メルマガ:音楽で食べていく方法
タイトル:音楽で食べていく方法  2005/07/16


     
    大胆企画
   「音楽で食べていく方法」         


                     トライトーン発行  第2号

   CM音楽制作会社で活躍しているアーティストたちが
   音楽で食べていく方法をお教えいたします。
   
   毎回、持ち回りで各アーティストが音楽の実践を語ってくれます。
   その中で、実践していくテクニック、楽しさ、裏話またプロとしての
   初仕事、仕事をもらうきっかけ などをもとに
   どうやって音楽を生業としてやっていくのかを、探っていただければ
   幸いです。(正直、我々も仕事を獲得するのに必死で頑張ってます。)
  

 
      目次
 
 
  1 音楽の現場から 「CM音楽の制作の進め方」  横井 ラン
  2 音作りについて 「誰でも分かるオーディオデータ圧縮」 桝屋直紀
  3 気になる音楽  「サントラで嗜む極めて私的な映画紹介」 呑舎利
              第2回

---------1 音楽の現場から------------------------------------------


     「CM音楽の制作の進め方」 横井 ラン


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      横井 ラン

   日本音楽院(現AMVOX)で作曲、編曲を学び、
   作曲家 すぎやまこういち氏に師事。
   CM音楽制作会社 有)トライトーン設立。
   主な作品 ニューバランスTVCM   ほか。

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   さて、実際のCM音楽の作り方ですが、はっきり言って、
   人それぞれです。

                以上。




   ・・・・しばし、ちん黙・・・・





   スイッチON  ウィーン  ボン! (なんじゃこれ?)

   (完全にひとりよがりギャグで、ごめんなさい。ははは)

   TVCMの場合(本題に入っています。)15秒、30秒タイプなどが
   多いですが、通常、ディレクターさんから「絵コンテ」という
   A4ほどの紙にCM内容を4から5コマ 漫画(失礼)にした
   説明書(?)をもらいます。そこで、ディレクターさんから
   ありがたい、CMのコンセプトのお話があります。
   調子のいいときはそこで大体の音楽のイメージができあがります。

   ご存知でしたでしょうか。
   CMの始め 0.5秒と 終わり0.5秒 には、なにも音が入ってない間が
   あるのです。
   ですから、実際の音楽は30秒のTVCMの場合は 29秒で仕上げることに
   なります。その中で「ここのタイミングでアクセントを入れて・・」
   という指示に基づいて、ストップウォッチ片手に音を考えていきます。

   さらに1秒を30に分け(30フレーム といいます。) 細かく
   場面(カット)が切り替わる場合には このフレーム単位での
   音作りをすることになります。
   
   実際映像が仕上がって、音楽を合わせる段階(MAといいます。)
   で、自然に音楽が映像にマッチしていると、ものすごく
   うれしいものです。(合っていない時は、その場からこそこそ
   逃げだしたくなります。)

   CM音楽のコンセプトで一番多かったのは
   「明るく、元気で、インパクトがあるもの・・」です。
   商品イメージをいかに高めるか、が一番のポイントで
   ですから当然そうなりますよね。
   あとは、ジャンルや、楽器の選択、使い方、で広げていく
   ことになります。

   ところで、 
   昔は、音を作るのに、スタジオまで重い機材を運んでやっていましたが、
   今は、皆さんもご存知のとおり、CDに予め音を詰め込んで行けば、
   荷物は、軽い頭1個とCD1枚、という楽な環境になり、
   簡単な音のやり取りは、メールでも行える環境になっています。
   
   ありがたや、ありがたや、
   
   なんまいだぶ、なんまいだむ.......。


   こんなんでいいのかな、と思いつつ、今回はここまで。
   また、次回をお楽しみに。

   次回は おしゃれな音楽を得意とする 
   MR.浅賀 の 登場です。
    
   

---------2 音作りについて----------------------------------------------

    「誰でも分かるオーディオデータ圧縮」  桝屋直紀

 
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     桝屋 直紀

     明治大学 理工学部卒、AMVOX で作曲、編曲を学ぶ。
     作曲家穂口雄右氏に師事。主な作品 東邦銀行(TVCM) ほか。
 
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    
     
    最近、iPodのようなHDDプレーヤーが数多く発売されていますが、
  そもそも、CDから他のメディアに移った理由は何なのかを考えてみると、
  劣化のないデジタルデータを大量に管理できて、かつポータブルである
  ということでしょう。
    
  HDDは数GigaBytes(1GB≒1000MB)という容量なので何千曲とストック
  できます。
  
  フラッシュメモリは512MBytes前後ですが、その容量に数百曲収めることが 
   できるのです。
    
  フラッシュメモリ512MBというのはCDよりも少ない容量ですが、これに数百
  曲収めることができるのはデータを『圧縮する』という技術が貢献している 
   からです。
  また、 HPにアップされている試聴用の音楽やダウンロード販売の曲も
  この技術が応用されています。

    今回から数回に分けてこの圧縮技術と使い方について紹介していきます。

    ●第1回 オーディオCDフォーマット
   
   圧縮技術を語る前にまず、オーディオCDのデジタル信号はどのような形式
   なのかを簡単に説明しましょう。
    
  CDが登場して20年以上になりますが、当時はレーコード、カセットテープに
  変わる新しいメディアとして、また、高音質で半永久的な再生が可能として 
   普及しました。
    
  CDは容量が600MB〜700MBほどのもので現在のメディアとしては少ない容量で
  すが、いまだに記録媒体CD-Rとしてのシェアは大きいです。
    
  CDオーディオのデータはどのような形式でデジタル化されているかを簡単に
  説明しましょう。
   
 
  1.フォーマット(形式)

   CDオーディオはサンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16bitという
  形式に決められています。
   
  デジタルデータで表す場合、 44100 x 16 x 2(stereo) ≒ 1.4Mbps 
  (Mbits/sec)ですので、1分間に84Mbits≒10MByts の容量となります。


   2.サンプリング周波数

   サンプリングとは音声を表現するための周波数の2倍の周波数で数値化する
  ことです。 
  人間の可聴周波数は20kHz弱ですから、約40kHzで数値化することに
  なります。
  
  なぜ44.1kHzでサンプリングされるかと言うと、実はデジタルオーディオの
  形式ができる以前に、VTRのデジタルフォーマットができていて、
  ここでは割愛しますが、
   映像との同期やその他諸々の制約から算出され、この値になったようです。
 

   3.量子化ビット数
 
   サンプリング周波数と同じくらい重要な数値ですが、
   こちらは、音圧の解像度を表す数値です。16bitと言うのは2の16乗を
    意味します。
   
    人間が感じる音圧は100dB位と言われています。一概に100dBと言っても
    この値は相対値ですので、基準によりますが、コンサートホールの静寂から
  アンサンブル盛り上がりの差と考えてください
   
    対数計算で1bitあたり約6dBですから16bitで96dBとなります。
   この値も、メディアの容量との兼ね合いなど諸問題で16bitに
    落ち着いたようです。

    次回は●圧縮技術について です。



---------3 気になる音楽------------------------------------
   

    「サントラで嗜む極めて私的な映画紹介」 第2回   呑舎利


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     呑舎里 (どんしゃり)

   "呑舎利組合"主宰。
   一応音楽の学び舎を卒業しているらしいが、多くを語ろうとしない。
   長い修行・熟成の期間を経て、
   いよいよ音楽業界へ本格的なダイブを画策中。
  
    「和」を声高に叫ぶ割に、時折妙な日本語が飛び出す。
     ラーメンより蕎麦好きなのは「和」どうこう以前に内臓年齢がヤバい
   証拠。
     ちなみに、実年齢は内臓ほど年老いてはいない。

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  『 It 』(1990年 米 (TV作品))
     監督:トミー・リー・ウォーレス 
     音楽:リチャード・ベリス 
     原作:スティーブン・キング

    初回とはうって変わってホラーです。
    しかも、中途半端にマイナー。
    ここらへんがタイトル通り「極私的」な訳です。

    この作品の大きな特徴は、世に言う「映画」作品ではないこと。
    劇場公開はされていないです、たぶん。
    もともとはアメリカのTVスペシャル番組。
    こっちで云う火サス土サスって類いです。

    とはいえ、観ていて映画に劣る部分はほとんど見当たりません。
    15年前なのでCGとかはありませんが、
    ストップ・モーションやら着ぐるみやら、凝り方が半端じゃ無い。
    これには、日本とアメリカの制作費の大きな違いがあるのですが・・
    話が逸れそうなのでヤメましょう。

    ・・兎に角、その制作費の違いは音楽にも如実です。
    生オーケストラの演奏による雰囲気作りはとても上手い!
    もちろん基本はホラー系のアプローチで、
    怪しさ・不思議さ・思い出の日々への幻想を、歌い上げてます。


    リチャード・ベリス本人のHP(原語)でテーマ曲が試聴出来ます。
    http://www.richardbellis.com/home.html
    上記HP内、 Listening Room → Stephen King's "IT"
    サントラは発売されていないようです(私の調べた限りでは)。

    物語はお得意のキング節、ホラー+ジュブナイル回想。
    前・後編に分かれていて、少々長め。
    超大作では有りませんが、その分人物描写にキチンと時間掛けてます。

    大人になった今でも探検好きの貴方、是非。


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    以上、今回も内容、盛りだくさんでした。
    お楽しみいただけましたか。
 
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     <注意>
 
    「音楽で食べていく方法」に記載した全文は
    トライトーンはじめ、執筆者が著作権を有するもの
    であり、固く複製禁止をお願い申し上げます。
                       
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     大胆企画
     「音楽で食べていく方法」 は

     来週金曜日、発行予定です。
     次号をお楽しみに!!
               
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