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タイトル:Daily Drama Express 2005/06/10 雨と夢のあとに (9)  2005/06/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/06/10 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 雨と夢のあとに
局  名 テレビ朝日系
放映日時 土曜23時15分
キャスト 桜井雨 (黒川智花)
 桜井朝晴(沢村一樹)
 野中マリア(杏子)
 小柳暁子(木村多江)
 早川霧子(美保純)
 早川岳男(ブラザー・トム)
 早川北斗(速水もこみち)
 白坂真昼(浅見れいな)
原  作 柳美里
脚  本 成井豊
 真柴あずさ
主題歌  −

あらすじ  第9話「暁子」

 マンションのベランダ越し。「暁子さん、彼氏が越してくるってこ
とは2人で住むってことですか?」とおずおずと朝晴(沢村一樹)は
尋ねる。暁子(木村多江)は「そうですけど」と素っ気ない。朝晴は
動揺してしまうが、暁子は「明日私の誕生日なんです」と話題を変え
る。そして「お願いがあります」と朝晴に笑顔で言う。

 朝晴と別れた後、暁子は自分の部屋で電気もつけずにたたずんでい
た。そして首に下げたネックレスを手に当てながら「やっと会えるの
ね」と呟き口元をほころばせる。

 朝晴は雨(黒川智花)と朝食をとりながら、暁子から誕生日会に誘
われたと話す。雨は「でもお父さん暁子さんの彼氏が越してきてショ
ックでしょ」と朝晴にふると、朝晴は「あんなきれいな人、恋人がい
て当然だろ」と平静を装う。雨は「本当?」といたずらっぽく笑うの
で、朝晴は「おいおい、大人をからかうなよ」と手で雨の頭を軽く叩
こうとしてやめる。−誰かを道連れにしたければ、触ればいいんです
−先日病院で会った男性の幽霊の言葉が脳裏に浮かぶ。

 雨が学校へ行った後、朝晴は自室でベースを弾きながら作曲を続け
ていた。楽譜のタイトル欄には「雨」とある。そこへ部屋のベルが鳴
る。朝晴がドアののぞき口から様子をうかがうと、スーツ姿の見知ら
ぬ男性がいた。すると折り悪く真昼(浅見れいな)が朝晴を訪ねてや
ってくる。2人の男は自分たちが刑事であり、最近台湾で見つかった
日本人男性の死体が朝晴らしいので事情を聞かせてほしいと言う。真
昼は突然の話におろおろするが、そこへ暁子が現れ、朝晴は買い物に
出かけたと説明する。2人の刑事は意外そうな顔をするが、朝晴が不
在と知ると引き上げる。

 真昼はRoosterで、岳男(ブラザー・トム)、霧子(美保純)、北
斗(速水もこみち)に2人の刑事に聞かれたことを話す。北斗は「そ
んなのありえない。俺は朝晴さんと食事もしたし、ドライブもしたぜ」
と笑い飛ばす。岳男も霧子も同調するので、真昼は「じゃあ、朝晴さ
んに会ってないのは私だけなの?」と困惑する。

 そこへ雨がやってきたので、真昼は雨にも尋ねようと近寄るが、岳
男が「何か用かい?」と間に割ってはいる。雨は「暁子さんの誕生日
会があるから、ドレスを貸してほしい」と頼み、霧子は「いいよ、い
いよ」と雨を奥へ引っ張っていく。

 その夜、暁子の部屋で誕生日会が開かれる。雨が暁子の恋人のこと
を尋ねると、ニューヨークで活躍するカメラマンだと言う。朝晴が
「一緒に祝えなくて残念ですね」と言うと、雨は「でもこれからはず
っと一緒に祝えますね」と屈託なく言う。暁子は「そうね」と笑顔を
見せるが、どことなくぎこちない。

 雨はカメラを用意し、記念撮影をしようと提案する。朝晴は自分が
写るのかどうか心配になるが、暁子は「大丈夫」と小声で告げる。

 翌日、雨の友達が学校の図書室で心霊関連の雑誌を見ていた。幽霊
なんてバカバカしい、もしいたとしても写真に写るわけがないよと話
すのを雨は聞き、どこかひっかかるのを覚える。

 その日の放課後、校門のところで雨は件の2人の刑事に呼び止めら
れ、朝晴の件を尋ねられる。雨は朝晴は間違いなく帰国していると言
い張るが、2人の刑事は「まあ、一度連絡をもらえるようにお伝えく
ださい」と言い残して去る。

 雨は北斗に朝晴が幽霊ではないかと相談する。北斗は一笑するが、
雨の疑問は解けず「それなら写真に写ってるはず」と先日の誕生日会
の写真を撮りに行く。
 北斗は冷や冷やするが、写真には朝晴も暁子も写っていた。

 雨が帰ってくると、暁子の部屋に新しい住人、高柴史郎(上川隆也)
と不動産屋が来ていた。不動産屋は高柴がニューヨークで活躍する売
れっ子カメラマンであること、ここには半年いてまた帰ることを説明
する。それを聞いて雨は不審がるが、不動産屋も高柴もさっさと行っ
てしまう。雨は追いかけようとするが、そこへ真昼がやってくる。

 朝晴は自室で作曲をしていたが、ベランダの窓を叩く音がする。見
ると暁子が手振りで「早くこっちへ」と呼んでいた。朝晴が驚くと暁
子は雨が真昼と一緒にやってきたことを教える。朝晴は慌てて壁をす
り抜けて暁子の部屋のベランダへと逃げる。

 真昼が帰った後、暁子はベランダにやって来る。朝晴は「よく僕の
部屋のベランダに来れましたね」と感心すると、暁子は「命がけだっ
たんですよ」と答える。朝晴が暁子の部屋を見ると、がらんとしてい
るので、いぶかしく思う。暁子は「彼の荷物が多いので奥の部屋へ移
しました」と説明し、そして「高柴が越してきたら、もう私は今まで
のように助けることができません。頑張ってくださいね」と言う。朝
晴も「そ、そうですね」と頷く。

 翌日、北斗は朝晴の部屋を尋ねる。Roosterに刑事がやってきて朝
晴のことを聞かれたから、朝晴はたしかにいると誤魔化しておいたと
告げる。「誤魔化すって……」と朝晴が驚くと、北斗は「なんで言っ
てくれないんですか?俺にも協力させてくださいよ」と訴える。

 そこへマリアの顧問弁護士がやってくる。朝晴の代わりに北斗が応
対すると、顧問弁護士は「これは矢島向陽さんからのご提案です」と
封書を渡す。

 朝晴は、Roosterで岳男、霧子、北斗とともに対応策を協議する。
北斗は「そんなの無視すればいい」と息巻くが、霧子は「裁判になっ
たら朝晴くんは出られないわけだし、示談にするのも手かも」と提案
する。朝晴は「近いうちに雨に選ばせるつもりです。僕が雨に触ると
雨の生命力を奪うんです」と答える。

 岳男は「遺体の身元がわかるまでここにいたらどうだ?」と朝晴に
言う。しかし霧子は「身元がわかる前に朝晴くんから雨ちゃんに話す
べきよ。月江ちゃんときの二の舞になったらどうするの?」と反対す
るので朝晴は考え込んでしまう。

 雨が学校から帰ってくると、高柴の部屋から女性がゴミ袋をもって
出てくるところに会う。その女性は「あっ、これからよろしくね」と
雨に声をかける。雨は驚き「暁子さんはどこですか?」と尋ねると、
その女性は凍りつく。ちょうど高柴が部屋から出てきたので、雨は高
柴にも同じことを聞く。高柴は驚いた風に「なんで君が暁子のこと
を?」と尋ね、そして「暁子がいるはずがない、もう死んで4年にな
るのだから」と感情を押し殺したように言う。それを聞いて雨はショ
ックで硬直してしまう。

 高柴はななえというその女性とともに、雨に暁子のことについて話
す。それによると高柴は5年くらい前にこの部屋で暁子と暮らしてい
たことがあり、その後ニューヨークへ単身旅立った。が、1年後暁子
は進行の早いガンのため入院後わずか1ヶ月で亡くなったのだという。
雨は「なぜ帰ってこなかったのですか?」と高柴に尋ねると「俺にだ
って後悔がないわけじゃないが、手紙にはただ入院したという知らせ
だけだった。どうしようもないことだった」と答える。雨は「暁子さ
んはずっと待っていたんですよ」と目に涙をためながら告げるが、高
柴は「人間は忘れる生き物なんだ、そうでなきゃ生きていけない」と
雨の思いを斥ける。

 雨は放心の体で自分の部屋に戻り、涙ながらに暁子が幽霊であるこ
とを話す。
 雨は少し落ち着くと「なんで幽霊であること、教えてくれなかった
んだろう?」と朝晴に問いかける。朝晴は「自分が幽霊だなんて言え
ないだろう」と諭す。そして「あのお誕生日会、お別れ会だったのか
もな。暁子さん、高柴さんが幸せなのを見て、成仏したんだよ」とや
さしく言うが、内心複雑な思いでいっぱいになる。

 その夜、ななえは引越しの手伝いが一段落すると帰ると高柴に言う。
高柴は「泊まっていけよ、まさか暁子の幽霊のこと……」と聞くと、
ななえはうつむいてしまう。高柴は「忘れろよ」と言ってななえを抱
き寄せ、キスをする。すると間近に憎々しげな眼差しで2人を見る暁
子が立っていた。

 雨は自分の部屋で暁子の誕生日会の写真を眺めていたが、急になな
えの悲鳴が聞こえてきて驚く。雨は朝晴とともに暁子の部屋に駆けつ
けると、そこには憎悪の念をたぎらせて2人を追い詰めていく暁子の
姿があった。ななえは「許して、暁子に悪いとは思ったけど彼のこと
好きになってしまったの」と言えば、高柴も「俺のことはどうしても
いいが、ななえは許してやってくれ」と叫ぶ。

 しかし暁子は「黙れ!」と言って波動でななえを壁に叩きつけ、高
柴の首を締め上げる。暁子は「約束したのに、何かあったら必ずかけ
つけると。なのにこの男は裏切った。私が死んでも帰ってこなかった」
と力をこめて高柴の首を絞めつける。雨が「やめて!高柴さんが好き
で、ずっと待ってたんでしょ」と叫ぶが、暁子は「違う、私は復讐し
たかったのよ。私を見捨てたこの男に罰を与えるために」と不気味に
笑う。

 雨は「うそ、暁子さんはそんな人じゃない。私は暁子さんが幽霊で
あっても好き。暁子さんを忘れる男なんて忘れればいいじゃない。殺
す価値もない!」と涙ながらに訴える。すると暁子の絞める手が緩む。
雨は「忘れようよ、もう」と言うと、暁子はようやく落ち着きを取り
戻す。

 マンション屋上。暁子は朝晴と雨に「私はずっと史郎を待っていた
の。離れていてもわかってくれる。だから手紙にも病名を書かなかっ
た。でも本当は恐かったのかもしれない。苦しかった。でもこの2ヶ
月間は楽しかった。桜井さんと雨ちゃんとしゃべっていると苦しさを
忘れられたの」と話す。

 雨は「今晩は3人で一緒に寝よう」と暁子を誘う。朝晴の部屋に蒲
団を敷き、3人並んで寝ながら、雨は「これから3人で一緒に暮らそ
う」と言う。しかし暁子は「ダメよ。何人も幽霊を見たからわかるで
しょ。幽霊は成仏するのが一番なのよ」と微笑みながら言う。朝晴は
複雑な表情でその話をじっと聞いている。雨は「今度一緒に遊園地に
行こうよ。それと夏には長野の祖父母の実家に」と泣きながら言う。
しかし暁子は「人間はいつか死ぬものよ。それは避けられないこと。
だから最後まで笑顔でいて。雨ちゃんたちと一緒にいた時間は誰かが
くれた最高の贈り物だった。死ぬのも悪くないって思えた。ありがと
う、雨ちゃん、ありがとう桜井さん」と穏やかな口調で言う。朝晴も
「ありがとう、暁子さん」とお礼を言う。その瞬間、暁子の姿は消え
る。

 翌日、雨が高柴を訪ねると、高柴は荷造りを始めていた。ここを出
てななえのところへ行くのだという。雨は「これだけが残ってました。
お返しします」と高柴にネックレスを差し出す。しかし高柴は「やっ
ぱりこれは雨ちゃんに残したものだよ」と言って雨に返す。

 その夜、朝晴はリビングでベースを弾きながら作曲をしている。雨
は自室で暁子のネックレスを握りしめながら、ふと暁子の誕生日会の
写真を見、愕然とする。その写真には朝晴と暁子の姿がなかった。一
方、リビングでは無人のベースの音が鳴っていた。


寸  評  内容の濃い回でした。暁子が幽霊であることが徐々にはっきりし
ていって、最後に朝晴と雨がどういう結論を出していくべきかを橋渡
しするようにして去っていく、見ていて飽きない展開でした。暁子が
成仏することを身を持って選んだ行動には説得力があります。
 一方で、暁子の姿が誰にでも見えるのは結局なぜでしょう?当初の
設定では心が通じてなければ霊は見えないということなので、高柴に
暁子の姿は見えないのが普通の気が……。ドラマはフィクションです
が、リアリティーがなくてはストーリー上の都合というのが見えてき
て、面白味が薄れてしまうような気がします。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 先週末にノドをいため風邪をひいてしまいました。自分だけかと思っていま
したが、周囲でも結構風邪をひいた人が多く、流行っているみたいです。今年
は4月なのに一部の地域でインフルエンザが流行っていたりもしたし、少し変
な感じですね。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
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