描きます。日本を 代表する食肉取り扱い業者ハンナングループの総帥、大阪出身、中学中退後、 丁稚から、暴力と政治力を駆使、食肉のネットワークで巨万の富を築き上げま した。鈴木宗男などは完全に舎弟扱い、大阪府元知事の横山ノックや、驚くこ とに、太田房江現知事すら、自宅に呼びつけるという想像を絶する人物です。 筆者によれば、彼の成長を支えたのは、何と部落解放運動や同和問題だという ではありませんか。裏社会が表とどうつながっているかに関して、かなり衝撃 を受けた一冊です。(光岡先生) ★『広辞苑の嘘』谷沢永一・渡部昇一著 (光文社 1260円) 日本を代表する辞書であり、普段何の疑いもなく使っている広辞苑ですが、そ の誕生から現在に至るいきさつなどを本書で初めて知ってからは、辞書といえ ども100%信頼はできないと考えるようになりました。保守派を代表する論 客2人が「ここが変だよ広辞苑」とばかりに鋭く切り込んでいます。中には言 いがかり的な暴論も散見されますが、思いっきりの良い物言いは痛快ですし、 辞書に対する見方を変えてくれる一冊です。(福原先生) ★『反日からの脱却』馬立誠著(中央公論新社 3045円) 中国人民日報の高級評論委員の馬氏が書いた3本の論文から成っており、表題 はその一つです。私は書名から、以前韓国で出版された『親日派のための弁明 (金完燮)』のように、中国にも日本擁護論を表明できる土壌ができたのかと 思いましたが、全く違いました。一言で言えば中国の民族主義に対する、“や りすぎるな”という警鐘です。他の2本の論文も興味深く読むことができまし た。どのように社会主義、一党独裁体制のまま市場開放、経済発展を成し遂げ、 問題点は何かまで浮き彫りになっています。翻訳者の背景解説も抜群。非常に 読みやすく、勉強になる一冊でした。続編も出ていますが、こちらの方がお薦 めです。(光岡先生) ★『そして殺人者は野に放たれる』日垣隆著(新潮社 1470円) ノンフィクション作品です。著者の綿密な取材をもとに、凶悪事件を犯しても 「心神耗弱」「心神喪失」のもとに罪に問われることはない。こんなケースを著 者は憂い、怒りを感じています。本書を読むと、なんと法にすき間があること か、ある意味無法国家ともいえる現状を恐ろしく感じます。決してマスコミで は報じられることがない事実を見事に暴き出しています。新潮ドキュメント賞 受賞作品です。(伊藤先生) ★『誇りと抵抗』アルンダティ・ロイ著 (集英社新書 693円) 9.11直後、チョムスキーが、戦後アメリカの戦争相手国を列挙することによっ て、非常に分かりやすくアメリカの本質的な攻撃性を示しました。ロイ氏は本 書で、そのアメリカの帝国主義的性格が、インド社会の腐敗と結託し、発展、 グローバル化といった美名に隠れて、祖国インドにもたらしている悲惨な現実 を告発します。インドに関する報道を見ていますと、輝く未来が保証されてい るように感じますが、本書で筆者の示す未来像は貧困層にとっては地獄絵図で す。“インドは狂っている"正直、そう思わせる内容でした。(光岡先生) ★『秘密』東野圭吾著(文春文庫 660円) バスの転落事故で妻は亡くなり、奇跡的に娘は助かった。しかし意識を取り戻 した娘には死んだはずの妻が宿っていた。夫は娘として接するのか、妻として 接するのか・・・その苦悩と葛藤が見事に描かれています。自分が夫の立場な ら・・・考えずにはいられません。そして最後は感動すること間違いありません。 以前に映画化もされており、観た方もいらっしゃるかもしれませんが、是非、 原作を読んでいただきたいと思います。(伊藤先生) ★『幻想の未来』岸田秀著(講談社学術文庫 1008円) 人間の自我というものは実体のない幻想であるため、それを安定させようと、 人は家族や宗教、国家など自分の外のものを利用する。日本人は自我の安定を 他人の評価に頼り、対人恐怖症にかかる。アメリカはそれを万能の神に置き、 結婚式ですら、結婚相手ではなく神に誓う。いわば対神恐怖症。両者が対峙す れば、人を気にしない対神恐怖症が有利で、日米は対等に渡り合えない。とこ ろが科学の進歩で、神の存在がどうも危うくなり、アメリカは強い自我を求め てもがく。一方、日本も『人を気にする』式の思考方法がよくないとして、欧 米式の自己主張を『神抜き』でまねようとするが、うまく行かず苦しんでいる 人が多い。-こんな話で始まります。(光岡先生) ★『怪しい来客簿』色川武大著(文春文庫 540円) この短編集に登場する人物の多くは、戦中・戦後の混乱期にいた筆者、色川武 大の周辺の名もなき人ばかりである。どこかエキセントリックな面を持ち、人 生の敗残者の色が濃い。彼らの姿は無様で滑稽で、虫けらのように世の中から 扱われている。誰もがどこかでのたれ死にしているはずだと想像せずにいられ ない。そんな人々を時にやさしく、時に完全な他者として厳しく見つめる作者 の視点に毎回はっとさせられる。泉鏡花賞受賞作品。(矢野先生) ★『日本人らしさの構造』芳賀綏著 (大修館書店 2100円) 最初から最後まで本当に興味の尽きない話題で、国語でも社会でも英語でも授 業に役立ちそうなものばかりでした。日本語のキーワードとなるのは他の文化 にあって日本語にないもの、またはその逆ですね。これは、よく指摘されるこ とではありますが、本書は例示が非常に豊富で奥深く、おもしろいのです。"儒 教的発想をする東アジア圏"と、時に文化的にも地政学的にも一くくりにされ る韓国、中国との大きな文化的差異にも驚かされます。宗教文化や法律、政治 にかかわる言語に焦点を当てたり、文法を分析したり、その上、慣用句や名付 けに見られる特色を考察します。最後には高文化、いわゆる文芸作品について も日本的なるものを紹介します。(光岡先生) ★『「心理テスト」はウソでした。』村上宣寛著(日経BP社 1575円) 毎朝のニュースやバラエティで根強い人気の血液型占い。日本人の占い好きは 一般の人々の心理テスト好きにも関わりがあるような気がします。本書は、批 判も多い血液型診断だけでなく、「内田クレペリン検査」「ロールシャッハテ スト」など、臨床や試験でも広く使われている心理テストをぶったギリます。 そういえば私も就職活動の時に、クレペリンを受けた覚えがあります。幸い内 定をもらったので深く考えませんでしたが、あれで落ちていたら納得いきませ んね。(逢坂先生) ★『文明が衰亡するとき』高坂正堯著(新潮選書 1260円) 今でこそ日本の衰亡を論じるのは珍しくもなんともありませんが、日本が高度 成長を遂げていたバブル以前に書かれたものは少ないでしょう。大国ローマと アメリカ、通商国家ヴェネツィアと日本を比較し、日本の衰亡に警鐘を鳴らす 著書は、今読むとまるで予言書のよう。また、衰亡論の感傷に浸るのではなく、 「世界で日本が生き残るためにどうすべきか」という積極論を展開しており、 今でも決して色あせることのない示唆に満ちています。(新藤先生) <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ご父兄・教育関連 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ★『子どもの集中力を育てる』齋藤孝著 (文藝春秋 1000円) 集中力がない子供たちが増えていると言われています。睡眠不足、興味がもて ないなどさまざまな理由があると思います。しかし集中力がないと、学習面以 外でもマイナスの面が大きいのは言うまでもありません。この本では、絵も使 い実践例を示しながら、集中力をつけるには、また持続させるには子供に対し てどうしたらいいのかを説いた一冊です。(門田先生) ★『ゆとり教育から個性浪費社会へ』岩木秀夫著(ちくま新書 756円) 社会のマクドナルド化が進み、皆が感情を抑えて、マニュアル対応をするよう になり、顧客の対応までもが計算され尽くしている。そういう社会では、人を 地位や所得ではなく、表層的な個性に囚われて判断するようになると筆者は分 析します。本来豊かな人間性を表すはずだった『個性』は、競争に残るための 道具と化す。アイドルの低年齢化などはその顕著な例であると指摘します。そ の変貌し続ける社会と教育行政を鋭い視点で論じています。専門的でやや難し いのですが、刺激的です。(光岡先生) ★『14歳の子を持つ親たちへ』内田 樹・名越康文著(新潮新書 680円) 哲学者の内田氏と精神科医の名越氏との対談です。大概、宣伝文句が派手なも のは中身を見てガッカリするものなのですが、これは期待に違わぬ一冊です。 「子どもなんてわからなくて当たり前。」、「道徳という「フィクション」を作り 直そう」など、逆説的な言い回しの中に昨今の教育問題を考える重要な鍵があ るように思われ、刺激的でした。行き詰まった現状を破るための勇気ある提言 満載。新しい考え方の枠組みが得られます。(逢坂先生) ★『子どもが減って何が悪いか!』赤川学著(ちくま新書 735円) 筆者は"子供が減っても悪いことはない!"というのではなく、大変なことな のだが、いずれの国の政策もうまくいっていないのが現実だから、少子化を前 提にした社会を組み立てるべきで、具体的提案もします。少子化の原因はこれ まで『女性の社会進出が進んだため』だったはずが、数年後には『女性の社会 進出が遅れているため』と180度変わっています。マスコミで、それを示す 統計を紹介していたのですが、調べてみるとかなり恣意的な数字だとわかり、 それに対する怒りが本書を書くきっかけとなったそうです。(光岡先生) ★『紅一点論』斎藤美奈子著(筑摩書房 819円) 5レンジャーの中で「女」は桃レンジャーだけなのは、どうしてなのでしょう か?アニメに出てくる何人もの少女が、「魔法」を使えるのは、どうしてなので しょうか?「たくさんの男の中で女が一人」という状況はよくあるのに、「たく さんの女の中で男が一人」という状況があまりないのはどうしてでしょう? 「オヤジ」の妄言、「文章読本」、「妊娠小説」などを明快に批評した(斬った!) 気鋭の著者が、物語やアニメの中の「紅一点」を分析することによって、現実 の「紅一点」を鋭く描写。大爆笑としみじみが共存した一冊です。(野口先生) ★『街場の現代思想』内田樹著 (NTT出版 1470円) 内田氏の著作の中でも最も平易な言葉で、最も身近な問題を扱っています。哲 学や倫理という、あまり実用的ではなさそうな学問が、これほどまでに現代社 会の問題に応用できるのかと感心します。日本中で進行している『勝ち組と負 け組』という二極分化の現象を考察します。経済的な格差なら、努力次第で何 とでもなるが、それが文化にまで及んでくると本人の努力などは埒外に置かれ てしまう。どうしたらよいか、筆者の戦略が述べられます。さらに『なぜ敬語 を使うのか』『給料が安い』『フリーターについて』『結婚・学歴について』 などの質問に答えます。いやぁすごい!こんな風に質問に答えたり、疑問を解 決できるようになれたら怖いものなしです。(光岡先生) ★『流転の海』宮本輝著(新潮文庫 620円) 宮本氏がライフワークと語る、氏の父親をモデルにした小説です。本書はその 第一部で現在までに第二部『地の星』第三部『血脈の火』第四部『天の夜曲』 が出版されていますがまだ完結はされていません。我儘で、自由奔放で好き勝 手に生きながらも人から好かれ、頼られる豪傑な主人公に子供ができ、おもに 父親と子の関係を描いたものですが、一度読み始めたら、止められません。氏 の渾身の作品であり、夢中になってしまうことでしょう。(伊藤先生) ★『崖っぷち弱小大学物語』杉山幸丸著(中公新書クラレ 756円) 筆者はかの京都大学霊長類研究所の所長、その後は日本霊長類学会の会長を歴 任、世界的にも優れた研究を残しています。超一流の輝かしい経歴の筆者が、 定年後、選んだのが本書の舞台、東海学園大学人文学部長の職です。崖っぷち 弱小大学とは、よくもはっきり言ったものですが、定員を集めるのでさえ四苦 八苦している大学のひとつです。そこで目にした、問題意識の低い教師や職員、 そして生徒相手に学校改革に乗り出していく物語です。底辺校の何が問題かを 明らかにし、日本の教育を憂います。受験生は大学のどこを見て選べば良いの かもわかります。(光岡先生) ★『「子どもは勉強しろ」といっていい15の理由』山中恒著(講談社1470円) 著者はテレビドラマ『あばれはっちゃく』や映画『転校生』などの原作者であ り、児童向けの本を多く書かれています。本書は勉強しなければならない理由 を分かりやすくまとめたもので、親子で読まれてもいい内容だと思います。何 故、勉強しなければいけないのか?という問いに親はハッキリと自信を持って 答えられる理由がいくつも詰まっています。『勉強しなさい!』『なんで?』 『どうしてもっ!』という親子の会話が減るかもしれません。(伊藤先生) ★『教育力をみがく』家本芳郎著(寺子屋新書 861円) さまざまなケーススタディー、自分の経験を取り上げ、『指導力』はどのよう に培われていくのかを論じます。筆者の信念は、『指導力』とは、持って生ま れた魅力のようなものではなく、研究と努力によって高めるものだということ で、全く同感です。どの章を読んでもその分析力、真摯な態度に感心します。 大いに我々塾講師には参考になります。分かりやすさという点でも、今年私が 読んだ、教育関係の書物の中ではベスト1です。(光岡先生) ★『父の威厳 数学者の意地』藤原正彦著(新潮文庫 540円) 数学者である藤原正彦氏のエッセイです。気軽に読め、その内容も実に面白く、 思わず笑みがこぼれてきます。子供との関わり方、奥さんとの関わり方、文化 について、教育について藤原氏自身が感じることや思うことを本当に数学者? と思わせるような文章で書かれています。特に最後に出てくる『検便』の話は 秀逸であり、氏の公教育への反発というか不信感が滲み出ています。多くの保 護者の方に読んでいただきたい一冊です。(伊藤先生) ★『勉強が好きになる』樋口裕一著 (PHP研究所 1365円) 著者は”頭がいい人、悪い人の話し方”や、小論文関係などの本が有名ですが 「頭がいい子の育て方」を説く本を書いています。勉強が好きかどうかは人そ れぞれだと思いますが、多少なりとも親が勉強の楽しさを教えていくことが必 要です。この本では子供が自分でものを考えるようになり、頭がよくなるため の、家庭内で行うちょっとしたコツが書かれています。頭がいい、悪いは子供 の時に決まるのでしょうか?(門田先生) ★『オレさま化する子どもたち』諏訪哲二著 (中公新書クラレ 777円) 80年代のいじめ、校内暴力、その頃から子どもが変わったと指摘され、何かあ るたびに、子どもではなく、教師、学校、社会批判がなされました。しかし、 いまだに『子どもがわからない』状態が続いていると指摘します。筆者は、子 どもは『自分を変えよう』としなくなった、子どもには完成した自分がすでに あり、一人の個である教師に、一人の個として拮抗しようとすることが教師を あわてさせているとします。後半は宮台真司、和田秀樹、上野千鶴子、尾木直 樹、村上龍、水谷修の各氏の教育観を論評します。その分析や問題提起にもう ならされます。強く推薦したい一冊です。(光岡先生) ★『立派な父親になる』林道義著(童話屋 300円) 全部で76ページの薄っぺらい本ですが、内容はとっても分厚いものがありまし た。著者は『父性の復権』(中公新書)の林道義氏。父親として子供にどのよう に接し、育てていくべきかという今の時点で子育てをしている人に向けて書か れただけでなく、将来父親になる男の子にも、どのように成長していくべきか が書かれています。子供の理想像や将来像を描くことに対しては、どちらかと 言えば否定的な時代ですが、本書を読むと自信をもって理想を語る勇気がもら えます。(逢坂先生) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ☆■■■☆■■■☆ お薦め本進呈、特別プレゼント ☆■■■☆■■■☆ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◎さて、プレゼント、今回も増刊号でご紹介した本を、抽選で10名の方にお送 りします!上に紹介された中からご希望の本をご指定下さい。今回はキーワー ドを入れていただくのではなく、プレゼントコーナーのキーワード記入の欄に ご希望の書名をご記入下さい。メールアドレスと共に書名を入力していただく だけで応募になります。 ただし、本によってはこちらで入手しにくいものがありますので、必ず第2・ 3希望の書名まで一緒にご記入いただけるようお願いします。また、本増刊号 に関する感想などもぜひお書き添え下さい。 では http://tokkun.net/present/present.htm へどうぞ。 今回の締め切りはやや早く『8月20日』です。 当選者にはメールでお伝えします。また会員専用ページには、 goukaku で、入る事が出来ます。必ず半角小文字で入力し、(enterを押す のではなく)横にあるOKをクリックして下さいね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆お知らせ◆ 夏期講習がすでに始まっております。今からでも参加可能なクラスがあります ので、各教室にお気軽にお問い合わせ下さい。 ■代々木校:0120-153-045 ■中川校 :0120-577-955 ■中川適塾:0120-579-955 ■愛進研 :0120-612-417 http://tokkun.net ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ●編集後記● これはと思うような紹介文がありましたでしょうか?受験生はなかなかゆっ くりと読書をする時間はないでしょうが、読書は習慣です。歯みがきといっし ょで、読む人は必ず一日10分でも、5分でも読まないと気持ち悪い(笑)。 ぜひ夏休みの間に、その習慣付けにチャレンジして下さい。そのためには、 おもしろくてしょうがない本が数冊必要ですね。上で紹介したものの中にそん な本が必ずあるはずです。 さらに当HPの読書の掲示板には、新しい本を中心にたくさん紹介されてい ます。 http://tokkun.net/msgbrd/msgbrd.cgi でさがしてみて下さい。最近 紹介されたものを挙げますと 『メディアの迷走』保阪正康ほか著:『国家の罠』佐藤優著:『昭和史』半藤一 利著:『パール判事の日本無罪論』田中正明著:『かまやつ女の時代』三浦展著: 『上海ベイビー』衛慧著:『新・日本経済入門』シュガー佐藤著:『侵略の世界 史』清水馨八郎著:『:『エメラルドカウボーイ』早田英志著 メルマガ以上に多彩です。もちろん自分の好きな本の紹介も大歓迎です! 夏休みが終わった時、楽しい感想を聞かせてくださいね。 最後に、講習前の繁忙期にもかかわらず、メルマガの編集に協力し、書評を書 いていただいた講師の皆様、本当にありがとうございました。 magazine@tokkun.net http://tokkun.net ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ◆◎◇●×△■読者・生徒のメルマガ評■△×●◇◎◆ 先月と同様のメルマガ評です。以下のコメントは今月号ではなく、先月号(7 月号)に対するものです。7月号はHP上に本日掲載されます。 ●確かに、高校のコース選択には、疑問を持ちます。私は、個人塾の講師をし ていますが、うちに、3年生におけるコース選択を迫られている2年生の生徒 がいます。この生徒、数学しかとりえのない変わった文系の生徒なのです。と ころが、彼女の通っている高校では「国公立文系」と「私立文系」コースがあ ります。そしてその私立コースでは数学をやらないそうです。数学をやりたい 彼女は「国公立文系」コースを取るべきでしょう。ところが、定員というもの があるらしく、彼女は数学のない「私立文系」コースに行くように先生に言わ れているとか。私からは国公立コースになんとしても入るように言っておきま した。「妥協してはいけない」とか「だめだったらご両親も巻き込め」とかい ろいろ言っておきましたけどさてどうなることか。世の中にはこんな学校は多 いのでしょうね。 ●いつもはただ目を通すだけなのだが、今月の教育コラムは思わず見入ってし まった。私は現在高3なのだが、1つ上の先輩の代までは文系でも数ⅡBや化 学をやってたし、理系も古典の授業があった。しかし、私達の代からは文系は 国社、理系は数理しかやらないという感じになっている。更に言えば、今年の 理系には文系にはあるライティングの授業がなくなってしまっているのだ(あ くまでも私の学校の場合だが…)。これは国公立を目指している人にとっては有 難迷惑な話。このコラムを読んで、改めて文系だから~、理系だから~ってだ けで決めてしまう現代に疑問を感じた。 ●今高校1年生の私は文理選択という、重要な分岐点に立っています。環境問題 やクローン問題といった地球規模で、一人ひとりが取り組んでいかなければな らない問題を抱えている社会だからこそ「文系だから」「理系だから」なんて 言うのは今は関係ない時代、社会だと私も共感いたしました。これからの高校 のあり方、大学の対応…私たちは何をこれから考えていくべきかという大切な ことを教育コラムから教わりました。とても、興味深い内容だったと思います。 また、こういった内容を特集してください。宜しくお願いします。 ●静止衛星ってのは完全に静止しているものだと思っていました。万有引力の 分野を学習してからそうでないと分かりましたが、かなりショックでした。 ●大学入試の教科と大学に入ってから必要な知識との間にも矛盾はあると思う。 歴史を使わずに史学科を受験できると聞いたことがあるので。 ●二酸化炭素の排出量を売買できるようにしたのは、排出削減を地球全体トー タルで考えたからでしょうか?だとすれば途上国が入っていないのはおかしい ですね。あと、アメリカって確か核兵器やミサイルでも同じように足並みを乱 しているような気がします。イラクや北朝鮮もちろん大事だけど、はっきり言 って独善的な感じがしてならない今日この頃です。 ●『戦後日本の宰相たち』は私も読んだことがあります。昭和天皇とマッカー サーのやり取りを読んでいると、なぜ敗戦後、東京裁判で天皇の戦争責任が追 及されなかったのかがなんとなく分かります。そういえばマッカーサー自身も 東京裁判の誤りを認めていますね。8月号の読書特集も楽しみにしています! ●よく「理系だから」っていうある種の優越感みたいのを感じるんだけど、考 えてみたら経済やってる人も数学使うし、その感覚意味ないような気がする。 友達の学校は、満足に理科を教える先生がいないから文系に誘導しているみた いな話を聞いたことがある。何のための進路なんですかねぇ。正直学校で勉強 せずに塾で必要な科目だけやっていればいんじゃん!って思った。 ●スットコで自分のネタが出てた。自分なのに笑ってしまいました。学校紹介 みたいのやって欲しい。有名校じゃなくてもいいから、高校の先生たちってど んな人なのか、部活ってどんな感じなのか、自分が受けなくても参考にしたい です。 ●二酸化炭素の話はなんだか腹が立つ。絶対に日本は不利じゃないですか。ま たそこで無駄なお金を支払わなければいけないのですね。 ●高校2年生になってから本を読み始めた自分にとって、先生たちが愛読して いる本の紹介ページはとても参考になります、とはいってもお金があまりない ので、手を付けられていないのが現状なのですが。 ●オレも本の紹介かきたいっす。いやマジメに・・・。まあそれはさておき質問が あります。先生たちはいつ本を読んでいるのですか?次のメルマガで返答お願 いします。(編集長:寝る前・通勤電車・トイレ・休日でしょうか) ●二酸化炭素排出量で日本が5位になっていてびっくりしたというか、やっぱ り入ってたかと思いました。しかも、90年より7.6%も増加していて、も っとちゃんとやんなきゃいけないんじゃないの?と思いました。しかし、思う だけじゃだめなので、自分ができることをやりたいと思いました。 ●今回の先生たちの読書を参考にして夏休みにいっぱい読書をしようと思いま す。(読書はきらいだけど・・・)いつもとかわらずスットコ君はおもしろいです ♪(どんどんレベルがあがってる・・・) ●先生の読書は読もうと本が増えてとてもためになります。今度から一番感動 した本とか、笑えたとか、テーマごとにぜひとも特集してほしいです。 ●ニュースでロケット打ち上げが成功したことを聞き、日本もロケット打ち上 げられるんだ~と少しすごいと思いました。今まで打ち上げ失敗のニュースば かり聞いていたので日本はそういう分野はダメなのかと思っていたので良かっ たと思います。 ●前回の漫画特集はしっかり目通したけど、今回は流し読みでした。いつか先 生方の読書以外の特集をやってほしいです。教育コラムの話、確かにそうです ね。文系・理系を分けてやりたいことを埋もらせてはダメかなと。 ●スットコ君のリスニングの授業中に・・・。私もリスニングをとっていたのです が、そんなことがあったなんて・・・。他の日にやってた人達でしょうね。私も子 供がいってることをlisteningするのは自信あるのに・・・。文系と理系の話。私 も高1の時、数学ⅡBをとらないと、数学ⅢCがとれないのを知らなくて、(B をとらなかったので)3年になって世界史をやることにしました。あるものを 選択しなければ、後になってからとりたくなってもとれないというのはたしか にどうなのだろうと私も思います。色々な科目を選択できるようになぜできな いのか不思議ですね。 ●CO2は減らすべきだが日本だけがだまされた気がする。だまされたからには 国民の一人一人が省エネをして税が上がらないようにするべきだ。 ●たしかに遅いけど安全なのは大賛成。こないだの脱線事故みたいなのはこわ いから。オノカルロス、ヤマウジーニョ、カナウドは盛り上がっているけど、 オヤジーコでいっきにしらけると思った。 ●今回はあまりスットコ君が前回のものと比べてあまり面白くありませんでし た。前回のものが「おもしろすぎた」というのもあるかもしれないですが。 ●私は文系ですが大学は経済学部に進みたいと思っているので、教育コラムは とても参考になりました。ショートユーモアのリスニングの話は、身近にあり そうでおもしろかったです。 |