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タイトル:Daily Drama Express 2005/07/05 がんばっていきまっしょい (1)  2005/07/13


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/07/05 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル がんばっていきまっしょい
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 篠村悦子(鈴木杏)
 関野浩之(錦戸亮)
 田中三郎(内博貴)
 大野仁美(石田ゆり子)
原  作 敷村良子
脚  本 金子ありさ
主題歌  −

あらすじ  第1艇

 2005年夏愛媛県松山市。浜辺を歩く大野仁美(石田ゆり子)。手に
はお湯を注いだカップヌードルがある。目の前に「松山第一高等学校」
と書かれた艇庫がある。扉が開いているのを不審に思った仁美は中へ
入っていく。

 すると中に見知らぬ少女がいてボートを持ち出そうとしていた。少
女は仁美を見ると「止めても無駄や。これ乗ってどこか遠くへ行く」
と自棄になっている。

 しかし仁美は壁を背に座ってカップヌードルを食べだすので、少女
は面食らう。少女は「とめへんのか?」と仁美に聞くと、仁美は「止
めるよ後で」と言うだけでカップヌードルをすすっている。少女は
「止めても無駄や」とわめく。すると仁美は「心配せんでもあんたの
自殺は止めん。でも使うボートは他のにしとき。これはあの子たちの
大事なボートやけん」と言って窓際の柱へと歩いていく。
 そこには5人の少女が写っている。仁美は「この子たちはね、あた
しにもう一回青春をくれたんよ」と懐かしそうに写真を見つめる。

 3年前(高校1年)の春。篠村クリーニング店からかけ出てくる篠村
悦子(鈴木杏)。走って登校しているが、途中で引き返し、家の配達
用の自転車に乗ろうとする。中から出てきた篠村友子(市毛良枝)が
慌てて「悦ちゃん、困るわよ、これから配達なのに」と止めるが、悦
子は「もう間に合わん」と言って乗っていってしまう。

 市内を走る路面電車。停留所につくと生徒たちが降りてくる。その
中に矢野利絵(相武紗季)がいる。希望に満ちた晴れやかな表情。

 校門近くで、中崎敦子(佐津川愛美)が菊池多恵子(岩佐真悠子)
にからまれている様子。その近くを通りかかった利絵は多恵子を見て
びっくりし、顔をバッグで隠して早足で行ってしまう。

 その後少しして登校してきた悦子は、敦子を見ると駆け寄る。悦子
は敦子が涙を流しているので、多恵子が敦子をいじめているものと思
い込んで注意する。敦子は悦子の小中学校時代のクラスメイトだった。
しかし敦子が「違うの。この人たちはコンタクトを一緒に探してくれ
てたの」と止めるので、悦子は焦り「ごめんなぁ、でもこれも何かの
縁だと思うけん、よろしく」と小さくなる。多恵子はあきれ果てた顔
つきで悦子を見るだけで何も言わない。

 時計を見た多恵子は入学式に遅れると思い、駆けていく。敦子も
「ごめんね」と一言言って走っていく。悦子も慌てて行こうとするが、
コンタクトレンズのことが気になりその場に残って探す。

 入学式が始まり、校長の挨拶が行われている。松山第一高等学校は
来年創立100年を迎える伝統校であり、「自律・協同・感動」を柱と
していることなどが語られている。

 悦子は懸命にコンタクトレンズを探しているが、見つからない。そ
こへ英文のペーパーバックを読みながら歩いてきた中田三郎(内博貴)
が怪訝に思い「なにしとるねん?」と声をかける。悦子が顔を上げる
と、三郎は長身のイケメンだったので、思わず見とれてしまう。三郎
が目をぱちくりさせるので、悦子は慌ててコンタクトレンズを探して
いることを話す。

 無事コンタクトレンズが見つかって悦子と三郎は体育館の扉のとこ
ろへ来る。
 すると三郎は「ここ入ったらいよいよ(高校生活が)はじまるやん。
何思って入る?抱負というか決意表明」と尋ねる。悦子は「私は決め
とる、ボート!」と即答する。悦子は三郎に春休みに家出したが、行
くあてもなく浜辺で一人たたずんでいた。するとそこへ夕陽を浴びて
颯爽と走るボートの姿が目に入ってきたことを話す。悦子は「震えた。
大事件て意図も無くおこるんやなって。私、あの海が忘れられへん」
と目を輝かす。

 悦子と三郎が体育館に忍び込むと、ちょうど生徒会長が松山一高伝
統のエールをするところだった。壇上にのぼった生徒会長が「一高ー、
がんばってー、いっまーっしょい!」と叫ぶと、新入生全員が「しょ
い!」と続ける。悦子はその中で期待に胸を膨らませている。

 ところが、悦子がボート部に入部届けを出しに福田正一郎(相島一
之)のところへ行くと、福田は女子ボート部はメンバーがいないから
存在しないと告げられる。がっくりくる悦子だが、すぐ気を取り直し、
「私作ります、メンバー集めますけん」と高らかに宣言する。

 放課後すぐさま、クラス中の女子に声をかけてメンバーを募るが、
反応は芳しくない。するとそばを関野浩之(錦戸亮)が通りかかった
ので悦子は思わず「ブー、お前またいっしょか、はよ行け」と軽くや
つあたりする。浩之は悦子の幼なじみだった。

 そんな悦子の一連の行動を見ていた利絵は悦子に「目立ちすぎや」
と言って連れ出す。利絵はクラスでのポジショニングに気をつける大
事なときだと注意する。悦子がきょとんとしているので、利絵は、グ
ループA(見た目よし、文武両道で、自分に自信あり)、グループB
(ごく普通な子)があって、自分や悦子はグループBと仲良くして目
立たないようにすべきだと言う。悦子はよく飲み込めない顔つきだが、
中浦真由美(藤本静)を見かけると「中浦さーん」と声をかける。す
ると利絵は「だめだめ、彼女はグループC(顔もだめで変な子)や。
とにかく環境変わって大事なときなんだから」と止める。

 そこへ向かいの方から多恵子がやってくるのが見える。利絵は「わ、
私用があるから」と慌てて去っていく。

 悦子はボート部が練習している浜辺にやってきた。悦子が部員に入
部したいと言うと、部員たちは「よく来てくれたなあ、大歓迎ぞ」大
喜びし拍手で悦子を迎える。彼らは悦子がマネージャー志望と思った
からだ。悦子も「頑張りますけん、よろしくお願います」と嬉しそう
に一礼する。

 キャプテンの安田恭一(北条隆博)は艇庫の中を案内する。壁に
「一艇ありて一人なし」という貼り紙があるので、悦子は不思議に思
う。恭一は「昔あるクルーが遭難して、ボートごと沈んでしもうた。
でも誰一人ケガなく最後までボートを漕いだ。本当にあった話ぞ」と
説明する。その言葉に悦子は感動を覚える。

 案内が終わって部室に行くと、浩之の姿があった。悦子は思わず
「ブー、なにしてるねん」と驚き、水を差されたかのような嫌な顔を
する。

 浩之も「小中高も一緒、家も近所。おまけに部活も一緒とは、お前
ストーカーか」とうんざり顔だが、悦子は気にもとめない。海で「キ
ャッチ、ロー、キャッチ、ロー」という掛け声とともにボートを漕ぐ
部員を見て、手にしたほうきとちりとりで「キャッチ、ロー、キャッ
チ、ロー」とボートを漕ぐ身振りをする。

 浩之はバック台でボートを漕ぐ練習を始める。悦子は「なかなかい
いじゃん。さすが黄金の左足」と感心するが、ふと「あんたなんでサ
ッカーやんないねん」と尋ねる。しかし浩之は「お前、よくこの高校
受かったな。親父さんも喜んでるじゃろ」と話題を変える。それを聞
いた悦子は表情を曇らせる。

 恭一がやって来て「よし漕いでみるか」と浩之に声をかける。悦子
が「あの、私は?」と尋ねると、恭一は「君はそれ」と山のような洗
濯物を指さすが、悦子は隣においてあったバック台だと思い「わかり
ましたけん」と答える。

 日が暮れるまで練習をして浜辺に上がってきた恭一たちは「はぁ、
今頃部室キレイになっとるはずじゃ。マネージャー来てくれてよかっ
たけん」と喜んでいるが、洗濯物は相変わらず散らかったままで悦子
はボートを漕ぐ練習をしていた。
 呆気に取られる恭一たちだが、悦子は「私、女子部を作りますけん、
それまで一緒に練習させてください」とあっけらかんと言うので、恭
一たちはがっくりきてしまう。

 悦子が家に帰ると、姉の法子(浅見れいな)がいた。法子は京都の
大学に通っていたが、レポートが早く仕上がったので、授業開始まで
帰省することにしていたのだった。悦子はボート部に入った話をしよ
うとするが、皆、法子ばかりかまって聞いてくれない。

 翌日、悦子は利絵とお弁当を食べながらしゃべっていた。利絵が
「まだお父さんと口きいとらんの?」と悦子に尋ねている。悦子は
「ぜーんぜん。だってお父さんはお姉ちゃんばかりひいきしよる」と
不満顔になる。法子は松山一高卒で、高校時代はバドミントンでイン
ターハイに出場し、京都大学へ進学していた。父の幸雄(大杉漣)は
常々「法子は我が家の希望の星、悦子も見習いなさい」と言うのが口
癖だった。それで悦子は奮起して猛勉強して松山一高に合格してみせ
たのだが、幸雄が「困ったなあ、法子の仕送りだけでも大変なのに、
悦子の学費まで」とぼやくのを聞いてしまった。

 ショックを受けた悦子は自転車漕いで遠くへ行ってしまおうと家出
をしたが、行くあてもなく浜辺で思い悩んでいた。そのときふと見た
ボートを漕ぐ風景にぶるぶると震えてくるのを感じずにはいられなか
った。悦子は「ずっとすねたり、ひがんだり、ねじけた心が元に戻る
のを覚えたんや。あの感動する気持ちを忘れとうないと思って取っと
いたんや」と砂をつめた小瓶を取り出す。利絵は「そんならフルフル
記念やな」と嬉しそうに言う。

 放課後、利絵は悦子と帰ろうとするが、廊下で浩之がボート競技の
本を読みながらやってくるのに出会う。利絵は思わず立ちすくんでし
まう。悦子は「ブー、これ貸して」とねだるのを見ていた利絵は悦子
に「あの、私一度練習見に行ってもええよ」と言いだす。

 悦子と利絵がグラウンドを歩いていると、木陰でラグビー部の練習
を見ている真由美の姿があった。その視線の先には三郎の姿がある。
「いくらなんでも高望みしすぎや」と利絵は苦笑する。そこへ多恵子
が三郎に近づいていき「中田三郎、今彼女おるん?」と尋ねる。多恵
子の姿を見た利絵は隠れてしまう。三郎は「ノーコメント。おる言う
たら誰やと聞かれて面倒だし、おらん言うたらどんなタイプが好みと
かうっとおしい」と言ってさっさと練習に行ってしまう。

 利絵はある学校の入試でカンニングしている多恵子を見て、試験官
に告げたことがあった。そのとき以来多恵子に恨まれていると思って
避けていたが運悪く同じ高校になってしまったので最悪だと悦子に話
す。

 悦子と利絵はボート部の部室にやってくる。悦子はさっさと掃除を
始めるが、利絵は室内が散らかり放題なので顔を引きつらせている。
利絵は「ねえ、誰か好きな人おる?マネージャーになるってたいてい
好きな人がいるからでしょ」と聞くが、悦子は「私がなりたいんは漕
ぎ手」とムキになって答える。その話をコーチの大野健(池内博之)
が偶然耳にする。

 お好み焼き屋「メルボルン」。健と仁美が主人の根本満(小日向文
世)を話し相手にお好み焼きをたべている。健がボートをやりたがっ
ている女の子(悦子)の話をすると、満は「へえ、仁美さん、女子部
のコーチ引き受けえてみたら」とすすめるが、仁美は不機嫌そうに黙
っている。

 悦子が女子ボート部員募集のポスターを作成していると、法子が
「ボートなんて疲れるんじゃない?うちの高校は授業の進度が早いか
らついていけへんで。お父さんもみんなもあんたのこと心配しとる」
と忠告するが、悦子は「大丈夫けん、任しといて」と言い返す。しか
し、翌日学校のテストのとき、悦子の答案には雪だるまが書かれてい
た。担当教師が「なんじゃこれは?」と詰問すると、悦子は「手も足
もでえへん」とバツが悪そうに言い、担当教師を怒らせる。

 悦子は敦子をボート部に誘うが断られ、落ちこむ。そこへ同じよう
に落ち込んだ利絵が来る。悦子と利絵はトイレに行く。利絵は「今日
のテストダメだった。なんであんなややこしい問題だすんやろ」とこ
ぼしていると、多恵子が入ってくる。利絵が顔を強張らせると、多恵
子は「なんや一緒の学校やったんか。あんときはありがとね、チクッ
てくれて。あんたは受かったんやろな、あの学校」と利絵に詰め寄る。
利絵が首を横に振ると「そうか、せっかくライバル1人落とせたのに
残念やね」と皮肉る。

 カンニングをしてた多恵子だが、実際は優秀でそれほど努力しなく
ても勉強ができた。一方利絵は一生懸命やっているわりには結果が出
せず、塾で男子といちゃつく多恵子の姿にイライラしていた。それが
カンニングをばらした理由だった。

 多恵子は、利絵をトイレに押し込めて水の入ったバケツを手に取る。
悦子は慌てて「そんなことしたらあかん」と止めるが、多恵子は「私
とやりあう気?問題起こしたら部を作れなくなるよ」と凄むので、怯
んでしまう。多恵子はドア越しに利絵に水をかけて出て行く。悦子は
ハンカチを渡そうとするが、利絵はその手をはたいて行ってしまう。

 ボート部の練習に出た悦子だが利絵の一件で沈んでいた。その日、
健と仁美が練習に顔をだしていた。健も利絵もOBで健はボートの選
手兼ボート部のコーチ、仁美は女子ボート部の最後の代の部員だった。
それを聞いた悦子は「よろしくお願いします」と喜びをいっぱいにす
るが、仁美は複雑そうな表情をするだけで何も言わない。

 健は悦子に「ボートに乗ってみないか」と言い、悦子は快諾する。
千本漕ぎという練習のカウント役を任された悦子は、カウンター片手
に百回ごとに漕ぎ手に回数を伝えていくが、途中水しぶきが当たった
瞬間、カウンターを海に落としてしまう。部員たちが口々に「やる気
なくす」「乗せたんが間違いやった」と言うので、悦子は海に飛び込
んでカウンターを拾いに行く。

 顧問の福田は悦子の無茶を厳しく責める。健は「『一艇ありて一人
なし』ボートの上ではクルーの一員、勝手は許されないんだよ」と教
える。悦子はうつむき、黙って聞くばかりだったが、それを見ていた
仁美は「何かあったん?よくいるのよね、何かから逃げるようにボー
ト部に入ってくる子。青い空、広い海、何かもやもやが晴れる気がす
るのよね。でもそんな甘いもんじゃないわ」と冷たく突き放す。

 「私、逃げとるだけなんやろか」と思い悩む悦子に、キヌ(花原照
子)が声をかける。「どんなにやりたくてもやれんことはある。どん
なに願ってもかなわんことはある。それが人生じゃ。そういうもんじ
ゃ。姉ちゃんだったらこんな思いせえへんやろね」としょげかえる悦
子に、キヌは「牛は牛なり、馬は馬なり、どっちも役にたっとる、比
べることはないぞね」と励ます。

 翌日も元気のない悦子は、はがれかかった女子ボート部の貼り紙を
見ても直そうとしない。体育の時間、真由美と組んで柔軟体操をやっ
ているが、利絵と視線があって動揺し、体勢を崩して倒れてしまう。
悦子は大丈夫だったが、真由美は「大丈夫」と言うものの足をひねっ
てしまったようだった。

 気になった悦子は保健室で湿布をもらって真由美に届けようとする
と、ちょうど真由美が三郎に告白しているところに出くわす。三郎が
断って立ち去った後、真由美のところへ行くと、真由美は「ダメやっ
た。しかたないな、でも少し悔しいな」とサバサバしている。悦子は
「よう言えるな。普通ダメだったら恥ずかしいとか周りの噂とか恐い
やない」と驚くが、真由美は「自分ごまかして逃げるよりいいやな
い?少なくとも後悔はない。それにまたつよなった」と笑う。

 悦子は教室で机に突っ伏して思い悩んでいた。何気なく机に手をや
ると「ボート競技の本」が出てくる。驚いて浩之を見ると、浩之は微
笑みながら出て行く。

 ようやく吹っ切れた悦子は黒板に「女子ボート部員募集」と大書し
て呼びかける。それを他のクラスも回って同じように部員募集をする。
三郎と多恵子のいる1年1組に来て悦子が部員募集の話を始めると多恵
子は「よそのクラス来て何えらそうに言うてるねん、出て行き!」と
罵声を浴びせるが、悦子は必死に勧誘する。
 そんな悦子を追って利絵、敦子、真由美も駆けつけてくる。悦子は
「ボート漕ぎたいねん、もっと深い深い友達ほしい、もっと濃い高校
生活送りたい」と訴える。そんな悦子の姿に教室内は静まり返る。

 その日、悦子は艇庫の前で手持ち無沙汰な様子で沖合いのボートの
練習を眺めていると、利絵がやってきた。驚く悦子に利絵は悦子が黒
板に大書したチョークを差し出し「私も思うた。久しぶりに感動した。
私も濃い高校生活がほしい、もっと深い友達がほしいって、私もボー
ト乗れるん?フルフル記念や」と笑顔で言う。悦子は「聞いてくる?」
と言って走っていこうとするが、「待ってよ!」と真由美、敦子が現
れる。真由美「ああまで言われちゃ、一ぺん乗ってみないと」と言え
ば、敦子「あんなに頑張ってる篠村さん放っておけんよ」と笑顔を見
せる。

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 −こうして始まったんよ、伝説の女子ボート部が。
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 元気よくボートを海に出す悦子たち4人。その様子を遠くからじっ
と見つめる多恵子の姿がある。

 2005年夏。仁美が少女に「でもまだまだ問題ばかりで、なかなか出
航できんかったんよ」。仁美は写真を置き、遠くを見つめる。写真の
そばには砂の入った悦子の小瓶と利絵が持っていたチョークがある。


寸  評  主人公が目標に向かって困難を乗り越えていく、ありがちな青春
ドラマかなと思っていたのですが、ディティールがしっかりしていて
新鮮味を感じました。坊ちゃん文学賞をとった力作なだけはあります。
「〜ですけん」といった方言が独自色を強くしているなという気がし
ます。困難を乗り越えるストーリーは苦闘するというイメージが強い
のですが、そういうものが地方のほのぼのとした雰囲気に包まれて和
んだ雰囲気が添えられているように思えるからでしょうか。
 また初回を見た限りとても丁寧な作りになっていると思います。各
登場人物の性格や気持ちがわかりやすいですし、何かに向かってまっ
すぐ向かっていく姿勢が、田舎の純朴さとうまくブレンドされている
なあと思います。「深い深い友達ほしい、濃い高校生活送りたい」と
いうセリフは都会的な洗練性はないのですが、とてもいいセリフに聞
こえました。「深い」「濃い」というのはともに海というドラマの舞
台にかけあわされているわけですね。海辺の物語ならではの生きたセ
リフだと思います。
 後は今後の展開ですね。出だしはとてもよかったのですが、すでに
ボート部を作るという第一の目標は達成されました。この先はどうい
う話になっていくのでしょうか(勉強不足で原作読んでいません)?
全国大会に出るのが目標となるのか、それとも充実した高校生活が目
標となるのか、いずれにせよ、松山を舞台とした雰囲気を崩さず進ん
でいってほしいと思います。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 「電車男」「いま、会いにゆきます」など話題作が多い今クールですが、初
回を見て私が面白そうと思ったのは「がんばっていきまっしょい」と「女王の
教室」です。私が見たいと思うドラマはいつも視聴率が低めのものばかりなん
で、一般的な趣向とは合わないのかもしれないのかなと考えたりします。(ケ
ン)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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