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タイトル:Daily Drama Express 2005/07/19 がんばっていきまっしょい (3)  2005/07/25


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/07/19 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル がんばっていきまっしょい
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 篠村悦子(鈴木杏)
 関野浩之(錦戸亮)
 田中三郎(内博貴)
 大野仁美(石田ゆり子)
原  作 敷村良子
脚  本 金子ありさ
主題歌  −

あらすじ  第3艇

 仁美(石田ゆり子)が艇庫にいると、この前の少女がまたやってき
た。少女は「親が折れた、高校へ行かなくてようなった。後は卒業す
るだけ、ゴールはすぐそこって感じや」とご機嫌だが、仁美は「ある
のはゴールのゴール、スタートのゴールの2つだけ」と呟く。

 3年前の夏。松山第一高校。敦子(佐津川愛美)が厚手の靴下を編
んでいるところを利絵(相武紗季)、多恵子(岩佐真悠子)、真由美
(藤本静)がかこんでいる。敦子は「みんなボート漕ぐときに足すれ
ていたいやろ。だからこれはいてな」とニコニコ話している。そんな
敦子を教室の外から恭介(北条隆博)が見ていて「中崎、お前は優し
いええ子やなあ」と感心している。浩之(錦戸亮)が「先輩早く部活
に行きましょう」と急かすが、恭介は聞き入れない。

 向かいから悦子(鈴木杏)が通知表を持ちながらとぼとぼ歩いてき
たので、浩之は「見せろ」と言って取り上げる。悦子は「ダメや」と
止めようとするが、浩之は構わず通知表を開き、絶句する。

 部室に集まった悦子、利絵、多恵子、敦子、真由美は通知表の見せ
っこをする。保健が4で残りすべてが5の多恵子は「いつもこんなも
んよ」と涼しい顔、家庭科が3で残りすべてが4の利絵は「ダメや、
中学んときより悪い、親が見たらがっかりすると思う」としょげる。
しかし悦子のは1と2しかないので、みな顔を引きつらせてしまう。
悦子は「成績はダメやけど、ボートだったら大丈夫やから」と言い訳
する。

 練習しに浜に出てくると、大野コーチ(池内博之)が男子部員を前
に新人戦参加メンバーを発表していて、浩之は補欠として選出された。
大野コーチは「来る新人戦に向けて、目標は決勝進出」と檄を飛ばす。

 それを見て悦子は「女子ボート部のみなさん、もうすぐ新人戦、私
らにとって初の大会です。目標は……決勝進出です!」とぶちあげた
ので、男子部員たちは唖然とするが、悦子は「夢はでっかく、目標は
大きく、心はまあるく、四角は豆腐、おでんのこんにゃくは三角!決
勝目指してがんばっていきまっしょい!」とやる気満々でいる。

 さっそくボートに乗りこむと、悦子は「新人戦は1000mやから、今
日はあの岬まで漕いでみようや」と気合十分の様子。それを浜辺で田
中ちえみ(関めぐみ)が「あの子ら、試合で当たったことないけん、
どんなもんやろな」とじっと見ている。

 コックス敦子の「キャッチ、ロー」の合図とともに元気いっぱいに
漕ぎ出す悦子たち。恭介は「中崎〜、お前は声までカワイイなぁ」と
メロメロ状態だが、ペースが遅いと見た敦子は「漕げー、みんな漕げ
ー、もっと漕げー、漕がんかい、漕げ言うとるやろあほんだらー!」
とエキサイトしていく。おとなしい敦子の興奮ぶりに悦子たちは目を
パチクリさせ、恭介は「中崎?おまえ……」と絶句する。一方ちえみ
は「敵やない」とバッサリ切り捨てる。

 練習後、悦子たちはメルボルンへやってくる。男子部員たちは伝統
の声かけをして気合を入れてからお好み焼きを食べる。悦子は大野コ
ーチに「明日練習見てくれませんか?」と頼む。大野コーチは「ええ
けど」と言いつつ、隣の仁美に「お前見てやれば」とふる。しかし仁
美は「あたしそんなひまやないけん」とすげないので、悦子は「大野
コーチに見てほしいんです」とむっとする。

 帰り道、悦子は敦子に「新人戦終わったらやっぱ辞めるん?」と聞
く。敦子は「うち、母さんおらんけん。だから私が家におらんと」と
すまなそうに言う。悦子たちは寂しさを覚えるが、それならなんとし
ても新人戦に勝とうと決意を新たにする。

 翌日、大野コーチの指導のもとで悦子たちは練習する。大野コーチ
は「1人1人漕いでみい!」と指示する。その後、浜にあがりダッシ
ュを行うが、悦子は足がもつれて転んでしまう。

 練習後、大野コーチは「これ、特別メニューや」と悦子にトレーニ
ング表を渡す。大野コーチが言うには悦子だけが持久力も筋力も劣っ
ている大穴だった。それを聞いて悦子は戸惑いを覚える。

 篠村クリーニング店。悦子の通知表が悪いのを見て、幸雄(大杉漣)
は不機嫌だった。その日、悦子の部屋で、悦子たちは勉強をしていた。
そこへ夏休みで京都から戻ってきた法子(浅見れいな)が「悦子のこ
とよろしくね」と声をかける。法子が去った後、利絵たちはあれが超
優秀な悦ねぇのお姉さんかとみな誉めそやすので、真由美は思わず
「それなら悦ねぇはいいとこ全部もってかれたんか」と口走ってしま
う。それを聞いて悦子はいじけ顔になる。

 翌朝、悦子は特別メニューをこなすため早く起きてロードワークか
らはじめる。「みんなに迷惑かけられん」と強い意気込みだったが、
途中でへばり、帰りにバスに乗ってしまう。よくないとは思いつつ、
悦子は「まっ、いいか」とトレーニング表に「○」(達成)をつける。

 日中の練習後、利絵たちは浜辺で水遊びをするが、悦子は特別メニ
ューがあるため一緒に行けない。浜辺で遊ぶ利絵たちを見やりながら
の練習は身が入らない。一方、利絵たちは近くで練習していたちえみ
に邪魔だから向こうでやってくれと文句をつけられる。ちえみは三郎
の中学時代の知り合いで、ボート留学の経験もあるエリートだった。

 新人戦の組み合わせが発表され、悦子たちはちえみのいる新開高校
とあたることになった。

 翌朝、悦子は1人早く来て特別メニューをこなそうとしたが、やる
気が出ず、メニュー表に○だけつけて終わりにしてしまう。そこへ利
絵がやって来て「悦ねぇ、がんばってんね。私、ヒメ(敦子)と同じ
ように新人戦終わったら辞めよう思ったけど、悦ねぇ見てたらそんな
こと言ってられん。あたしら悦ねぇについていくけんね」と打ち明け
る。それを聞いて悦子は再び特別メニューに取りかかるが、効果はな
かなか現れず、ボートを漕いでいる悦子たちを見て浩之たちは「篠村
だけ合っとらんなあ。くたびれた漕ぎ方しとる」と心配する。

 悦子は1人ランニングをしていたが、疲れて途中でベンチに座り込
んでしまう。
 そこへ浩之が通りかかって「もうひと頑張りやれや」と声をかける。
苛立った悦子は「ええねん、あっち行ってや」と怒り出す。浩之は
「疲れとんか?そんならちゃんと言って休まな」とアドバイスするが、
悦子は「私はキャプテンや。これ以上みんなに迷惑かけられへん」と
拒絶する。

 そんな悦子に浩之は「自分に嘘ついたらあかん。俺はそれでサッカ
ー辞めた。キャプテンで最後の試合のとき調子悪かったのに誰にも言
わず、無理してプレーして、反則して相手の足の骨折って……。嘘つ
くと負ける思うた」と苦しい過去を打ち明ける。

 悦子が家に帰ってくると、幸雄は「どうして勉強せん。法子おるん
やから見てもらえ。なんでボートなんぞやってるんだ。何考えとんじ
ゃ」と苦言する。悦子はむっとし「お父ちゃんにはわからんのや。お
姉ちゃんばかりえこひいきしよるお父ちゃんにはわからん。どうせだ
めよ、私は。姉ちゃんにええとこ全部取られてだめや思うてんのやろ」
と自分の部屋にかけていき、クッションをボカボカ殴りつける。

 そうこうしているうちに新人戦当日を迎える。友子(市毛良枝)、
キヌ(花村照子)、法子はお弁当を作りながら悦子の話で盛り上がっ
ている。幸雄は「わしは行かん」と突っぱねているが、内心そわそわ
して落ち着かない。

 新人戦は湖で行われ、海と水質が違ってオールが重く感じられたり、
ギャラリーの大声援で悦子たちはすっかり舞い上がってしまう。

 悦子たちの相手は、新開、宇和松女子、今治南の3校だった。審判
の笛の合図でレースが始まるが、悦子たちはリズムが悪く蛇行し、隣
の新開高校のボートにぶつかりそうになる。ちえみは「ほら、邪魔さ
れとるよ、お嬢さんクルーに負けるな」とチームを叱咤する。

 悦子たちはすっかり浮き足立ち、敦子の指示もよく耳に入らずバラ
バラになり、他の3校から大きく引き離される。新開が500m地点に
さしかかるころ、悦子たちはまだ250m地点にいる有様だった。

 仁美は「最悪や、だから無理やと言うたんよ」と冷たく言い放つが、
根本(小日向文世)は「あるのはゴールのゴール(ただのゴール)、
スタートのゴール(次の一歩につながるゴール)の2つだけ、どうゴ
ールするかはあの子らしだいや」とつぶやく。

 友子、キヌ、法子が一生懸命応援していると、少し気まずそうにし
た幸雄が現れ、悦子たちをじっと見る。悦子たちも少しずつ硬さがと
れてリズムが出てくるが、そんなときに利絵のシートが飛び、真由美
のオールが外れて流れていってしまう。愕然とする悦子たちを尻目に
新開高校は早くもゴールする。

 呆然としている悦子たち。審判員が「棄権しますか?」と尋ねてく
る。真由美が「もうやめよ。みんなこっち見とる。はずかしいわ……」
と言い、みなすっかりやる気を失う。悦子がギャラリーを見ると幸雄
の姿が目に入る。幸雄は「みっともないレースしよって」と背を向け
て立ち去ってしまう。

 悦子の脳裏に幸雄の言葉がよみがえる。「応援なんか行ってもしか
たない」「勉強もせんで毎日ボートなんぞよくできんな。何考えとん
のや」。そしてそれに反発するかのように自分の声が聞こえる。「初
めてボート見て気持ちがフルフル震えた気がした。あの海が忘れられ
へん。そやから入りたいんよボート部」「やりたいんよボート、やり
たいんよ、やりたいんよ」。

 悦子の口から震える声で「このままじゃ、だめなまんま……。当然
や、見てもらえんで当然や。逃げてたんよ。私、お父ちゃんえこひい
きばかりやとか、どうせ私はだめやとか、そんなことばかり言って。
逃げるようにボート始めて。でもそんな甘いもんやなくて、本当はさ
ぼってたんよ、特別メニュー。辛くて、やってるふりだけしとった。
嘘ついとった。なのにここで逃げたら本当に負けなんや。ここで逃げ
たら……」と苦しい胸の内をしぼりだす。「みんなゴメン。最後まで
やろう」と悦子は力強くオールをこぎ始め、利絵たちもそれに合わせ
る。

 ギャラリーから手拍子が送られ、みな悦子たちを応援する。それを
聞いて幸雄も戻ってくる。悦子たちのボートは加速し、ついにゴール
する。息を切らしながらも悦子たちには満足の表情が浮かび、ギャラ
リーからは暖かい拍手が送られる。

 大会後、悦子たちがボートの手入れをしていると、敦子が練習に使
う厚手の靴下を持ってきて1人1人に渡す。悦子は「ヒメご苦労さんで
した」と声をかけるが、敦子は「明日は何時から練習やる?あんな負
け方したら辞められへん。私勝ちたい」と言えば、利絵や多恵子も
「私らも逃げるわけにはいかへん」と巻き返しを誓う。

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 −だめな試合やった。本当にひどい試合やった。でもそれは確かに
スタートのゴールやったんよ。
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 悦子たちのもとに仁美がゆっくりと歩み寄ってくる。驚く悦子たち
を前に仁美は「明日8時艇庫前に集合。練習見るけん」と伝える。


寸  評  姉の法子と比較されてはコンプレックスに苦しんできた過去の
日々。ボートはそんな苦しみを解消してくれるはずだったのに、1人
特別メニューを課され、新人戦でも惨敗。でも、心の中に自分は逃げ
ているという思いがあって、それを乗り越えるために身体を目いっぱ
い使って漕ぐ姿が感動的だったと思います。
 ここから先は楽しみながらの練習は減って、厳しい練習が待ち受け
ていると思いますが、ひたむきに、まっすぐに向かっていってほしい
と思いました。
 梅雨もあけて、本格的に暑くなってきました。ボートを漕いでいる
シーンは涼やかに見えて、文字通りさわやかな感じがします。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 「女王の教室」がネットで論争となっているそうで、教育熱の高さを改めて
実感しました。ドラマの内容についてはまだ進行中であり、最後どのように帰
結するかわからない段階ですので、コメントはしませんが、一点気になること
があります。
 これは「ドラゴン桜」もそうなのですが、ドラマの中で語られる「東大(も
しくは有名大学)へ入れば人生が変わる(いい人生が送れる)」という点です。
一昔前ならそのとおりでした。いい会社に入れば一生安泰でした。しかし今の
時代はいい会社に入ってもその会社が定年まで倒産しない保証はありません。
ですから受身でなく、自分で考えて動く姿勢が求められているわけですが、ど
ちらのドラマも教師の言うとおりのことに従っていい大学に入ろうとしている
ので、自主性が育つようには見えません。むしろ人生悪くする方に向かってい
るのでは?という違和感が拭えないのです。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
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